新社会人になる皆さん。おめでとうございます。そして、ようこそビジネスの世界へ。
私もかなり遠い昔ですが、初めて会社で働き始めた時は、希望と大きな不安の両方の気持ちを持って社会人になったことが今でも鮮明に覚えています。
そして長く、社会人をやっていると、自分自身の体験だけでなく後輩や部下を見ていて感じることが多くあります。
その中のひとつに、新社会人になった時に知っておきたかったことがたくさんあることです。
できるできないではなく、知っているだけで、実際の社会人としての経験をもっと活かせたことが多くあります。
この記事では、私と私の先輩後輩や部下が感じていたことをまとめて、新社会人の皆さんが、真っ先に自分の「脳内OS(思考の基本ソフト)」にインストールしておくべき仕事の本質を、20個に厳選してQ&A形式で紹介します。
また、この記事では新社会人向けよく紹介されるマナーや名刺交換やPDCAなどの解説はありません。
当然社会人として必要なことですが、紹介する記事は他にもたくさんありますので、そちらを参照下さい。
それ以上に大事なことはたくさんあります。それらを厳選して、Q&A形式で20個紹介します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、年次ごとに紹介 知っておきたい仕事の本質)
- 「そもそもなぜ人は働かないといけないのですか?」
- 「仕事をおこなうスタンスで大事なことは何ですか?」
- 「ビジネスで一番大事なことはなんですか?」
- 「論理的な思考が苦手です。社会人としてやっていけますか?」
- 「働くとは結局何をすればいいのでしょうか?」
- 「ビジネスで使う用語を覚えるのが難しそうに感じます。」
- 「知識を増やせば、能力は上がりますか?」
- 「自分のキャリアプランをどう考えればいいかわかりません」
- 「入社3年間でどのようなステップを踏むのがおススメですか?」
- 「若い間に経験しておいた方が良いことはどんなことがありますか?」
- 「成長したいですが、そもそも成長って何ですか?」
- 「仕事を覚える際に意識すべきことは何ですか?」
- 「誰も褒めてくれないし、ミスばかり。モチベーションが続きません」
- 「働き始めると、仕事で疲れて、勉強する時間も気力もなくなりそうです。」
- 「新人が率先して電話に出なきゃいけない理由はなんですか?」
- 「リモートでいいはずなのに、わざわざ出社する意味って何ですか?」
- 「初めて会社で働くので、指示されたことをちゃんと理解できるか心配です」
- 「仕事におけるコミュニケーションで大事なことはなんですか?」
- 「上司に報告する際にどのようなことを気をつければいいですか?」
- 「この会社、合わないかも。と思った時の考え方を教えて下さい」
- まとめ
「そもそもなぜ人は働かないといけないのですか?」
A:1人では生きていけないので他の人に役立つ行動が必要
人は残念ながら1人では生きていけません。他の人がいなければ、食料を手に入れることもできないし、家を建てて生活することもできません。
もちろん、他の人のサポートだけを受け続けることができればいいのですが、そんな身勝手なこともできません。
したがって、「他の人の役に立つ行動(=価値の提供)」をおこなうことが必要になります。これが働く本来の意味であり、社会の仕組みです。
(詳しくは、なぜ働かないといけないのか?をわかりやすく解説を参照)
「仕事をおこなうスタンスで大事なことは何ですか?」
A:「価値」を提供する「行動」で「お金」を得ること
これが仕事の本質です。「価値」とは他の人の役に立つこと。「行動」とは価値の実現のために動くこと。「お金」とは価値の大きさによっていただけるもの、この3つの組み合わせが仕事です。
ということは、会社に「雇ってもらう」という受け身の姿勢ではなく、自ら「価値を提供して対価を得る」という対等なパートナーシップ(ウィンウィン)を意識しましょう。
(詳しくは、仕事とは?を「価値」「行動」「お金」3つのキーワードで解説を参照)
「ビジネスで一番大事なことはなんですか?」
A:人に動いてもらうこと
すべてはこれにつきます。会社にお金を払ってくれる唯一の存在はお客様です。そのお客様に自らの意思でお金を払うという行為を行ってもらえるかを会社は一生懸命考えています。
会社のお金を使ってもらう時も同じです。商売・ビジネスは、このように人に動いてもらう以外成り立たないのです。
まずはできるできないに関わらず、この本質を知っておきましょう。
(詳しくは、「商売・ビジネスの本質」をわかりやすく解説を参照)
「論理的な思考が苦手です。社会人としてやっていけますか?」
A:やっていけます
人は感情で動く生き物です。数万年前の狩猟採集時代の思考から進化していないそうで、昔の先入観や経験則で判断することが大事だったDNAを引き継いでいます。
誰もが論理的な思考よりも、感情的な思考のほうが得意なのです。
ただ、論理的な思考を求められるのも事実です。論理的思考は後天的なスキルなので、焦らず少しずつ習得していきましょう。
(詳しくは、誰もが持っている「思考の癖」をわかりやすく解説を参照)
「働くとは結局何をすればいいのでしょうか?」
A:解くべき問題を特定しその問題を取り除くこと
これを課題解決と言います。会社には日々、大小さまざまな問題が発生します。
しかし、すべての問題に手をつけるのは現実的ではありません。
限られた時間の中で、「どの問題を解決すれば最も大きな成果が出るか」を特定し、その障害を取り除いていくのが仕事です。
ただ、課題解決は大きなことから小さなことまでたくさんあります。まずは、小さな課題から取り組みましょう。
(詳しくは、課題解決とは?意味・考え方・進め方をわかりやすく解説を参照)
「ビジネスで使う用語を覚えるのが難しそうに感じます。」
A: ビジネス用語には正解がないことを知っておく
ビジネス用語を学ぶ際にとても大事な前提があります。普段使うビジネス用語には正解がないことです。
ビジネス用語には「実物」がなく、「実体」しか存在しないからです。
実物とは、誰が見ても形が変わらないものでノートやボールペンなどです。
一方「実体」とは、戦略や組織のように、形はないが確実に機能している概念です。
定義が人によりズレるからこそ、まずは「自分なりの定義」を仮置きすることが大切です。
(詳しくは、ビジネス基礎知識を学ぶ大前提「言葉の定義に正解はない」を解説を参照)
「知識を増やせば、能力は上がりますか?」
A:必ずしもそうとは言えません
知識と能力の関係は、わからないからできない(知識も能力もない)→わかるけどできない(知識はあるが能力はない)→できる(知識・能力の両方がある)というステップを踏みます。
能力を上げるには、まずは知識が必要で、その知識を使えるようになることで能力化できます。
まずは、たくさんの知識を得る(知っていることを増やす)ことから始めましょう。さまざまな業務を経験することと本を読むことがおすすめです。
(詳しくは、「知識と能力とスキルの関係」をわかりやすく解説を参照)
「自分のキャリアプランをどう考えればいいかわかりません」
A:まずは2段階で考える
多くの人が同じ悩みを抱えています。現時点では悩む必要はありません。
ただ、考え出すことは大事です。その際の考え方のポイントは2段階で考えることがおススメです。
第一ステップは、リーダーマネジャー職か専門職か?第二ステップはゴールから考えるか?流れで考えるか?です。
今明確に先のことが決まっていない場合は、リーダーマネジャー職で第二ステップはどちらでもかまいません。結果として、給料アップとキャリアの選択肢が広がる可能性が上がるからです。
(詳しくは、たった2ステップ キャリアプランの考え方をわかりやすく解説を参照)
「入社3年間でどのようなステップを踏むのがおススメですか?」
A:1年ごとに3つのステップを踏みましょう
1年目は、1つの成功体験を経験することを目指します。
2年目では、成功体験で得た1つのノウハウを徹底的に横展開します。最初はうまくいきますが、すぐに壁に当たる経験を踏みます。
3年目は新しい成功体験を得ることと、新しいノウハウを得るコツを習得します。これにより、成功体験→ノウハウ化の方法が分かります。
この3ステップで「成功の再現性」を身につければ、4年目以降の成長スピードは劇的に加速します。
(詳しくは、社会人最初の3年間で踏んでほしい「成長の3ステップ」とは?を参照)
「若い間に経験しておいた方が良いことはどんなことがありますか?」
A:目の前の人に商品を売る経験
単に商品を売ったという事実以上に、お客様がどのようなプロセスを経て商品を購入するのかを肌で感じとれるからです。
お客様と直接接しない仕事をするにしても、商品が売れる現場をリアルに想像できるようになります。
お客様だけがお金を払ってくれる唯一の存在です。この事実を心底理解して仕事に取り組むことで、仕事への充実度が格段に上がります。
(詳しくは、社会人の最初の3年間で経験してほしいたった1つのことを参照)
「成長したいですが、そもそも成長って何ですか?」
A:今と違う自分になること
これは、「知らないことを知る」、「できないことができるようになる」の2つに分解できます。
また、成長の目的を知ることもとても大事です。
「選択肢を増やすこと」が成長の目的です。選択肢あることで自分の人生を選べるようになります。
成長することで、結果として選択肢は必然的に増えていきます。さらに重要なのは、会社でさまざまなことを任される可能性が高まることです。
これは、上司からの期待値が上がるためです。これによりさらに成長の機会を得ることができます。
(詳しくは、「成長とは?」「成長する方法とは?」をわかりやすく解説を参照)
「仕事を覚える際に意識すべきことは何ですか?」
A:「徹底的に真似る」「徹底的にパクる」
理由は4つあります。
① すでに試されたことだから
② 基礎能力が早く上がるから
③ みんなやっているから
④ 新しいやり方につながる唯一の道だから
基礎がなければ、新しいものを生み出すことはできません。自分独自の色を出す意識も大事ですが、まずは、「徹底的に真似る・パクる」を実践することで基礎力が早く上がります。
その上で、独自色を出すのが一番早い道筋です。
(詳しくは、「徹底的に真似る」「徹底的にパクる」ことの重要性を参照)
「誰も褒めてくれないし、ミスばかり。モチベーションが続きません」
A:自分で自分をほめる方法を知っておくことがとても大事
ほめられることが自分自身の成長に大きく関わります。
ただ、物理的な距離(テレワーク等)により、上司や先輩が皆さんの良い行動を「偶発的」に見つける機会が減っています。
また、近年はコンプライアンス意識の高まりもあり、上司側も「どこまで踏み込んで指導すべきか」を遠慮している側面があります。
これにより、上司が部下との指導的なコミュニケーションを遠慮してしまうことも起きています。
だからこそ自分で自分をほめる方法を知る必要があります。
(詳しくは、今の時代は「自分で自分をほめる方法」が必須スキルを参照)
「働き始めると、仕事で疲れて、勉強する時間も気力もなくなりそうです。」
A: 1日15分でいいので、勉強する習慣をつけてほしい
気持ちはよくわかります。ただ、1日15分でいいので、勉強する習慣をつけてほしいです。
わずか15分でも、1年積み上げれば約90時間。これは「一週間丸ごと勉強し続ける」に匹敵する膨大な時間です。
おススメは、ビジネス書を読むことと、文章を書くことです。
ビジネス書を読むと深い知識を得ることができます。また、文章を書くと論理的思考が取得できるだけでなく、知識を能力に変えることができます。
SNSへの投稿でも同じ効果を得ることができます。
(詳しくは、「社会人の勉強」おススメするたった2つのことをわかりやすく解説を参照)
「新人が率先して電話に出なきゃいけない理由はなんですか?」
A: 新入社員が会社に貢献できる「役割」だから
知らない人の電話を受けることは戸惑うと思います。ただ、新入社員が会社に貢献できる「役割」でもあります。
電話対応業務は、会社にとって必ず発生する業務ですが、誰でもすぐにできるようになる業務でもあります。
このような性質を持つ業務だからこそ、各自が「その時しかできない仕事」に集中することが、組織の成果を最大化します。
新人の皆さんが電話を担うことは、先輩たちに「より難易度の高い仕事」に集中する時間を提供しているという立派な貢献です。
最初は緊張するかと思いますが、慣れれば誰でもできます。
(詳しくは、なぜ新入社員が電話を取る必要があるのか?を解説を参照)
「リモートでいいはずなのに、わざわざ出社する意味って何ですか?」
A:自分で自分を守るため
新人のうちは、「他人の仕事が目や耳に入る環境」に身を置くことで、無意識のうちに学べる情報量がテレワークとは桁違いに多くなります。
仕事の能力が上がれば、給料アップや良い会社への転職といった選択肢が広がります。これにより、自分で自分を守れるようになります。
もちろん、テレワークにも大きなメリットがあります。
しかし、これらのメリットと出社のメリット・デメリットを総合的に比較・判断した結果、新入社員や環境に左右されやすい人にとっては、出社する方が長期的なメリットがあります。
(詳しくは、なぜ出社しなければならないのか?をわかりやすく解説を参照)
「初めて会社で働くので、指示されたことをちゃんと理解できるか心配です」
A:指示内容の目的・課題を明確にする
「この作業をお願いします」と指示されたら、この作業の目的を考えたり聞くことが大事です。
そんなことはわかっていると言われそうな、誰でも知っている当たり前のことです。
ただ、これを誰もが必ずできているかといえば、私を含めてできていないことが多いと思います。
なぜなら、常に意識しておかないと人の特性として忘れたり避けたりしてしまうことだからです。
(詳しくは、打ち手を考える前に必ず必要なたった一つのことを参照)
「仕事におけるコミュニケーションで大事なことはなんですか?」
A:相手に動いてもらうこと
コミュニケーションの目的は「相手に動いてもらうこと」です。この目的を常に頭の片隅に置いておきましょう。
仕事は一人では完結しません。目上である上司や先輩にチームの成果が最大になるように動いてもらう必要性が発生します。
これらをスムーズにおこなうためにコミュニケーションが存在していると言えます。
ただ、あくまでコミュニケーションとは手段です。手段には目的があり、その目的が相手に動いてもらうことです。
(詳しくは、仕事におけるコミュニケーションの本来の目的とは?を参照)
「上司に報告する際にどのようなことを気をつければいいですか?」
A:最初に大枠を伝える
相手の脳内に「今から何の話をするか」という棚(フレーム)を先に作ってあげるイメージです。
結論から話すことで、相手は安心して詳細を聞くことができます。
これが、何かを伝えたい時に伝わりやすく、相手に行動をおこしてもらいやすくなる方法です。
理由は①相手の頭の中を整理できる②推測の弊害をなくせる③前提をそろえることができるからです。
(詳しくは、伝え方の基本 「大枠から詳細へ」をわかりやすく解説を参照)
「この会社、合わないかも。と思った時の考え方を教えて下さい」
A:20代で2社目を退職しないこと
1社目を早期に退職すること自体は珍しくありませんが、「2社連続の早期退職」となると、市場からの信用がガクンと落ちるのが現実です。
これにより、経験社数と反比例して転職時の書類通過率が大きく下がります。
20代で2社目の転職先を探すのと、3社目以降を探すのとでは、難易度が格段に上がります。
採用責任者として書類審査をする際、2社目を探している求職者であれば「1社目がたまたま合わなかったのかもしれない」と考えますが、3社目や4社目を探している履歴書を見ると、求職者側にも何らかの問題があると考えてしまうからです。
(詳しくは、20代の転職、失敗しないための4つの考え方を参照)
まとめ
様々なテーマを紹介しましたが、まずは「知っているだけ」で大丈夫です。
沢山の初めての仕事をおこなうので、とても余裕がないと思います。
ただ、これらのことを知らずに仕事を覚えていくのと、知っておいて、仕事を覚えていくのでは、将来大きな差となります。
最初は「できない自分」に直面し、苦労することもあるでしょう。
しかし、この20のOSをインストールしたあなたなら、必ず壁を乗り越えていけます。一緒にがんばっていきましょう。


