皆さんは「真似る」「パクる」「盗む」という言葉に、どのような印象を持ちますか?
多くの方が、ネガティブで、どこか「やってはいけないこと」のように感じるのではないでしょうか。
しかし、私は社会人の基本スキルとして非常に重要なことの一つが、「徹底的に真似る・パクる」ことだと考えています。
もちろん、法や倫理に反する方法は許されませんが、これはぜひとも身につけていただきたいスキルなのです。
この記事では、徹底的に真似る・徹底的にパクることの重要性について分かりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
「徹底的に真似る」「徹底的にパクる」が大事な理由
・すでに試されたことだから
・基礎能力が早く上がるから
・みんなやっているから
・新しいやり方につながる唯一の道だから
この4つが大事な理由です。
「徹底的に真似る」とは、模倣する、似せる、見習うといった行為と同様です。これは、他の人や先人、あるいは企業などの行動を参考にすることを意味します。
「徹底的にパクる」とは、言葉のニュアンスとして「盗む」「かっぱらう」「かすめ取る」といった行為と近いかもしれません。
ちなみに、「徹底的にパクる」の略語として「TTP」という言葉が使われることもあります。
これは「TETTEI TEKINI PAKURU」の頭文字を取ったもので、日本語の読み方をそのままアルファベットにしたものです。
4つの理由をわかりやすく解説します。
すでに試されたことだから
他の人が試して良かったこと
他者が実践していることは、多くの場合、その人にとって有効性が確認された方法である可能性が高いと言えます。
先人の知恵や独自のノウハウなど、その内容は多岐にわたりますが、少なくとも「うまくいく方法」が選択されているケースが多いのです。
したがって、それらを真似たりパクったりすることで、成果を出しやすく、また効率的に業務を進められる可能性が高まります。
基礎能力が早く上がるから
多くの経験を効率的に積むことができる
・ゼロから自分で考えて行動する
・うまくやっている人の行動を真似る
この二つの方法では、どちらがより早く成果を出せるでしょうか?
間違いなく、後者です。
また、同じ時間でより多くの経験を積めるのは、どちらでしょうか?
こちらも間違いなく後者です。
ゼロから自分だけで考えても、先人たちが試行錯誤の末に生み出してきたアイデアを超えるものを、そう簡単には思いつけません。
結果として、既に成果を上げている人と同じような結論に至り、遠回りをしてしまうことになりがちです。
もちろん、自分でゼロから考えることで得られるものも確かに多くあります。
しかし、その一つの行動単体で見るのではなく、同じ時間軸で考えた場合、どちらがより多くのものを得られるでしょうか?
ゼロから新しいことを考えて一つの行動を起こす間に、既に成果を上げている人のやり方を真似れば、複数の行動を試すことができます。
人の能力向上は、実践した行動の量、つまり経験の量に比例すると言えるでしょう。
したがって、「真似る・パクる」方が、能力向上に繋がりやすいのです。
自分のやり方に固執する人も少なくありませんが、そのこだわりにかける時間を、より多くの経験を積むために使った方が、結果として速い成長に繋がります。
みんなやっているから
実は、優秀な人を含め、誰もが実践している
新しく会社に入れば、周囲の人から様々な業務を教わります。そして、まずは教わった通りに実践するでしょう。
また、疑問点があればインターネットで検索したり、関連書籍を読んだりするはずです。
インターネット上の情報や書籍の内容も、その多くは先人たちの経験に基づいており、それらを参考にする時点で、私たちはすでに「真似る」「パクる」という行為をしているのです。
これは決して悪いことではなく、他者の有効なノウハウは、意識的か無意識的かにかかわらず、誰もが取り入れているものなのです。
新しいやり方につながる唯一の道だから
基礎がなければ、新しいものを生み出すことはできない
例えば、テニスを始めるとしましょう。その際、いきなり試合に勝つための高度な戦術を考えるでしょうか?
おそらく、考えもつかないでしょう。なぜなら、基本的な技術や知識、つまり基礎能力が備わっていないからです。
まずは、ラケットの正しい振り方や基本的なゲームの進め方などを教わります。そして、教わったことを繰り返し真似て実践することで、少しずつ上達していくはずです。
その段階に至って初めて、現在の自分のスキルでどのように戦えば試合に勝てるのかを考え始められるのです。
仕事においても、これは全く同じです。まずは土台となる基礎能力をしっかりと身につけることから始める必要があります。
そして、その基礎が固まった後にこそ、新しいやり方や独自の工夫を考え出すことができるようになるのです。
基礎能力を早期に習得するためにも、「徹底的」に真似て、多くの経験を積むことが極めて重要なのです。
真似るパクるの実践方法
まずは方法、次に仕組み
それぞれ解説します。
まずは「方法」を真似る・パクる
最初のステップとして、他者が実践している「方法」をそのまま真似て、取り入れてみましょう。
ここで重要なのは、あくまで「方法」や「プロセス」を模倣するのであり、単にアウトプット(成果物)の表面だけを真似るのではない、という点です。
まずは、様々な方法を実際に体験し、多くの実践例に触れることから始めましょう。
例えば、先輩が行っているスケジュール管理術、企画書の構成や書き方、上司への効果的な報告スタイル、PC内のファイル整理術などを徹底的に真似て、自分のものにしていきましょう。
対象は先輩に限りません。上司、顧客、あるいはYouTubeなどのオンラインコンテンツで紹介されている優れた方法なども、積極的に取り入れ、実践してみましょう。
その結果として、多くの経験を積むことができ、基礎能力の向上に繋がります。
次に「仕組み」を真似る・パクる
基礎能力がある程度向上したら、次のステップとして、成功している「仕組み」そのものを真似て、応用することを考えましょう。
具体的な事例を挙げてみましょう。
例えば、楽天市場やAmazonは、「買いたい人」と「売りたい人」をプラットフォーム上でマッチングさせ、取引額の一部を手数料として得るというビジネスモデルを確立しています。
この「マッチングモデル」は、リクルートがかつて紙媒体の情報誌において、転職希望者と採用企業を広告を通じてマッチングさせたことで広く知られるようになりました。
当初は主に職業紹介の分野で用いられていましたが、リクルートはこのマッチングビジネスの「仕組み」を、不動産売買、賃貸情報、宿泊予約、結婚式場探しといった多様な分野へと横展開していきました。
そしてこの「仕組み」は、インターネットサービスの世界にも応用され、楽天市場やAmazonのような総合ECサイトから、ZOZOTOWNのようなアパレル専門サイトなど、様々な形で広がっています。
これはまさに、マッチングビジネスという普遍的な「仕組み」を、紙媒体からインターネットへというメディアの変化に対応させ、さらに総合サービスから専門特化型サービスへと巧みに横展開した事例と言えるでしょう。
一見すると、宿泊予約サービスとZOZOTOWNのようなアパレルECサイトは全く異なるサービスのように思えるかもしれませんが、根底にある「買いたい人と売りたい人(またはサービス提供者と利用者を繋ぐ)」という「仕組み」は共通しているのです。
このように、根幹となる「仕組み」を模倣したとしても、提供されるアウトプット(サービスや商品)が異なれば、それは全く新しい、独自の価値を持つものとして認識されるのです。
したがって、成功しているビジネスやサービスの「仕組み」を深く理解し、それを他の分野や領域に応用できないかと思考を巡らせることが、「仕組みを真似る・パクる」ことの本質と言えるでしょう。
なぜなら、応用された結果として生まれるものは、外部から見れば独創的な新しい取り組みに映るからです。
真似る・徹底的にパクるが大事な理由の「まとめ」
・すでに試されたことだから
・基礎能力が早く上がるから
・みんなやっているから
・新しいやり方につながる唯一の道だから
この4つが大事な理由です。
まずは方法、次に仕組み
上記の順番で真似る・パクるを実践してみましょう。
他にも成長につながるスキルについて以下の記事を書いています。参照下さい。
- 「成長とは?成長する方法とは?」
- 少しの工夫で「成功体験」を積む方法
- 新社会人3年間の「成長のステップ」
- 最初の3年間で経験してほしい「たった1つのこと」
- 同じ時間で「多くの業務経験」が積める方法
- 「管理職になりたくない」と思った時に知っておいてほしいこと
- 転職検討前に「履歴書」「職務経歴書」を作るメリット
- 「ブラック企業減」が、人の成長のブラック会社を増やす理由
- 自分の「お金・時間」を使う際「投資かコストか」を意識する
- 「自分で自分をほめる方法」
- 「知識を得るコツ」 深狭?広浅?
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