良い会社の見分け方 上司の正解探しをしない

11.良い会社の環境
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自分の考えは置いておいて、上司が何を考えているかの「正解探し」をしていませんか?

もし「自分には当てはまらない」と感じるなら、あなたはとても良い組織にいると言えます。

なぜなら、「上司の正解探し」が蔓延(まんえん)している状態は、組織にとって極めてネガティブな危険信号だからです。

この記事では、上司の正解探しをするという現象の奥底にある、とても大きな問題を分かりやすく解説します。

皆さんが、今いる組織に所属し続けるかどうか、また転職の際の参考になる情報を提供いたします。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、会社の環境を見極める 良い会社の見分け方

上司の正解探しをする組織は何が問題?

組織の末期症状を表わす現象だから

理由は以下の3つです。

・現場は上司の言うことしかしなくなる
・経営層は何をしたらいいか見失っている
・これから業績が悪化する、もしくは業績がさらに悪くなる

まずは、上司の正解探しをする状態を明確にした上で、それぞれがなぜ末期症状なのかを解説します。

上司の正解探しをする状態とは?

自分の意見ではなく、上司が何を考えているかを当てることに必死な状態です。

この案件は上司ならどのように考えるだろうと気を回し、きっとこのように考えるだろうから〇〇な報告や行動をしようと考えている状態のことです。

上司とは、直接の上司だけでなく、部長や経営層も含みます。

現場は上司の言うことしかしなくなる

言っても無駄だと思っている状態になると、現場は上司の言うことしかしなくなります。

「指示待ち人間」という言葉がよく使われますが、本質は違います。

現場はサボっているわけではありません。「どうせ言っても通じない」と諦めているからこそ、怒られないために「上司の脳内にある正解」を必死に探しているのです。

下手に上司の想定外な行動をして、目を付けられないように自衛しているのが本質です。

経営層が何をしたらいいか見失っている

経営層が「進むべき方向性(ビジョン)」を示せていれば、組織は迷いません。

しかし、今までのやり方が通用しない現代において、過去の成功体験という井戸の中に閉じこもり、新しい方向性を示せなくなっている経営層が少なくありません。

業績が悪化する、もしくは業績がさらに悪くなる

このような状況で業績が上がることはありません。

現場が最低限の仕事しかせず、上層部も思考停止している状態では、企業の成長は見込めないからです。

それどころか、焦った経営層が冷静さを欠き、さらに間違った舵(かじ)取りをしてしまうケースも少なくありません。

なぜ上司の正解探しをする組織になるのか?

負のサイクルが回ってしまう

会社が今存在しているということは、どんな会社でも必ず成長期があったはずです。

なぜなら、会社は成長し続けなければ新しい人を採用できないからです。

今みなさんが採用されて給料をもらえている事実こそが、かつてその会社が成長していた証拠と言えます。

ただ、成長期が終わると、業績低迷により余裕の喪失と短期成果の呪縛が起きます。

その結果組織には以下の3つのことが起きます。

・心理的余裕の消滅(生存本能の暴走)
・「間違えられない恐怖」の連鎖
・社外ではなく社内の犯人探しが始まる

これらにより、上司の正解探しをする組織が出来上がるのです。

それぞれ解説します。

心理的余裕の消滅(生存本能の暴走)

業績が下がると、経営陣や上司は「今月の数字」「目前の成果」にしか目を向けられなくなります。

じっくり部下の意見を聞く、新しい挑戦を試すといった「未来への投資(時間的・精神的余裕)」は完全に枯渇します。

経営の視線が「今月の数字」だけにロックされると、マネジメントの本質は消え去り、どうしても現場を圧迫する(詰め寄る)方向に進んでしまうのです。

「間違えられない恐怖」の連鎖

失敗が許されない状態になるため、上司は最も確実(に見える)な、自分の過去の成功体験を押し付け始めます。

これが現場にとっては「上司の正解探し」の強制の始まりです。

その結果、心理的安全性ゼロの職場となり、意見を言うと否定される、または役職の高さで論破されます。

また、忖度のゲーム化がおき、どう組織を良くするかではなく、「どう上司の機嫌を損ねないか」が仕事のゴールになります。

結果、思考停止とイノベーションの枯渇が起きます。

上司の知識・経験の範囲内でしかアウトプットが出なくなるのです。

社外ではなく社内の犯人探しが始まる

このような組織になると、社内の誰が悪い、どの部署が悪いなどの犯人探しが始まります。

本来であれば「お客様のニーズに応えられなくなっていること」が本当の課題であるはずですが、組織はそこから目を背けます。

なぜなら、本当の課題に向き合うためには、自分たちの「今までのやり方」を大きく変えなければならないからです。

人はそう簡単には変われません。その結果、自分を守るための防衛反応として「社内の犯人探し」に走ってしまうのです。

そうなると、誰もが、犯人扱いされたくないので、本来サービスを提供するお客様そっちのけで、社内政治に走ります。

ここまでいくと、正しいことを提案するよりも、上司に嫌われたら終わりなので、上司の正解探しが組織風土として定着するのです。

注意点

上司の正解探しが「目的」ではなく「手段」なら問題なし

上司の正解探しがすべて悪いことではありません。上司の正解探しが目的になると問題ですが、手段であれば問題ありません。

手段の場合の具体例は、何かの提案を上司に了承してもらうために、上司の正解と思うことを想定した上で、提案することで了承の可能性が上がります。

このように手段として使う場合は全く問題がないですし、逆に常に意識して活用したいことでもあります。

上司の正解探しをする会社かどうかの判別方法

今働く会社はすぐにわかるでしょうが、転職先として考える会社がこのような組織になっているかの判別方法があります。

・したいではなくすべきが多いかを確認
・変化しているかを確認

それぞれを解説します。

したいではなくすべきが多くなる

すべきが多くなると表面的なことにすべきことが多く現れます。

・社内で役職をつけて呼ばなければならない
・社章を付けなければならない
・同じような服装をしなければならない
・ネクタイをしなければならない

表面的なことですが、このようなことでかなり分かります。

「ねばならない」が進むと普通はどちらでも良さそうなことが強制されるようになります。

経営層や管理職が「能力」で現場を掌握できなくなるので、役職や外面で人を制御しようとし出すからです。

変化しているかを確認

・古い会社で成長が止まっている
・昔のビジネスモデルに固執
・物事を変える提案ができる

古い会社で成長が止まっている期間が長いと、多くは過去の成功体験にとえらわれて変化できません。結果、成長が止まった(もしくは下がり続ける)状態になります。

また、元々持っていたビジネスモデルが優秀すぎる場合も大きな問題となります。

楽に利益が出る状態が長く続いた結果、そこで働く人たちは「変化」ではなく「既得権益を守ること」しか考えなくなります。

また、オープンな提案ができるかどうかでも変化しているかわかります。

面接等でまっすぐ「御社で最近おこなわれた改革にはどのようなものがありますか」と聞いてみましょう。その答えでおおよそ判定できます。

もし、具体的な挑戦の話が出てこず、濁されるようなら注意が必要です。

本来、業務改善の提案は喜ばれるべきですが、内向きな組織では、それを「上層部の過去の仕事への否定」と捉えて不機嫌になる人がいるのです。

まさに組織のいたるところに「地雷」が埋まっている状態です。

だからこそ、現場は自衛のために下手な提案を止め、上司の正解探しに没頭せざるを得なくなります。

まとめ

今回は、「上司の正解探し」という現象から見えてくる組織の病理と、そんな会社を見分けるポイントについて解説しました。

もしあなたが今、「上司に怒られないための正解」を必死に探す毎日に疲弊しているなら、声を大にして伝えたいことがあります。

それは、あなたの能力不足でも、努力不足でもありません。

業績の焦りや過去の成功体験に縛られ、自ら変わる殻を破れなくなった組織が引き起こしている「構造的な病理」です。

そんな「いたるところに地雷が埋まった組織」で、あなたの貴重な20代の時間を消費してしまうのは、あまりにももったいないことです。

転職活動の場や日々の企業研究の中で、今回ご紹介した以下の2つの視点をぜひ意識してみてください。

・「したい」ではなく「すべき(ねばならない)」があふれていないか

・過去の成功体験を否定してでも「変化」しようとしているか

上司の顔色を伺うゲームを捨て、自分の頭で考え、お客様のためにのびのびと打席に立てる。

そんな「本当に良い会社」は必ず存在します。この記事が、皆さんが自分らしく輝ける職場を見つけるための参考になれば幸いです。

他にも「良い会社の見分け方」で以下の記事を書いています。参照下さい。