問題解決・課題解決をする際に、問題が大きな状態や総論の状態で解決策を考えると、正しい答えにたどり着きません。
問題解決・課題解決をおこなう際は、そもそもの原因を特定することがとても大事になります。
その際に、問題・課題を「解ける大きさに分解する」方法を知っておくととても便利です。
解くべき問題・課題を特定する確率が大きく上がるからです。
この記事では、分解する方法のひとつである「流れで分解する」方法について、わかりやすく解説します。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが、書いています。
(あわせて読みたい 課題解決の考え方と課題設定・戦略立案に使えるフレームワークまとめ)
流れ(フロー)で分解する「目的」
- 問題解決は解くべき問題・課題を特定することがスタート
- 解くべき問題・課題は、業務と業務のどこかの間にある
物事を考える際に解くべき問題を特定することが大事です。そして、解くべき問題は業務と業務の間にあります。
流れ(フロー)で分解する「方法」
具体的な問題で考えてみましょう。
私たちは、中途採用の担当者と仮定してください。
転職サイトに広告を出しています。5名の採用をしたいですが、現状0名です。「改善策を出してください。」と上司から言われたどう考えますか?
仮にあなたが上司の立場だとします。「採用が0名なのが問題です。広告掲載スペースを倍にすることで、転職希望者に広告を見てもらう数を増やすことで採用数を確保します。追加予算下さい。」と言われたらどう思いますか?
なにか抜けもれがあるように感じ、しっくりこないと思います。採用が0名は現象です。その現象の原因は何でしょうか?
そのことが特定されていないので、しっくりこないのです。だから、この打ち手が正しいかどうか判断ができないのです。
(現象と原因の違いは「現象と原因の違い」をわかりやすく解説を参照)
流れを書きだす
まずは原因を特定することからのスタートとなります。そのために、全体の流れ(フロー)を思い浮かべてながら流れを書きだしましょう。

- 様々な検索条件で検索
- 当社が結果一覧に表示
- 当社に興味を持ってもらい、詳細ページをチェック
- 詳細ページの内容を踏まえて応募
- 面接(1次、最終)
- 内定及び入社
転職サイトの流れ(フロー)では、上記の流れで転職希望者は転職を決めます。
流れ(フロー)のどこに問題があるかを考える
流れ(フロー)で分解します。次にどの流れの間に問題があるのかを考えます。問題は必ず流れ(フロー)の間(A~E)にあり、その原因はそれぞれのページ(①~⑥)の内容にあるからです。

各フローの間のA~Eのどこに問題があるかを考えます。
1.①検索→A→②当社ページの表示
検索者が沢山いるのに、当社ページが表示されていない=Aの率(①/②)が低い場合です。
この場合は、掲載の位置が後ろすぎる、検索者が検索しているキーワードが設定できていないなどが問題です。
2.②当社ページの表示→B→③詳細ページの表示
他社と一覧で当社ページが見られているが、当社ページの詳細が見られていない=Bの率(②/③)が低い場合です。
この場合は、他社と並ぶ一覧画面の記載内容で、検索者に当社内容のポイントが伝わっていないことが問題です。
3.③詳細ページの表示→C→④応募
詳細ページは見てもらえているが、応募にいたらない=Cの率(③/④)が低い場合です。
この場合は、詳細ページの内容で、検索者に応募してもらえうような内容になっていないことが問題です。
4.④応募→D→⑤面接
応募は多いが、面接にきてくれない=D(④/⑤)が低い場合です。中小企業では、この部分が低い場合が結構あります。
この場合は、原稿内容で、応募者の意向度を上げきれずに、とりあえず応募になっていることが問題です。
5.⑤面接→E→⑥入社
面接は多いが入社にいたらない=E(⑤/⑥)が低い場合です。
面接内容で応募者に嫌がられた、内定を出しても他社に負けている、条件提示で期待に沿えないなどが問題です。
流れ(フロー)のどこが問題かを特定し打ち手を考える
このように流れ(フロー)で分解すると、フローの間(A~E)に問題が発生しているのがわかりますので、どの間が一番問題かを特定します。
例えばBの率が他社と比べて低いのであれば、他社と一覧で並ぶページで興味を持ってもらえていないことが原因です。
そして、どのように表現を変えることができれば興味をもってもらえるか(詳細ページボタンをクリックしてもらえるか)が課題となります。
ここまでくれば、他社と一緒にならぶ一覧ページの情報で、当社の強みが書かれているか?または、強みが転職希望者に伝わるように表現されているか?が課題となります。
そして、打ち手は一覧ページで表現されている内容を変える案をつくることになります。
このように分解して考えると課題が具体的に特定でき、打ち手の精度が上がります。そして、その打ち手が採用数現状0を解決する重要な打ち手となります。
流れ(フロー)で分解する「注意点」
どう考えたらいいかわからないと思ったら、打ち手を考える前に、まずは流れ(フロー)で分解しましょう。
会社には必ず問題があります。その問題を解決するのが我々の仕事なのです。ただ、問題はたくさんあるのですが、どの問題を解くべきか?(=課題化)がポイントとなります。
上司等からオーダーされることは、大体大括りの問題です。だから、何から手を出せばいいかわからないことが多いです。
繰り返しますが、どう考えたらいいかわからないと思ったら、まずは分解!これがポイントとなります。打ち手をすぐに考えるのではなく、まず分解しましょう。
そしてその過程をそのまま説明すれば、実は立派なプレゼンテーションになります。
上司に「全体の流れに分解して他社と比較したところ、ACDEは遜色ないのですが、Bだけが低いことがわかりました。
Bが悪い原因は、他社と並ぶページで当社の強みが表現できて興味を引いてもらえていないと言うことなので、表現をこのように変えてみます。
変えた後の数字を追跡しますので、後日この打ち手の善し悪しを報告します」
という感じで提案できると上司も納得ですね。
このように記載すると当たり前に感じるとは思いますが、課題特定せずに打ち手ばっかりの議論をしているのが世の常です。ほんと多いです。
打合せで打ち手の議論がかみ合わない時に「課題が特定できていない=分解しきれていない」と考えると決めておくといいですよ。
流れ(フロー)で分解する「まとめ」
- ある問題の解決策は、分解しないと正しい答えにたどり着かない
- 業務フローに分解し、どのフローの間に問題があるかを考える
- どう考えたらいいかわからないと思ったら、まずは分解
- 過程をそのまま説明すれば、立派なプレゼンテーションになる
迷ったら分解しましょう。
問題解決は基本となる考え方をおさえておくことが大事です。以下の本は、47万部も売れている本なので、参考にしてみて下さい。
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