戦略・戦術を立てる際にどのように考えたらいいか?
戦略・戦術に関しては、先人の方々が様々なフレームワークとして、私たちに残してくれています。
その中でも、戦略・戦術の基礎の基礎となるフレームワークが「コトラーの競争地位戦略」です。
この記事では、戦略・戦術立案のためにまず最初に知っておきたい、「コトラーの競争地位戦略」についてわかりやすく解説します。
この記事は、
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
・Webマーケティング経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則27選を用途別に分けて紹介)
コトラーの競争地位戦略とは?
- マーケットシェアごとに4分類し、各分類ごとの基本戦略を提示したもの
- 4分類は、リーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワー
コトラーの基本戦略とは、上記となります。
上記の4分類に分けることで、競合の基本戦略を想定しながら、自社の基本戦略を立てることができます。
競合会社がいなければ、戦略を考えずに自由に事業をおこなえばいいですが、現実はそうはいきません。
ただ、コトラーの基本戦略を知っていると、同一業界内において、競合が考える基本戦略は何なのか?そしてその競合に勝つための基本戦略は何なのか?を提示してくれています。
リーダー、チャンレンジャー、フォローワー、ニッチャーと4つに分類化したことで、とてもわかりやすいフレームワークとなっています。
コトラーの競争地位戦略は会社のどの活動で使えるか?
上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。コトラーの競争地位戦略は、戦略・戦術立案で使えるフレームワークです。
(上図の詳しい説明は、「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説を参照)
コトラーの競争地位戦略の「詳細説明」
同一業界が前提になりますが、業界内の会社を4つに区分しています。自社がどの区分かにより、基本戦略が定義されています。
リーダー、チャンレンジャー、フォローワー、ニッチャーそれぞれについて解説します。
リーダーの解説
リーダーとは?
まさに業界のトップ企業です。一番シェアを持っている会社のことです。
リーダーの基本戦略
トップ企業になっているということは、他社より総合的な競争力があるので、結果シェアが一番となっています。
ということは、マーケット自体が伸びれば、売上もそれに応じて伸びることになります。
そのような環境の中で、競合となる他社がやってきて嫌なことは、低価格で攻められることと、空いているマーケットを攻められることです。
せっかく売上が上がるのに、低価格に引っ張られると、単価が下がることで、売上はもちろん本来稼げる利益が減ります。
価格競争に巻き込まれないようにブランド化等を行うこととともに、他社が価格を下げてきても利益が出るコスト構造を事前に準備しておくことが大事になります。
空いているマーケットについては、2位以下の会社が空いている市場に対応する商品を出してきたら、同じ商品を市場に出す同質化戦略が有効になります。
他社が新しい商品を出したら、総合力を生かして、すばやく同じ商品を真似て販売します。その結果、競合のシェアが拡大しなくなります。
チャレンジャーの解説
チャレンジャーとは?
業界2位グループの会社のことです。1社の場合もあれば、3~5社程度あることもあります。
チャレンジャーの基本戦略
現時点では、1位の会社に負けている状況の中、1位を目指すためには、大きく2つあります。
一つ目は、1位の会社が手を出していないマーケットを獲得することで、シェアを拡大する差別化戦略です。
もう一つは、究極ですが、2位以下の別の会社と合併して、一気にシェアを上げる戦略です。
ニッチャーの解説
ニッチャーとは?
チャレンジャーよりシェアの低い会社で、かつ、リーダー・チャンレンジャーが入ってこない小さなマーケットを攻めている会社です。
ニッチャーの基本戦略
リーダー・チャレンジャーが攻めてこない小さなマーケットを見つけて、そのマーケット内で高シェアを取る戦略です。
リーダー・チャレンジャーが、攻めるには非効率だと判断する、かつ最低限売上が立つマーケットをどう見つけるかがポイントとなります。
フォロワーの解説
フォローワーとは?
リーダー・チャレンジャー各社よりシェアが少なく、ニッチャーにもなれない会社群です。
フォローワーの基本戦略
基本的には製品・商品・サービスに強みがないため、上位企業を模倣し低価格戦略が基本となります。
マーケットが安定期になった時に、チャレンジャーやニッチャーになれていないと、経営が厳しくなります。
コトラーの競争地位戦略の「使い方」
まずは、自分の会社が上記の4分類のどの立ち位置にいるかを把握します。
次にどこに行きたいのかを決めます。リーダーなら更にシェアを上げたいとか、チャレンジャーならリーダーになりたいとかを決めます。
そうすると、上記の通り基本戦略が決まってきますし、狙いたい区分けにいる会社が基本戦略として何をしてくるのかが予測できます。
ここまで決まれば、基本通り進めるのか?裏をかく戦略で行うのか?競合の動きに合わせて戦略を臨機応変に変更するのか?などの選択となります。
コトラーの競争地位戦略の「まとめ」
- マーケットシェアごとに4分類し、各分類ごとの基本戦略を提示したもの
- 4分類は、リーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワー
競合の基本戦略を想定しながら、自社の基本戦略を立てることができるフレームワーク
基本がわかると応用できます。逆に基本がわからないと、間違った戦略を取ってします可能性が出てきます。
したがって、このようなフレームワークを頭の中に入れておくことで、「普通はこのようになる、だからこうしよう」という基本戦略や「普通はこのようになる、でもそのようになっていない」という市場のゆがみを把握することができます。
上記がすぐにすぐに考えることができるようになることで、より確率の高い戦略・戦術を立案することができるようになります。
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