社会人になると、支払いサイトと売掛金・買掛金の知識は絶対必要です。
支払いサイトが存在するから、売掛金・買掛金が発生しますので、まとめて理解しておきましょう。一見難しそうに感じますが、それほど難しくはありません。
ビジネスは、お金を払う・払ってもらうことで成り立ちます。会社対会社の取引では、納品して請求書を出して、一定期間経過した後に入金となります。
取引のたびに、随時お金を払っていたら、経理業務が大変になるため、このような方法を取るようになりました。
この記事では、支払いサイトと売掛金・買掛金について、わかりやすく解説しています。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験したよしつが、書いています。
(あせて読みたい 知っておきたいビジネススキル向上のための基礎知識をまとめてわかりやすく解説)
支払い(入金)サイトとは?売掛金・買掛金とは?
- 納品後、いつ支払うか?いつ支払ってもらうか?を決めたものが支払い(入金)サイト
- 納品後~入金日までの期間を売掛金(支払ってもらう権利)
- 納品後~支払うまでの期間を買掛金(支払う義務)
会社対会社の取引では、支払い(入金)サイトと売掛金・買掛金は、必須となる知識です。支払いサイトがあるから、売掛金・買掛金があるのでまとめて理解しておきましょう。
支払いサイト、入金サイトとは?
製品・商品・サービスを提供してもらった後に、いつお金を支払うかを決めたものです。
支払う側から言うと支払いサイトになりますし、支払ってもらう側から言うと入金サイトとなります。意味は同じです。
「末翌末振込」って聞いたことありますか?これが支払いサイトです。略さずに言うと「当月末日〆翌月末日銀行振込での支払い」となります。
支払いサイトのバリエーション
会社ごとに自由に設定できます。〆日は毎月末日〆が多いですが、20日〆等の会社もあります。
支払日に関しては、翌月末日が多いですが、翌月15日や翌々月15日、翌々月30日などがあります。
支払方法は、銀行振込が多いですが、小切手での支払いや、約束手形の支払等もあります。
具体的な運用方法

「当月末〆」とは、1日から31日の納品分をまとめて請求してください、という意味です。
20日〆の場合は、前月21日から当月20日の納品分をまとめて請求してください、という意味になります。
「翌月末現金で銀行振込」とは、〆日までに請求してもらった金額を翌月末日に、銀行振込でお支払いしますという意味です。
例えば10月1日から31日製品・商品。サービスを納品したら、その請求分を11月30日に支払いますということです。月末にしめて30日後にお支払いしますという約束となります。
売掛金・買掛金とは?
会社対会社の取引では、支払いサイトがありますので、納品から実際にお金をいただくまで一定期間かかります。
このように、お金をもらえる権利が発生しているが、まだお金をもらえてない状態を売掛金といいます。
逆にお金を支払う義務が発生したが、まだお金を支払っていない状態を買掛金といいます。
「当月末〆翌月末振込払い」など、後日払う約束をする取引を「掛取引」(信用取引)といいます。
掛取引するから発生するので、売掛金・買掛金とも掛が入っているのです。
支払い(入金)サイトと売掛金・買掛金をまとめると?

1枚の図にするとこのようになります。当月末〆翌月末日振込払いの場合です。
例えば、10月1日から10月31日までに製品・商品・サービスを納品してもらったとします。
納品した側は、11月頭までに請求書を届けます。そして、11月末日に銀行振込で支払ってもらう(=入金)となります。
納品日から入金日までが、売掛金となります。売掛金とは実は、無利子でお金を貸していることにもなります。
普通お金を貸すと、金利の上乗せ分がもらえます。でも、100万請求したものが1か月以上先に入金されますが、同じ100万円の振込となります。だから、無利子でお金を貸していることと同じとなります。
支払いサイトができた背景と末翌末が多い理由
支払いサイトができた背景
受注した会社は、納品後に請求書を渡して支払ってもらいます。
例えば、1か月の間に50案件の請求があった場合、請求する側は50案件の請求書と作成しないといけない。
逆に請求される側は50案件の請求書を受取り、その都度支払わないといけない。
とっても煩雑です。だから、お互いの業務効率のために、1か月に1回まとめて請求し、その分をまとめて一回で払いますという運用になりました。
そしてどのような期間で支払うかを決める必要が発生し、支払いサイトが生まれました。支払いサイトは、支払う側の会社が自由に決めます。
当月末〆翌月末払いが多い理由
納品日~支払日までの期間を売掛・買掛金と呼びますが、例えば、支払う側に立てば、この期間をできるだけ長くしたいし、支払ってもらう側はできるだけ短くしたいです。
先ほど言ったように、支払いサイトがあることで、無利子でお金を借りたことと同じになります。だから、支払う側は、出来るだけ長くしたいのです。
逆に支払ってもらう方は、現金が欲しいのですぐに払ってほしいです。
更に、納品後入金日までに、もし取引会社が倒産したら、お金をもらえません。当然納品した製品・商品・サービスを作るために原価がかかりますので、その分が丸々損失となってしまいます。
このような支払う側と支払ってもらう側のそれぞれの意向の着地点として、当月末日〆翌末日銀行振込という入金サイトが多く使われることになったようです。普段は略して「末翌末」という言い方が多いですね。
そして、月末が多いのは、単にわかりやすいからです。
銀行振込以外の支払い方法である約束手形と小切手
基本銀行振込が多いのですが、一部振込以外の支払い方法もあります。約束手形と小切手いう方法です。
約束手形とは、支払日に約束手形で支払います。ただ、支払日からお金に変えることができる日までに一定期間がかかります。
例えば末翌末90日サイトの約束手形だとすると、10月5日納品分は10月末で〆て請求し、11月末に約束手形をもらいます。
ここから90日のサイトなので、なんと、実際に現金に換金できるのは、そこから90日後(=3か月後)の翌年2月末となります。なんと納品してから約5か月後となります。
支払ってもらう側からしたら、納品から支払いまでの期間が長く、納品後に倒産等でお金をもらえなくなるリスクが高くなることと、せっかく納品したのに、現金が中々入ってこない状態が続きます。
古い業界や取引額が大きい業界ではまだ使われています。
その他に、かなり減りましたが、銀行振込の代わりに小切手を使う会社もあります。
小切手とは、実物の券です。この券を銀行に持っていけばすぐに現金に変更してもらえます。
取引の際に支払いサイトを確認する
営業担当の方なら、営業して新しい会社と新規取引する場合、その顧客の入金サイトは事前に確認しておく必要があります。
販売した製品・商品・サービスを納品後、入金までには一定期間がかかりますので、リスクが生じます。
このリスクをどのように避けるか?は各社で色々な取り決めがあるので、そちらに従ってほしいのです。
ただ、初回だけは顧客の支払いサイトではなく、納品日に払ってもらうように交渉したり、取引をしない判断になることもあります。
だから、出来るだけ早く支払いサイトを聞いておくことが大事になります。取引の交渉が全て終わって最後の最後に上記のような話をすると大きくもめることがあるからです。
このようにリスク管理を行うことを与信管理といいます。
与信管理の詳細は、「与信管理」の基本をわかりやすく解説&管理方法を紹介を参照下さい。
また、仕事を発注する際は、発注先に自社の入金サイトを事前に伝える必要があります。多分発注先の営業担当が聞いてくるかと思いますが。
支払いサイトと売掛金・買掛金の「まとめ」
- 納品後入金までは一定期間かかる
- 業務の効率化の中で信用取引として支払いサイトができた
- 納品日から実際の入金日までの間を売掛金という
- 納品してもらい、支払うまでの間を買掛金という
会社対会社の取引では必須の知識です。覚えておきましょう。
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