幸に、先人の方々が様々なフレームワークを開発してくれています。
この記事では、戦略・戦術立案に使えるフレームワークのひとつである、ランチェスターの法則についてわかりやすく解説します。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験、100回以上の勉強会講師の経験を活かし、わかりやすさにこだわって解説していきます。
(あわせて読みたい 課題解決の考え方と課題設定・戦略立案に使えるフレームワークまとめ)
ランチェスターの法則とは?
- 第一法則 戦闘力=武器効率×兵力数
- 第二法則 戦闘力=武器効率×兵力数の2乗
この2つの法則をまとめてランチェスターの法則と言います。
ランチェスターの法則を「一言で言うと?」
- シェアトップとそれ以外の会社の基本戦略がわかる
- 商品力が大事だとわかる
この2つです。
第一法則、第二法則として、語られるランチェスターの法則を各計算式を元に上記をわかりやすく解説していきます。
ランチェスターの法則は会社のどの活動で使えるか?

上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。ランチェスターの法則は、戦略・戦術立案で使えるフレームワークです。
(上図の詳しい説明は、「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説を参照)
ランチェスターの法則の「詳細説明」
ランチェスターの法則は、元々戦争で使われていた法則をビジネスでも活用するようになったものです。
第一法則と第二法則が有名です。
第一法則
戦闘力=武器効率×兵力数
という式で表現されます。
武器効率とは、使用する武器の性能の良し悪しです。ピストルとマシンガンを比べると、マシンガンの破壊力の方がすぐれているので、武器効率が高いと表現します。
第一法則は、
- 武器効率が同じであれば、兵力数が多い方が、多い兵力数を残して勝つ
- 兵力数が同じであれば、武器効率が高い方が勝つ
という法則です。
武器効率が同じであれば、10名と5名で戦えば、10名の方が5名残って勝ち、兵力数が同じであれば、武器効率が高い方が勝ちます。
主に地上での接近戦の場合の法則です。接近戦に持ちこめば、同じ武器効率だとすると、単純に兵力数の差が勝敗を分けるポイントとなります。
戦場全体ではなく、戦場内の一部の地域に絞って戦うことで、兵力数を上回って勝ちに行く戦略です。
第二法則
戦闘力=武器効率×兵力数の2乗
という式で表現されます。
第二法則は、
- 武器効率が同じだと、兵力数の2乗の差となって勝つ
- 兵力数が同じであれば、武器効率が高い方が勝つ
という法則です。
武器効率が同じであれば、10名と5名で戦えば、兵力数は2倍だが、4倍の戦闘力の差で勝てます。
10の2乗=100、5の2乗=25なので、兵力数は2倍だが、戦闘力は4倍の差がつくということです。
兵力数が同じであれば、第一法則と同じく武器効率が高い方が勝ちます。
主に距離を取った総力戦の場合の法則です。できるだけ戦場全体を大きく使うことで、兵力数の差をさらに大きくする戦略です。
ランチェスターの法則の「使い方」
第一法則は業界シェア1位以外が基本的に選択する戦略、第二法則は業界シェア1位が基本的に選択する戦略です。
シェア1位以外の会社
武器効率=商品力が弱く、兵力数も1位の会社より少ないので、現状2位以下となっています。
だから、第一法則を使って、エリアを絞って局地戦にして、そこに兵力を集めて戦う。
もしくは、ターゲットを絞って、そのターゲットに向けた商品を開発投入することが基本戦略となります。
シェア1位の会社
シェア1位の会社は、武器効率=商品力が強く、兵力数も多い場合ので、現状1位となっています。
2位以下が局地戦やターゲットを絞った商品で攻めてくるのを総力戦に持ち込むことで、2位以下の会社が、シェアを伸ばせないような戦い方を行います。
具体的には、2位以下の会社が局地戦で攻めてきたら、その場所に兵力数を多く投入する。
商品で攻めてきたら、同じ商品をすぐに出し、兵力数を活かして2位以下の商品より販売してしまうという戦い方になります。
ランチェスターの法則の「まとめ」
- シェアトップとそれ以外の会社の基本戦略がわかる
- 商品力が大事だとわかる
兵力数で勝負するか?商品力で勝負するか?またはその掛け算か?
基本的には、兵力数は1位の会社が勝つので、どこに絞って戦うかが大事になります。そして、どちらの法則も、商品力が強いか弱いかが大きなポイントとなります。
よく似た戦略にコトラーの競争地位戦略があります。詳細は「コトラーの競争地位戦略」わかりやすく解説&使い方紹介を参照してください。
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