マイケル・E・ポーターと言えば、「3つの基本戦略」がとっても有名です。
とってもシンプルかつ核心をついた基本戦略のフレームワークです。
この記事では、ポーターの3つの基本戦略をわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則を用途別に分けて紹介)
ポーター3つの基本戦略とは?
・コストリーダーシップ戦略
・差別化戦略
・集中戦略
上記のようにターゲットの幅×競争優位性の2軸で4象限に分けて、3つが基本戦略として設定されています。
ポーター3つの基本戦略の詳細
3つの基本戦略をそれぞれ解説します。
コスト・リーダーシップ戦略
低コストで製品やサービスを提供することで、競合他社との差別化を図る戦略です。
製品やサービスを競合他社よりも低いコストで提供し、規模の経済を働かせ、大量生産や効率的なオペレーションにより、コストを削減します。
差別化戦略
製品やサービスに独自の価値や特徴を持たせ、競合他社との差別化を図ります。
製品やサービスに競合他社にはない独自の価値を作ります。高いブランドイメージを構築し、顧客ロイヤルティを高めることも差別化戦略です。
集中戦略
特定の顧客層や市場に特化し、競争優位を築く戦略です。
特定の顧客層、地域、製品カテゴリーに焦点を当て、大企業が参入しにくいニッチ市場を狙います。また、 特定の顧客のニーズを深く理解し、製品やサービスを提供します。
ポーター3つの基本戦略を2つにまとめて理解する
・業界全体もしくは一部に対してのコストリーダーシップ(=価格)戦略
・業界全体もしくは一部に対しての差別化戦略
本当は3つなのですが、私は、2つにまとめまて理解するようにしています。なぜなら、集中戦略がわかりにくいからです。差別化と集中って結局どこかに絞ることなので、同じと考えることで理解しやすくなるからです。
だから、よくある説明は上記の図なのですが、私は、以下の図でとらえています。
ポーターさんには申し訳ないのですが、上記の赤枠のように、ターゲットの幅は考えずに、競争優位性が低コストなのか特異性なのかで分けています。
もちろん、ポーターの3つの戦略とは何か?と聞かれたら3つの戦略を答えるのですが、実務では、2つで考えるようにしています。
2つにまとめ直したポーターの基本戦略の「詳細解説」
まとめ直した2つについて詳細に説明します。
業界全体か業界の一部に絞ったコストリーダーシップ(=価格)戦略
コストリーダーシップ(=価格)戦略とは?
低価格戦略
シンプルに価格戦略です。他社よりも安く提供することで、シェアを取ろう、奪おうとする戦略です。
ポイントは、コストを減らすために業務を効率化させることです。
コストリーダーシップ(=価格)戦略のメリット
・選択しやすい戦略
・価格指向の人は、どのマーケットのなかでも多数存在すること
・価格指向の人は、各会社へのこだわりが少ないので置き換えやすい
メリットは、この3点です。
コストリーダーシップ(=価格)戦略のデメリット
・他社が少しでも安い価格で提供すれば、そちらに流れてしまう
・選択しやすい戦略なので、競合が多く体力勝負となる
デメリットはこの2点です。
常に競合との価格勝負となりますので、豊富な資金とコストダウンし続けることの2面が揃わないと勝てない戦略となります。
「業界全体」か「業界の一部」
各業界のメインマーケットで行うのか?かなり絞ったマーケットで行うのか?で考え方が変わります。
当然メインマーケットならマーケットも広いが、競合も多いので、勝負に勝つためには大きな労力が必要です。
逆にマーケットを絞れば、競合は少ないがマーケットが狭い。
価格戦略=利益率が低いので、シェアが取れても儲からないことになってしまいます。
したがって、どのマーケットで勝負したら儲けることができるか?をどう選ぶかが大事なポイントです。
業界全体か業界の一部に絞った差別化戦略
差別化戦略とは?
シェア大手がやらないことをやる
業界大手は、出来るだけ大きなシェアを取りたいので、業界内のメインのマーケットを価格戦略中心で攻めてきます。したがって、効率化がとても大事なポイントになります。
結果、効率や大きなマーケットを意識するため、めんどくさいことや手間のかかることの優先順位は下がります。この優先順位の低いマーケットで勝負する戦略です。
差別化戦略のメリット
・価格競争に巻き込まれにくい
・価格志向ではないので、リピーターになりやすい
メリットはこの2つです。
差別化戦略のデメリット
・めんどくさく手間がかかる
・マーケットが小さい
デメリットはこの2つです。
「業界全体」か「業界の一部」
差別化戦略は元々大きなマーケットではなく、小さなマーケットに絞って勝負をします。
業界のメインマーケットの一部で、差別化領域を見つけることができればいいのです。
ただ、業界内で絞ったマーケットの中で、更に差別化を行う場合は、儲けることが出来るマーケットかどうかがポイントとなります。
ポーター3つの基本戦略の「まとめ」
・業界全体もしくは一部に対してのコストリーダーシップ(=価格)戦略
・業界全体もしくは一部に対しての差別化戦略
本当は3つなのですが、この2つを知っておきましょう。
また、ポーターさんのもう一つ有名なフレームワークがあります。ファイブフォースです。
詳しくは「ファイブフォース(5フォース)」を超簡単に解説&使い方紹介を参照ください。
他にも沢山のフレームワーク・法則の記事を書いています。参照下さい。
「開発→生産→販売」、「分解して考える」、「ロジックツリー」、「プロダクトライフサイクル」、「キャズム理論」、「SWOT分析」、「ファイブフォース」、「リボン図」、「AISAS」、「AIDMA」、「ABC分析」、「4P」、「アンゾフの成長マトリクス」、「アップセル・クロスセル」、「PPM」、「ランチェスターの法則」、「コトラーの競争地位戦略」、「イノベーター理論」、「ロングテール」、「感度分析」、「262の法則」、「28の法則」、「メラビアンの法則」、「マズローの5段階欲求」、「ジョハリの窓」
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
オーディオブック2強「Amazon Audible」「audiobook.jp」を徹底比較はこちら
アマゾンさんで電子書籍の定額読み放題サービスがあります。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
読み放題「Kindle Unlimited」をおススメする人しない人はこちら
何回も読んだおススメ本の紹介は以下を参照下さい。
何回読んでも学べた本厳選!ビジネスに役立つおすすめ本はこちら
記事一覧から探したい場合はこちら
用語から検索したい場合はこちら