マイケル・E・ポーターと言えば、「3つの基本戦略」がとっても有名です。
とってもシンプルかつ核心をついた基本戦略となります。
ただ、1点わかりにくい部分があります。集中と差別化の違いです。
この記事では、理解を深めるために、思い切って3つの基本戦略を2つにまとめ直して解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則27選を用途別に分けて紹介)
ポーター3つの基本戦略とは?
- コストリーダーシップ戦略
- 差別化戦略
- 集中戦略
上記3つが基本戦略として設定されています。
ポーター3つの基本戦略を2つにまとめて理解する
- 業界全体もしくは一部に対してのコストリーダーシップ(=価格)戦略
- 業界全体もしくは一部に対しての差別化戦略
本当は3つなのですが、2つにまとめました。なぜなら、集中戦略がわかりにくいからです。差別化と集中って結局どこかに絞ることなので、同じと考えることで理解しやすくなります。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2022/01/0cce63018a011a4c11d567a69309128d.png)
だから、よくある説明は上記の図なのですが、私は、以下の図でとらえています。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2022/01/66f4f08afdb6ccf9fb0b2132f873314e.png)
ポーターさんには申し訳ないのですが、上記の赤枠のように、
- 業界全体か業界の一部に絞ったコストリーダーシップ(=価格)戦略
- 業界全体か業界の一部に絞った差別化戦略
の2つで理解するようにしています。
ポーターの3つの基本戦略は会社のどの活動で使えるか?
![会社の活動を表す一枚の図](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2023/01/71db39ee3a6e3484504cccffd5bdbdcb.png)
上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。ポーターの3つの基本戦略は、戦略・戦術立案で使えるフレームワークです。
(上図の詳しい説明は、会社の活動をたった「1枚の図」で表すを参照)
ポーター3つの基本戦略の「詳細解説」
まとめ直した2つについて詳細に説明します。
業界全体か業界の一部に絞ったコストリーダーシップ(=価格)戦略
コストリーダーシップ(=価格)戦略について
シンプルに価格戦略です。他社よりも安く提供することで、シェアを取ろう、奪おうとする戦略です。
ポイントは、コストを減らすために、業務を最大に効率化させることです。
コストリーダーシップ(=価格)戦略のメリット
- 価格指向の人は、どのマーケットのなかでも多数存在すること
- 価格指向の人は、各会社へのこだわりが少ないので置き換えやすいこと
メリットは、この2点です。
コストリーダーシップ(=価格)戦略のデメリット
- 価格指向の人は、各会社へのこだわりが少ないので、他社が少しでも安い価格で提供すれば、そちらに流れてしまうこと
- 選択しやすい戦略なので、競合が多く体力勝負となる場合が多い
デメリットはこの2点です。
常に競合との価格勝負となりますので、豊富な資金とコストダウンし続けることの2面が揃わないと勝てない戦略となります。
業界全体か業界の一部に絞る
各業界のメインマーケットで行うのか?かなり絞ったマーケットで行うのか?で考え方が変わります。
当然メインマーケットならマーケットも広いが、競合も多いので、勝負に勝つためには大きな労力が必要です。
逆にマーケットを絞れば、競合は少ないがマーケットが狭い。
価格戦略=利益率が低いので、シェアが取れても儲からないことになってしまいます。
したがって、どのマーケットで勝負したら儲けることができるか?をどう選ぶかが大事なポイントです。
業界全体か業界の一部に絞った差別化戦略
差別化戦略について
一言で言えば、大手がやらないことをやることになります。
当然業界大手は、出来るだけ大きなシェアを取りたいので、業界内のメインのマーケットを価格戦略中心で攻めてきます。
効率や大きなマーケットを意識するため、めんどくさいことや手間のかかることには、二の足を踏みます。
このマーケットで勝負する戦略です。
差別化戦略のメリット
- 価格競争に巻き込まれにくい
- 価格志向ではないので、リピーターになりやすい
メリットはこの2つです。
差別化戦略のデメリット
- めんどくさいことや手間がかかることが多い
- マーケットが小さい
デメリットはこの2つです。
業界全体か業界の一部に絞る
差別化戦略は元々大きなマーケットではなく、小さなマーケットに絞って勝負をします。
業界のメインマーケットの一部で、差別化領域を見つけることができればいいのです。
ただ、業界内で絞ったマーケットの中で、更に差別化を行う場合は、儲けることが出来るマーケットかどうかがポイントとなります。
差別化戦略のポイント
一度、製品・商品・サービスを買ってもらった人に、リピートしてもらうこと(=ファン化=ブランド化)がポイントとなります。
新規顧客ばかりだと、毎回毎回各社の状況把握に時間がかかり、忙しい割に儲からなくなるからです。
製品・商品・サービスの本質は、何かを実現してもらうための手段であり、沢山の人の課題をまとめて解決する手段です。
(詳しくは「製品・商品・サービスの本質は何?」を超簡単に解説を参照)
差別化戦略とは言え、できるだけ沢山の人が抱える課題を見つけて、束で解決できるサービスを開発し、まとめて解決することが重要となります。
ポーター3つの基本戦略の「まとめ」
- 業界全体もしくは一部に対しての価格戦略
- 業界全体もしくは一部に対しての差別化戦略
本当は3つなのですが、この2つを知っておきましょう。
また、ポーターさんのもう一つ有名なフレームワークがあります。ファイブフォースです。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2021/12/0d9162f149988eb7c76804385d67c546.png)
詳しくは「ファイブフォース(5フォース)」を超簡単に解説&使い方紹介を参照ください。
他にも沢山のフレームワーク・法則の記事を書いています。参照下さい。
「開発→生産→販売」、「分解して考える」、「ロジックツリー」、「プロダクトライフサイクル」、「キャズム理論」、「SWOT分析」、「ファイブフォース」、「リボン図(マッチングモデル)」、「AISAS(アイサス)」、「AIDMA(アイドマ)」、「ABC分析」、「4P」、「アンゾフの成長マトリクス」、「アップセル・クロスセル」、「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」、「ランチェスターの法則」、「コトラーの競争地位戦略」、「イノベーター理論」、「ロングテール」、「感度分析」、「262の法則」、「パレートの法則(28の法則)」、「メラビアンの法則」、「マズローの5段階欲求」、「ジョハリの窓」
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2023/09/0597b55a8fb3660f07f6d083b6a14cb9-320x180.png)
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