業務をおこなっていると、時間が有限なので、すべての顧客や業務に同じ力をかけることができません。
では、どのような優先順位の付け方をするか?が大事になります。
このような場面で使えるのがABC分析です。
この記事では、このABC分析の使い方と使う際の注意点を、わかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則27選を用途別に分けて紹介)
ABC分析とは?
顧客や商品を取引額の上位から並べて、上位をAランク、中位をBランク、下位をCランクと区分けします。
そして、それぞれのランクに応じた対応を行うための区分け方法です。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2022/02/8ce2ab3b44227e6f54de0eef722effeb.png)
よく使われる区分け方法は、上図のように取引額上位から順番に並べていきます。
そして、上位から70%までの顧客や商品をAランク、70%から90%をBランク、90%から100%をCランクとします(分け方は様々です)。
上記のように分けると、上図のような顧客構成なら、全20社の内、A~Cの3社がAランク、D~Gの4社がBランク、H~Tの13社がCランクとなります。
このように分けて、ABCそれぞれに対して何をするのかを考えていきます。
よく似た法則に、上位2割で全体の8割を占めるとして有名な、パレート(28)の法則をベースがあります。ABC分析は、このパレート(28)の法則をベースにしています。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2022/02/9516e71ef4483fb04412b31323db4ac5-1.png)
(パレートの法則の詳細は「パレートの法則(28の法則)」超簡単解説&使い方紹介を参照)
ABC分析の「これだけ知ろう」
- 何かの制約があることが前提
- 取引額・取引量を基準に力の入れ具合を決める方法
この2つを知っておきましょう。
ABC分析は会社のどの活動で使えるか?
![会社の活動を表す一枚の図](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2023/01/8cee70e810b1c0d7baab5fc8cd8dcd5f.png)
上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。ABC分析は、問題発見と課題設定で使えるフレームワークです。
(上図の詳しい説明は、会社の活動をたった「1枚の図」で表すを参照)
ABC分析の「詳細解説」
何かの制約があることが前提
上記のようにAランク、Bランク、Cランクと分けて、優先順位をつける方法です。当然Aランクに一番リソースを振り分けます。
では、なぜ、優先順位を決めないといけないのか?
例えば営業担当が訪問して商品を販売しないといけない場合、営業担当の物理的な行動量に訪問量が制約されます。
また、実店舗で商品を販売する場合も、展示できる商品数に限りがあり、店舗の広さに制約されます。
このように制約されることがあることを前提に、優先順位を決める必要があるのです。
ただ、現在はWeb販売が増えています。Webで紹介すれば営業担当が必要でない場合も出てきます。また、商品紹介のスペースが店舗の大きさに制約を受けなくます。
その結果、昔は必ず上記の制約は受けており、すべてにABC分析の考え方が当てはまったのですが、今は何かの制約を受けるかどうかがABC分析を使う前提条件となりました。
取引額を基準に力の入れ具合を決める方法
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2022/02/4d6d99789ca07d7e54a4c8843bd037ad.png)
どこの会社でもそうですが、必ず顧客や商品を上位から並べると上記のようになります。
決して全社が平均的な売上や販売数量にはなりませんので、仮に、20社取引があっても、上位3社で70%のシェアを占めている場合が多くなります。
そうなると当然上位A~Cの3社を何事にも優先する必要があります。このようにどこに重点的に使えるリソースをかけるを考える手助けになるのが、ABC分析です。
ABC分析の「使い方」
上記の考え方を元にすると、使い方は明確です。
何かの基準を決めて、上位(Aランク)、中位(Bランク)、下位(Cランク)を区分けする。
よく使われるのは上記のように上位70%はAランク、70%から90%はBランク、90%から100%はCランクという風に分ける。
※各業界やマーケットに応じてランク基準は調整してください。
基本は売上とか取扱い量の多いものから並べて区分けします。そして、ランク分けし、何をするかを決める。
例えば、Aランクには週に1回訪問、Bは月1回の訪問、Cは3か月に1回の訪問など。
商品であれば、Aは絶対に在庫切れをおこさない、Bはできるだけ在庫切れをおこさない、Cは在庫切れOKなど。
このようにABCに分けることで対応を変える方法として使ってみてください。
ABC分析の「まとめ」
- 何かの制約があることが前提
- 取引額、扱い量を基準に力の入れ具合を決める方法
制約がある場合は、優先順位を決めて業務を行いましょう。かけることができるリソースで最大効果を発揮することができます。
ただし、ネットの世界では通用しない場合がありますので、ご注意下さい。
他にも沢山のフレームワーク・法則の記事を書いています。参照下さい。
「開発→生産→販売」、「分解して考える」、「ロジックツリー」、「プロダクトライフサイクル」、「キャズム理論」、「SWOT分析」、「ファイブフォース」、「リボン図(マッチングモデル)」、「AISAS(アイサス)」、「AIDMA(アイドマ)」、「4P」、「アンゾフの成長マトリクス」、「アップセル・クロスセル」、「ポーターの3つの基本戦略」、「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」、「ランチェスターの法則」、「コトラーの競争地位戦略」、「イノベーター理論」、「ロングテール」、「感度分析」、「262の法則」、「パレートの法則(28の法則)」、「メラビアンの法則」、「マズローの5段階欲求」、「ジョハリの窓」
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
![](https://yoshitsublog.com/wp-content/uploads/2023/09/0597b55a8fb3660f07f6d083b6a14cb9-320x180.png)
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