「キャズム理論」人を2種類に分ける理論をわかりやすく解説

②問題・課題フレームワーク
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キャズム理論って聞いたことがありますでしょうか?

新商品が世間一般に広がるか?それとも、広がらずに終わってしまうのか?

この境目となる大きな溝についての理論です。

このキャズム理論について、なぜこのような溝があるのか?そしてどのように乗り越えていけばいいのか?をわかりやすく解説します。

この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが書いています。

キャズム理論を理解できると、人の本質の一部を理解することもできますよ。

(あわせて読みたい 課題解決の考え方と課題設定・戦略立案に使えるフレームワークまとめ

キャズム理論とは?

商品が世間一般に広がる際に必ずある大きな障壁のこと

各用語の説明は後述します。

新商品が市場への浸透する際に、上図のように、新しいものを積極的に受け入れる人から始まり、その後、新しいものを積極的に受け入れない人に浸透します。

この積極的かどうかの境目がキャズムとなります。ちなみにキャズムとは裂け目という意味です。

このキャズムを超えることができるかどうかで、新商品が世間一般に広がるかどうかが決まります。

この大きな障壁は、人の性質により出現します。

人の性質が原因なので、どんな商品・製品・サービスでも必ず乗り越えないといけないものとなります。

キャズム理論これだけ知ろう

  • 人は2種類に分かれる
  • 世間一般に広がるためには、この2種類の人に受け入れてもらう必要がある

この2つを知っておきましょう。

キャズム理論は会社の活動のどの部分で使える理論?

会社の活動を表す一枚の図

上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。キャズム理論は、問題・課題把握で使える理論です。

(上図の詳しい説明は、「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説を参照)

キャズム理論の詳細

人を大きく2つに分けると、新しいものを積極的に受け入れる人と、積極的に受け入れない人に分かれます。

また、商品・製品・サービスが世間に広がる場合、必ず決まったパターンとなります。

この詳細を解説していきますが、その前に、キャズム理論の前提となるイノベーター理論と、プロダクトライフサイクルをおさえておきましょう。

イノベーター理論とは?

  • 「新しいもの好き」から「保守派」に人を5分類化
  • マーケットにどのように商品が広がっていくかを理論化

この2つがイノベーター理論の説明です。

キャズム理論の図と比較していただくとわかる通り、イノベーター理論がベースとなっています。

  • イノベーター
  • アーリーアダプター
  • アーリーマジョリティ
  • レイトマジョリティ
  • ラガード

上記の5分類に人は分かれます。それぞれ説明します。

イノベーター(革新者)とは?

新しいというだけで、自分で動ける人です。

判断基準が、新しいもの、誰ももっていないものに重きを置く人たちです。出現率は100人中2、3名です。

アーリーアダプターとは?

新しいことも重視だが、メリットや価格を総合判断し自分から動ける人です。

出現率は100名中13、14名です。

アーリーマジョリティとは?

新しいことや取り残されることには敏感だが、自分からは動かない人です。

100名中34名です。

レイトマジョリティとは?

新しいものを疑いの目で見て、自分では動かない人たちです。

100名中34名です。

ラガードとは?

新しいものを受け入れず、もちろん自分からは動かない人です。

100名中16名です。

(イノベーター理論の詳細は、人を5分類化し商品の広がりを理論化「イノベーター理論」についてわかりやすく解説を参照)

キャズム理論とイノベーター理論の関係は?

上記区分けの内、イノベーター、アーリーアダプターは、新しいものを積極的に受け入れる人です。

アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードは、新しものを積極的に受け入れない人となります。

丁度この間にキャズムが存在します。

プロダクトライフサイクル(PLC)とは?

商品・製品・サービスは必ず導入期→成長期→成熟期→衰退期というサイクルとなる

新商品は、上図のようなサイクルを必ずたどります。この法則をプロダクトライフサイクル(PLC)と言います。

キャズム理論とPLCの関係は?

上図は、プロダクトライフサイクル(PLC)にイノベーター理論とキャズム理論を重ねたものです。

このように成長期に入るには、アーリーマジョリティに受け入れてもらうためにキャズムを超えないと、成長期に入ることができません。

(PLCの詳細は、プロダクトライフサイクル(PLC)をわかりやすく解説&使い方紹介を参照)

ちなみにラガードは上図に入れておりません。この層への対策はハードルが高すぎるからです。

具体的には、現時点でガラケーを使っていたり、いまだに、LINEをインストールしていない人達なので、こだわりが強く、こだわりを超えて商品を導入するハードルが高いからです。

人には大きく2つの種類がいることがキャズムの原因

キャズムが発生する理由は、人は大きく2つの種類がいるからです。

新しいものを積極的に受けいれる人(16%)と受け入れない人(84%)です。

それぞれに濃淡があり、受け入れる人の中でも先進的なイノベーターとそうではない、アーリーアダプター。

受け入れない人の中では、まだ積極的なアーリーマジョリティ、積極的ではないレイトマジョリティ、頑固者ラガードに分かれます。

人には大きく2つの種類がいる理由

なぜ人には大きく2つの種類がいるのでしょうか?すべては、DNAによります

新しいもの好きな人は、基本新しいものが出れば飛びつきますし、そうでない人は基本飛びつきません。

好きなモノ・興味のあるもので、変わる場合はありますが、基本は同じ傾向となります。

狩猟採集時代の1万年前から、人は基本的な思考はさほど変わっていないそうです。

狩猟採集時代に、現代へつながる子孫を残すことができた人はどのような人でしょうか?

集落を飛び出て外の世界を知りたい新しいもの好きな人は、当然ながら、外敵に見つかりやすく、生き延びることができません。

ただ、慎重派の人ばかりだと、新しい食料にありつけることができずに、今の食料が尽きると死に絶えます。

だから、すべてがどちらの性質になるわけではなく、両方の性質の人のDNAが受け継がれて、今につながっているのです。

ただ、積極的に新しいものに興味を持つ人のリスクが高く、16:84という比率に落ち着いたのです。

キャズムを超える方法とは?

新しいものを積極的に受け入れる人と積極的に受け入れない人の違いは、DNAが決めています。

ということは、まったく違う種類の人なのです。

だから、新しいものに飛びつく人とそうでない人とは、アポローチ方法や伝え方が全く変わるのです。

新しいものに積極的な人へのアプローチ

新しいものに積極的な人へのアプローチは、今までにない、革新的などの「新しいもの」というキーワードがポイントとなります。

新しいものに積極的ではない人へのアプローチ

積極的に受け売れない人は、みんなが使っているから、取り残されたくないなどの「しょうがなく」がキーワードとなります。

キャズムを超えるためには、まったく違うアプローチが必要となります。

過去にキャズムを超えて世間に広がった商品は、衣食住にからむ必需品でした。

ただ、近年キャズムを超えて、世間に広がっている商品は、スマホ、パソコン、LINE、Instagram、Twitterなどのコミュニケーションツールです。

使えないとコミュニケーションで困ることになる商品・製品・サービスです。

逆に言えば、しょうがなく導入せざるを得ないがゆえに、新しいものを積極的に取り入れない人を巻き込むことができ、市場が広がったのです。

キャズム理論のまとめ

商品が世間一般に広がる際に必ずある大きな障壁のこと

人の持って生まれた性質が商品の広がりに大きく影響するのです。

だからこそ、人の根本を知ることがビジネスにおいて大事なことになります。

ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。

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