戦略・戦術を立案する際にどのように考えたらいいか?結構こまりますよね。
戦略・戦術に関しては、先人の方々が様々なフレームワークとしてノウハウを残してくれています。
その中でも、戦略・戦術の基礎の基礎となるフレームワークが「コトラーの競争地位戦略」です。
この記事では、戦略・戦術立案のためにまず最初に知っておきたい、「コトラーの競争地位戦略」についてわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則を用途別に分けて紹介)
コトラーの競争地位戦略とは?
・マーケットシェアごとに4分類し、各分類ごとの基本戦略を提示したもの
・4分類とは、リーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワー
コトラーの基本戦略とは上記です。
コトラーの基本戦略を知っていると、同一業界内において、競合が考える基本戦略は何なのか?そしてその競合に勝つための基本戦略は何なのか?がわかります。
リーダー、チャンレンジャー、フォローワー、ニッチャーと4つに分類化したことで、とてもわかりやすいフレームワークとなっています。
コトラーの競争地位戦略の「詳細説明」
同一業界が前提になりますが、業界内の会社を4つに区分しています。自社がどの区分かにより、基本戦略が定義されています。
リーダー、チャンレンジャー、フォローワー、ニッチャーそれぞれについて解説します。
リーダーの解説
リーダーとは?
業界のトップ企業のことです。一番シェアを持っていて、ブランド力が高い、豊富な資源を持つなどの特徴があります。
リーダーの基本戦略
新規顧客の開拓や製品ラインの拡大により、市場全体を拡大する戦略、2位以下と同じことをおこなう同質化戦略、高い品質を維持し、ブランド化を図る戦略が基本戦略となります。
マーケットが伸びればシェアが同じでも売上が上がりますので、市場が伸びるような施策を実行することが戦略になります。
また、マーケットにおける強さを生かして、2位以下と同じ展開をすることで、2位以下のシェアを取ってしまう戦略も可能です。
価格競争に巻き込まれないようにブランド化等を行うことで、競合が価格を下げてきても利益が出るコスト構造を事前に準備しておくことで競合がシェアを維持する戦略も取れます。
このようにリーダーは市場における強さを生かした戦略を複数取ることが可能です。
チャレンジャーの解説
チャレンジャーとは?
業界2位グループの会社のことです。1社の場合もあれば、3~5社程度あることもあります。
チャレンジャーの基本戦略
現時点では、1位の会社に負けている状況の中、1位を目指すためには、大きく2つあります。
一つ目は、1位の会社が手を出していないマーケットを獲得することで、シェアを拡大する差別化戦略です。
もう一つは、2位以下の別の会社と合併して、一気にシェアを上げる戦略です。
ニッチャーの解説
ニッチャーとは?
チャレンジャーよりシェアの低い会社で、かつ、リーダー・チャンレンジャーが入ってこない小さなマーケットを攻めている会社です。
ニッチャーの基本戦略
リーダー・チャレンジャーが攻めてこない小さなマーケットを見つけて、そのマーケット内で高シェアを取る戦略が一番有効な戦略です。
リーダー・チャレンジャーが、攻めるには非効率だと判断かつ、最低限売上が上がるマーケットをどう見つけるかがポイントとなります。
フォロワーの解説
フォローワーとは?
リーダー・チャレンジャー各社よりシェアが少なく、ニッチャーにもなれない会社群です。
フォローワーの基本戦略
基本的には製品・商品・サービスに強みがないため、上位企業を模倣する低価格戦略が基本となります。
低価格戦略なので、体力勝負となり、厳しい戦いとなるので、まずは、ニッチャーになることが大事です。
コトラーの競争地位戦略の「使い方」
・どの分類にいるかを把握
・どの分類にいきたいかを決める
まずは、自分の会社が上記の4分類のどの立ち位置にいるかを把握します。
次にどこに行きたいのかを決めます。リーダーなら更にシェアを上げたいとか、チャレンジャーならリーダーになりたいなどです。
その結果、上記の通り基本戦略が決まってきますし、狙いたい区分けにいる会社が基本戦略として何をしてくるのかが予測できます。
ここまで決まれば、基本通り進めるのか?裏をかく戦略で行うのか?競合の動きに合わせて戦略を臨機応変に変更するのか?などの選択となります。
コトラーの競争地位戦略の「まとめ」
・マーケットシェアごとに4分類し、各分類ごとの基本戦略を提示したもの
・4分類とは、リーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワー
競合の基本戦略を想定しながら、自社の基本戦略を立てることができるフレームワークです。
基本がわかると応用できます。逆に基本がわからないと、間違った戦略を取ってします可能性が出てきます。
したがって、このようなフレームワークを頭の中に入れておくことで、「普通はこのようになる、だからこうしよう」という基本戦略や「普通はこのようになる、でもそのようになっていない」という市場のゆがみを把握することができます。
上記がすぐにすぐに考えることができるようになることで、より確率の高い戦略・戦術を立案することができるようになります。
他にも沢山のフレームワーク・法則の記事を書いています。参照下さい。
「開発→生産→販売」、「分解して考える」、「ロジックツリー」、「プロダクトライフサイクル」、「キャズム理論」、「SWOT分析」、「ファイブフォース」、「リボン図(マッチングモデル)」、「AISAS(アイサス)」、「AIDMA(アイドマ)」、「ABC分析」、「4P」、「アンゾフの成長マトリクス」、「アップセル・クロスセル」、「ポーターの3つの基本戦略」、「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」、「ランチェスターの法則」、「イノベーター理論」、「ロングテール」、「感度分析」、「262の法則」、「パレートの法則(28の法則)」、「メラビアンの法則」、「マズローの5段階欲求」、「ジョハリの窓」
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