良い会社の条件 営業力に頼らない会社

6.いい会社の判断方法
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営業力に頼らない会社は良い会社です。一見間違っているように感じるかも知れませんが、これは会社の本質に通じる事実です。

この記事では、良い会社は、なぜ営業力に頼らないのか?をわかりやすく解説します。この見分け方を知っておくだけで、良い会社の見分け方のスキルが上がります。転職等で活用できますよ。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、知っておきたい いい会社の判断方法

良い会社はなぜ営業力に頼らないのか?

・商品力がある
・商品開発を全社の最優先課題としている

上記が理由です。要は商品が強いから営業力に頼らないという状態なのです。

逆に悪い会社は、商品力がないことに対する本質改善をおこなわないから、顧客接点である営業に全責任を押し付けるのです。

それぞれを解説します。

商品力がある

商品力があるとは?

商品が他社より課題解決できる度合いが大きい

商品力がある状態とは、他社よりも課題解決できる商品・サービスを持ってるということです。

(詳しくは「製品・商品・サービスとは何?」をわかりやすく解説を参照)

したがって、商品が解決できる課題があるとわかるだけで、商品案内することで大きな売上を上げることができます。

最近は、インサイドセールスが流行っていますが、電話やメールだけの接点で販売するということは、商品力がないと売れません。

数回の電話やメールでは、顧客それぞれが抱える課題を詳細に把握することができないからです。

実際に私も、沢山のインサイドセールスを受けていますが、当社の課題を聞いてくるのは、10社に1社です。

逆に言えば、これで売れているのです。

商品力の弱さを営業力でカバーできるか?

できる可能性はあるが、とても労力がかかり費用対効果が合わない

商品力の弱さは、営業力でカバーできる可能性はありますが、とても労力がかかります。

商品力がないと、アポが取れませんのでそもそも商談ができないし、商談できたとしても顧客の要望を解決できる可能性が低いためです。

商談を獲得する時間と商談時間が、売れる商品を持つ会社と比べるとはるかに時間がかかってしまいます。

なんとか営業力で売るんだという会社もありますが、商品力が低い商品であればいくら営業力があっても売れないものは売れないです。

先日、弱い転職サイトの優秀な営業担当と話しをしました。商談内容は完璧で申し分ない。ただ、その媒体に広告掲載はしませんでした。

採用できるかどうかが一番のポイントなので、媒体力がある(応募数が多い)かどうかが掲載する媒体を決めるたった一つの基準となるからです。

私も長く営業をしているので、営業の価値を見い出したいが、媒体力の土台がないと営業力は発揮できない典型的な事例です。

人間関係で売れるのか?

売れる場合もあるが、個人の能力もしくは長い取引実績が必要

人間関係で売れている事例も存在します。この場合は、商品力+その営業担当の力の合計が商品力となっている場合です。

弱点は、営業担当が変わると本当の商品力だけになるので、後任の営業の能力に頼ることになり、多くは売れなくなるのです。

更に最大の弱点は、顧客がお金を使う際は、人間関係<会社のメリットが大前提の時代となったので、昔のように、関係性を構築し、こまめな訪問するだけでは売れない時代になったのです。

過去は、他社より高くても発注してくれていましたし、その権限がある人が多くいました。ただ、今の時代は、そんな権限を持つ人はほんのわずかになってしまいました。

営業力があると言われている会社で、商品力が弱い会社はない

売れると営業力があると思われる

営業力が強いと言われる会社で、商品力が弱い会社を私は知りません。

営業力が強いと「言われる」のは、周りの評価です。周りとは、営業される人、もしくは競合他社の評価です。

強い製品・商品・サービスを営業されると説得力があり、納得感もあるので営業力があると感じやすくなります。

また、競合他社は、その会社に負ける経験を沢山します。負けた際の理由を聞くと、上記の話になるので、競合は営業力が強いと感じるのです。

例えば、リクルートさんやキーエンスさんがよく営業力が強いと言われますが、どちらの会社も商品力が競合と比べるとはるかに強い。

両社の営業担当は、その商品力を生かして、いかに早く高く売上を上げるかを追求しています。結果、営業力が強く見えるのです。

確かに両社とも、営業はかなり鍛えられていますが、一番の強みは商品力が高いことです。

商品開発を全社の最優先課題としている

商品力が大事だとわかっているから最優先でおこなう

商品力を上げることはとても難しいです。すぐにニーズは変わりますし、競合も現れます。ただ、この難しいことをやらないと会社が成長できないことがわかっているから、商品力に直視するのです。

商品開発のサイクル

「開発」→「生産・仕入」→「販売」のサイクルが商売の基本

会社は、商品を開発→製造→販売→開発→製造→販売というシンプルなことをおこなっています。

したがって、一番大事なことは、この一連の流れをちゃんと回すことです。

商品力がある会社は、間違いなく、上記のサイクルが全社で回っています。

現場のニーズを把握し、ニーズを満たす商品を開発製造して販売します。売れるとOKですが、売れなければ現場のニーズと何がずれているのか?を把握して商品改良をおこないます。

このように改善をおこなうことで必ず売れるようになるのです。

(商売の基本の詳細は、一番基本のフレームワーク「開発→生産→販売」をわかりやすく解説を参照)

商品開発のサイクルが回らない理由

全社課題を直視しなくなるから

誰もがわかっているのに、上記のサイクルが回らないのはなぜでしょうか?

ほとんどが、分業体制によって、全社の全体最適ではなく、各部の部分最適を考えるようになるからです。

(詳しくは「部分最適と全体最適の違い」をわかりやすく解説を参照)

各部の上位者となる事業の責任者が、部分最適にならないように組織をオペレーションしないと、各部署の判断=部分最適になってしまいます。

部分最適を放置すると、各部署ができないことを他部署の責任にし始めます。他の部署の仕事内容が見えないから疑心暗鬼になっていくことと、責任転嫁しやすいからです。

結果、本当は商品力がないのに、営業力がないから売れないという話にすり替わってしまうのです。

「営業力に頼らない会社は良い会社」まとめ

・商品力がある
・商品開発を全社の最優先課題としている

営業力はあった方がいいです。ただ、商品力がないと全く役に立たないのです。

また、会社全体でお客様のニーズをくみ上げて、商品化するフローを営業現場だけに任せると何も進みません。経営のスキルが必要なのです。

だからこそ、この2点がちゃんとできている会社はとても良い会社です。

できていない会社は、商品力がさらに低下し、業績不振となります。

他にも良い会社を見分ける方法を解説しています。参照下さい。

さくっと知りたい方は、上記の記事のポイントだけをまとめた以下の記事を参照下さい。

現象から判断する!「良い会社かどうか?」の見分け方を参照下さい。

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