能力が高くても、能力をちゃんと発揮しなければ、能力が低いことと同じになります。
様々な組織において、能力を発揮できるかどうかは、個人の問題・組織の問題含めて、沢山の要因が絡みあう場合が多くあります。
この記事では、能力を発揮する率を下げる13の要因と、どう上げるかの対策をわかりやすく解説します。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが書いています。
(あわせて読みたい 「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説)
能力発揮率とは?
個人の能力をどこまで発揮するか?を表したもの

能力発揮率は、上図の赤字部分「個人力=個人の能力×能力発揮率」の構成要素です。
(この図の詳しい説明は、「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説を参照)
個人力を上げるには、個人の能力を上げるのか?能力発揮率を上げるのか?両方上げるか?になります。
この個人力を上げる要素となる能力発揮率について、能力発揮率が低くなる13の要因と対策3つをひとつずつ解説していきます。
能力発揮率が低くなる要因
能力発揮率が低くなる要因には、大きく2つに分けることができます。
- がんばっているが、能力を発揮できない
- がんばれなくて、能力を発揮できない
それぞれ解説します。
がんばってるが能力を発揮できない
頑張っているのに、能力が発揮できないのは、大きく3つあります。
- がんばらなくてもいいことをがんばっている
- いやいやがんばっている
- がんばってもできない
それぞれを解説します。
がんばらなくてもいいことをがんばっている
がんばっているのに、能力が発揮できない理由のひとつは、がんばらなくてもいいことをがんばっている場合です。
これにより、本来頑張るべきことができなくなってしまいます。
- 個人の間違った思い込み(自分は正しいと思っている)
- ミッション設定の不備(間違った指示)
- 他人の正解探し
この3つが典型的なパターンです。
個人の思い込み
一生懸命仕事をしているのですが、実はがんばらなくてもいいことを「自分で選択」してしまう場合です。
回りのサポートの問題も含みますが、報連相しておけば、途中で修正できる内容です。
ミッション設定の不備
これも実は多いのですが、ミッション設定(目標設定)された内容が間違っていたり、不明瞭だったりする場合です。
ミッション設定(目標設定)=分業設計は役職者の仕事です。ここに問題があります。
他人の正解探し
本来は、顧客の課題解決をおこなうために考えればいいのですが、上司が考える答えを一生懸命考える場合です。
俗にいう「忖度」という言葉に代表されます。古い会社の風土風習によくあります。せっかくの能力を課題解決ではなく、上司が何を考えているかを推測することに使ってしまいます。
いやいや頑張っている
恐怖で人を動かす組織に多いパターンです。
いやいやかんばっているので、自分で積極的に考えず、ヌケモレが多くなることと、やったとしても言われたことしかやらなくなる場合です。
がんばってもできない
がんばってもできない。個人力=個人の能力×能力発揮率という式で表されますが、個人の能力部分の問題となり、能力発揮率とは別で考える内容となります。
がんばれなくて能力を発揮できない
がんばれないにも2つあります。
- がんばりたくない
- がんばれない
それぞれ解説します。
がんばりたくない
頑張りたくない場合は、5つあります。
- 会社が嫌い
- 上司が嫌い
- 個人の資質の問題
- 自分の仕事の領域ではない
- すでに頑張っていると思っている
この5つをそれぞれ解説します。
会社が嫌い
会社が嫌いなら、がんばらないですよね。すごく当たり前。最低限のことや、やったふりをすればいいとなる場合です。
上司が嫌い
これも会社が嫌いと近いです。最低限のことをやっておけばいいとなります。
個人の資質の問題
一定以上は頑張りたくない人は一定数います。これは、個人の問題です。ただ、採用した組織の問題でもあります。
自分の仕事の領域ではない
会社は基本分業なので、この問題はどの組織でもおきます。ただ、組織の課題の多くは、組織間でおきます。
意識が高い人は、このような組織間の問題に対応するのですが、一般の人は、忙しくなりたくない、責任を取りたくないので見て見ぬ振りをします。
すでに頑張っていると思っている
本人は、100%力を出していると思っていますが、周りから見たらそうではない場合です。
実は、本人は100%と思っていたが、50%しか能力を発揮していなかった場合です。
がんばれない
がんばれないのは3つあります。
- 体調の問題
- 家庭の問題
- 他責思考
それぞれを解説します。
体調の問題
体調が悪ければ、がんばろうと思ってもどうしても制約されてしまいます。
家庭の問題
この問題も大きな問題で、揉め事があり、気分がすぐれないため、力を発揮できないことや、介護などのように物理的な問題で働けないという問題もあります。
他責思考
体調・家庭の問題とは大きく違う内容ですが、がんばれない大きな理由となります。
他責なので、自分が悪いわけではないという意識に支配されるので、がんばろうというインセンティブが働きません。
能力発揮率を上げるには?
上記の問題を一覧化すると以下になります。
- 1.個人の思い込みで、がんばらなくてもいいことでがんばっている
- 2.ミッション設定の不備で、がんばらなくてもいいことでがんばっている
- 3.他人の正解探しで、がんばらなくてもいいことでがんばっている
- 4.いやいや頑張っている
- 5.がんばってもできない
- 6.会社が嫌いでがんばりたくない
- 7.上司が嫌いでがんばりたくない
- 8.個人の資質の問題でがんばりたくない
- 9.自分の仕事の領域ではないのでがんばりたくない
- 10.すでに頑張っていると思っている
- 11.体調の問題でがんばれない
- 12.家庭の問題でがんばれない
- 13.他責思考でがんばれない
上記のように沢山の要素があるように感じます。でも、実は3つの打ち手で解決する内容です。
まず最初に、会社と個人のミッション設定(目標設定)が精緻にできていれば解決する問題はどれでしょうか?
1.2.3.4.9.10が解決しそうですね。13の内6つが解決します。
では次に、個人が抱える問題なので、個人で解決するしかない問題はどれでしょうか?
5.8.11.12.13が解決しそうです。13の内5つです。この2つで合計11です。
※12については、会社の制度設計が解決施策となる場合もあります。
残り2つの6.7は、誤解を解いたり、歩み寄りで嫌いが緩和すればいいですが、緩和しないのであれば、退職することが唯一の解決策となります。
このように整理すると、半分は、個人の問題、半分が組織の問題となります。
個人の問題は、自分で解決するしかないですが、組織の問題は、ミッション設定(目標設定)をどのように精緻化するか?が大事なポイントとなります。
ミッション設定(目標設定)は査定項目として使われる場合も多く、お金に絡む問題なのでとても重要です。
実はこれだけ多くの問題を解決する内容なので、本来は、制度設計をしっかりおこなう重要度は、とても高いものとなります。
でも、この部分の重要性に気づかずに、ちゃんと取り組まない会社が多いのも事実です。
逆に言えば、今できていなくても、ちゃんとこの問題に取り組む会社はいいのですが、この制度設計をちゃんと考えない会社は、退職することがおススメとなります。
とても大事なことに手を打たないので、その他の部分についても不備だらけとなっている場合が多い可能性が高いからです。
給与に関わる部分でもあり、恣意的な要素(好き嫌い)が絡む内容でもあるため、最需要課題として力を入れない限り、絶対に解決しません。
私も5社で働いていますが、この5社を良い会社からランキングした場合、ミッション設定(目標設定)の制度がしっかりしているかどうかと明確にリンクします。
会社は分業でなりたっていますので、この分業設計が基礎の基礎となるからです。
もし、退職を検討することになれば、理解いただきたいこととして、転職の成功と転職関連の知識量は完全にリンクすることです。
ちゃんと知識を得てから、活動しましょう。1回の失敗が履歴書を汚すことになります。
汚れた履歴書は、採用率を大幅に下げることになります。
(転職の進め方は、20代「転職の流れ(転職判断・会社選択・広告の見方・面接のポイント)」をわかりやすく解説を参照)
能力発揮率のまとめ
個人力=個人の能力×能力発揮率
能力発揮率を上げる施策は、以下3つです。
- ミッション設定(目標設定)の精緻化
- 個人課題のクリア
- 誤解の解消と歩み寄り
能力発揮率を上げる打ち手は、この3つに絞られます。皆さんの働いているはどうですか?
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

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