仕事では時間が有限なので、すべての顧客や業務に同じ力を使うことはできません。
したがって、業務の優先順位をどう付けるかがとても大事になります。
このような場面で使えるのがABC分析です。
この記事では、このABC分析の使い方と使う際の注意点をわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい【課題解決】問題課題、戦略戦術フレームワーク・法則)
ABC分析とは?
重要度を3つに分けて分析する方法
顧客や商品を取引額の上位から並べて、上位をAランク、中位をBランク、下位をCランクと区分けし、それぞれのランクに応じた対応を行う分析方法です。

よく使われるランク分けは、上図のように取引額上位顧客から順番に並べていきます。
そして、上位から70%までの顧客や商品をAランク、70%から90%をBランク、90%から100%をCランクとします(分け方は様々です)。
上記のように分けると、上図のような顧客構成なら、全20社の内、A~Cの3社がAランク、D~Gの4社がBランク、H~Tの13社がCランクとなります。
このように分けて、ABCそれぞれに対して何をするのかを考えていきます。
よく似た法則に、上位2割で全体の8割を占めるとして有名な、パレート(28)の法則をベースがあります。ABC分析は、このパレート(28)の法則をベースにしています。

(パレートの法則の詳細は「パレートの法則(28の法則)」超簡単解説&使い方紹介を参照)
ABC分析の「これだけ知ろう」
・何かの制約があることが前提
・取引額・取引量を基準に力の入れ具合を決める方法
この2つを知っておきましょう。
ABC分析の「詳細解説」
上記2つをそれぞれ説明します。
何かの制約があることが前提
優先順位を決めるのは、すべてできない状況だから
ABC分析は、Aランク・Bランク・Cランクと分けて優先順位をつける方法です。当然Aランクに一番リソースを振り分けます。
優先順位を決めないといけないのは、すべての業務ができない制約があるからです。
例えば営業担当が訪問して商品を販売しないといけない場合、営業担当の物理的な行動量に訪問量が制約されます。
また、実店舗で商品を販売する場合も、展示できる商品数に限りがあり、店舗の広さに制約されます。
このように制約されることがあることを前提に、優先順位を決める必要があるのです。
取引額・取引量を基準に力の入れ具合を決める方法

どの会社でも、顧客や商品を上位から並べると上記のようになります。
取引している全社が同じ売上や販売数量にはなりません。20社取引している場合、上位3社で全体の70%のシェアを占めている場合が多く、シェアの少しの変動はありますが、概ねこのような状況になります。
そうなると当然上位A~Cの3社を優先する必要があります。このようにどこに重点的に使えるリソースをかけるを考える手助けになるのが、ABC分析です。
ABC分析の「使い方」
上記の考え方を元にすると、使い方は明確です。
何かの基準を決めて、上位(Aランク)、中位(Bランク)、下位(Cランク)を区分けする。
よく使われるのは上記のように上位70%はAランク、70%から90%はBランク、90%から100%はCランクという風に分ける。
基本は売上とか取扱い量の多いものから並べて区分けします。そして、ランク分けし、何をするかを決める。
例えば、Aランクには週に1回訪問、Bは月1回の訪問、Cは3か月に1回の訪問など。
商品であれば、Aは絶対に在庫切れをおこさない、Bはできるだけ在庫切れをおこさない、Cは在庫切れOKなど。
このようにABCに分けることで対応を変える方法として使ってみてください。
ABC分析の「まとめ」
・何かの制約があることが前提
・取引額・取引量を基準に力の入れ具合を決める方法
制約がある場合は、優先順位を決めて業務を行いましょう。かけることができるリソースで最大効果を発揮することができます。
他にも課題解決力が上がる「問題・課題用フレームワーク」に関する以下の記事を書いています。参照下さい。
- 「ロジックツリー」
- 「プロダクトライフサイクル」
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- 「3C分析(市場・競合・自社)」
- 「SWOT分析」
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