目指したい姿・現状・問題・課題・戦略・戦術の関係性を、1枚の絵で表すことができます。
「戦略」や「課題」といった言葉は会社でよく使われますが、その定義は人によって大きく異なることが少なくありません。
しかし、この1枚の絵を理解すれば、それぞれの言葉の関係性を明確にし、あなた自身の定義を持つことができます。
もし相手と言葉の定義が違っていても、この絵が示す意味や関係性を理解していれば、頭の中で言葉を置き換えることができ、スムーズなコミュニケーションにつながるでしょう。
この普遍的で抽象化された1枚の絵は、仕事だけでなくプライベートでも活用可能です。
この記事では、その具体的な使い方をわかりやすく解説していきます。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい【概念の本質】ビジネスの根幹・基礎用語の本質・人の本質)
目指す姿・現状・問題・課題・戦略・戦術を1枚の絵で表す

この三角形の図が目指したい姿・ありたい姿、現状・問題・課題・戦略・戦術すべてを表わしています。
すべての要素は、「目指したい姿・ありたい姿」になることが目的であり、そのための課題解決の手順として各要素が必要になります。
1枚の絵の詳細解説
- 目指したい姿・ありたい姿=ゴールを設定
- 現状を把握
- 現状とのギャップが問題
- 問題の中で解くべき問題が課題
- 課題解決の方法と時間軸が戦略
- 戦略の具体的な行動が戦術
これら6つの要素の流れを押さえることで、目指したい姿、現状・問題・課題・戦略・戦術の関係性が明確に理解できます。
1.目指したい姿・ありたい姿=ゴールを設定
右上に目指したい姿を置きます。目指したい姿なので、理想、ゴール、目標を設定します。
「〇〇になる、〇〇の目標を達成」などの言葉で表します。
2.現状を把握
左下に現状を置きます。現状をありのままに、全て書き出してみましょう。
「〇〇です」「〇〇な状態」といった言葉で表現されます。
3.現状とのギャップが問題
目指したい姿と現状が把握できると、その高さの差(ギャップ)が問題となります。
「〇〇が不足している、〇〇がない、〇〇で困る」などの言葉で表されます。
4.問題の中で解くべき問題が課題
問題は数多く存在し、その全てを一度に解決するのは非現実的です。そこで、解決すべき問題を特定する必要があります。それが課題です。
課題は、複数の問題の中から抽出された一部を指します。
図で表すと以下になります。

課題は、「〇〇をいかに解決するか?、〇〇の策定、〇〇の対策」などの言葉で表されます。
(問題と課題の違いは、人により定義が違う「問題と課題の違い」をわかりやすく解説を参照)
5.課題解決の方法と時間軸が戦略
いつまでに目指したい姿に行きたいか?が横幅です。横幅の時間内に課題を解決し、目指したい姿に行く方法が必要になります。
この「行き方」が戦略であり、「〇〇〇する」という言葉で表現されます。
そして、戦略を具体的な行動に落とし込んだものが戦術です。
「〇〇するために〇〇を具体的に行う」といった形で表されます。
(戦略と戦術の違いは、様々な説のある「戦略と戦術の違い」をシンプルにわかりやすく解説を参照)
(課題解決の詳細は、課題解決とは?意味・考え方・進め方をわかりやすく解説を参照)
1枚の絵を変化させることで様々なことがわかる
この絵は、高さや幅、目指す姿の有無を変えることで、様々な示唆を与えてくれます。
時間軸(横幅)を変えてみる
まずは、時間軸だけを変化させると、何が起こるか?を見てみます。

上図のように、目指す姿・現状は一緒のままで、時間軸である横幅を変えてみます。左側は、時間軸を長く、右側は、時間軸を短くしてみました。
左右の図では、現状から目指す姿に向かう角度が変わります。当然、右側の時間軸が短い方がより急な角度となります。
これにより、「行き方」、つまり戦略が変わるのです。時間軸を短く設定すると、それに応じた異なる戦略が必要になります。
目指したい姿の高さを変えてみる
目指したい姿の高さを変えてみるとどうなるか?

上図のように現状はそのままで、目指したい姿の高さのみを変更します。
そうすると、当然問題及び課題が変わります。課題が変われば、行き方である戦略も変わってしまいます。
高さを変えても戦略が変わるのです。
目指す姿を設定しない
目指す姿を設定しないとどうなるか?

上図のように、目指す姿を設定しないと、当然高さと時間軸がわからないので問題が設定できず、課題も設定できません。そうすると当然戦略も設定できません。
まさに行き当たりばったりの状態となってしまいます。
大事なことは「目指したい姿を設定する」こと
目指したい姿を設定しないと課題も戦略も設定できない
この三角形の図が示すように、「目指したい姿」「ありたい姿」「ゴール」を設定することこそが、すべての始まりです。
これらがなければ、問題も課題も戦略も設定できません。つまり、ここが最も重要なポイントとなります。
目指したい姿を決めるのは、口で言うほど簡単ではありません。しかし、ここが決まらない限り、すべてが停滞し、無駄が生じてしまうでしょう。
まずは目指したい姿をイメージすることから始めましょう。無理にでも目指したい姿は設定したいです。
一旦、目指したい姿・現状・問題・課題・戦略を決めておけば、後でどの部分が悪かったのかを振り返ることができます。
このPDCAにより、ノウハウを得ることができ、成長することができます。
(PDCAの詳細は「PDCAサイクル」を超簡単解説&使い方紹介を参照)
目指したい姿を設定する際には、一つ注意点があります。
それは、できるだけ数値に置き換えて設定することです。例えばスポーツであれば、優勝、〇回達成、誰々に勝つなど、ゴールは明確ですよね。
一方、仕事では明確なようでいて、実はゴールが不明確なケースが多く見られます。しかし、不明確なままにするのではなく、できる限り具体的な数字で目標を設定しましょう。数値化することで、具体的な振り返りが可能になります。
最初は設定しづらいかもしれませんが、慣れるときっとできるようになります。
目指す姿・現状・問題・課題・戦略・戦術を1枚の絵で表す「まとめ」
- 目指したい姿・ありたい姿=ゴールを設定
- 現状を把握
- 現状とのギャップが問題
- 問題の中で解くべき問題が課題
- 課題解決の方法と時間軸が戦略
- 戦略の具体的な行動が戦術
この1枚の絵は、仕事でもプライベートでも、何かを実行する際に役立ちます。常にゴールから逆算して考えましょう。
また、言葉の定義は人によって異なるものです。特に転職などで環境が変わると、その違いは顕著に現れます。
しかし、言葉の定義そのものに固執するのではなく、各要素の関係性をしっかりと理解しておくことが重要です。
そうすれば、例えば相手が「戦略」と言っていても、実は「課題」について話しているのだと解釈でき、より円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。
特に「課題」と「戦略」の定義は本当に人それぞれなので、無理に定義を揃えようとせず、相手の意図を汲み取ることが賢明です。
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