問題及び課題の言葉の定義は、人によりさまざまです。
ビジネス用語には、人による解釈の違う言葉が沢山あります。その中の一例が「問題と課題」です。
このような言葉の場合、相手の定義を変えてもらうことは難易度が高いので、まずは自分の定義をしっかり持つことが大事です。
そうすれば、他の人がどのような定義で問題と課題という言葉を使っているかがわかるため、コミュニケーションが円滑になります。
一歩引くと、そもそも問題・課題という言葉を定義することが目的なのでしょうか?
問題・課題を設定する目的は、目指したい姿を実現することです。
この記事では、この目的を念頭に置きながら、問題・課題の意味と違いをわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・営業課長・営業部長・営業本部長の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
この記事を読むと、問題と課題の違いについて、自分なりの定義を持つことができます。
(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
問題と課題の違いとは?
・問題は、目指す姿と現状のギャップすべて
・問題は、現象と原因の2つが含まれる
・課題は、解決すべき問題で、問題の中の原因部分にある
これが問題と課題の違いを表す内容です。
問題と課題の会社の活動における位置付けは?
上図は会社の活動を1枚の図で表したものです。「問題と課題」は、「課題解決」をおこなう「組織活動」の行動の中にあります。
(上図の詳しい説明は、会社の活動をたった「1枚の図」で表すを参照)
問題と課題の違いを「詳細解説」
まずは、問題・課題とセットで出てくることが多い、戦略・戦術も含めて全体像を説明します。
目指す姿・問題・課題・戦略・戦術の関係とは?
下図は、目指したい姿と現状・問題・課題・戦略・戦術を一枚の絵で表したものです。
- 「目指したい姿・ありたい姿」がスタート
- その姿と「現状」の差を見て「問題」を洗い出し、その中から「課題」を設定します。
- 課題解決をおこなうために何をするか(=戦略)を決めます。そして具体的に行うこと(=戦術)を決めて実行することで、目指す姿に行くことができます。
問題・課題・戦略・戦術の関係性は、この1枚の絵である三角形ですべて表現できます。
(この三角形の詳細は「目指す姿・現状・問題・課題・戦略」をたった1枚の絵で表すを参照)
繰り返しますが、問題・課題を設定する目的は、目指す姿やありたい姿を実現することです。問題と課題を定義して振り分けることではないのです。
問題と課題の関係とは?
上図のように、問題は沢山あります。その問題には、大きく2つに分けることができます。現象と原因です。
そして、問題の中にある原因の一部に課題があります。
(現象と原因の違いの詳細は、「現象と原因の違い」をわかりやすく解説を参照)
問題の詳細
問題とは目指す姿と現状のギャップすべてのことです。ギャップなので、以下のようなものがすべて問題となります。
・新規顧客の受注ができていない(現象)
・新規顧客開拓に時間が使えていない(現象)
・既存顧客対応で精一杯(現象)
・営業担当に新規顧客開拓をおこなう意識がない(現象)
・新規顧客開拓をする必要性がわかっていない(原因)
・商品力ではなく、営業力だけで営業している(原因)
・採用活動をしているが採用できない(現象)
・募集広告を出しているが、応募がない(現象)
・募集広告が転職希望者に見られていない(原因)
・募集広告は見られているが応募にならない(原因)
・足りていない人員なのに更に退職者が出た(現象)
・商品力が以前より落ちている(現象)
・社員のモチベーションが低い(現象)
・部署間の仲が悪い(現象)
上記のように上げると沢山出てきます。目指す姿と現状のギャップなので、沢山あるのが普通です。
課題の詳細
課題は問題の中で解決すべき問題です。
問題すべてを解決できる人員数やスキルがあればいいのですが、そんなことはほぼあり得ません。
したがって、解決すべきことを選択してやることを決める(=やらないことを決める)必要があるのです。
課題の設定方法ですが、まず問題を分け、解決する問題を特定します。
問題を分ける方法
分けるためには、分ける方法が必要です。
基本となる方法は、ロジックツリーで分ける方法と、フローで分ける方法と、様々なフレームワークを使って分ける3つの方法があります。
ロジックツリーで分ける
ロジックツリーを活用して分けます。
分けたいものにより大きく4つのロジックツリーがあります。
要因分解(WHAT)、原因特定(WHY)、問題解決(HOW)、KPIツリーです。
一番大きそうなテーマを左に置きます。そして、1階層下にその要素を数個に分けます。そして、更にもう1階層下に分けます。
上図が原因特定ロジックツリーの例となります。「ホームページでの問合せが少ない」→「訪問数がすくない」と「来訪者が問い合わせない」に分ける→それぞれに検索に表示されないと表示順位が低いと知りたい内容がないと導線が悪いに分けます。
このように左から要素を分解していきます。
(詳しくは、ロジカルシンキングの手法のひとつ「ロジックツリー」をわかりやすく解説を参照)
フローで分ける
業務フローや消費者の動きや価値の負荷の流れを具体的な流れ=フローで表します。
例えば、転職サイトを使った採用だと消費者の検索の流れ=フローは上図になります。検索→当社ページの表示→詳細ページの表示→応募→面接→入社となります。
そうすると、必ず各業務の間のどこか(A~E)に問題が発生します。
(詳しくは、問題解決のために「流れで分解する」方法をわかりやすく解説を参照)
フレームワークで分ける
3C、AIDMA、AISAS、SWOT分析などが有名です。
これらは、すべて分ける方法をノウハウ化しているものです。これらを使って分けます。
各フレームワークの詳細は、問題解決のフレームワークをわかりやすく解説を参照)
解決すべき問題=課題を特定する方法
分けることができたら、次は解決すべき問題を特定します。
解決することで、目指す姿に行きやすくなるインパクトの大きいものを選びます。
ロジックツリーで分けたものから選ぶ方法
数値があれば、シミュレーションしてみて、一番インパクトがあるものを選びます。
数値がない場合は、解決した場合の影響度が高いと感じるもの(=仮説)を、理由(=仮説)を明確にして選びます。
あくまで仮説となりますが、カンで選ぶのではなく、こじつけでもいいので、理由付きで選びます。
課題として設定したものが解決した場合に、目指す姿を達成できたのか?出来なかったのか?の結果が出ます。
達成できたのであれば、課題が正しく、達成できなければ課題が間違っていたのです。
実はこの経験がとても大事で、仮説を立てる→理由を明確にする→結果がうまくいく・いかないを経験するという流れを経験することでさまざまなことを学ぶことができます。
この経験からの学びが、課題設定力を上げることにつながるのです。
フローで分けたものから選ぶ方法
数値があれば、シミュレーションしてみて、一番効果があるそうなものを選びます。
数値がない場合は、最初のフローとその次のフローの間をまずは疑います。
そこに対して、今まで様々な打ち手をおこなっていなければ、その部分の数字を上げることが大事になる場合が多くあります。
そして、その部分が解決した時に目指す姿に行けたかどうかを確認し、次の打ち手につなげます。
フレームワークで分けたものから選ぶ方法
フレームワークには、ロジックツリー的なものをフロー的なものに分かれます。
そのフレームワークがどちらに近いかで上記の選ぶ方法のいずれかを選択ししてください。
問題と課題の違いの「まとめ」
・問題は、目指す姿と現状のギャップすべて
・問題は、大きく現象と原因の2つが含まれる
・課題は、解決すべき問題で、問題の中の原因部分にある
この定義を覚えておくと、自分の中で、問題と課題の違いが明確になります。
そして、一生懸命課題でない問題と解くのではなく、課題を解くことができる入り口に立つことができます。
他にも言葉の違いを解説した記事があります。参照下さい。
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