消費者の購買行動は、認知→興味→欲求→記憶→行動の5つに分けたAIDMA(アイドマ)が長く使われてきました。
ただ、インターネットの発達により、消費者の購買行動に変化が生じました。
ボタン一つで商品を購入できるようになったことと、消費者自らが情報発信できるようになったからです。
消費者のネットでの購買行動の変化に対応し、使われるようになったのがAISAS(アイサス)です。
この記事では、このAISAS(アイサス)についてわかりやすく解説します。
AISAS(アイサス)を知ることで、AIDMA(アイドマ)と同じく、消費者の行動プロセスを分解して分析でき、自社の課題設定および施策立案の精度を上げることができるようになります。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則を用途別に分けて紹介)
(AIDMA(アイドマ)の詳細は「AIDMA(アイドマ)」消費者の購買行動を超簡単解説&使い方紹介を参照)
AISAS(アイサス)とは?
ネットの購買行動を、認知→興味→検索→行動→共有に分けたもの
具体的な課題を特定するために、分けて考える方法
AISAS(アイサス)は、この2つを知っておきましょう。
AISAS(アイサス)はどのような時に使える?
問題発見と課題設定で使えるフレームワーク
消費者の購買行動をモデル化しているため、自社の商品をネット販売する際に、どの部分に基本的な問題点と解くべき問題=課題があるかの特定がしやすくなるフレームワークです。詳細は後述します。
AISAS(アイサス)の「詳細解説」
Attention(認知)知って
Interest(興味)もうちょっと知りたいと思って
Search(検索)詳細を調べるために検索して
Action(行動)購入ボタンをクリックして
Share(共有)購入後みんなに感想を共有
それぞれの5つの頭文字を並べてAISAS(アイサス)と呼びます。分けて考える際に使えるフレームワークです。
認知→興味→欲求→記憶→行動に分解したAIDMA(アイドマ)と比較しながら解説していきます。
認知
認知=知ってもらうこと
AIDMA(アイドマ)と同じです。
まずは知ってもらうことがスタートです。知ってもらわないと絶対買ってもらえません。
ネットの広告で知る、TVCMで知る、友達から教えてもらうなど知る方法はいろいろあります。これだけ様々な広告宣伝方法が存在しているのは、各企業が商品を知ってほしいというニーズがとても多いからです。
興味
知ったときに、買いたい・気になると思うこと
AIDMA(アイドマ)と同じです。
知った時に、イメージが定着します。商品の名前だけではダメで、購入したら、どんなメリットがあるのか?どんないいことがあるのか?をセットで伝える必要があります。
したがって、商品名だけでなく、買いたいと思ってもらうような伝え方が必要です。
沢山の人に購入ほしいと思っても、さまざまな嗜好の人がいるので簡単ではありません。
インサイトやターゲットを設定し、伝える人を明確にすることで伝わりやすくしています。
検索
Webサイトで検索
ここからAIDMA(アイドマ)とは違ってきます。
AIDMA(アイドマ)とはとても変わった部分です。今までは店舗を訪問して実物を見たり、カタログを取り寄せたりしないと商品詳細はわかりませんでした。
ただ、ネットの発展により、その商品を販売する会社だけでなく口コミサイトや個人サイトなど、検索するだけで様々な情報を得ることが出来ます。
興味があるとどんな商品なのかを検索します。商品詳細は複数のWebサイトに掲載されており、すぐに調べることが出来ます。
また、実際にその商品を使った人の感想や口コミが多数掲載されています。使ったことがないが、まるで使ったことがあるようにイメージができます。
その上で更に同じような商品も多数発見でき、これらの情報を総合的に判断して、自分にとってより良い商品を見つけることができます。
行動
Webサイトでクリック
AIDMA(アイドマ)とは違います。
昔は、何かほしいと思ったら、店舗に行かないといけませんでした。それがいかなくても購入できるようになりました。通販はありましたが、電話やFAXで注文しなくてもよくなりました。
購入ボタンを押せば、早ければ翌日に家に届きます。
共有
自分の感想を伝える
自身のSNSや口コミに投稿することで、世間に自分の意見を伝うことができるようになりました。AIDMA(アイドマ)とは違います。
自分の使った感想を、全世界に伝えることができるようになり、他の人はその情報を参考に、実物を見なくても判断しやすくなりました。
ネットでの購入の場合、実物を見ずに買うため、商品が届いた際にイメージと違うことがあるのですが、この弱点を他の人のSNSや口コミ等で解消できるようになりました。
店舗購入とネット購入では、オレンジの部分が大きく変わりました。
AISAS(アイサス)の「使い方」
買ってもらうために、「認知はされているが商品の良さが伝わっていない」ことが課題です。したがって、興味をわかせるために〇〇をします。
このように商品を購入してもらう流れに分けて、どの部分が課題かを考えることで、より効果の高い打ち手を立案できます。
AIDMA(アイドマ)の時代は生産者が色々な情報を操作でき、ある意味主導権を持っていたのですが、今のネットの時代は、消費者が完全に主導権を持つようになりました。
検索すると、商品レビュー、口コミ、ランキング記事などが豊富にあります。
これらをうまく活用できれば爆発的に売れます。ただ、逆に炎上すれば全く売れないだけでなく、会社自体の存続が危うくなるリスクも増えたのです。
AIDMA(アイドマ)時代では、買ってもらえていない理由は、
商品(Product)
価格(Price)
販売する場所(Place)
伝え方(Promotion)
上記の4Pのいずれかが悪かったのです。
(4Pの詳細は、「4P」を超簡単に解説&使い方紹介を参照ください)
ただ、AISAS(アイサス)時代は、これに加えて、ネット内で流れている情報が加わりました。
商品・価格・場所・伝え方がダメであればある意味あきらめがつきます。ただ、今はネット内で流れる情報が悪ければ売れなくなりました。
買ってもらう消費者がどう感じるか?(買ってもらう行動+買った後の感想)が本当に大事な時代となりました。
今は、だましては売れない・うそをついては売れない・誇張しては売れない時代になったのです。
AISAS(アイサス)の「まとめ」
ネットの購買活動は、認知→興味→検索→行動→共有という流れ
5つのどこに課題があるかを考える
課題特定が精緻になるので良質は打ち手が立案できる
本当の商品価値が求められる時代になった
会社内の課題だけではなくなったため、課題特定が難しい時代となりました。ただ、本当に良いものは売れる時代となりました。
時代にあわせた課題特定及び課題解決をするために活用できるフレームワークの一つがAISAS(アイサス)です。
他にも沢山のフレームワーク・法則の記事を書いています。参照下さい。
「開発→生産→販売」、「分解して考える」、「ロジックツリー」、「プロダクトライフサイクル」、「キャズム理論」、「SWOT分析」、「ファイブフォース」、「リボン図」、「AIDMA」、「ABC分析」、「4P」、「アンゾフの成長マトリクス」、「アップセル・クロスセル」、「ポーターの3つの基本戦略」、「PPM」、「ランチェスターの法則」、「コトラーの競争地位戦略」、「イノベーター理論」、「ロングテール」、「感度分析」、「262の法則」、「28の法則」、「メラビアンの法則」、「マズローの5段階欲求」、「ジョハリの窓」
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