会社の決算は、事業に関わる限り(会社員・個人事業主とも)、必ず関わります。
なぜ決算が行われるのか?どんなことに注意が必要なのか?よくわかっているようで実はよくわかっていない「決算」について、わかりやすく解説していきます。
この記事を読むと、ちゃんと教えてもらう機会が少ない決算のことを理解でき、「今月決算だから交通費伝票を必ず出すこと。出さないと精算できなくなるよ。」と言われる本当の意味が分かります。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験を活かし、よしつが、とってもわかりやすく書いています。
(あせて読みたい 知っておきたいビジネススキル向上のための基礎知識をまとめてわかりやすく解説)
決算とは?
- 会社の成績表を作成する
- そのために売上を確定させ、使ったお金は証明する書類をつけて提出する
このことを知っておきましょう。
決算の「目的」
- 自分を知る
- お金を借りる場合の資料にする
- 支払う税金を確定させる
決算の目的はこの3つです。この目的のために、1年に1回各種数字を確定させて、財務諸表を作成することを決算といいます。
決算の「詳細解説」
では目的ごとに解説していきます。
自分を知る
自分を知るために、1年間の成績表を作り今後の事業活動に活用します。
成績表とは、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)の財務三表のことです。
会社の本質は、現金を使って現金を増やすことです。このことを財務三表を使って把握します。
(会社の本質は、「会社の本質は何?」をわかりやすく解説を参照)
①現金を集めて、何かに投資する、②投資したものを使って売上を上げる、その際にかかった費用を差し引く③最終的に現金が増えたかどうかを確認するという流れになります。
①は貸借対照表(B/S)、②は損益計算書(P/L)、③はキャッシュフロー計算書(C/F)を見ると分かります。このように財務三表はつながっているのです。
(財務三表の詳細は、「財務諸表(B/S、P/L、C/F)」超簡単解説&使い方紹介参照)
期初に立てた計画と比較して、今期は儲かったのか?売上は増やせたのか?コスト削減できたのか?そしてその結果、現金は増えたのか?を把握するために1年間の成績表を作成します。
お金を借りる場合の資料にする
お金を借りる際は、お金を貸してくれる会社(金融機関)にメリットがないと貸してくれません。
メリットとは、元本に金利を付加した全額を返済してもらえることです。
お金を借りたい場合には、申請書類の一つとして財務三表を提出します。逆にお金を貸す人は、貸すかどうかの判断のひとつに財務三表を使います。
税金を納める
国や地方自治体にとっては、税金を企業に払ってもらいます。
その納税額を決めるのが、決算書類(=財務三表等)です。だから、財務三表は、一定の会計ルールに従って作成されます。
各社の勝手は解釈や判断で、これらの書類を作成されたら、正しい納税額を把握できません。だから精緻なルールがあるのです。
様々な会計ルールがありますが、事業運営の実態とは異なる会計ルールがあります。
例えば原価償却です。設備等は複数年使えるので、購入した年に全額費用計上するのではなく、設備等により例えば5年とか10年に分けて費用計上するルールです。
1,000万円の設備を購入した場合、5年で償却だと毎年200万円ずつ5年間連続で費用計上します。
投資した設備等の購入費はすぐに支払います。だから、本来は、その年だけの費用となります。
ただ、企業は赤字だと納税額が非常に少なくなるので、大きな投資を複数年に分けることで、赤字になりにくくする=納税額を増やすようなルールが存在するのです。
決算の「注意事項」
経理担当の専門業務としての注意事項ではなく、一般の方への注意事項です。
たったひとつです。使ったお金は、その年度内に、使ったことを証明できる書類をつけて、会計処理を行う。
証明できる書類とは請求書や領収書です。
上記のように、自分を知る、お金を借りる、税金を納めるという目的で決算をおこなうため、本来の数字と決算書の数字が違えば大きな問題になります。最悪脱税となり罰を受けます。
例えば来期に使う経費を、今期使ったとして会計処理してしまうと、今期の利益が下がります。
そうすると納税額も下がります。ということは脱税となってしまうのです。
だから、今期のものは今期にちゃんと会計処理する必要があります。
経理の方は、あなたが会社のお金をいくら使ったかわかません。だから、使ったことをちゃんと申告しないと経理の方も数字を集計することができません。
交通費などの会社としてはそれほど大きくない金額でも、うるさく言うのはこのような背景があるからなのです。
決算の「まとめ」
決算とは、
- 会社の成績表を作成する
- そのために売上を確定させ、使ったお金は証明する書類をつけて提出する
決算の目的は
- 「自分を知る」「お金を借りる」「税金を納める」の3つ
部下に「絶対期をまたいだ精算は承認しないからちゃんと清算するように」と口酸っぱく言っておきながら、自分の机の中から期をまたいだ領収書が出てきたことがあります。さすがにどうしょうもなく自腹となりました。
そんな経験のある よしつ が自戒の念を込めて解説しました。
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