ビジネスモデルって言うと難しそうですが、要はどうやってお客様からお金を頂いているのか?の方法のことだと、私は解釈しています。
実はお金を頂く方法は、まとめてしまえばたった3つしかありません。
この記事では、なぜビジネスモデルは3つなのか?それぞれ3つの特徴をわかりやすく解説しています。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが書いています。
(あせて読みたい 知っておきたいビジネススキル向上のための基礎知識をまとめてわかりやすく解説)
売上獲得のモデルは3つ

1、直接提供モデル
「仕入れや自社製造」の「製品・商品・サービス」を、「販売・貸与」
2、マッチングモデル
「人が沢山集まる場」を作り、売りたい人に「告知」や「販売機会」を提供
3、代理モデル
上記における「代理業務」
売上獲得の方法はこの3つです。これをビジネスモデルの基本形と考えてください。
一般的に使われているビジネスモデルの複雑さについて
一般的に使われているビジネスモデルは、収益を生み出す仕組みという風に訳されます。
そしてモデルは、人により6、10、12、55モデルあると言われています。とても覚えることができない数です。
私は収益を生み出す仕組み=どうやってお金を頂いているか?でまとめて考えるようにしています。
そうしたらたった3モデルになりました。
どんなプロセスであろうが、最終的にお金を頂けるのは、お客様だけです。だから、顧客からのお金の頂き方が一番の根本になると考えるからです。
そして、その中に、色々なバリエーションがあるととらえると、考え方が整理されます。
そもそも、ビジネスモデルをモデル化する目的は、モデルを分けることではないです。
自社の既存ビジネスや新規ビジネスをより良い形にするために、どのようにしたらいいのか?を考える際の取ることができる選択肢を把握することです。
例えば、よくあるビジネスモデルの分け方で、商品を販売してその都度代金を頂く小売り業と、サブスクリプションを並列に並べています。
サブスクリプションって販売・貸与する際のお金のもらい方の一種で、現金一括ではなく、毎月等定期的にお金をもらう方法です。
そうすると、同じビジネスモデルであると考えることができます。
これをビジネスモデルのひとつと考えるからパターンが、多くなってしまうのです。
だから、まずは上記3つのモデルとしてとらえて下さい。
3つのモデルの詳細紹介
お金のもらい方は、3つしかありません。それぞれを説明していきます。
直接提供モデル
「仕入れや自社製造」の「製品・商品・サービス」を、「販売・貸与」します。
具体例で説明
・スーパーやコンビニは、「商品」を「仕入れ」て「販売」します。
・メーカーは、「自社製品を製造」し、販売店に「販売」してもらいます。
・金融業は、お金を「仕入れ」て顧客に「貸与」します。
・動画配信サービス(ネットフリックス等)は、映画やドラマを「仕入れ」て、顧客に期間を決めて視聴権を「貸与」します。
・情報共有などのグループウェアは、「自社製品を製造」し、顧客に期間を決めて、使用権を「貸与」します。
・商社は、「製品・商品・サービス」を「仕入れ」て「販売」します。
・飲食業は、食材を「仕入れ」て、加工して、「販売」します。
・ネット通販業は、「自社製品」もしくは「仕入れ」たものをネットで「販売」します。
・コンサル会社は、ノウハウという「自社商品」を顧客に「販売」します。
色々な商売がありますが、このように表現すると同じことなのです。
「直接提供モデル」のバリエーション
- 実物製品
- ネットの中のコンテンツ
×
- 商品を仕入れる
- 自社製品を作る
×
- 所有権ごと販売し、一括でお金をもらう
- 貸与し、月額でもらう
これらの掛け算です。難しく考える必要はないですね。
「直接提供モデル」のバリエーションごとの粗利率
売上が上がったとしても、利益が出なければ意味がありません。粗利率については、どうでしょうか?
(粗利率=売上総利益率の詳細は「損益計算書(P/L)」超簡単解説&使い方紹介を参照)
「実物製品」と「ネットの中のコンテンツを利用したサービス」では「ネットの中のコンテンツを利用したサービス」の方が粗利率は高い。
例えば、車のように実物を一台ごと提供する場合、原材料代が1台ごとにかかりますが、ネット内のコンテンツでは、お客様が2社になっても、原価は倍にならないどころか1社の時と同じ場合も多い。
ネットビジネスが大きく伸びているのは、売上を上げる→利益率が高いのですぐに利益が出る→投資ができる→大きく伸びるという構造になっている場合が多いのです。
実物の商品を販売する際の「仕入れ販売」と「自社製品販売」では、一定数を超えれば断然「自社製品」の方が粗利率は高くなります。
「仕入」だとどうしても上乗せできる金額が少額となりますよね。基本的に競合も同じものを「仕入」れることができるからです。
「自社製造」だと、作れば作るほど、1製品当たりの変動費は1製品ごとに増えていきますが、固定費は変わらないため、1製品当たりの原価は下がっていくからです。
(変動費固定費の詳細は、「変動費と固定費」超簡単に解説&使い方紹介を参照)
「所有権ごと販売し、一括でお金をもらう」と「貸与し、月額でもらう」では、継続することを前提とすれば、「貸与し、月額でもらう」方が粗利率は高くなる傾向があります。継続すれば、ずっと毎月お金をいただくことができるからです。
最近の動画配信サービスなどはほとんど月額ですね。
マッチングモデル
人が沢山集まる場を作り、売りたい人に告知や販売機会を提供します。プラットフォームとも言われます。
具体例で説明
GoogleやYahooは、自分の検索サイトに「人を集めて」各企業に「告知」用の広告を販売します。
楽天は、楽天市場のサイトに「人を集め」、各企業に販売スペースを提供し、「販売の機会」を提供します。
リクルートは、今はネットが主ですが、昔は新卒対象の学生の「リストを沢山得て」、各企業の「採用広告をまとめて」本にし、学生に送っていました。
今は、ネットで行っているので、広告を集めて本にして、郵送するコストがかからなくなりました。ものすごいコストダウンですね。
ZOZOは、ZOZO TOWNに「沢山人を集め」て、アパレルメーカーに販売スペースを提供し「、販売の機会」を提供します。
転職サイト(マイナビ等)は、各サイトに転職を「考えている人を集め」て、人を採用したい企業に、「告知として広告掲載」をしてもらいます。
このような場所を作って人が集まれば商売となるのです。
但し、人を集めるためにはかなりのコストがかかるため、ある程度の資金がある会社でないと難しい方法です。
ただ、マッチングごとにコストがかかるわけではないので、粗利率は高くなります。マッチングモデルはリボン図という一枚の絵で全体を表すことができます。

(マッチングモデルを一枚の絵で表すリボン図の詳細は、「リボン図(マッチングモデル)」をわかりやすく解説&使い方紹介を参照)
代理モデル
具体例で説明
上記I、2の各業務の大部分だったり、ほんの一部だったりを代理で行う企業がすべてここに入ります。
広告代理店は広告枠および広告物作成を「代理」でおこないます。
車の販売店は、メーカーの「代理」で車を販売します。
旅行代理店は、飛行機やホテルを旅行したい人の「代理」で仕入れて販売します。
代理モデルは、基本的に仕入れて販売するタイプなので、マージンを上乗せして販売するため、粗利率は低くなります。
ネット企業といっても、代理モデルの会社は多いです。当然粗利率は低くなります。
GAFAはどんなモデル?
GAFAってご存知ですか?Google、Amazon、Facebook(現メタ)、Appleのことです。
GoogleとFacebook(現メタ)はほとんどがマッチングモデルの中の告知(広告)で売上を上げています。
Googleとは80%以上、Facebook(現メタ)は90%以上が広告売上です。
Appleは1の直接提供モデル(自社製造販売)のiPhoneの販売が、売上が60%以上です。
Amazonは、Amazonマーケットプレイスでの1の直接提供モデル(仕入れ販売)と2のマッチングモデル(販売機会)合わせて60%以上です。
アマゾンの特徴として2つ覚えておいてください。
他社はほとんどやっていないのですが、集めてきた人からもお金を取る仕組みを持っています。
アマゾンプライムですね。
プラットフォームモデルの肝は、人を集めることなのに、集めてきた人からもお金を取る仕組みを持っています。
あと、AWS(アマゾンウェブサービス)というクラウドサービスの最大手の一つでもあります。
ちなみにAmazonプレイス内での告知用の広告も販売しています。すべてのモデルで収益を上げているのです。
売上獲得のモデル(ビジネスモデル)のまとめ
1、直接提供モデル
「仕入れや自社製造」の「製品・商品・サービス」を、「販売・貸与」
2、マッチングモデル
「人が沢山集まる場」を作り、売りたい人に「告知」や「販売機会」を提供
3、代理モデル
上記における「代理業務」
上記の3モデルが基本となり、その中でバリエーションがあります。
皆さんの会社はどんなモデルですか?また、どんなモデルになればもっと売上が上がりそうですか?こんな目線で一度考えてみてください。
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
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