電話やメール、チャットで、意図せずミスコミュニケーションを起こしてしまった経験はありませんか?
人間は、言葉だけでなく、表情や声のトーン、身振り手振りといった全身を使ってコミュニケーションを取っています。
そのため、言葉だけのやり取りでは、真意が伝わりにくくなることがあります。
このコミュニケーションの仕組みを分かりやすく示したのが「メラビアンの法則」です。
この記事では、コミュニケーションにおける非言語要素の重要性を説いたこの法則を、具体的なビジネスシーンでの活用法も交えて解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネスフレームワーク・法則を用途別に分けて紹介)
メラビアンの法則とは?
・コミュニケーションは言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つで成り立つ
・それぞれの割合は7%:38%:55%
これがメラビアンの法則です。
人と人がコミュニケーションする際に、言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%という割合で影響するという実験結果を1971年にアルバート・メラビアンさんが発表しました。
別の呼称では「3Vの法則」、「7-38-55ルール」とも呼ばれています。
ポジティブな言葉を、ネガティブな表情(視覚)で表現した場合、この3つがどのように影響するかの実験を繰り返しおこなった結果、上記の数字が出てきたとのことです。
言語と非言語(聴覚・視覚)に分けた場合、非言語コミュニケーションが大事になるということを証明しています。
例えば、仕事の終わりに言語で「疲れた」と言った場合を考えてみます。
充実感たっぷりな表情と身振りで、「疲れた」という言葉を聞いた場合と、声が疲れていて疲労困憊の表情で、「疲れた」という言葉を聞いた場合の受け止め方は違います。
同じ「疲れた」という言葉でも、他の部分も含めてコミュニケーションしている証拠です。
メラビアンの法則の注意点
非言語だけが重要なのではなく「言語・聴覚・視覚」3つの組み合わせが重要
メラビアンの法則は、「非言語情報(聴覚38%+視覚55%)の合計が93%なので、非言語情報だけが重要」と誤解されることがよくあります。
しかし、この法則の本来の趣旨は、矛盾したメッセージが発せられた場合に、人はどの情報を優先して受け取るかを実験で明らかにしたものです。
つまり、言語・聴覚・視覚の3つの要素が、矛盾なく一貫していることが重要であり、非言語情報だけで全てが決まるわけではないという点を押さえておきましょう。
メラビアンの法則の「使い方」
7%の言語を大事にする
メラビアンの法則を理解する上で、最も重要なのは、非言語コミュニケーションが乏しい場面で「言葉」をいかに大切にするかという点です。
普段から親しい相手であれば、表情や声のトーン、わずかなニュアンスから相手の意図を汲み取ることができます。しかし、初めて会う人やあまり接点のない相手とは、そうはいきません。
たとえば、LINEの短文メッセージを考えてみましょう。親しい友人とのやり取りであれば、絵文字やスラングだけでも意図が伝わりますが、初対面の相手に同じような文章を送ると、誤解が生じる可能性があります。
非言語情報が少ないコミュニケーションでは、誤解を避けるためにも、論理的で分かりやすい言葉を選ぶ必要があります。
結論から先に述べる、ストーリー仕立てで話すなど、相手に正確に伝わる工夫をすることが重要です。
コミュニケーション方法別対策
商談やプレゼンテーション
他社への商談やプレゼンテーションでは、よく知った仲ではない人が対象の場合が多いので、言語と聴覚と視覚の3つすべてに訴えかける必要があります。
言語は、ロジックやストーリーが大事になり、その話を理解してもらうために、どのように聞こえるか?どのような表情や身振り手振りを使えば、より伝わるか?を考える必要があるのです。
文章のみでのコミュニケーション
メールやチャットのように、文章だけでやり取りする場合、非言語情報が完全に欠落します。
そのため、簡潔さや論理性が非常に重要になりますが、それでも相手に意図が伝わらないリスクは高まります。
文章力を高めることが理想ですが、それが難しい場合は、メールは事実伝達や連絡事項に限定し、議論や複雑な内容を伝える際は、対面やWeb会議など、別の手段を検討することが賢明です。
電話でのコミュニケーション
電話では、言語と聴覚の2つが使えます。ただ、身振り等の視覚を伝えることができません。
半分くらいは伝わらないことを前提として、伝える努力をしましょう。
Web会議でのコミュニケーション
一見、言語と聴覚と視覚が揃っているので、しっかりしたコミュニケーションができるように感じます。
でも、一つ問題なのは、微妙な空気感が伝わりません。どうしても、対面と比べて、言語の比率が高くなります。
ということは、知らない人とのコミュニケーションを取る心持で、話す必要があるのです。
一見大丈夫そうに感じることで、伝える丁寧さが欠けて、コミュニケーションロスが実は起きやすいのです。
メラビアンの法則の「まとめ」
・コミュニケーションは言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つで成り立つ
・それぞれの割合は7%:38%:55%
人は、50名~100名位の集団で長い間生活をしていたそうです。
だから、よく知っている仲の人と、直接会って、言語と聴覚と視覚を使ってコミュニケーションするように進化したのです。
今の時代は、メール、チャット、SNS、電話など様々なコミュニケーション手段がありますが、メラビアンの法則からするとどの手段も欠点があります。
これを踏まえて、相手に配慮しながら、コミュニケーションを取っていきましょう。
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