メディア TV、新聞、ネット、ユーチューブなどから、とても多くの情報が流れてきます。
結果、「受け取った情報を信じてしまったために、困ったことがある」人が大半だと思います。
また、「今信じていることが、実は正しくないことを信じている」こともあるかも知れません。
では、そんな沢山の情報の中から、どうすれば正しい情報だけを得ることができるのか?
逆に言うと、どうでもいい情報に振りまわされないようにするために、どうしたらいいか?を知っておくことがとても大事です。
この記事では、沢山の情報の中からどうすれば正しい情報を得ることができるか?を5つに分けてわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
正しい情報を得る5つの方法とは?
- 情報発信メディアの情報がかたよる傾向を知っておく
- ミクロ・マクロ、目的・手段で分ける
- 事実及び数字でおさえる
- 分子・分母を意識する
- 分野ごとの第一人者をおさえておく
正しい情報を得るには、上記5つの方法をおこなうことで、正しい情報を得る可能性が高まります。
正しい情報を得る方法の「詳細解説」
1.情報発信メディアの情報がかたよる傾向を知っておく
まずは、メディアや人が発信する情報の内容について、どのようにかたよっているのか?を把握することからスタートです。
情報発信者の儲ける手段でかたよる
情報発信メディアや発信者個人の儲ける手段でかたよります。
情報を発信するということは、何かの対価を得るために情報を発信して人を集めることが基本となります。
その対価をどのように得ているのか?を把握することで、情報のかたよりが想定できます。
その偏りを認識しながら、情報を受けとることで、受け取った情報を補正することができます。
情報を得る手段である代表的メディアであるテレビ、新聞、インターネット(SNS、ユーチューブ含む)ごとに見ていきましょう。
テレビの儲ける方法から見る「かたより」
テレビはCMが主たる収入となります。ということは、沢山の人にテレビを見てもらうことが大事になります。
沢山の人に見てもらえることで、広告主に高い広告費を払ってもらえるからです。
ということは、テレビ局側は、公平に伝えるとか、目立たないけど大事なことを伝えるなどよりも、派手な物、残酷な物、目立つ物を放送することで人を集めようとするインセンティブが働きます。
今は、若い人がテレビを見なくなったので、高齢者が好むものをとても大事にしています。
また、広告主に対する配慮も存在します。何か問題を起こした場合、報道はするでしょうが、オブラートに包んだり、何回も何回も繰り返し放送することはしません。
更に、大手TV局でもリストラが行われている=経営状態が良くない状況なので、よりテレビを見てもらうために、上記の傾向に拍車がかかっています。
ここがテレビのかたよりのポイントです。
大事かつ重要なものではなく、人を引き付ける内容の情報を徹底的に放送します。俗に言う「あおり」が多くなります。更に、広告主にネガティブな影響をあたえない内容となります。
新聞の儲ける方法から見る「かたより」
新聞は、新聞自体の販売収入と、新聞内に掲載する広告と、新聞に挟まれているチラシの折込代が収入源です。
テレビと同じく、どれだけ沢山の人に見てもらうことができるか?が大事で、この数で、広告費の額が決まります。
沢山の人に購読してもらうことで、購読費及び広告費が上がっていきます。
ただ、皆さんご存知の通り新聞はとても苦しんでいます。
日本新聞協会によると、発行部数は20年間で40%弱減っています。
回りの20代30代の方で、新聞を定期購読している人がいますでしょうか?ほぼいないですね。
その結果、ほとんどの購読者は、昔から新聞を取っている高齢者の方がメイン購読者となっています。
ここが新聞のかたよりのポイントです。
当然記事内容も、高齢者が喜ぶ内容が主となることと、限られた紙面なので、どうしても説明量が少ない内容となります。
Webサイトの儲ける方法からみる「かたより」
ここでは情報の受取り方がテーマなので、情報を発信している企業サイトや個人サイトについて記載します。楽天等のECサイトは除外します。
基本的な儲け方は、自社ホームページに来訪してもらい、自社商品・他社商品(仕入販売)を購入してもらうことで儲けます。
その他では、来訪者への広告表示数や広告クリック数に応じた対価を広告主から頂きます。
どちらにしても自社のWebサイトに来訪してもらうことがファーストステップとなります。
そのために検索エンジン最適化=SEO対策を行うことで、グーグルを中心とする検索エンジンで上位表示を目指しています。
上位に表示されるほど流入数が増えるからです。
具体的には、様々な検索キーワードで上位表示するために、自社商品関連の記事を検索キーワードに合わせてWebサイトに掲載します。
グーグルさんが、消費者に役に立つサイトであると認識すると上位表示されます。
ここがWebサイトのかたよりのポイントです。
掲載上位の記事内容はGoogleが正しいと判断する内容のものが沢山掲載されている=Googleの判断だということと、最終的には自社商品を購入してもらう記事となっています。
もう一つは、個人の記事がそのまま校正検閲を受けずに掲載されていることが多くあります。
したがって、正しい内容と間違った内容が混在しており、見分けづらいことが問題です。
SNS、ユーチューブの儲けの方法から見る「かたより」
基本的な収益は、企業案件(商品等の広告)の紹介による広告収入及び、自分のホームページ等への流入による広告や販売収入となります。
ユーチューブでは、グーグルアドセンスという広告表示ごとに一定の額を頂ける仕組みが主となっています。
これらで稼ぐためには、訪問者数が沢山いることが大事なことになりますので、フォローワー数やチャンネル登録数がとても大事になります。
これらの数を増やすためには、役に立つ情報を発信する必要がある反面、興味をひきやすいように、ある意味過剰な表現を行う場合が多くあります。
また、最近は#PRと入るようになりましたが、企業案件と言われる、インフルエンサーの個人の感想ではなく、企業から依頼されて宣伝している場合も沢山あります。
このことが、SNS、ユーチューブのかたよりのポイントです。
テレビと同じように、派手なものなどに注目が集まりやすかったり、広告案件なのに、広告表示が小さいために、広告とわからずに情報を受けとる場合があります。
また、煽り系の記事も多く混在しています。
その上、企業・個人の記事含めて、どこまで校正校閲がかかっているかは判定できない情報(正しいか間違っているかわからない)となります。
各メディアの情報の偏りの「まとめ」
上記から、情報発信者の意図を想定しながら、記事を補正して読む必要があります。
また、テレビ・新聞はネットのように記事を沢山掲載することができない、限られた時間とスペースでの掲載となりますので、各社の方針に従った編集された情報となります。
2.ミクロ・マクロ、手段と目的で分ける
例えば、記事の見出しに以下の文字があったとします。
- 過去最安値を更新 円が145円に
- 過去最高の感染者数が発生
よくある表現です。このような表現だと何か悪いことが起きているように感じますね。
このような表現の際に、マクロかミクロか 目的か手段か?(本質か本質以外?とほぼ同義)の2点で情報を見るようにすることです。
例えば円安って本当にだめなのしょうか?ミクロで見ると、輸出メーカーはうれしいです。輸入で商売している人は苦しいです。
では、日本というマクロでみるとどうでしょうか?基本的に円安だとGDPは上がります。
ミクロで見るのか?マクロでみるのかでまったく受け取り方が違います。情報発信者もミクロとマクロを混在して情報発信している場合も結構あります。
次に、過去最高の感染者数という表現について見てみます。
感染者数をチェックする目的は、なんでしょうか?
死者を出さないようにするために、その前段階である感染者数を把握することですね。
感染が問題ではなく、死亡することが問題です。だから、感染者数は、死亡者を出さない目的に対する手段でしかないです。
手段の最高数値はわかりました。確かにリスクはありそうです。では、そもそもの目的の死者数は?という見方をすると、また別の見方ができます。
このようなことはとてもよくおきます。このことを手段の目的化といいます。元々手段だったのに、気が付けば、それが目的になってしまっているのです。
したがって、ミクロなのか?マクロなのか?手段なのか?目的なのか?を常に意識することで、本質を見誤らない情報を得ることができます。
3.事実及び数字でおさえる
事実はごまかせません。昨日は雨が降ったという事実があれば、昨日は晴れでしたというのはうそとわかります。
事実はファクトとも言われます。
また、数字も同じですが、1は1です。100は100です。
しかし、今景気は悪いと言えば、人によりどのようにでも取れます。悪いという基準がそれぞれだからです。
したがって、事実と数字をおさえないと、情報発信者の伝えたいことが理解できません。
もっと言うと、情報発信者の言いなりになります。
ごまかすことができない事実と数字で物事を把握することが、受け取る情報の本当の姿を見えやすくする方法になるのです。
ただ、2点注意が必要です。
1点目。事実は事実です。でもそれが真実かどうかはわかりません。
例えば、明治維新があったことは事実です。ですが、それが今解釈されている明治維新と同じなのか?という真実はわかりません。
このように事実は事実で本当のことですが、それが真実かどうかはわからないのです。
(詳しくは、「真実と事実と意見」の違いを分かりやすく解説を参照)
2点目。数字にはマジックがあることを知っておいてください。
例えばアンケート結果として、調査結果の数字を見せられると正しいように感じます。
でも、例えば、「Aについて賛成か反対か?」というアンケートを各メディアがとると、全然違う数字となる場合があります。
これは、アンケートの回答者の偏りと、アンケートの聞き方の2つが原因です。
アンケートには当然回答者が必要です。回答者はある程度の数が必要です。そうすると必ず、かたよりがおきやすいのです。
例えば、各世代100名ずつ聞きました。というアンケートがあるとします。
一見良さそうな感じに聞こえますが、実際の人口構成と違うため、世相を表す集計結果とは言えなくなります。
また、「Aについて、どちらですか? A賛成 B反対 Cどちらでもない」と聞くのと、「Aについて賛成ですか? A賛成 B反対 Cどちらでもない」と聞くのでは同じ人に聞いたとしても、集計結果は変わります。
だから、どのように出てきた数字か?どんなかたよりがありそうか?は必ず確認する必要があります。
私は一回もテレビ局からの世論調査を受けたことがないですが、テレビではよく世論調査の結果が流れていますよね。きっとかたよっているのでしょう。
また、回答者をランダムに選んでいると言っていますが、確かにランダムに選んだとしても、回答するかどうかはその人の判断が入るので、回答する属性でかたよりがおきます。
4.分子・分母を意識する
「ある国が日本を非難」という情報を得たとしましょう。
この際に、ある国が日本を非難ということにスポットを当てるのか?全世界約200の国の0.5%でししかない1国が避難していると受け取るのかで全然印象が変わります。
「銀座の高級店で白昼堂々と窃盗事件がおきました」という情報を得たとしましょう。日本も物騒な国になったと思うでしょう。
確かに物騒な事件ですが、窃盗事件は、年間どれ位起きているのでしょうか?
2021年の年間窃盗事件数は、38万件以上起きています。上記はその1件ですから、0.0003%です。
事実をおさえることは大事ですが、その事実の分子と分母を意識することで、その事実を客観的にとらえることができます。
5.分野ごとの第一人者をおさえておく
上記の3つのように考えると、ある程度正しい情報を得ることができます。でも、すべてにおいてこのように考えると時間がかかって大変です。
その場合に知りたい分野で、正しいことを発言する人(SNS等)を事前に見つけておくのがおすすめです。
その人の意見をベースにするのです。私は5名の方を常に追っています。
ただ、デメリットは人の選択を間違うことです。どうしても人は好き嫌いがありますので、正しい正しくないではなく、好き嫌いで選んでしまうからです。
そうならないようにする方法ですが、まずは数字で語っているか?語っていたら、ミクロ・マクロ、手段・目的を分けて発言しているか?これもクリアしたら、どんな商売をしている人なのか?
これで人選すると精度が大きくあがります。
正しい情報を得る5つの方法の「まとめ」
- 情報発信メディアの情報の偏りの傾向を知っておく
- ミクロ・マクロ、目的・手段で分ける
- 事実及び数字でおさえる
- 分子・分母を意識する
- 分野ごとの第一人者をおさえておく
情報があふれる世の中です。逆に言えば、知らないことでも、ちゃんと調べることができるスキルがあれば、正しい情報を無料で得ることができる環境が整っています。
ぜひとも、派手な情報やキャッチ―な情報に惑わされずに正しい情報をこの5つの方法で得てください。
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
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