「会社」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
利益を上げる組織、社会に貢献する器、法に基づいて設立された法人…。どの答えも間違いではありません。
しかし、どれも抽象的で、会社の一面しか捉えられていないと感じる人もいるのではないでしょうか。私自身もそうでした。
そこでこの記事では、「会社とは何か?」という問いに、「具体的かつ本質を突いた一言」で答え、その理由を誰にでもわかるように解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい【概念の本質】ビジネスの根幹・基礎用語の本質・人の本質)
本質を一言で表現「会社とは何?」
現金を使って現金を増やす器
これが会社の本質を一言で表現した言葉です。
会社を存続させるために、絶対に欠かせないもの、それが現金です。
たとえ事業が黒字でも、手元に現金がなければ給料を払うことも、仕入れをすることもできず、いずれ倒産してしまいます。会社を動かす燃料が、現金なのです。
「社会に貢献する」という会社の目的と、「現金を獲得する」という活動は、まるで「鶏が先か、卵が先か」のように、どちらが本質か迷うかもしれません。
しかし、現金が尽きれば会社は存続できません。そう考えると、社会貢献も、現金を増やすための手段の一つと捉えることができます。だからこそ、「現金を使って現金を増やす器」という表現が、会社の最も根源的な姿を言い当てているのです。
一般的言われる会社について紹介した後に、詳しく解説します。
「会社」の一般的な定義
会社法に基づき設立された、営利を目的とした法人
会社法、営利、法人の3つが当てはまれば会社と言われます。
会社法とは、会社の設立、組織、運営及び管理を定めた法律です。会社の商号には、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4つがあります。
株式会社の設立条件が平成18年に緩和され、1,000万円の資本金と、3人以上の取締役及び1名以上の監査役の選任が必要でしたが、資本金1円以上・取締役1名以上で株式会社の設立が可能になり、株式会社が設立しやすくなりました。
(株式会社の詳しい説明は、「株式会社とは?」をわかりやすく解説を参照)
上記会社法に従い、営利を目的として組織化されたものが会社です。
会社ができた背景
WIN-WIN-WINの関係が構築できたから
会社(ここでは株式会社を想定しています)には大きく3つのプレイヤーが存在します。「投資家」と「経営者」と「労働者」です。
そして、この3者をつなげているのは、お金です。
投資家は持っているお金を増やしたい、経営者はお金を増やすノウハウを生かしてお金を儲けたい、労働者は労働をお金に変えたい。これら3者の利害が一致したことで会社という仕組みが一気に広がりました。
社会における会社の位置付けと役割
人の協業生活を支える中心的な仕組み
現代社会では、生きていくためにお金が不可欠です。衣食住を手に入れるためだけでなく、一人ではできないことを他者と協力して行う、つまり協業生活を送るためにも必要になります。
会社は、こうした人々の協業を円滑に進めるための、非常に重要な仕組みなのです。
もちろん、他の人が働き自分は働かずにすごすことができればいいのですが、そんな身勝手なこともできません。
したがって、お金を獲得するために他の人の役に立つ行動をおこなう=働くことが必要になります。
(詳しくは、なぜ働かないといけないのか?をわかりやすく解説を参照)
社会生活をおこなう沢山の人が、働くことをお金に変える手段として、会社という枠組みができあがったのです。
会社とは「現金を使って現金を増やす器」である理由
お金を集めて投資し、それを使ってサービスを作って販売し、現金を得る
- お金を集める
- 投資する
- 投資したものを使って製品等を作る
- 製品等を販売する
- お客様からお金をもらう
上記が会社の活動です。株主や金融機関から集めたお金を、工場、人、システム、商品仕入れなどさまざまなものに投資します。
投資した資産を元に、雇用した従業員を使って、製品・商品・サービスを作り上げ、知ってもらうために広告宣伝をおこないます。ここまではすべて現金を使う活動です。
そして、製品・商品・サービスをお客様に購入していただく活動をおこなうことで、初めて現金を得ることができます。
すべてのスタートは、現金を集めることで、最終的には投資した現金以上の現金を得ることを会社という器を通して上記のサイクルを回しています。
したがって、会社とは「現金を使って現金を増やす器」と言えるのです。
「現金を使って現金を増やす」を表す財務三表
1.お金を集めて投資する(貸借対照表B/S)
2.投資したものを使って売り上げ、費用を引けば利益(損益計算書P/L)
3.上記の結果、現金が増えたのかどうかを把握する(キャッシュフロー計算書C/F)
この一連の流れで財務三表を見ると、現金を「どこから」集め、「何に」使い、利益が出ているか、そして最終的に現金が増えたかどうかまで、すべて把握できます。
具体的には、貸借対照表(B/S)が「お金を集め投資する」様子を、損益計算書(P/L)が「投資したものを使い利益を出す」過程を、そしてキャッシュフロー計算書(C/F)が「最終的な現金の増減」をそれぞれ表しています。
この流れで捉えることで、難しく思われがちな財務三表の役割が明確になり、会社の状況を読み解く力が身につくでしょう。
(詳しくは、ひとつの考え方でつなげると簡単理解!「財務三表(B/S、P/L、C/F)」を解説を参照)
会社とは?の本質を一言で表現の「まとめ」
現金を使って現金を増やす器
利益を上げるだけでは、会社を表現できていないですし、財産の増減だけでも会社を表現できません。
現金を使って現金を増やす器という表現が、会社というものを表現する本質となります。
現金を集めて、投資して、それを使って、利益を出すと現金が増え、更に投資して、利益を出すとまた現金が増える、というサイクルを回すことが、会社がおこなっていることなのです。
その過程で、投資家は儲かり、経営者も報酬を受け取り、労働者は給料を受け取っているのです。
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