沢山の会社があります。それぞれの会社は組織化されています。
ではなぜ会社組織って存在するのでしょうか?また、様々なルールがなぜあるのでしょうか?
これらの会社組織の本質について、全く風土の違う5社で、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験を活かし、よしつがわかりやすく解説します。
(あわせて読みたい 会社関連用語の本質をまとめてわかりやすく解説)
会社組織の本質とは「何?」

- 組織の本質は分業
- 会社組織とは他人の集まりだから、仕組みやルールが必要
この2つを知っておいてください。
会社組織の本質は「分業」
会社組織の本質の一つ目が分業です。このことを解説していきます。
そもそも組織って何?
「組織」=「人の集まり」です。
境界線が緩かったり、明確だったり様々ですが、組織は一人では成り立ちません。
一方、単なる人の集まりと組織は違うという考え方もあります。
組織とは目的・協働・意思疎通があることが定義だから、単なる人の集まりと組織を分けないとおかしいという考え方です。
ただ、人の集まりにも目的があり、協働があり、意思疎通があります。何かの意思がないと一緒に行動をしません。
だから、人の集まり=組織と言えます。
本質は分業
なぜ人は集まるのか?集まった方がメリットがあるからです。
どんなメリットか?一人ではできないことを実現することが出来るからです。でも、ここには条件があります。
まったく同じことしかできない人が集まった場合、1+1=2にしかなりません。2より大きくなることはありませんが、違うことが出来る人が集まった場合1+1>2になります。
このような状態になることで、初めて人が集まる意味が出てきます。そしてこれこそが分業となるのです。
会社組織は「他人の集まりだから、仕組みやルールが必要」
組織=人の集まりの成り立ち
大昔の話をします。
人は農耕が始まる1万年前までの狩猟採集時代は、100名位までの集団(諸説あり)で行動していたそうです。
血縁がある人だけでなく、そうでない人も一緒に行動していたようです(諸説あり)。
なぜ集団で行動したのか?
- 定住生活ではないので、食料を求めて動き回らないといけない
- 牙もなければ、早く走ることもできないし、2足歩行で頭が高い位置にあるため、他の動物から見つかりやすい
- トラやライオンみたいに戦いに強い生物ではないので、襲われたら、ひとたまりもない
- 他の生物だけでなく、同じ「人」とも戦わないといけない
など弱点だらけです。
そこで個人ではなく、集団として生き延びることを選び、分業することにしたのです。
このように、集団の力の最大化をはかったことで狩猟採集時代を生き延びることができた。
その力を持ちつつ、農耕時代=定住生活をはじめることで、狩猟採集時代の野生の心に加えて、農耕時代の理性の心を持つことで、現在まで生き延びることができたのだと思います。
このように生き延びた先祖のDNAをしっかり引き継いで今私たちがいるのです。
狩猟採取時代の1万年前というと、とっても昔の話と思いますが、生物学的に言うとほんの少し前だそうです。
私たちの体は、ほとんどこの時代から進化はしていないそうです。
昔より背が高くなってますが、進化ではなく、ちゃんと食事を食べることができるようになった(栄養を取れるようになった)からだそうです。
だから、その時に持っていた野生の心は、今の私たちのDNAに脈々と流れているそうです。
だから、100名までの身近な人で構成された集団で行動することは、私たちは総じて得意なのだそうです。
他人の集まりとは?
上記のような成り立ちで「身近な人=近縁な人」が集まることで生き延びてきました。
では、会社という組織はどうでしょうか?
自然と集まった「身近な人・近縁な人」の集まりではなく、「他の人」が集まったのが会社ですね。
他の人と一緒に働く会社では、本来人がもっている能力を超えてしまうのです。
得意な100名以下の集団でも、他の人の集まりです。100名を超えたらある意味未知の世界です。
そうすると何がおきるかというと、引き継がれたDNAとは違う行動をとらないといけない。シンプルに居心地が悪いのです。
仕組みやルールとは?
狩猟採集時代の集まりでは、
- 敵と戦いながら、食料を獲得することが最重要
- そのためにどうやって生き延びるかを考え
- 全員でそのことを共有して
- 全員が自分の役割を理解&行動し生きていく
ということが意識せずに行われていたと思います。そうでないと、生き延びることができないから。
だから、「他の人」が集まる組織では、人数に関係なく、人工的に作る必要があります。
- ビジョン・ミッションなどの目指したい姿を共有&共感
- そこに向かう戦略を立案し
- 戦略の理解及び共有をはかり
- そのための組織作って(=分業の仕組み)行動する
という考え方の共有や組織の仕組みを作らないと機能しないのです。
元々持っている野生の心に人工的に働きかけることで、組織を成り立たせようとしているのです。
この考え方を受け入れたら組織に貢献しようとするし、逆に受け入れられないと離脱(=退社)となるのです。
このように考えると、他の人が心地良い姿(昔から引き継がれているDNAに合致した状態)に導く方法が、「仕組みやルール」なのです。
キックオフ、人事制度、マネジメント、分業、情報共有などなど。すべてがこれらの手法だと考えることができます。
このようなことを、人工的に考えて導入することで初めて、組織は機能するのです。
会社組織の本質とは何?「まとめ」
- 組織の本質は分業
- 他人の集まりだから、分業の仕組みやルールが必要
このように考えると仕組みやルールで会社全体の仲間意識が作られている会社が良い会社。
そうでない会社がダメな会社だと言えそうですね。
ビジネスの初心者からベテランまで、誰にでも役に立つ本が大幅改定して新発売されました。小説風のストーリーに解説を所々に入れたビジネス書です。
著者は三枝匡さんで、私はすでに出ている本を全部20回以上読んでいます。今回発売された本も読みましたが、誰にでも何回読んでも役に立つ本当におススメ本です。
何回も読んだおススメ本の紹介は以下を参照下さい。

何回読んでも学べた本厳選!ビジネスに役立つおすすめ本はこちら
記事一覧から探したい場合はこちら

用語から検索したい場合はこちら
