ネット(Webサービス)の収益モデルは5つに集約されます。
どの会社も単独もしくは組み合わせて事業展開をしています。
逆に言えば、様々な会社がありますが、5つのいずれかもしくは組み合わせで事業展開しています。
この記事では、この5つの収益モデルを、具体的な事例や会社例を紹介しながら、わかりやすく解説します。
この記事は、
・自社Webサイト運営責任者の経験
・自分の3回の転職経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
・google広告運営経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
この記事を読むとネットの収益モデルが具体的に理解できるようになります。
(あわせて読みたい、知っておきたい ビジネス基礎知識)
ネットの5つの収益モデルとは?
1.広告掲載モデル
2.マッチング成約モデル
3.小売りモデル
4.コンテンツ提供モデル
5.ノウハウ販売モデル
この5つがネットの収益モデルです。
5つそれぞれを解説します。
広告掲載モデル
広告掲載料で収益を得るモデル
広告掲載モデルとは、文字通り、広告掲載してもらうことで収益を得るモデルです。
・広告掲載モデルの課金方法
・広告掲載モデルの広告掲載方法
上記2つに分けて解説します。
広告掲載モデルの課金方法
・定額
・アクションごと
広告掲載料の料金設定は、上記2つです。
1つ目は、掲載〇日間で〇〇万円というパターンです。2つ目は、1アクション(クリックや成約)当たり〇〇円(掲載は無料)というパターンです。
ネットがない時代の広告掲載は紙媒体中心で、掲載する大きさによる料金設定でした。この流れで定額の広告掲載パターンがあります。
デメリットは、広告掲載した際の効果のありなしと掲載する金額が合わない場合があることです。
ネットの時代になると、アクション数が把握できるようになり、上記不満を解消する方法として、1クリックや1成約に対していくら?という広告料金が登場しました。
広告掲載モデルの広告掲載方法
・サイト内に広告を掲載
・検索エンジンやECサイトの検索結果に広告を掲載
この2パターンをそれぞれ解説します。
サイト内に広告を掲載
・掲載情報自体が広告
・広告掲載枠に広告
上記2つのパターンがあります。それぞれ解説します。
掲載情報自体が広告
転職サイトのように、採用したい会社が掲載枠を購入し一覧で表示されるパターンです。
掲載内容自体が広告で、掲載スペースの大きさや検索結果の上位に表示されるかどうかにより、掲載価格が変動します。
設定された期間で設定される紙の情報誌と同じ形態が、そのままネット移行したものです。
ネットの時代になり、成果報酬(クリック当たりとか成約当たり)の課金方法が多くを占めてきました。
ただ、転職・就活情報は、紙の情報誌の広告掲載モデルで莫大な売上を上げていましたので、同じスタイルでの運用が残っています。
具体例は、転職サイト(マイナビ転職、リクナビ転職、エン転職、DODA)、就活サイト(マイナビ、リクナビ)などです。
広告掲載枠に広告
トップページや各ページの中に、広告掲載スペースが設定されて広告を掲載するタイプです。
ディスプレイ広告と呼ばれ、有名サイトのトップページでは掲載料が数千万という定額のものもありますが、多くはクリック課金です。
現在、サイトを運営している各社とも、本来の目的である自社製品の販売を重視しています。
その結果、自社商品の告知スペースを確保することを大事にするために、広告が目立つことで訪問者が離脱することを避けるため、広告枠を以前より小さくしたり、広告枠を設定しなかったりする傾向があります。
具体例は、ヤフーさんのトップページがわかりやすいでしょう。トップページのニュースの右横にある広告や、時にはトップページで、左右含めて全面に大きく広がる広告が掲載される場合があります。
ちなみにヤフーのトップページの全面ディスプレイ広告は数千万円(エリアや期間で変動)となります。
アマゾンさんも、各所にあまり目立たないですが広告枠を設定しています。広告は、右下や左下に「スポンサー」と入っているのでわかりやすいです。
検索エンジンやECサイトの検索結果に広告を掲載
検索結果を表示させるサイトにおいて、検索結果の一覧の中に、検索結果と同じようなフォーマットで広告掲載するタイプです。
必ず広告とわかる言葉がついています。
関連キーワードを入力した人に絞って告知でき、かつ、クリック課金なので、見てほしい人に効率的に見てもらいやすく、予算管理もしやすい広告になります。
広告掲載方法は、掲載したい検索キーワードを指定し1クリック単価の上限を設定します。
ECサイトでも、商品等を検索した結果の上位等にスポンサーや広告というワード付ですが、表示できる広告枠が設定されています。
通常の検索結果で下位になる場合に、お金を払うことで1P目含めて早めのページに掲載されます。基本的には、クリック課金です。
具体例は、検索エンジンでは、Google広告とヤフー広告が有名です。ECサイトでは、楽天やアマゾンの検索結果画面を見てもらうと、上位に広告が入っています。
少し趣は違うのですが、「仕事探しはインディード」というワードで有名なIndeedさんも実は同じ仕組みです。
求人掲載は基本無料なのですが、上位に掲載したければ広告費を払うモデルです。
マッチング成約モデル
売りたい人と買いたい人をつないで収益を得るモデル
マッチングモデルの基本パターンは、販売したい業者と買いたい個人や業者を出会う場を作り、商品販売等が成約しした一部を販売手数料として得るモデルです。
千差万別ですが、手数料率は成約した販売価格の10%から20%位です。販売手数料以外に掲載量やキャンペーン参加料などがかかる場合があります。
当然ながら、少しの販売者と少しの買いたい人しか集まらないサイトだと、マッチング数が増えないので商売が成り立ちません。
結果、大企業が大規模サイトとして運営している場合がほとんどです。
上記のようにBtoBやBtoCのパターンから始まりましたが、今では、CtoCのパターンも登場しています。
具体例は、総合型では楽天さんやアマゾンさんです。特化型では、宿予約のじゃらんネットさん、アパレルのZOZOさんなどがあります。
CtoCでは、メルカリさんが有名です。出店は個人(かなり企業も含まれている感じですが)で、個人に販売した一部を手数料として得ています。
またマッチングアプリもCtoCの代表例です。
小売りモデル
自社サイトで商品を販売して収益を得るモデル
一番わかりやすいモデルです。自社の商品(仕入含む)を自社サイトで販売するモデルです。
リアルな店舗等で販売していたものが、ネットの中の店舗で商品紹介をおこない、サイトを訪れた人が買っていくパターンです。
具体例は、たくさんあります。ここでは、1つだけ紹介します。
アマゾンさんの例です。アマゾンさんは、サイト内でマッチングモデルと小売りモデルを共存させています。他社が販売する商品と、アマゾンさんが自社で仕入れて販売する商品を一緒に検索結果に表示し販売しています。
商品詳細ページの右側に価格が表記されていますが、その下に販売者としてAmazon.co.jpと記載されているかどうかで判別できます。
コンテンツ提供モデル
システムを提供し使用料で収益を得るモデル
Saasビジネスという言葉を聞いたことがありますでしょうか?ほとんどのSaasビジネスがこのコンテンツ提供モデルです。
クラウドでシステムを構築し ID数×一人当たり単価で月額単価を出し、半年や1年契約でサービスを提供します。
何人入っても同額のサービスもありますが、半年や1年契約の契約です。
一度サービスを受けると、会社の仕組みとなるのでやめることができず、売上が座布団のように積みあがっていきます。
具体例は、グループウェアでは、サイボウスさんやデスクネッツさんが有名です。
ビジネスチャットではslackが有名です。
バックオフィス(総務や経理業務)では、楽楽シリーズで有名なラクスさんやスマートHRさんが有名です。
会計では、Freeeさんやマネーフォワードさんなどが有名です。
マーケティングオートメーション(集客・販売促進・顧客管理の一元管理のシステム)では、セールスフォースさんが有名です。
名刺管理のサンサンさんもこのモデルとなります。
ノウハウ販売モデル
コンサルティングをおこなうことで収益を得るモデル
ネットの商売のノウハウを販売するモデルです。
具体例は、SEOのノウハウを提供するWebコンサルです。
「月額40万~100万」×「半年~1年契約」でコンサル契約を結びます。
ネットでの自社サイトへの流入は、基本的に検索エンジンからの流入が大多数となります。
ただ、流入させるためには、検索結果の上位(特に1P目)に入るか入らないかで、流入数が大きく変わります。
このノウハウを販売するのです。ものすごく沢山の会社が切磋琢磨している業界です。
他には、Web広告のコンサル等があります。
ネットのビジネスモデルの「まとめ」
1.広告掲載モデル
2.マッチング成約モデル
3.小売りモデル
4.コンテンツ提供モデル
5.ノウハウ販売モデル
この5つがネットのビジネスモデルです。ネット企業は沢山ありますが、サーバー等の接続を除けば、上記5つのモデルとなります。
この何年かで、4のSaas系の企業が爆発的に増えております。
1名の使用でも100名の使用でも実は原価はあまり変わらないので、粗利率が80%とかになることと、一度サービスを受けると基本長期的に使うモデルのため、先行者利益を求めて各社とも攻めまくっています。
ここに出てきた、会社の一部について、財務三表とビジネスモデル及び高成長の理由を各社ごとに解説しています。
ネット系では、ZOZO、出前館、モノタロウ、エムスリー、ビズリーチ、メルカリ、サイボウズ、ネット印刷ラクスル、freee、Sansan、楽々精算ラクスです。
その他にもオービック、ダイキン工業、ワークマン、無印良品、キーエンス、ABCマートを解説しています。
各社の解説は、【有名企業分析】直近決算と成長のポイントをわかりやすく解説を参照下さい。
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
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