売れた金額がそのまま利益!閉店間際の値引販売のカラクリを解説

9.企業会計
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スーパーなどの仕入れ販売が主となる業種で、閉店間際に3割引や半額の値引き販売を見たことがあると思います。

店側にメリットがあるから、割引販売をおこなっています。では、どんなメリットがあるのでしょうか?

このメリットを具体的に説明できるようになると、ビジネスの大事な要素である会計の重要な部分が理解できたことになります。

この記事では、なぜ割引販売を行うのか?販売側に会計上どのようなメリットがあるのか?をわかりやすく解説します。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい【企業会計】一つの軸で理解・収益構造とコスト分析

閉店間際の値引販売のカラクリとは?

売れた金額がそのまま利益になる

したがって、半額などの利益を無視した価格で売るのです。

翌日になると売れなくなる商品の場合という条件付きです。

スーパーが閉店間際に値引き販売を行うカラクリを、具体的に説明します。

値引き販売(仕入商品)の構造を「詳細解説」

スーパーの店長になったつもりで考えてください。

本日の営業時間は20時までで、現在19時です。

質問です。

売値500円(仕入値350円)の弁当が一つ余っています。賞味期限は本日までで、本日は売れる見込みがなく、値下げして売ってしまおうと考えてます。

1問目

100円引きの400円で売れた場合、利益もしくは損失はいくらでしょうか?

A100円の損失 B50円の利益 C400円の利益

2問目

300円引きの200円で売れた場合、売れた場合の利益もしくは損失はいくらでしょうか?

A300円の損失 B150円の損失 C200円の利益

さあ答えはどれでしょうか?

1問目2問目ともAを選んだ方は、定価からの割引がそのまま損失になると考え。

Bを選んだ方は、仕入値との差が利益もしくは損失で考え。

Cは売れた金額がそのまま利益になると考えですね。

答えは共にCです。

理由を具体的に説明します。

値引き販売(仕入商品)の構造

理由を解説していきます。

売れないとどうなるか?

翌日になると売れなくなる商品の場合という条件です。

もし売れ残ったら場合、何がおきるか?から考えましょう。

仕入代350円、利益150円、合計となる販売金額は500円です。上記商品が1つ売れ残ったら何がおきるか?

500円の売上、利益の150円は稼げなくなり、仕入れた商品自体は、賞味期限が切れて廃棄となります。

では、仕入れ代の350円はどうなるでしょうか?

すでに仕入れているのですから、売れるかどうかにかかわらず、仕入れ業者に仕入れ代を支払わないといけません。

したがって、廃棄したとしても350円の仕入れ代はかかるのです。

ということは、350円は売れようが売れまいが、発生してしまった原価となります。

収支を計算する

すでに仕入れてしまっていますので、売れようが売れまいが一つ分の仕入れとして350円はかかります。

そして19時の段階で売れないと判断していますので、すでに仕入れ代の損は確定しています。

ただ、廃棄することになる商品が売れることで売上としてお金が入ります。損はすでに確定しているので、損となる商品を売ってお金が入ると、売上分が得したことになります。

ということで、Cが答えとなります。

したがって、スーパーなどは、賞味期限が本日までの商品(弁当等)など、明日には価値がゼロとなるものは、現金に換えてしまう施策をおこなうのです。

仮にどんなに安く販売しても、売った金額がそのまま売上となり、利益となるからです。

会社帰りのスーパーで安く買った食品などは、私たち消費者が得をしているだけでなく、店側も得をしているのです。

閉店間際の値引販売のカラクリの「まとめ」

売れた金額がそのまま利益になる

捨ててしまうなら売ってしまおうという話です。本来は在庫が閉店時にちょうど0になれば最高です。

ただ、閉店時間のかなり前に在庫がなくなると販売機会を逃してしまい、隠れた損失となります。

この塩梅が難しいのです。だから、売り切れないように、仕入れを行う結果、在庫が残ってしまう場合があるのです。

そうして、残ったものは、価値がゼロになってしまう前に、売ってしまい現金を回収する値引き販売がおこなわれるのです。

仕入れ販売ではなく、自社製造商品の場合の記事も書いています。自社製造商品の値下げ可能額の把握方法を参照下さい。

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