仕事は常にスピードと精度の両方が求められます。
先輩や上司の仕事のスピードと精度に驚いたこともあると思います。
実はこれは、「仕事の慣れ」や「スキルアップ」という抽象的な言葉で語られることが多い現象です。
しかし、その仕組みはもっと具体的な言葉で説明することができます。
この記事では、先輩たちのスピードの正体である「具体的な思考法」を分かりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、ビジネススキルを必須スキル・思考法・コミュニケーションに分けて解説)
仕事を最速でおこなう方法とは?
頭の中にある「普通ならこうなる」を使う
先輩や上司の仕事が早いのは、頭の中に「普通ならこうなる」というモノサシ(基準)をたくさん持っているからです。
このモノサシがあることで、なぜ仕事が早くなるのか。ポイントは以下の3つです。
・ギャップ=問題がすぐに見つかる
・一から考えなくていい
・頭の中で素早く処理できる
上記3つの根幹となる仕事の本質を最初に紹介した後に、それぞれの詳細を解説します。
仕事の本質
仕事とは、「価値」を提供する「行動」で「お金」を得ること
このコアとなる部分が、
他の人の役に立つこと=価値=課題解決
価値とは、「他の人の役に立つこと」であり、「課題解決」です。
他の人が困っていることや、「こうなったらいいのに」と考えていることを解決すると、相手は喜びを感じます。
これこそが、他者に提供できる価値です。
課題解決というと難しく聞こえるかもしれませんが、例えば、飲食店でのアルバイトは、お店の人手不足という課題を解決していることになります。
また、お客様の課題を自社商品を使ってもらうことで、解決している場合もあります。
(詳しくは、仕事とは?を「価値」「行動」「お金」3つのキーワードで解説を参照)
このような本質を踏まえると、課題解決をおこなうことがとても重要です。
課題解決するためには、まずは皆さんがサービスを提供しようとする人(顧客・経営層・上司など)の問題点を把握する必要があります。
その問題点をいかに早く見つけるかが、仕事のスピードと精度を分ける最大のポイントになります。
そして、この問題発見のスピードを劇的に上げる方法こそが、頭の中で「普通ならこうなる」と考えることなのです。
ギャップ=問題がすぐに見つかる
「普通」というモノサシがあるから、ズレがすぐ分かる
「問題を見つけろ」と言われると、会社の財務データや壮大な市場分析が必要だと私たちは思い込みがちです。
ただ、「ただのギャップ(間違い探し)だよ」と言われるとできそうに感じませんか?
「普通ならこうなる」という基準を頭に置きながら目の前の仕事を見ると、そこから外れているものがすぐにわかります。
その「普通から外れた部分」をピンポイントで検証することで、解くべき問題(=課題)へ最短でたどり着けるようになります。
例えば、スマホを満タンに充電して家を出たとします。
お昼休みにふと画面を見たら、バッテリーが残り「20%」になっていました。この時、あなたは一瞬で「何かおかしい(問題がある)」と気づくはずです。
なぜ気づけるかというと、頭の中に「普通なら、お昼の時点ではまだ80%くらい残っているはずだ」というモノサシ(基準)があるからです。
「普通(80%)」と「現実(20%)」のギャップがあるからこそ、「バックグラウンドで重いアプリが動いているのかな?」と、原因(問題)をすぐに見つけ出すことができます。
一から考えなくていい
モノサシを使い回せるから、毎回ゼロから悩まなくていい
どう考えたらいいか?から始めなくてよくなります。
新しい仕事が来るたびに「白紙のキャンバス」の中に色を付けていくのはとても大変なことです。
すでに頭の中にある「普通」をガイドライン(下書き)にすればいいと分かれば、あとは「どのモノサシを当てはめるか」を選ぶだけになります。
仕事が遅い人は、新しい仕事を任されるたびに「何から手をつけよう…」とゼロから悩んでしまいます。
一方で仕事が早い人は、「今回の仕事は、要するにあのパターンと同じだな」と、過去に得たモノサシを使い回しているため、悩む時間そのものがありません。
頭の中で素早く処理できる
外部に頼らず、自分の頭ですぐに判断できる
どの「普通ならこうなる」が使えるかは、時と場合によります。
ただ、頭の中に多くの「普通ならこうなる」があれば、すぐにそれぞれのロジックを検証できます。
外部(スマホやAI)に答えを探しにいくと、いちいち調べる必要があるので時間がかかってしまいます。
モノサシが自分の頭の中にあるからこそ、すぐに違和感に気づくことができます。
もし違和感の正体が違っても、別のモノサシをすぐに当てはめ直せるため、結果として仕事のスピードと精度が圧倒的に高くなるのです。
これが、上司や先輩の「圧倒的なスピード」の正体です。
普通ならこうなるをたくさん得る方法
世の中に沢山あふれているものを学ぶ
もちろんすでに頭の中にもあるでしょうが、「普通ならこうなる」は実は世の中に沢山あふれています。
物事の本質もそうですし、フレームワーク・法則もそうです。また、ビジネス基礎知識を知ることもモノサシを増やすことになります。
例えば仕事の本質(他の人の役に立つこと=価値=課題解決)を理解しておけば、今の仕事が本当に意味のある仕事かどうかが分かります。
課題解決が大事だとわかれば、ビジネススキルを上げるためには、課題解決の能力を高めればいいと分かります。
(詳しくは、【スキル一覧付】ビジネススキルとは?をわかりやすく解説を参照を参照)
また、会社は「開発→生産→販売」というフレームで動いています。
これを知っておけば、自社の課題がどのステップかを考えることができます。
(詳しくは、一番基本のフレームワーク「開発→生産→販売」を具体例含めて解説を参照)
戦略を考えようと思うとアンゾフの成長マトリクスというフレームを知っておくと、4つに分けて整理して考えることができます。
(様々なフレームワークは、課題解決で使えるフレームワーク・法則を工程ごとに分けて解説を参照)
このように、世の中の優れた知恵を学ぶことは、自分の中に「普通ならこうなる」という確かなモノサシを増やしていく作業そのものなのです。
普通ならこうなるの弱点
このようにとても有用な「普通ならこうなる」ですが、2つの弱点を持っています。
・時代遅れとなることがある
・固執してしまうことがある
それぞれを解説します。
時代遅れとなることがある
普遍的なフレームワーク等も多いのですが、中には、時代変化に対応できないものも出てきます。
例えば、ひと昔前なら「わからないことはGoogleで検索する(ググる)」が仕事の普通でした。
しかし今、時代はAIの活用へと急速にシフトしています。
これまで絶対的に正しかった「普通」が、テクノロジーや環境の変化によって、ある日突然「時代遅れ」になってしまうことは珍しくありません。
大切なのは、世の中の前提が変われば、「普通ならこうなる」のルールも変わるという事実を、常に頭の片隅に置いておくことです。
固執してしまうことがある
一度得たものを人は簡単に手放さない習性を持っています。これは誰でもそうです。
特に、過去にそのモノサシで成功した経験がある人ほど、前はこれでうまくいったから、今回も「普通は」こうなるはずだ!と固執してしまいがちです。
固執を防ぐためには、常に新しい「普通ならこうなる」を学び、自分の頭の中に仕入れておくしかありません。
新しい知識を仕入れると、過去に得た「普通」との間にズレ(相違)が出てくることに気づきます。
そのサインを得たら、頭の中のOSの書き換え時だと認識しましょう。
「自分の普通は、いつでもアップデートしていいんだ」という認識を持つだけで、新しい変化を柔軟に受け入れる準備ができるようになります。
まとめ
今回は、仕事を最速かつ高精度で進めるための武器、「普通ならこうなる」という思考法について解説しました。
最後に、ポイントをまとめておきます。
・仕事の本質は「課題解決」であり、問題を最速で見つけることがスピードアップの鍵。
・「普通ならこうなる」というモノサシがあれば、間違い探しのように一瞬で問題(ギャップ)が見つかる。
・モノサシを自分の頭(ローカルメモリ)に入れておくことで、ゼロから悩まず、その場で素早く処理できるようになる。
・ただし、自分のモノサシが時代遅れになったり、固執したりしないよう、常にOSをアップデートし続けることが大切。
先輩や上司が仕事が早いのは、決して「特別な才能」があるからではありません。
頭の中にある「普通ならこうなる」という質の高いモノサシ(引き出し)の数が、圧倒的に多いだけなのです。
もし、あなたが「もっと仕事のスピードを上げたい」「自分の中のモノサシを増やしたい」と感じたなら、ぜひこのブログの他の記事を覗いてみてください。
当ブログ「よしつブログ」では、私が30年以上のキャリアと5社での経験、そして何百人ものマネジメントの中で厳選してきた、ビジネスの本質やフレームワーク、基礎知識を分かりやすく解説しています。
どの記事も、あなたの頭の中に「普通ならこうなる」という強力な引き出しを増やすためのヒントが詰まっています。
まずは気になる記事を1つ読んで、明日からの実務で「モノサシ」として使い回してみてください。
気づいたときには、周囲が驚くほどのスピードで仕事が進められるようになっているはずです。
(あわせて読みたい:よしつブログの記事一覧)
他にも思考方法として以下の記事を書いています。参照下さい。


