社会人の学びのコツ「具体化と抽象化を使い分ける」を解説

4.ビジネススキルを支える基礎知識
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社会人は、知識を常にインプットし続ける必要があります。

目の前の実務を実行するための知識だけでなく、更に効率よく実務をこなすための知識も必要なりますし、新しい実務を担当することもあるので、次々に知識を増やしていく必要性に迫られます。

ただ、私たちは人間なので、インプットできる知識には限界があります。

その上、がんばって得た知識でも、知識をどのように使うか?が頭の中で整理されていないと実務で活用できません。

社会人の学びには、このような問題があります。

ただ、この問題を解消できる方法があります。抽象化と具体化を使い分けることです。

この記事では、学びのコツである抽象化と具体化を使い分ける方法をわかりやすく解説します。

この記事は、
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、ビジネススキル向上のための基礎知識をわかりやすく解説

具体化する場合とは?抽象化する場合とは?

・日常業務に直接関わる知識は具体化する
・その他の知識は抽象化する

基本的には、上記の考え方で知識を得にいくと、混乱せずに知識量を増やすことができます。

日々の日常業務は具体化した知識でこなします。もし、対応できない場合は、抽象化した知識を頭の中から引き出し、業務をおこないます。

そのために、具体化した知識を沢山並列で持っておくのではなく、具体化した知識を抽象化した上で、分類・整理し、見出しだけを頭の中に入れておくのです。

必要になった時に、見出しをもとに、紐づく知識の中から一つ選んで活用するイメージです。

詳しくは、後述します。

具体化とは?抽象化とは?

まずは、具体化と抽象化それぞれの説明からはじめます。

具体化とは?抽象化とは?

具体化は、物事を具体的に表すことです。

抽象化は、共通性や法則性を見つけ出し、枝葉を取り除いたものです。

抽象化すると本質にたどり着く場合が多くあります。

抽象化と具体化の関係

上図は、具体化と抽象化を有名な3C分析を例に具体化と抽象化をあらわしています。

具体化は、3C分析を具体的に説明したものとなり、「市場・顧客、自社、競合の3つで分析する」となります。

逆に抽象化の第一段階では、「現状を抜けもれなく分析」するとなります。

3C分析とは、よく戦略立案に使われるため、戦略策定手法のように理解される場合があります。

ただ、3C分析をしても、戦略が直接導きだれるわけではありません。

あくまで、市場・顧客と自社と競合という3つの軸で分析することで抜けもれなく、「現状」を把握することができるフレームワークです。

更に、抽象化をもう一段上げると、「分けて考える方法」となります。

3C分析だけでなく、SWOT分析、ファイブフォースなどの有名フレームワークがありますが、ほとんどのフレームワークは分けて考えるフレームとなります。

分けて考える目的は、抜けもれなく考えることです。

「日常業務に直接関わる知識は具体化する」の詳細解説

日常業務では、自分の仕事は自分で処理します。したがって、業務を完了できる知識が必要になります。

自分で完了させるので、具体的な方法を知らないと完了させることができません

交通費精算の仕方から営業で訪問した際のヒアリング内容など、理解しておかないと実務をこなせないので、具体的な知識が必要になります。

「その他の知識は抽象化する」の詳細解説

その他の知識は抽象化し本質を理解しておき、頭の中で整理整頓しておくことで使える知識となります。

抽象化して本質を理解しておくと2つのメリットがあります。

・分類できる
・つなげて理解できる

それぞれ説明します。

抽象化するメリット「分類できる」

抽象化のメリットの一つ目は「分類できる」です。

先ほど具体例を出した3C分析をもとに説明します。

先ほども言ったように、3C分析を一段階抽象化すると「現状を抜けもれなく分析」です。

更にもう一段階抽象化すると「分けて考える方法」となります。

「分けて考える方法」をざっと上げると以下となります。

「プロダクトライフサイクル」
「3C分析(市場・競合・自社)」
「SWOT分析」
「ファイブフォース」
「AIDMA(アイドマ)」
「4P」
「アンゾフの成長マトリクス」
「アップセル・クロスセル」
「ポーターの3つの基本戦略」
「コトラーの競争地位戦略」

このように並べるとどうしていいかわからなくなります。

ただ、この一覧を1段階抽象化し、「現状を抜けもれなく分析」するためのフレームワークと「戦略を考える」際のフレームワークに分けてみましょう。

現状を分析
「プロダクトライフサイクル」
「3C分析(市場・競合・自社)」
「SWOT分析」
「ファイブフォース」
「AIDMA(アイドマ)」

戦略を考える
「4P」
「アンゾフの成長マトリクス」
「アップセル・クロスセル」
「ポーターの3つの基本戦略」
「コトラーの競争地位戦略」

このように現状分析で使えるもの、戦略立案で使えるものに分けることができます。

(各用語の説明は、組織活動のコアである課題設定・戦略立案に使えるフレームワーク25選を参照)

このように分類しておくと、現状分析をしたい場合は、現状分析のフレームワークの中から選ぶだけとなり、とても選びやすくなります。

戦略の場合も同じです。

このように抽象化しておくことで、何をしたいか?が明確になれば、その引き出しから選ぶことができるのです。

ひとつひとつを別の引き出しにしまっておいて、その引きだしをすべて開ける必要がありません。

このように抽象化した結果同じものをまとめておくことで一つ一つの各論を覚えておかなくてもいいのです。

抽象化するメリット「つなげて理解できる」

抽象化のメリットの二つ目は「つなげて理解できる」です。

例えば、会社の本質を知っておくと、財務三表が理解できます。

なんのこと?と思うでしょうが以下のようにつながっています。

会社の本質と財務三表のつながり

会社の本質は、「現金を使って現金を増やす器」です。

(詳しくは、本質を一言で表現!「会社とは何?」をわかりやすく解説を参照)

上記の本質をもう少し詳細にします。

1.お金を集めて投資する
2.投資したものを使って売り上げ、費用を引けば利益
3.上記の結果、現金が増えたのかどうかを把握する

という流れになります。

実は財務三表は上記をそれぞれ表しています

お金を集めて投資する

これを表しているのは、貸借対照表(B/S)です。

上図となります。

投資したものを使って売り上げ、費用を引けば利益

これを表しているのは、損益計算書(P/L)となります。

上図となります。

3.上記の結果、現金が増えたのかどうかを把握する

これを表しているのは、キャッシュフロー計算書(C/F)となります。

上図になります。

このように会社の本質を数値で表わしているものが財務三表で、会社の本質と財務三表はつながっているのです。

また、会社組織の本質は、「分業」です。分業なので、責任と権限が必要になります。また、何をしてほしいかを明確にするために、人事評価制度が必要になります。

会社の本質と同じく、本質部分をおさえておくと、さまざまな制度がつながっていることがわかりますし、その制度の目的は、本質部分を実現することになります。

抽象化した知識を得る方法

具体化した知識は日常業務で使うので、働く会社で教えてもらいましょう。

ただ、抽象化した知識は、教えてもらえないので自分で学びましょう。

ただ、自分だけで学ぶと時間がとてもかかります。

てっとり早く知る方法は、手前味噌になりますが、私のブログの他の記事を参照してもらうことです。

会社の本質、会社組織の本質、製品・商品・サービスの本質など、ざまざまな本質を解説しています。

また、様々なフレームワークをわかりやすく解説しながら分類しています。

記事一覧は、よしつブログのサイトマップを参照下さい。

まずは上記の記事を読み、一旦自分の考えの軸としてください。

そうすると、今まで、目の前を気が付かずに通りすぎていた情報が認識できるようになります。

基準があることで、目の前を通る情報が自分の考えにあっているかどうかがわかるので、その情報を認識できるのです。

さまざまな情報を総合的に判断して自分なりの考えを構築して下さい。

社会人の学びのコツ「具体化と抽象化を使い分ける」のまとめ

日常業務に直接関わる知識は具体化する
その他の知識は抽象化する

使い分け方は上記となります。また、抽象化のメリットは以下の2つです。

分類できる
つなげて理解できる

これらのことを理解しておくと、がんばって得た知識が頭の中で整理され、必要な時に引き出すことができるようになります。

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