ブラック企業をなくすための動きが、逆に人の成長に対するブラックな企業を作り出しています。
いまだに労働(拘束)時間やハラスメントが多いブラックな会社は多く、体調を崩す人がでるほどの会社がありますが、このような会社は論外です。
ただ、上記ほどでもない会社でも労働時間短縮・ハラスメント対策が進んでいます。
その上テレワークという、若手にとっては、自分自身をどうコントロールすればいのかわからない働き方が付加されました。
この3つのことは若手の成長にとって実はマイナスでしかないのです。
この記事では、なぜこの3つが若手にとってマイナスなのか?をできるだけわかりやすく解説していきます。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
人の成長に対するブラック会社が増えている「3つの理由」
・経験時間の減少
・叱られる機会の減少
・学ぶ機会の減少
この3点が人の成長にとってのブラック企業が増えている理由です。
それぞれを解説します。
経験時間の減少
労働時間減少による経験時間の減少
1日8時間は働く人と、1日10時間働く人を比べます。年間240日働くとします。
8時間だと年間1,920時間で、10時間だと2,400時間となり、年480時間(月40時間)の労働時間の差となります。
今は残業させずに帰らせる会社も増えてきており、このような労働時間=経験時間の差がでます。
もちろん、体を壊す働き方をしよう!というつもりはありません。
ただ、9時出社20時退社(休憩1時間)で10時間労働です。通勤時間が片道1時間としても、11時間の完全な自由な時間があるのも事実です。
年間480時間の差が20代の8年間(大卒とした場合)続くと3,840時間の差となり、日に置き換えると160日分(3,840時間/24時間)となります。
繰り返しますが、体を壊すような働き方をしようというつもりはなりません。ただ、1日2時間の残業時間減だけでも、多くの経験時間が削減されてることになります。
叱られる機会の減少
ハラスメント対策により叱られる機会の減少
現在パワハラの問題もあり、上司や先輩は、正直腫物に触るように若手に接しています。
その結果、本来はしっかり叱らないといけない場面で、叱ることができない問題をかかえています。
もちろん、パワハラになるような怒り方は論外ですが、上司はとても躊躇していることも事実です。
結果、思ったことの半分も言えない上司が続出する事態となっています。
もちろん、ちゃんと指導できる上司の方はいますが、上位2割の上司でだけで、残りの8割の上司は自信がなく本来叱るべきことを叱らない経験をしています。
これにより、部下の方は、本来知ったり理解できることに、気づかない事態が発生しているのです。若手の成長にとって本当に不幸なことです。
もう一つ問題なのは、このような指導を受けた若手がリーダーや上司になった時に、自分が受けたような指導を超えて、叱ることができなくなります。
なぜならば、自分が経験していないことは、他人にもできない人がほとんどだからです。
そうして、親亀が子亀に、そしてその子亀が孫亀に下がっていくごとに、部下の成長支援をしていく能力が下がっていくのです。
学ぶ機会の減少
テレワークにより学ぶ機会の減少
テレワークにより2つの学ぶ機会が減少します。
ひとつ目は、意識・無意識に関係なくサボってしまうことです。テレワークを経験した人の多くは自覚をしていると思います。
ふたつ目は、自分から得なくても自然と学んだり刺激を受ける機会が減ることです。例えば以下です。
・周りの頑張りに刺激されて頑張る
・人の成功を見て真似しようと思う
・他の人の工夫をたまたま見て参考にする
・電話している会話を聞いて、このように話せばいいんだと感じる
・たまたま仕事を見ていた先輩がアドバイスをくれる
・疲れたなと思っても、周りを見て頑張れる
・人が悩んでる姿を感じて、他の人も同じだと安心できる
・何気ない会話から、とても役にたつアドバイスをもらえる
・相談したい相手の表情が見えるので、声をかけるタイミングを計りやすい
・他部署の人と雑談する機会があり、仕事の相談がしやすくなる
20代の人にとって、上げたらきりがないくらい、一緒のオフィスで働くことでの学びは大きいです。
ただ、この機会がテレワークにより減っています。時代の要請であることは理解できますが、学びが減る事実があります。
毎日の面談などで企業は対応しようとしていますが、上司は万能ではありませんし、1から10まで指導することも不可能です。
テレワークでも学べるという人はいます。多分262の法則で言うと上位2割の人でしょう。私も含めた残り8割の人は、自分で自分を律しきることはできません。
(262の法則の詳細は、どんな組織でも必ずこうなる「262の法則」を解説を参照)
今の環境の中で成長するための対策
今は楽でいいと思っていても、5年後を考えた場合どうでしょうか?結局仕事はし続けないといけませんので、今から対策を打つことが自分の将来への投資になります。
自分で勉強すること
結局ここに戻るのですが、自分で時間を作って学ぶ必要があります。
1日8時間労働の方は毎日30分本を読むことをおススメします。まずはインプットです。
インプットして知識をつけて、実際の行動で使ってみる。そうして初めて、知識が能力に変わりますので、まずは知識を得ることが大事になります。
(知識と能力の関係は、「知識と能力とスキルの関係」をわかりやすく解説を参照)
また、勉強することでとても大きなものを得ることが出来ます。「仕事の選択肢が増える」ことです。仕事の選択肢がない状態か?選択肢がある状態かを比較してください。
当然後者の方が自分のやりたいことをできる可能性が高くなります。
(詳しくは、なぜ勉強しないといけないのか?をわかりやすく解説を参照)
可能な範囲の中で最大限出社すること
積極的に出社しましょう。そして、出社時は先輩・同僚含めてどんな仕事の仕方をしているかをつぶさに見るようにしましょう。
必ず自分とは違うやり方をしています。差を見つけて、見て聞いてきて盗みましょう。
働いている会社が成長に良い会社かどうかを見極める
今の環境下で、人を育てることができる会社とそうでない会社の差はとても大きいです。
キーポイントは時間当たりの課題解決経験が多い会社かどうかです。
この考えを持つ会社かそうでない会社かで、若手に担当してもらう仕事内容が全く変わります。そしてそれが、成長速度を大きく変えてしまいます。
(詳しくは20代で一番大事なこと「時間当たりの課題解決経験の多さ」をわかりやすく解説を参照)
人の成長に対するブラック会社が増えた「まとめ」
・経験時間の減少
・叱られる機会の減少
・学ぶ機会の減少
今働いている会社でどこまで当てはまるでしょうか?3つとも当てはまれば、10年後の自分のために、学ぶ時間を確保しましょう。意識しないと、30代40代で苦労することになります。
何をしたらいいかわからない場合は、ビジネス書を読みましょう。
ただ、ビジネス書を読む習慣化ってなかなかつかないですよね。でも習慣化できる方法があるのです。
以下の記事を参照下さい。
(習慣化の方法は、「ビジネス書を読む」習慣がつかない3つの理由とその解決策をわかりやすく解説を参照)
自分で学ぶ自信がなければ、少し厳しい環境を求めて転職をすることもひとつの方法です。
今の会社が不安になり、転職を検討する方へ
転職の判断から面接まで解説している、20代「転職の流れ(転職判断・会社選択・広告の見方・面接のポイント)」をわかりやすく解説を参照下さい。
転職エージェント・転職サイトの選び方は、失敗しない転職エージェント・転職サイトの選び方と活用方法を参照下さい。
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。
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