ブラック企業をなくすための動きが、逆に人の成長に対するブラックな企業を作り出しています。
いまだに労働(拘束)時間やハラスメントが多いブラックな会社は多いですが、それとは逆にとてもホワイトな会社が増えてきました。
その上テレワークという、若手にとっては、自分自身をどうコントロールすればいのかわからない働き方が付加されました。
この2つのことは若手の成長にとって実はマイナスでしかないのです。
この記事では、なぜ若手にとってマイナスなのか?をできるだけわかりやすく解説していきます。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、100回を超える若手向け勉強会の講師をした経験を持つよしつが書いています。
(あわせて読みたい 若手社会人が最初に知っておきたいこと12選 考え方・意識・習慣)
人の成長に対するブラック会社が増えた「理由」
- 経験時間の減少
- 叱られる機会の減少
- 周りから受ける刺激の減少
この3点が人の成長にとってのブラック企業が増えた理由です。
人の成長に対するブラック会社が増えた「詳細」
ひとつずつ解説していきます。
経験時間の減少
1日8時間は働く人と、1日10時間働く人を比べます。年間240日働くとします。
8時間だと年間1,920時間で、10時間だと2,400時間となり、年480時間(月40時間)の労働時間の差となります。
今は残業させずに帰らせる会社も増えてきており、このような労働時間=経験時間の差がでます。
もちろん、体を壊す働き方をしよう!というつもりはありません。
でも、9時出社20時退社で10時間労働です。通勤時間が行き帰りで1時間として、11時間の完全な自由な時間があるのも事実です。
年間480時間の差が20代の8年間(大卒とした場合)続くと3,840時間の差となります。
日に置き換えると160日分(3,840時間/24時間)となり、とても大きな差となります。
繰り返しますが、体を壊すような働き方をしようというつもりはなりません。でも、これほどの経験時間が削減されている事実は認識しておいてほしいのです。
会社で働いて入れば、ある意味強制的に経験できることが、経験できないのです。
この時間の埋め合わせを、自分自身の努力で埋め合わせないといけないという、とても厳しい条件を突きつけられているのです。
叱られる機会の減少
現在パワハラの問題もあり、上司や先輩は、正直腫物に触るように若手に接しています。
その結果、本来はしっかり叱らないといけない場面で、叱ることができない問題をかかえています。
もちろん、パワハラになるような怒り方(叱り方でははい)はもってのほかです。
でも、上司の人たちは、とても躊躇しています。その結果、思ったことの半分も言えない上司が続出する事態となっています。
当然そんな中でも、ちゃんと指導できる上司の方いると思いますが、多分上位2割の上司で、残りの8割の上司は自信がなく、本来叱るべきことを叱らない経験をしています。
その結果、叱られる側は、指摘を受けないため、本来気づくことができるミスに、気づかずに終わってしまう事態が発生しているのです。
このことは、若手の成長にとって本当に不幸なことです。
そして、もう一つ問題なのは、このような指導を受けた若手がリーダーや上司になった時に、自分が受けたような指導を超えて、叱る指導ができなくなります。
なぜならば、自分が経験していないことは、他人にもできない人がほとんどだからです。
そうして、親亀が子亀に、そしてその子亀が孫亀に下がっていくごとに、成長支援をしていく能力が下がっていくのです。
この結果、個人の成長が鈍化し、その結果として、会社の成長も鈍化するという残念な結果になっていきます。
回りから受ける刺激の減少
人は空気感を感じることができます。
周りの頑張りが伝染して頑張る
人の成功を見て真似しようと思う
あの人はこんな工夫をしているんだ、というのを参考にする
電話している会話を聞いて、このように話せばいいんだと感じる
自分ではいいと思ったやり方に対して、たまたま見ていた先輩がアドバイスをくれる。
疲れたなと思っても、周りを見て頑張れる
人が悩んでる姿を感じて、他の人も同じだと安心できる
何気ない会話から、とても役にたつアドバイスをいただける
相談したい相手の表情が見えるので、相談のタイミングを計りやすい
他部署の同期と話していたら、隣の先輩とも話ができ、相談したい時に相談しやすくなる
20代の人にとって、上げたらきりがないくらい、一緒のオフィスで働くことの学びは大きいのです。
そして、この経験が減っているのです。もちろんテレワークが原因です。時代の要請であることは理解してます。
ただ、上記のような学びが減る事実があります。
毎日の面談などで企業は対応しようとしていますが、上司は万能ではありませんし、1から10まで指導することも不可能です。
テレワークでも学べるという人はいます。多分262の法則で言うと上位2割の人でしょう。私も含めた残り8割の人は、自分で自分を律しきることはできません。
この環境下での対策
自分で勉強すること
結局ここに戻るのですが、自分で時間を作って学ぶ必要があります。
1日8時間労働の方は毎日30分本を読みましょう。まずはインプットです。
知らないと何もできません。インプットして知識をつけて、実際の行動で使ってみる。そうして初めて、知識が能力に変わります。
可能な範囲の中で最大限出社すること
出社時は先輩・同僚含めてどんな仕事の仕方をしているかをつぶさに見るようにしましょう。
必ず自分とは違うやり方をしています。差を見つけて、見て聞いてきて盗みましょう。
働いている会社が成長に良い会社かどうかを見極めること
この環境下で、人を育てることができる会社とそうでない会社の差が大きく出ます。
キーポイントは時間当たりの課題解決経験が多い会社かどうかがポイントとなります。
この考えを持つか持たないかで若手に担当してもらう仕事内容が全く変わります。そしてそれが、成長速度を大きく変えてしまいます。
(詳しくは20代で一番大事なこと「時間当たりの課題解決経験の多さ」をわかりやすく解説を参照)
人の成長に対するブラック会社が増えた「まとめ」
- 経験時間の減少
- 叱られる機会の減少
- 周りから受ける刺激の減少
今働いている会社でどこまで当てはまるでしょうか?3つとも当てはまれば、10年後の自分のために、学ぶ時間を確保しましょう。意識しないと、30代40代で苦労することになります。
おすすめの方法は、ビジネス書を読む方法です。
でもビジネス書を読む習慣化ってなかなかつかないですよね。でも習慣化できる方法があるのです。
「ビジネス書を読む習慣がつかない3つの理由と解決策」「習慣化のノウハウ」を記事にしています。参考にしてください。
(詳しくは、「ビジネス書を読む」習慣がつかない3つの理由とその解決策をわかりやすく解説を参照)
自分で学ぶ自信がなければ、転職を考えることもひとつの方法です。
今の会社を「やめるべきかどうかの判断基準」と「新しい会社の選び方」を書いた20代で転職「転職の判断基準と会社選びの方法」を解説を参考にしてください。
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