はじめて就職してからの数年間はとても大事な期間となります。
20代で知識の積み重ね、及び課題解決を行う経験値により、30代以降の成長曲線が決まるからです。
当然、初めて務めた会社の働き方が大きく影響します。
この記事では、最初の会社の働き方に左右されてしまうことを前提に、20代の間は、どんなことを意識して働けばいいのか?何を大事にしたらいいのか?について12のテーマにまとめました。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験、100回以上の勉強会講師の経験を活かし、わかりやすく解説していきます。
(あわせて読みたい 「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説)
- 最初に知っておきたいことは会社の活動のどの位置付けか?
- 最初の3年間で30年間の行動が決まる
- 時間当たりの課題解決の経験数が一番大事
- 新社会人の3年間で踏んでほしい「成長のステップ」
- 成功体験の大事な理由と体験を積む方法
- 「人の成長」にとってブラックな会社が増えている
- 自分で自分をほめる技術が必要
- 知識を得るコツ 深狭・広浅 どちら?
- 経験から学ぶための大事なコツとは?
- 「前提をそろえる」ことがコミュニケーションの基礎
- 正しい情報を得る4つの方法とは?
- 社会人のたった一つの勉強法「ビジネス書を読む」
- 文章力を鍛える
- 手段の目的化に気をつける
- 人には思考の癖がある
- 20代社会人の悩み6つと具体的な対策
- 会社の人間関係で悩んだ時、知っておいてほしいこと
- 給料が上がる会社とは?
- 「仕事が覚えられない」理由と対策
- 20代向け!自分に合った会社の見つけ方
- 転職検討前の今「履歴書」「職務経歴書」を作るメリット
最初に知っておきたいことは会社の活動のどの位置付けか?

上図は、会社の活動を1枚の図にしたものです。個人力>個人の能力>知識>必須知識という位置付けです。
(上図の詳しい説明は、「1枚の図」と「一言で要約+詳細解説」でビジネス基礎知識をわかりやすく解説を参照)
最初の3年間で30年間の行動が決まる
最初の3年間の働き方が、社会人としての仕事のスピード感(=時間軸)となります。
私は風土の違う5社で働いて実感していることがあります。
新卒3年間で得た働き方のスピード(=時間軸)が固定化し、その後何十年も同じパターンで働く人が大半であることです。
新卒でその会社に入社した人たちは、明確に同じスピード感を持っています。
同じスピード感とは、行動を起こして行動を終えるまでの時間の長短です。
会社ごとで比較すると全然違いますが、同じ会社の新卒の人たち、かつ3年以上働いた人を見てみると、本当に同じです。
それぞれの会社内で求められるスピード感(=時間軸)が同じであり、常にその時間軸での仕事を求められるため、その人の習慣になるのでしょう。
一番わかるのは、仕事の納期を明確な日時で設定されていない業務をオーダーした時です。
「これやっておいて!」というオーダーだと、終えるまでに1時間から1週間位の差となります。これは複数社かつ様々な風土の会社の体験者しかわかりませんが事実です。
人は厳しい状態から緩い状態にはすぐ移行できますが、緩い状態から厳しい状態には、移行できません。
だから、社会人の最初の3年間で経験した時間軸は、ほぼ変えることはできません。
良い悪いの話ではなく、このようになるという事実を知っておいてほしいのです。
時間当たりの課題解決の経験数が一番大事
20代で一番大事なことは、「時間当たりの課題解決経験の多さ」です。
だから、時間当たりの課題解決経験が豊富な会社で、働くことが大事になります。
仕事とは何か?を一言で言えば課題解決です。
課題を解決するために与えられた時間は、誰もが同じです。でも、この貴重な時間をどのように使うことができるかがとても大事になります。
毎日単純作業に追われていたら、課題解決できる力=能力を上げる機会が奪われてしまうことになります。
よく大手企業がいいかベンチャーがいいかの議論があります。大手は仕事を任されない、ベンチャーは、仕事を最初からいろいろなことを任されるという仮説を元に議論されます。
でも、大手では単純作業はかなり効率化されているので、若手でも単純作業を行う機会は総じて少ないです。
ただ、ベンチャーは仕組みが整っていないので、単純作業が総じて多いです。
だから、大手がいい、ベンチャーがいいではなく、時間当たりの課題解決経験が多いか少ないかで判断する必要があります。
(詳しくは20代で一番大事なこと「時間当たりの課題解決経験の多さ」をわかりやすく解説を参照)
新社会人の3年間で踏んでほしい「成長のステップ」
(1年目)1つの成功体験を経験する
(2年目)成功体験で得たノウハウを徹底的に横展開
(3年目)壁を乗り越え、新しい成功ノウハウを得る
上記の成長ステップが踏んでほしいステップです。このステップを踏むことで、4年目以降に成功ノウハウが増えていき、一気に成長できるようになるのです。
1年目は、成功体験を経験する計画を立てて、具体的に進めます。
2年目は、1年目の成功体験で得たノウハウを他のことに徹底的に横展開します。
3年目は、2年目で当たった壁を打ち破りましょう。
このサイクルを習慣化できることで、様々な成功体験から成功ノウハウを獲得することができるようになります。
(詳しくは、新社会人の3年間で踏んでほしい「成長のステップ」をわかりやすく解説を参照)
成功体験の大事な理由と体験を積む方法
成功体験が大事なたった一つの理由とは
見えない未来に対して自信を持って行動できる
成功体験を積むことの効果は、この一言に尽きます。
成功体験の効果は、自信がつく、チャレンジ意欲がわくなどと言われます。
それらの効果がなぜあるのか?を突き詰めてみると、ある共通点が浮かび上がります。
それは、「心の余裕」です。では何に対する心の余裕なのかと言えば、まだ訪れていない未来へ進むことへの余裕なのです。
成功体験を積む方法は
成功体験を積むには、計画を立てること
このことが一番大事なことになります。成功体験は、努力しないと積めません。また努力の評価は自分自身です。
手を抜いたことやたまたまできたことは、自分でわかります。
したがって、自分で努力を認めやすくするためにちゃんと計画するのです。
(詳しくは、成功体験が大事なたった一つの理由と、成功体験を積む方法をわかりやすく解説を参照)
「人の成長」にとってブラックな会社が増えている
- 経験時間の減少
- 叱られる機会の減少
- 回りから受ける刺激の減少
「人の成長」にとってブラックな会社が増えています。理由は上記の3つです。
いまだに拘束時間がブラックな会社は多いですが、最近は拘束時間がとてもホワイトな会社が増えてきました。
その上テレワークという、若手にとっては自分自身をどうコントロールすればいのかわからない働きが付加されました。
この2つは若手の成長にとって実はマイナスでしかないのです。ある意味「人の成長」に関するブラックな会社が増えたということです。
20代の人にとって、上げたらきりがないくらい、一緒のオフィスでは働くことの学びは大きいのです。この経験が減っているのです。
(詳しくはブラック企業減が、「人の成長」に対するブラック会社を増やす理由を参照)
自分で自分をほめる技術が必要
- ほめられない方向に環境が移行しているため
- ほめられることが自分自身の成長につながるため
ほめられない環境でいかにほめられるか?を考えると、自分で自分をほめる方法を習得するしかないのです。
上司や先輩が、ちゃんと叱ってくれる機会があることで、認知できていないことを知ることや、認知は出来ているが向き合えていない課題に向き合うことができます。
ただ、その機会が大きく減っている=褒められない環境に移行しているのです。
また、できないことがわかり、出来るように行動すること。出来ていることを認知し、自信を持って行動すること。逃げている課題に向き合うことで、できるようになること。この3つで人は成長します。
これらの起点となるのが、ほめられることなのです。ただ、上記の環境なので、ほめられることが減っているのです。
だから自分で自分をほめる技術を習得する必要があるのです。
(詳しくは、自分を守るために!自分で自分をほめる方法をわかりやすく解説を参照)
知識を得るコツ 深狭・広浅 どちら?
最初は「深く狭く」知ることが良い

①浅く広く知識を得た後には、②深くに知識を広げます。①深く狭く知識を得た後には、②広く知識を広げます。どちらが①→②に行く際に知識を広げやすいか?
広く浅くだと、深さについては「わからないからできない」状態です。深く狭くだと 深さがわかっているので、広げる際は「わかっているけどできない」状態です。
ということで、まずは深く狭く知識を得る。その後広めていく方がより効率的だし、わかっているけどできない状態まで早く行けることになります。
(詳しくは、知識を得るコツは「深狭?広浅?」をわかりやすく解説を参照)
経験から学ぶための大事なコツとは?
すぐにネット検索せず一旦考える!
たったこれだけです。たったこれだけの行動が、経験から多くのことを学ぶコツになります。
理由は、すぐに検索する癖により、脳の本来の力をほとんど使っていないためです。
自分で一旦考えたら、間違っているかどうかが判断でき、このことで脳は学習します。すぐに検索することで、せっかくの脳の学習の機会をなくしていることになるのです。
(詳しくは、すぐに検索しない!経験から学ぶための大事なコツをわかりやすく解説を参照)
「前提をそろえる」ことがコミュニケーションの基礎
- 形容詞に注意
- 言葉の定義に注意
- 打ち手議論に注意
この3つがコミュニケ―ションの前提として注意することです。
人はすごい能力をもっています。それは推測する能力です。「昨日のあの件だけど」というだけで、昨日様々なことがあったはずなのに、あの件を特定できます。
この能力があるので、円滑なコミュニケーションが図れるのです。でも、この能力は万能ではありません。だから、間違がえてしまうことがあるのです。勝手な推測で思い込むのです。
話を聞く際は、上記3点を意識して前提を揃える意識を持ちましょう。できない場合は、頑張って何を前提にしているか考えましょう。
(詳しくは、コミュニケーションを円滑にする手段「前提をそろえる」をわかりやすく解説を参照)
正しい情報を得る4つの方法とは?
- 情報発信メディアの情報の偏りの傾向を知っておく
- ミクロ・マクロ、目的・手段で分ける
- 事実及び数字でおさえる
- 分野ごとに正しいことをよく言っている人をおさえておく
メディア等で日々大量の情報を得てしまっています。その中から正しい情報を得るには、上記4つの方法をおこなうことが必要です。
1.情報発信メディアの情報のかたよりを把握するには、情報発信者の「儲ける手段」を把握することで、どのような偏りが出るかがわかります。
2.ミクロ・マクロ、手段と目的で分けることで、意見を整理できます。たとえば、円安となると、ミクロでは、輸入業が大変だという話になります。ただ、日本というマクロで見たら、日本が儲かることになります。
このようなミクロとマクロで議論しても平行線のままです。だから、ミクロな話なのか?マクロな話なのか?を分ける必要があります。手段と目的も同じです。
3.事実及び数字でおさえるはわかると思います。事実でおさえることで、推測を排除できます。
4.自分にとって正しいことをよく言う人をおさえておくことも大事です。出来れば3名位見つけておき、SNS等で情報を常に得ておくと、世間の流れに惑わされにくくなります。
(詳しくは、各メディアから正しい情報を得る4つのコツをわかりやすく解説を参照)
社会人のたった一つの勉強法「ビジネス書を読む」
何を学んだらいいかわからない人は、「ビジネス書を読みましょう」
わかっているよと声が聞こえてきそうですね。でも、ビジネス書を読んでますでしょうか?
ビジネス書を読む習慣がつくと、必ず大きな変化が起こります。
- 知識がつく
- 自分が学びたい分野が見える
- 次々読みたくなる
- 更に知識がつく
読む習慣ができると、1から4の流れになり、更に1に戻ってという無限ループになります。その結果ものすごい知見がつくことになります。
ビジネス書を読む習慣をつけるには、「ビジネス書を読む」習慣がつかない3つの理由とその解決策をわかりやすく解説を参照)
文章力を鍛える
- スタートラインは誰もが同じ
- 長文を書く
- 要約文章を書く
上記の1の背景と、2.3の方法を行うことで文章力を上げることができます。
日本でこれからも生活するのであれば、日本語の文章がすべての基本となります。動画の時代になろうが、日本語の文章が口語で語られているだけです。
そして、普通に生活をしていると、長文を書くことはほぼないです。だから、長文を書く習慣があるだけで、大きな差別化ができるのです。
その上、長文をわかりやすく要約する技術があると、さらに強みとなります。
そして最大のメリットは、文章を書くことで自分の考えがまとまります。頭で考えていた総論を文章という各論に落とすときに、大きな気づきと学びを得ることができます。
長文はブログがおススメです。要約文はTwitterがおススメです。
手段の目的化に気をつける
・手段実現が、目的になってしまうこと
これが手段の目的化です。本来は、目的を実現するために手段があり、手段が達成できた時に、目的を実現できたかを把握して、その手段が正しかったかどうかを判断します。
ただ、人は上記の中で時間が経過した時、また、議論に集中している時に、気がつけば手段を達成することが目的に置き換わってしまいます。
その結果、手段を達成することに集中し、目的は蚊帳の外で、手段が達成できればそれでよかったとなってしまいます。
わかってはいても、陥るのが手段の目的化です。常に目的を意識する癖のみが解決できる手段です。
(詳しくは、「手段の目的化」の意味と具体例と原因をわかりやすく解説を参照)
人には思考の癖がある
- 数万年前の狩猟採集時代の思考から進化していない
- 脳は、昔から先入観や経験則でまずは判断している
この2つが思考の癖の正体だそうです。脳の構造は、狩猟採集時代からさほど変わっていないだそうです。
そして、この2つによって、以下のように考える癖があります。
- 自分に都合にいい情報ばかり集める
- 特徴的なことに引っ張られて全体を判断
- 沢山の人が支持している内容が更に支持される
- 自分の所属する組織の意見を信じる
- 結果が出た後に事前にわかっていたように感じる
- 投資を無駄にしたくない気持ち
- 最初の提示が基準となる
このように思考には癖があることを理解しておきましょう。対策は、正直難しいです。なぜなら、本能だから。
(詳しくは、考える際に注意が必要!「人の思考の癖」をわかりやすく解説を参照)
20代社会人の悩み6つと具体的な対策
① 給料が安い
② 人間関係で悩む
③ プライベートと仕事が両立できない
④ 仕事が覚えられない
⑤ 仕事にやりがいがない
⑥ やりたいことが見つからない
大きな悩みとしては、この6つです。
会社という新しい環境に入ることで、たくさん悩みます。
それぞれの原因と対策については、ひとつずつ解説している以下の記事を参照下さい。
(詳細は、誰もが必ず経験する!20代社会人の悩み6つと具体的な対策を参照)
会社の人間関係で悩んだ時、知っておいてほしいこと
・会社は、人の生活様式に適合した場所ではない
・会社には、9割の良い人と1割の悪い人がいる
・9割の良い人でも、会社に属するから悪くなる人がいる
この3つを知っておきましょう。これらでわかる通り、そもそも会社という組織では、人間関係が築きにくいのです。
このことを前提として対策を考える必要があります。
(詳しくは、会社の人間関係で悩んだ時、対策を打つ前に知っておいておいてほしいことを参照)
給料が上がる会社とは?
1.昇進しやすい(上が詰まっていない若い会社)
2.シェアトップか成長業界
3.粗利率(売上総利益率)が高い
4.複数の売れている商品や事業を持っている
上記4つとも満たされている会社が給料の上がる会社です。
なぜこの4つのポイントになるか?について、給料が上がるという「現象」を、
・何によって上がるのか?
・どの部分が上がるのか?
に分けて詳細に見ていくことで抽出できます。
(詳細は、「給料が上がる会社」「上がらない会社」の見分け方を参照)
「仕事が覚えられない」理由と対策
今は気にしない。2年後ちゃんとできてる。
ビジネス関係書を読むこと、文章を書くことでインプットとアウトプットを増やす
あまり思い込まないことです。仕事は簡単には覚えることはできません。
ただ、ビジネス関係書を読むこと、文章を書くことの2つを意識しましょう。一定の時間がたてば仕事を覚えられない問題は解決します。
(詳しくは、20代仕事の悩みのひとつ「仕事が覚えられない」理由と対策をわかりやすく解説を参照)
20代向け!自分に合った会社の見つけ方
・自分が「絶対」売りたくない商品の会社を除く
・粗利率の高い会社を選ぶ
・売上を伸ばしている商品力の強い会社を選ぶ
・迷ったら知名度のある会社を選ぶ
合った会社に出会うには、合った会社で働かないと本当の意味で出会えません。
そのためには、間違う確率の高い会社選びをしないようにすることが大事になります。
明確に自分の合う会社を定義できないのであれば、上記4つのポイントをおさえることで、自分に合った会社に出会う確率が上がります。
また、合っている会社でなかったとしても、上記ポイントをおさえておくと、皆さんの能力が上がる会社である場合が多く、転職の際に有利になります。
合う会社に出会うまでの間をどうすごすか?が、合った会社に出会う方法となるのです。
(詳しくは、やりたいことが見つかっていない20代向け!自分に合った会社の見つけ方を参照)
転職検討前の今「履歴書」「職務経歴書」を作るメリット
現在の立ち位置(市場価値)がわかる
将来を考えるきっかけとなる
この2つが大きなメリットとなります。
転職を考えた時に初めて書き始めると、過去の行動の中からしか書くことができず、どうしても記載内容が限られます。
したがって、転職を考える前から、「履歴書」「職務経歴書」に何を書くかをイメージしながら、普段の仕事をおこなってほしいのです。
そうすることで、経歴がきれいに整い、転職時の書類通過率を上げるだけでなく、皆さんのキャリアパスを見つけることにもつながるからです。
(詳しくは、転職の有無に関係なく、今「履歴書」「職務経歴書」を作るメリットを解説を参照)
若手社会人が最初に知っておきたいこと19選(考え方・意識・習慣)としてまとめました。気になるテーマがありましたら、詳細ページをご覧ください。詳しく解説しています。
ビジネスの初心者からベテランまで、誰にでも役に立つ本が大幅改定して新発売されました。小説風のストーリーに解説を所々に入れたビジネス書です。
著者は三枝匡さんで、私はすでに出ている本を全部20回以上読んでいます。今回発売された本も読みましたが、誰にでも何回読んでも役に立つ本当におススメ本です。
何回も読んだおススメ本の紹介は以下を参照下さい。

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