さまざまなアンケートを見ると、20代の人にとって管理職になりたいと思う人は少数とのことです。
個人の考え方なので、この判断はもちろん尊重します。
ただ、その判断が、正しい前提に基づいているかどうか、少し気になります。
多くの人は、今の上司の仕事をみて判断していると思いますが、その上司が本当の管理職の仕事をしているでしょうか?
あわせて、5年後、10年後、20年後のご自身の給料や転職のしやすさをイメージできているでしょうか?
この記事では、管理職の本当の仕事と、管理職にならない場合のデメリットを紹介することで、今の判断が正しいかどうかが判断できるように構成しています。
この内容を踏まえて判断してもらうことで、5年後10年後20年後に後悔しない判断をしてほしいです。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
知っておいてほしいこと
1.皆さんの上司が本来の管理職の仕事をしているか?
2.給料が上がりにくい現実
3.転職しづらい現実
この3つが「管理職になりたくない」と思った時に知っておいてほしいことです。1の間違った見方の可能性、2.3は避けることができない事実であることを知っておいてほしいです。
それぞれをくわしく解説します。
皆さんの上司が本来の管理職の仕事をしているか?
本来の管理職の仕事をしていない管理職が大多数
管理職の仕事とは?
実務と兼務できない
管理職ではない管理職
3つに分けて解説します。
管理職の仕事とは?
与えられた組織のパフォーマンス最大化
与えられた組織の能力最大化
この2つが社長・役員・部長・課長である管理職の本来の仕事です。
・組織の目指す姿の設定
・組織の課題設定
・組織の戦略策定
・戦略に応じた体制構築
・部下の戦略実行支援
・上記の経験を生かした成長支援
具体的にはこれらの内容をおこなうことで、上記2つを実現することが本来の管理職の仕事です。
雑務に追われるというよりも、クリエイティブを求められる仕事です。
組織を持つと、何をすべきかを考えて、適切な業務分担をおこない、前向きに働いてもらう働きかけをおこなうことが大事になります。
自分だけではなく、性格や考え方が異なる複数の人とどのように協業していくのかを考え、設計し、伴走する必要があるからです。
また、組織の成果に責任を持つ立場として、相応のプレッシャーや困難が伴うことも事実です。
しかし、それを乗り越えて組織や部下が成長した時の達成感は、担当者時代には味わえない大きなやりがいになります。
実務と兼務できない
実務と管理職業務を同時にできるような仕事ではない
とても難しい内容なので、「実務」と兼務しながら行うことは本来できません。
兼務させている会社は、本来の管理職の仕事だけでなく、実務もおこなうことを求めています。
その結果、管理職になるととても忙しくなります。
管理職にこのような業務を求める会社は、組織運営の方法を分かっていないと言えます。
もしくは、無茶を押し付けてくる会社とも言えます。
皆さんの会社の上司は、本来の管理職の仕事をしていますか?
上司が大変そうに見えたとしたら、本来の仕事で忙しいのか?管理職と実務を兼務して忙しいのかを見分ける必要があります。
前者なら、本来の姿ですし、後者なら、今働く会社の組織運営の問題です。
ちなみに、こうした無茶な要求は経営層の考え方に根差しているため、容易に変わることはないでしょう。
皆さんの知っている管理職のイメージは、このような間違った管理職の仕事を見ているのかもしれません。
管理職になるかどうかの前に、このような考え方をする会社で働き続けるかどうかを考える必要があります。場合によっては、転職を視野に入れる必要があります。
(転職を考えるなら、20代「転職の判断から転職活動の進め方」をわかりやすく解説を参照)
管理職ではない管理職
代表例はプレイングマネジャー、次長、副部長、課長代理
世の中には管理職でありながら、管理職ではない役職があります。
典型的な役職はプレイングマネジャーです。確かにとても優秀なプレーヤーであり、管理職でもあるプレイングマネジャーの方もいます。
ただ、この両方を完璧にこなすのは現実的には無理です。もちろん、皆さんが昇進した場合についても、プレイングマネジャーになる可能性が高いことを認識しておきましょう。
また、「与えられた組織」がある前提なので、次長、副部長、課長代理といった直属の部下を持たない肩書の方も本来の管理職ではないといえます。
任せる組織が明確ではなく、実態は管理職ではなく専門職なのです。
このような役職を持つ組織はとても多いですが、ほとんどの場合、経営層が組織の本質である分業を軽く考えています。
これは、優しい経営者なら「たくさんの人に役職を与えたい」、厳しい経営者なら「役職を付けてもっと働かせたい」と考えた結果であることが多いのです。
もし皆さんが、このような「名ばかり管理職」をイメージして「管理職は大変だ」と考えているなら、それは本来の管理職の姿とは違うかもしれません。
また、皆さんが昇進した場合についても、プレイングマネジャーや上記の役職になる可能性が高いことを認識しておくことも大事なことです。
給料が上がりにくい現実
給料を上げるためには役職アップが必要
給料には、基本給とボーナス(ない会社もあり)で構成されます。基本給は役割=責任に応じて高くなります。
また、ボーナスは、基本給の〇か月という設定になりますので、基本給の高低が直接影響します。
この仕組み上、役職が上がらないと給与も頭打ちになりやすいのです。
もちろん、専門職として高い給料をもらう方法もあります。
特定の分野(例:データサイエンス、AIエンジニアリング、M&Aコンサルティングなど)で代替不可能なスキルを身につけ、社内外で認められる実績を出すことで、管理職以上の処遇を得ることも可能です。
ただし、管理職の数と同じだけ給料をもらっている専門職の数を比較するとわかりますが、それはとても狭き門です。
結果、給与を大きく上げたいと思うなら、管理職になることが最も一般的なルートになります。
(詳しくは、給料が上がる会社・上がらない会社の見分け方をわかりやすく解説を参照)
転職しづらい現実
役職がない中堅以上の社員はスキル・能力が疑われる
中途採用の書類や面接をしていますが、ある程度の年齢で役職がない場合は基本書類を通しません。
役職者になるということは、自分がなりたくてなれるわけではなく、周りや上司に評価されたからです。
ということは、採用側が「役職がないのは、周りから評価されてこなかったからではないか」と判断しがちです。
また、役職なしの人が転職で役職がつく可能性は極めて低いです。
採用市場では役職経験者もライバルになるため、未経験者にいきなり役職を任せるという判断はしにくいのです。
したがって、転職でのステップアップを図りたい、もしくは、同じレベルでもいいので他の会社に転職したいと思うなら、ある程度の年齢までに役職を持っておく必要があります。
ある程度の年齢になって役職がないということは、転職の際、20代や30代前半の人と競合になります。
上記の通り、役職なしをネガティブに判断される中で今後の可能性が高い人たちと戦うことになり、とても不利です。
この事実は後で知っても取り返すことができません。今知っておくべきことになります。
今知っておいてほしいことの「まとめ」
1.皆さんの上司が本来の管理職の仕事をしているか?
2.給料が上がりにくい現実
3.転職しづらい現実
この3つを知った上で判断してほしいです。私も経験しましたが、20代はどうしても目先のことだけに目が行きがちです。
本記事でお伝えした視点も踏まえて、ご自身の将来を判断していただければ幸いです。
特に1の本来の管理職の仕事をしていない管理職はとても多くいます。
その方のイメージで判断することは間違った認識となりますので、注意しましょう。
もちろんこれらをちゃんと理解した上で、管理職を目指さない判断も私は尊重します。お金や転職のしやすさが人生のすべてではないからです。
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- 新社会人3年間の「成長のステップ」
- 最初の3年間で経験してほしい「たった1つのこと」
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