私たちは、普段の業務で売上と利益に大きく関わっています。
売上は「商品・サービスを販売して得た金額」、利益は「売上から費用を引いたもの」です。
しかし、この定義は表面的な解釈に過ぎません。
この記事では、この二つの概念をさらに深掘りし、その本質をわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
「売上と利益」の本質は?
・売上は、顧客の期待値を金額にしたもの
・利益は、事業を続ける権利を得るもの
これが売上と利益の本質です。
私たちが商品やサービスを購入する際、払っているのは、あくまで「未来への期待」に対してです。
なぜなら、私たちは実物を受け取る前に、購入の意思決定をしているからです。
仮に購入後に期待と違ったとしても、契約等に問題がなければ、支払ったお金が返ってくることは基本的にありません。
また、売上が上がり、利益が出ることで事業は継続できますが、利益が出なければ継続は不可能です。
したがって、利益を出すことは、事業を続け、お客様に価値を提供し続けるための責任でもあるのです。
それぞれの本質について、さらに詳しく見ていきましょう。
売上は、顧客の期待値を金額にしたもの
顧客の期待値とは?
課題等を解決できる期待・イメージ
顧客は、商品・製品・サービスを提供してもらう前に、ポジティブなことが起きると思う期待値を持つことで、お金を出すという行動をとります。
購入の意思決定をするタイミングでは、まだ、製品・商品・サービスを提供してもらっていない状態です。
したがって、購入の判断は、期待値で判断します。
BtoB(企業間取引)では、購入の意思表示(発注)の段階で契約が成立します。その後納品し、請求書を出すという流れで、お金の支払いは後になります。
BtoC(消費者向け取引)では、ネットショッピングを中心に、カード決済等が完了してから納品となるケースが多いです。
どちらのケースでも、顧客は「自分の課題が解決できる」「嬉しい気持ちになれる」というポジティブなイメージを持つからこそ、購入の判断を行うのです。
皆さんのなじみのあるECサイトでのショッピングがよい例です。実物は画像でしか見ることができませんが、商品説明や口コミを参考にして自分にとって必要だと判断しカード決済します。
あくまで期待した価値があると考えるから、購入する判断をおこなうのです。
したがって、顧客の不満が発生するのは、購入前の期待値と購入後にギャップがあるからです。
ただ、全員が購入した会社にクレームを言うわけではありません。
何も言われないケースも多くあります。その人は、二度とその会社から購入しないという判断をしています。
また、一回購入してくれて、満足頂いた人は、すでに期待値と金額が合致しています。したがって、満足いただけた人が増えれば増えるほど、リピーターとなりますので、売上が上がりやすくなるのです。
金額にしたものとは?
期待してくれた人(企業)が出してくれたお金の総額
商売において、お金をいただけるのは唯一、顧客だけです。
顧客が「期待値」と「金額」が見合うと判断してくれた結果、購入に至ります。
購入してくれた顧客が多ければ多いほど売上総額は上がりますし、少なければ売上総額は上がりません。
売上とは、この「顧客の期待値」を測定可能な数値に置き換えた結果なのです。
売上が上がる=顧客の満足ではない
期待値は高いが、価値を提供できていない状態
上記の通り、売上が上がったとしても単純に喜べるわけではありません。この時点では、まだ価値提供は完了していないからです。
価値を提供することのゴールは、単なる納品ではなく、顧客が期待値通りかを確認し、必要に応じてフォローアップを行うところまで含まれるのです。
利益とは、商売を継続する権利を得るもの
商売を継続するためには?
顧客の望む製品・商品・サービスを提供し続ける必要がある
商売を継続し続けるためには、商品を仕入れたり、設備投資したり、新商品を開発したりすることで、顧客の望む製品・商品・サービスを提供し続けることが必要です。
会社にとって大事なことは多々ありますが、最も重要なのは、顧客の課題解決や実現したいことを提供し続けることです。
なぜなら、顧客が常に変化し、同じものを提供し続けていると、いずれ満足値が下がってしまうからです。
例えばスマートフォンでは毎年新しい機能が付加されて、バージョンが上がっていきます。そうしないと売れないからです。
その上、競合が同じカテゴリーの製品・商品・サービスを提供しています。
したがって、新しい価値を提供するために、従来のものを改良したり、新しいものを創るために、人・設備・ソフトに投資しないといけません。
投資には必ず現金を支払う必要が発生します。 具体的な投資の例として、人を採用する(人への投資)、新しい工場を建設する(設備への投資)、新しい素材を開発する(研究開発への投資)などがあります。
これらの現金を賄う主な方法が、利益を上げることなのです。
権利を得るとは?
顧客に選ばれ続けることで事業継続の権利を得る
もし投資ができないと何が起こるか?製品・商品・サービスが陳腐化し、顧客から選ばれなくなります。
逆に投資ができると、顧客に選ばれ続けてもらう可能性が上がります。
そうすると、利益が上がりますので、商売を続ける権利を得ることになるのです。
「売上とは?利益とは?」本質と意味のまとめ
売上は、顧客の期待値を金額にしたもの
利益は、商売を続けてもよいという権利を得るもの
まず、利益を元に投資します。次に、その投資で期待される価値を持つ商品やサービスを開発します。そしてそれを販売することで現金を獲得し、その現金でさらに投資ができる。
この「投資→開発→販売(売上・利益)→再投資」こそが、事業を成長させる正のサイクルです。だからこそ、会社は売上を上げ、利益を出す必要があるのです。
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