企業が求める人物像としてよく挙げられるのは、コミュニケーション能力、誠実さ、熱意、責任感、主体性といった要素です。
求められる能力やスペックはわかっています。ただ、そんな能力がないから私含めて多くの人は困っているのです。
しかし、会社で働く以上、何らかの形で貢献する必要があります。
能力のある人との差がある私たちのできることは、すべての項目で勝負するのではなく、絞ることです。
では、人により強みが違う中で何に絞るのか?
この問いに関する答えを出すためには、会社が求める能力やスペックを「何」に発揮してほしいのか?の「何」をまずは知ることが必要です。
この記事では、この「何」が求められているのか?についてわかりやすく解説します。
この記事を読むと本来求められていることが理解できるので、何の能力やスペックを手に入れたら良いかを考えるきっかけになります。
この記事は、
・3回の転職経験
・中途採用の責任者の経験
・多数の書類選考・面接の経験
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい【転職】転職前の心構えと知識・具体的な方法)
会社が求める人材とは?
課題解決ができる人材
課題解決とは解くべき問題を特定しその問題を取り除くことです。
(課題解決の詳細は、課題解決とは?意味・考え方・進め方をわかりやすく解説を参照)
具体的には、
・戦略を考えることができる
・戦略を実行することができる
この2つに集約され、この行動が求められています。
この行動をおこなうために、コミュニケーション能力、誠実さ、熱意、責任感、主体性などの能力が必要になります。
ただ、提供価値を絞ることで、必要となる能力やスペックは絞られます。
2つともできればいいですが、そうはいかない私たちは、どちらかに絞って能力をつけていくことが大事です。

上図の両方できる①がベストですが、簡単ではないので、私たちは、②か③を選びましょう。
もちろん、戦略を考える人に実行を全く求めないかと言われるとそうではありません。
また、実行する人に戦略を考える必要がないわけでもありません。
ただ、この2つには明確に適性があるので、あえてこの2つに分けています。
なぜこの2つなのか?とそれぞれの詳細について解説します。
なぜこの2つなのか?
ありたい姿になりたい
会社にはありたい姿があります。良い、悪い、総論、各論の議論はありますが、大なり少なり必ずあります。
そのために、ありたい姿と現状とのギャップを取り除きたいと考えています。
これを実現するために、ギャップを取り除く作戦を立てて実行することが必要になります。
作戦を立てるということは、制約条件の中で「戦略を考えること」です。
実行するとは、自分で実行することだけでなく、他の人を巻き込み実行してもらうことも含まれます。
当然良い戦略があっても、実行されなければギャップである問題を取り除けません。
逆に実行力があっても悪い戦略なら、同じくギャップは取り除けません。
したがって、両方ではなく、片方でも会社のニーズに叶うのです。
(分業については、「会社組織」の本質とは?をわかりやすく解説を参照)
・会社がしたいこと
・課題解決と戦略の関係
この2つのテーマに分けてもう少し詳しく解説します。
会社がしたいこと
現金を使って現金を増やす
これが、会社(民間企業)がしたいことです。
読んで字のごとく、会社に現金を投入し、最終的に現金が増えることを目指しています。
鶏が先か卵が先かの議論になりがちですが、会社が事業を通じて現金を増やす(=利益を上げる)ことができるからこそ、従業員である私たちは給料を得られ、生活することができます。
その上、投資がおこなわれ、お金が世の中をめぐり、経済が繁栄し、また私たちにお金が戻ってきます。
これらを実現するためには、お客様にお金を払ってもらうことが必要です。
(詳しくは、本質を一言で表現!「会社とは何?」をわかりやすく解説を参照)
そのために、困っている課題を解決する商品を作り、商品を届けることも必要になります。
この流れの中で、戦略を立てることと実行することがコア業務となります。
課題解決と戦略の関係

上図はありたい姿、現状、問題、課題、戦略、戦術を一枚の図で表わしたものです。
(この図の詳細は、「目指す姿・現状・問題・課題・戦略・戦術」をたった1枚の絵で表すを参照)
課題とは、解くべき問題であり、課題を解くために、何をするか?(=戦略)どうやってやるか?(=戦術)という関係になります。
戦略を戦術に落として実行することで、ありたい姿になることができます。
実行部分は議論の俎上に上がりにくいのですが、考えても何も解決しません。
実行との両輪がちゃんと回ることが大事なのです。
戦略を考えることができる
戦略という作戦が必要
組織において、ありたい姿になるには、必ず、どうやってその姿にたどり着くかの作戦が必要になります。
ということは、この作戦=戦略を考えることができる人が必要です。
戦略策定に適性があるのは、1割から多くて2割の人です。
作戦なので、現状を踏まえて、解くべき問題を設定し、解決策を策定します。
当然、さまざまなビジネス知識が必要になりますし、今ない作戦を新しく作ることになりますので、創造性も必要になります。
会社の部署では、企画やマーケティングなどの名前が含まれる部署が担当している業務です。
戦略を実行することができる
実行しないと何も生み出せない
どんなに良い戦略があっても、実行されないと何も生み出しません。
したがって会社にとってとても重要なことです。
8割から9割の人がこちらに適性があります。
戦略を立てる人と比べると何か主従の従のように感じると思いますが、そんなことはありません。
実行しないと何も変わらないからです。
もし、そのように思っている経営層がいたら、その会社をやめるべきです。
それ位実行は重要だからです。
2つの選び方の注意点
・「やりたい」ではなく「できるか」で判断する
・戦略立案だけ・実行だけではない
本人の特性に大きく依存するので、選び方は人それぞれとなりますが、選ぶ際の注意点が上記2つです。それぞれ解説します。
「やりたい」ではなく「できる」で判断する

上記はやりたいこと×できることのマトリクスです。
① と③は能力が上がる可能性は高いですが、②と④は能力が上がる可能性は低いです。
そして、一番やっかいなのは②です。やりたいことなので、ついついできないことに手を出してしまいます。
この見極めは本当に大事なポイントです。
残念ながら、才能がないことを努力しても能力がさほど上がりません。
これは残念ながら現実です。
私が、仮に小学生に戻れたとして、大谷選手と同じ努力をしたとしても、大リーグで活躍はできません。
あきらかに才能が違うからです。
(詳しくは、才能と努力の関係をわかりやすく解説を参照)
できれば、20代の内に両方の部署を経験できれば自分の適性は見えてきます。ただ、体験できないとしても、どちらが得意だろうか?という意識を常に持って仕事をしていれば、わかってきます。
戦略立案だけ・実行だけではない
実行部署でも役職が上がれば戦略を求められます。
また、戦略立案部署でも、実行までサポートする必要があります。
戦略と実行は明確に二分できるものではなく、グラデーションがかかります。
ただ、大枠で見ると戦略を考えると戦略を実行するに分けることができます。
会社が求める人材とは?の「まとめ」
課題解決ができる人材
課題解決とは解くべき問題を特定しその問題を取り除くことです。
具体的には、
・戦略を考えることができる
・戦略を実行することができる
この2つに集約され、この行動が求められています。
選び方の注意点は以下2つです。
・やりたいかではなくできるかで判断する
・戦略立案だけ・実行だけではない
自分にできることという視野を持ちながらどちらの能力を上げていくかを考えてみましょう。
できるだけ早いタイミングで決めておくことで、無駄な時間を使わずに能力を上げることができます。
ちなみに私は、実行の方に強みを持っています。
若い時は、戦略立案部署に憧れ、一時所属したこともあります。
ただ、振り返ると、やっぱり向いていなかったと思いますし、多くの時間を実行に使ってきたこれまでのキャリアは、間違っていなかったと感じています。
他にも転職に関する「転職前の心構えと知識」で以下の記事を書いています。参照下さい。
当サイトでは以下のカテゴリーで200以上の記事を掲載しています。気になる内容があれば参照下さい。
・【 概念の本質 】ビジネスの根幹・基礎用語の本質・人の本質
・【キャリアプラン】軸とタイミング・成長ロードマップ
・【 自己成長 】定義から効率的な学びの方法を紹介
・【社会人の悩み 】素朴な悩み・よくある悩みと対策
・【 課題解決 】問題課題、戦略戦術フレームワーク・法則
・【ビジネススキル】必須スキル・思考方法・コミュニケーション
・【ビジネス用語 】基礎用語解説
・【 企業会計 】一つの軸で理解・収益構造とコスト分析
・【企業実例研究 】成長企業の成長理由
・【 会社の環境 】良い会社の特徴
・【 転職 】転職前の心構えと知識・具体的な方法
・【 読書ガイド 】テーマ別おススメ本
以下で失敗しない本選びのために、何回も読んだおススメ本を紹介しています。

何何回も読んだおススメ本!ビジネスに必要な4領域13テーマに分けて紹介はこちら
本の購入費が気になる方は、アマゾンさんが電子書籍の定額読み放題サービスをおこなっています。

読み放題「Kindle Unlimited」をおススメする人しない人はこちら
本を読むのが苦手な方には、プロのナレーターが本を朗読してくれるサービスがあります。

オーディオブック2強「Amazon Audible」「audiobook.jp」を徹底比較はこちら
本の置き場や持ち運びが嫌な人は、アマゾンさんのKindle(キンドル)端末がおススメです。
(詳細は、Kindle端末の選び方とおススメをわかりやすく紹介を参照)
記事を用語から探したいなら、以下を参照下さい。



