社会人として働き始めて数年が経つと、ふと「自分って成長できているのか?」と疑問に感じることはありませんか?
目の前の仕事は確かにできるようになったとしても、本当に成長しているのか?成長のスピードは大丈夫か?など不安やモヤモヤを感じるのは、よくあることです。
このような不安を少しでも解消し、着実な成長につなげる方法を知っておくことは、大きなメリットがあります。
この記事では、ご自身の成長を客観的に確かめるための4つの自己チェックポイントをご紹介します。
これらのポイントに当てはめて自己診断することで、成長の実感を得る手助けとなるでしょう。
(あわせて読みたい【自己成長】定義から効率的な学びの方法を紹介)
4つのチェックポイント
・課題解決の経験を「書いて」振り返っているか?
・「できないこと」にあえて挑戦しているか?
・業務外で主体的に学んでいるか?
・周囲から客観的なフィードバックを得ているか?
この4つがセルフチェックポイントです。
まずは成長とは何か?成長する目的は何か?を明確にした後に、この4つをわかりやすく紹介します。
成長とは?
今と違う自分になる
成長を一言で表すなら、これに尽きます。
そして、「今とは違う自分になる」とは、具体的に以下の2つの状態に分解できます。
・知らないことを知る(知識の増加)
・できないことができるようになる(能力の向上)
この2つ分けることができます。それぞれ見ていきましょう。
知らないことを知る(知識の増加)
できるかどうかに関わらず、新しい知識が加わることで、「知らないからできない」→「知っているけどできない」の状態に1ステップ進むことができます。
この「知る」という行為が、成長の第一歩です。
できないことができるようになる(能力の向上)
次に、得た知識を活用して、実際に何らかの課題を解決できるようになると、「知ってはいるが、まだできない」状態から、「できる」状態へと変わります。
これにより、さらに1ステップ進み、「できなかったこと」が「できること」になるのです。
このように、知識を使って「できること」を増やしていくことが、能力の向上、すなわち成長につながります。
(詳しくは、「成長とは?」「成長する方法とは?」をわかりやすく解説を参照)
成長の目的は?
選択肢を増やすこと
成長する主な目的は、人生における「選択肢」を増やすことです。
選択肢とは、文字通り、自分の人生で選べる道のりが複数ある状態を指します。
一つの道しか選べないよりも、複数の選択肢の中から主体的に進む道を選べる方が、より納得のいく人生を送りやすくなるでしょう。
成長してできることが増えれば、自然とキャリアや生き方の選択肢も広がっていきます。
もう一つ重要なのは、成長することで、会社からより責任のある仕事や新しい仕事を任せてもらえるようになる点です。
これは、あなたに対する上司や周囲からの信頼と期待が高まる証であり、新たな挑戦の機会を得ることで、さらなる成長の好循環を生み出すことができます。
(詳しくは、「成長とは?」「成長する方法とは?」をわかりやすく解説を参照)
課題解決の経験を「書いて」振り返っているか?
・文書にすることで可視化できる
・後から振り返ることができる
日々の成長プロセスは、自分自身では意外と見えにくいものです。
しかし、経験を文章にして記録することで、自分がどのように考え、行動し、何を学んだのかが明確になります。
たとえば、
・直面したトラブルを、どのように分析し、乗り越えたか
・初めて任された業務で、どのような工夫を凝らしたか
・自分の判断や行動が、なぜうまくいったのか(または、いかなかったのか)
こうした経験を、簡単なメモでも構いませんので「テキスト化」して残してみましょう。
テキスト化する過程で、当時の自分では気づかなかった新たな発見をすることもあります。
また、過去の記録を見返すことで、自分が乗り越えてきた道のりを実感できるだけでなく、「以前はこんなことに苦労していたのか」と、自身の進歩を具体的に感じ取れることも多いでしょう。
仕事内容によって課題解決にかかる期間は異なりますが、まずは1ヶ月に一つくらいを目安に、経験をテキスト化することから始めてみましょう。
課題の大きさは問いません。大切なのは、後述する「課題解決の手順」に沿って自身がどのように取り組んだかを記録に残すことです。
参照:課題解決の手順
課題解決のプロセスは、一般的に以下のようなステップで進められます。

目指したい姿の設定: まず、どのような状態になりたいか、達成したい目標は何かを明確にします。
現状の把握: 次に、目標に対して現在の状況がどうなっているかを正確に把握します。
ギャップの特定: 「目指す姿」と「現状」の差(ギャップ)を明らかにします。このギャップが、取り組むべき「問題」の出発点となります。
課題の設定: 問題の中から、解決すべき具体的な問題=課題を特定します。
戦略の策定: 特定した課題を解決するために、何をするかを決めます。
戦術の実行: 戦略に基づき、どうやってやるかの具体的な作戦を立てて実行します。
このような手順で課題解決に取り組んだ経験を振り返ることが、成長につながります。
できないことに挑戦しているか?
できないことに挑戦して初めてできるようになる
できることばかりを繰り返していると、成長のスピードはゆるやかになります。
だからこそ、「あえてできないこと」に挑戦しているかどうかは、成長を測る重要な視点です。
失敗しても構いません。大切なのは、「やってみようとしたかどうか」です。挑戦の回数を数えることで、自分がどれだけ殻を破っているかを確認できます。
挑戦することの大小は関係なく、今できないことに挑戦したことがポイントです。
3か月に一回など定期的に何か新しいことや苦手なことにチャレンジする目標を立ててみましょう。
また、今の環境で「チャレンジしたい」と思えることが見つからなくなったら、それはキャリアにおける次のステップ、例えば異動を考える良いタイミングかもしれません。
新しい環境は、あらゆるものが新たなチャレンジの機会に満ちています。
特定の分野のスペシャリストを目指すキャリアプランでない限り、2~3年に一度は部署異動などで環境を変えてみることも、成長を加速させる有効な手段の一つと言えるでしょう。
(異動の考え方は、仕事で環境を変えるベストなタイミングとは?を参照下さい)
(キャリアプランは、たった2ステップ キャリアプランの考え方をわかりやすく解説を参照下さい)
業務外で学んでいるか?
会社や業務の範囲に留まらず、自ら学びを付加価値として得ているか
忙しい社会人生活の中で、スキルアップや知識習得のためにどれだけ時間を使えているかも、成長を測る指標になります。
ビジネス書や専門書を読む、オンライン講座で勉強するなど、「自己投資の時間」が定期的に確保できている人ほど、着実に能力を伸ばしています。
人の能力が上がるのは、まずは「知識を得る」→「知識を使う」→「能力になる」の順番です。
(詳しくは、「知識と能力とスキルの関係」をわかりやすく解説を参照)
知らないことは実行に移せないため、能力向上のためには、まず知識のインプット量が成長の土台となります。
日常業務から得られる学びは、どうしても目先の業務遂行に直結する知識に偏りがちです。
知識が必要に迫られてから慌てて習得するのではなく、将来を見据えて事前に知識を蓄えておくことが、成長において有利に働きます。
まずは、ビジネス書を読むこと、そして学んだことや考えたことを文章でアウトプットすること、この2点から始めてみてはいかがでしょうか。
最初は1日15分を目指しましょう。年間でなんと90時間以上勉強したことになります。
通勤電車の行き帰りのどちらかで勉強すると決めると習慣化しやすいです。
(学ぶ方法のおススメの理由は、「社会人の勉強」おススメするたった2つのことをわかりやすく解説を参照下さい)
周囲からのフィードバックがあるか?
自分一人では気づきにくい強みや課題を発見できる
自分ではなかなか気づけない成長のサインや改善点は、他者の視点を通すことで初めて見えてくることが少なくありません。
また、何かを達成できたとしても、「周りのサポートのおかげ」「たまたま運が良かっただけ」などと、自分自身の貢献を過小評価してしまうこともあります。
例えば、Aさんが仕事で成果を上げた際、その大きな要因が社内のBさんからの的確なアドバイスだったとします。
この場合、Bさんの貢献はもちろん素晴らしいですが、そもそも「Bさんに相談する」という主体的なアクションを起こしたAさん自身も、その行動力や判断力が評価されるべきです。
しかし、こうした自身の行動の価値は、自分では気づきにくいものです。
だからこそ、周囲からの客観的なフィードバックが、自己認識を深める上で非常に大切になります。
とはいえ、昨今はハラスメントへの配慮などから、上司や先輩が部下や後輩に対して、以前のように踏み込んだアドバイスや指摘をしにくい風潮があるのも事実です。
その結果、良質なフィードバックを受けにくい状況に置かれている人もいるかもしれません。
まずは、あなたの周りに気軽に相談できる人や、率直な意見をくれそうな人がいるか考えてみましょう。
もしそのような人がいれば幸運です。勇気を出して「自分の仕事ぶりについて、何か気づいた点があれば教えてほしい」とフィードバックを求めてみましょう。
ただ、多くの人が「相談しにくい」「フィードバックを求めにくい」と感じているのが現状かもしれません。
その場合は、これまでご紹介した4つのセルフチェック方法を徹底し、主体的に自身の成長を振り返ることを意識しましょう。
(詳しくは、今の時代は「自分で自分をほめる方法」が必須スキルを参照)
まとめ
・課題解決の経験を「書いて」振り返っているか?
・できないことに挑戦しているか?
・業務外で学んでいるか?
・周囲からのフィードバックがあるか?
これら4つが、自分自身の成長を確かめるためのセルフチェックポイントです。
成長は、ある日突然劇的に訪れるものではなく、日々の小さな行動、習慣、そして意識の積み重ねによって形作られていくものです。
今回ご紹介した4つのチェックポイントを参考に、3ヶ月に一度程度のペースで、ご自身の状態を振り返る時間を作ってみてください。
大切なのは、他人と比べることではありません。「昨日の自分」よりも一歩でも前に進んでいることを実感できれば、それがあなたにとって確かな成長の証です。
他にも自己成長の「定義と効率化」に関する以下の記事を書いています。参照下さい。
- 「成長とは?成長する方法とは?」
- 少しの工夫で「成功体験」を積む方法
- 徹底的に「真似る・パクる」
- 「知識を得るコツ」 深狭?広浅?
- お金・時間を使う際「投資かコストか」を意識する
- 「ブラック企業減」が、人の成長のブラック会社を増やす理由
- 「自分で自分をほめる」方法
- 同じ時間で「多くの業務経験」が積める方法
- 歴史「を」学ぶではなく、歴史「に」学ぶ
- 人や組織が「硬直化する理由とは?」
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