仕事をしていると、転職や部署異動など、「環境を変えたい」と感じることは誰にでもあるでしょう。
劣悪な労働環境など、明らかに問題がある場合は、ためらわずに環境を変えるべきです。
しかし、「今の環境が悪くないものの、このままで良いのだろうか?」という悩みは、非常に判断が難しく、多くの方が直面する課題ではないでしょうか。
本記事では、このような悩みを抱える方に向けて、どのような状態になったら環境を変えることを検討すべきか、その判断基準を具体的な理由とともに解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
仕事で環境を変えるベストなタイミングとは?
条件反射で対応できる状態になった時
具体的には、頭を使わなくても、今までの経験でやり方や対策が自動的に思い浮かぶ状態になった時です。
なぜこのタイミングで環境を変えた方がいいのでしょうか?
・今は知っていることが武器にはならない
・学べることが減る
・思考が固まる
・多くの部署の経験がもたらす学び
上記4つが理由です。それぞれ解説します。
知っていることが武器にはならない
求められるのは知識量ではなく課題解決能力
一見すると、何でも知っていて即座に答えられる人は「仕事ができる人」に見えるかもしれません。
確かに、所属する部署の業務には習熟しているでしょう。しかし、部署や会社といった環境が変わった場合、その知識はどこまで通用するでしょうか?
真の課題解決能力があれば、新しい環境でも早期に成果を出すことが可能です。
しかし、単に「知っているからできる」という状態では、環境が変わるとゼロからのスタートになりかねません。企業が真に評価するのは、言うまでもなく前者です。
(課題解決の詳細は、課題解決とは?意味・考え方・進め方をわかりやすく解説を参照)
そして厄介なことに、自分が「課題解決能力によって成果を出している」のか、「既存の知識に頼っている」のかを客観的に判断するのは難しいものです。
だからこそ、部署異動や転職、あるいは現部署内での担当業務変更といった形で、思い切って環境を変えてみることが有効なのです。
これにより、自身の本当の能力、つまり「課題解決能力」の有無や、「知っていたからできていた」のかを客観的に把握できます。環境の変化は、この事実を認識し、次の一手を考える貴重な機会となるでしょう。
学べることが減る
知らないことが減るから
業務に習熟し、何でもスムーズに対応できるようになることは、裏を返せば「知らないこと」が減り、新たな学びの機会が日々減少することを意味します。
既存の知識や経験で業務をこなせるため、仕事は楽になるかもしれません。しかし、それは新しい知識やスキルのインプットが滞り、結果として自己の成長が停滞してしまうリスクをはらんでいます。
次第に、意識して頭を使わずとも、過去の経験則だけで仕事を進めるようになりがちです。
その結果、本来持っているはずの思考力を活用する機会が失われ、能力をさらに磨き上げるチャンスを逃してしまうことになるのです。
思考が固まる
今までのやり方を疑わなくなる
ルーティン化した業務において無意識に判断できるのは、それが過去の経験に基づいているからです。 そして、その経験から導き出された方法は、その時点では最善策(ベストプラクティス)だったかもしれません。
しかし、時代は常に変化し、それに伴い最適なやり方も変わっていきます。
同じやり方を長期間続けていると、その方法自体を疑うことを忘れ、いつしか時代遅れの方法になっていても気付けなくなることがあります。
その結果、思考は柔軟性を失い硬直化し、時代にそぐわない考え方になっていることにすら気付かない、という深刻な状態に陥ってしまうのです。 これは、過去の成功体験に固執し、変化を拒む姿勢と似ています。
(人の思考の癖の詳細は、誰もが持っている「思考の癖」をわかりやすく解説を参照)
多くの部署の経験がもたらす学び
多角的に物事を見ることができるようになる
キャリアプランを設計する上で、一つの専門分野を深く追求する「専門家」の道も確かに存在します。
しかし、「現在の仕事を、生涯をかけて追求したい」と心から断言できるでしょうか。
この問いに明確に「はい」と答えられるならば、その道を究める価値は十分にあります。しかし、そう確信を持てる方は、おそらく少数派でしょう。
もし「いいえ」、あるいは「まだ分からない」のであれば、複数の部署や会社を経験することで培われる「多角的な視点」こそが、今後のキャリアにおける強力な武器となります。
一つの部署の限定的な視点ではなく、複数の立場や機能からの視点を持つことで、物事をより大局的かつ立体的に捉えられるようになります。
その結果、個々の業務で得た具体的な知識や経験(具体)を、より汎用性の高いノウハウや原理原則(抽象化)へと昇華させ、多様な状況で応用可能な本質的な能力へと転換できるのです。
(具体と抽象の使い方は、学びのコツ「具体化と抽象化」の使い分け方法を解説を参照)
専門性を追求し、その分野で100点を目指すことは、非常に困難な道のりです。
例えば、0点の状態から60点にする努力、60点を80点にする努力、そして80点を100点に引き上げる努力を比較した場合、一般的に80点から100点を目指す最後の20点が最も困難で時間を要すると言われます。
もし専門家として一つの道を究めることに絶対的な確信が持てないのであれば、その困難な努力に多くの時間を費やすよりも、同じ時間を活用して「多角的な視点」を養い、応用範囲の広い能力を身につけることをお勧めします。
仕事で環境を変えるタイミングとは?の「まとめ」
条件反射で対応できる状態になった時
なぜこのタイミングで環境を変えた方がいいか?
・知っていることが武器にはならない
・学べることが減る
・思考が固まる
・多くの部署を経験した方がいい
上記4つが理由です。
現在の仕事に対して「頭を使わなくても、経験だけでこなせる」と感じているならば、それは自己の成長をさらに促すために、新たな環境へ挑戦する絶好の機会かもしれません。
この記事が、あなたのキャリアにおける次の一歩を考える上での一助となれば幸いです。
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