成長している企業には、様々な成長パターンがありますが、共通していることは、粗利率(売上高総利益率)が高いことです。
粗利率(売上高総利益率)が高いということは、競合他社と比べて差別化できていることや、誰もが手を付けていない新しいマーケットを獲得しているからです。
この記事では、高成長有名企業を中心に、直近決算の業績と会社の強みを分かりやすく解説しています。
有名企業18社を紹介していますが、この記事ではポイントを絞って紹介します。詳細は、各詳細記事へのリンクをクリックして下さい。
各記事では、財務三表もポイントをおさえて解説しています。財務三表と聞くととても難しく感じると思いますが、科目などを知らなくても理解できる見方を紹介しています。安心してご覧下さい。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、社会人の勉強 学ぶ方法と知っておきたい知識を紹介)
成長企業の成長理由
株式会社キーエンス
・他社にない圧倒的な商品力
・最大効率で行われる営業
この2点が高成長と高利益率の理由です。
特にポイントになることは、
粗利(=売上総利益)率が80%以上の商品を開発
商品は粗利率80%以上でないと発売できないのです。
当然製造業でこれを実現するためには、ニーズがあることが前提で、他社にないもの(世界初、業界初など)を販売しないとこの利益率にはなりません。
この利益率を稼ぐことができる「商品開発」ができていることが、キーエンスさんを理解するポイントになります。
なんと世界初、業界初の商品が全体の7割を占めているそうです。
(詳しくは「キーエンス」高成長と利益率が高い理由を最新決算含めて解説を参照)
株式会社オービック
- 特定の業界及び企業規模に絞った
- フルオーダーメイドが基本のシステム構築会社なのに、パッケージ化に成功した
高成長かつ高利益率の理由は上記2つです。システム構築会社なのに、パッケージ化を実現したことと、それを実現するために、特定企業規模にターゲットを絞ったことが高成長・高利益率を実現したポイントです。
オービックさんは、システム構築会社ですが、フルオーダーメイドにしないことで、超高利益率を実現し、なんと、27期連続営業利益が増益で、利益率も右肩上がりで上昇しています。
(詳しくは実はすごい会社「オービック」の最新決算と高成長・高利益率の理由を解説を参照)
エムスリー株式会社
・全国の医師の90%以上を自社サイトの会員にしたこと
・上記を基盤に様々な事業を立ち上げたこと
強みと高い成長の理由はこの2点です。
世間一般にはそれほど知られていないですが、医療業界では知らない人がいない高成長企業です。
詳しくは「エムスリー」の強みと高い成長率の理由を最新決算を含めて解説を参照)
ダイキン工業株式会社
・単一事業に絞った事業展開をおこなった
・世界に進出し、販売体制を自前で構築
・上記のリスクをとって事業展開を実行した
この3点が高成長の理由です。特に3です。腹を決めて全世界に進出するという決断と、実行力がすべてです。中々真似のできる判断ではないです。
(詳しくは売上4兆円を超えた「ダイキン工業」の最新決算と高い成長率の理由を参照)
株式会社ワークマン
・流行の影響が少ない分野でシェアを取ったこと
・商品は変えずに違うターゲット開拓に成功したこと
この2点が強みであり高成長率の理由です。
流行の影響が少ない特定分野でシェアを取ったことのポイントは、
・多店舗展開
・フランチャイズ
・店舗の大きさを統一
・営業時間と休日の工夫
・高機能な商品を低価格で提供
・「売り切れを限りなく減らす」
・商品は変えずに違うターゲット開拓に成功したこと
上記がポイントです。
(詳しくは「ワークマン」強みと高い成長率の理由を最新決算を含めて解説を参照)
株式会社日本M&Aセンタ―ホールディングス
・中堅・中小会社をターゲットに30年間事業をおこなっていること
・売り手買い手のニーズが集まる場所を押さえたこと
・コンサルタント(=営業)へのプレッシャー
この3点が高成長の理由です。M&Aがまだどちらかというときな臭い感じで捉えられていた時代から、全国のネットワークを作り、実績を重ねたことで大きく成長しました。
(詳しくは、「日本M&Aセンター」高成長の理由を最新決算含めてわかりやすく解説を参照)
ビズリーチ(ビジョナル株式会社)
ダイレクトリクルーティングという手法でハイクラス層の転職希望者・企業・人材会社の「不」を解消
これが高い成長率の主たる理由です。あまりにも当たり前ですが、明確な課題があるマーケットの課題解決をおこなうことで、大きな市場になる典型的なパターンです。
「不」の解決方法は、
募集内容がクローズのままで、転職希望者と採用したい企業・人材会社が多数集まる仕組みを作る
これができれば、採用したい企業や人材紹介会社がメリットを感じてもらえ、お金を出してくれるようになります。
ここで編み出された方法がダイレクトリクルーティングです。
(詳しくは「ビズリーチ」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)
サイボウズ株式会社
・すべての企業で必要となるグループウェアを提供
・クラウド化の波(マーケットの成長)にしっかり乗ったこと
・利益と借り入れで得た現金でキントーンに積極投資
この3点が高成長及び利益率が高い理由です。
(詳しくは「サイボウズ」の高成長と利益率が高い理由を最新決算含めて解説を参照)
モノタロウ(株式会社MonotaRO)
中小企業の工場及び現場が抱える大きな課題を解決した
あまりにも当たり前ですが、これが強みであり成長した理由です。
具体的には、
間接資材を買う際のホームセンターの「不」を解消
必ず必要となる間接資材の購入は、ホームセンターで買う方法がメインでした。ただ、沢山の「不=問題点」がありました。
・圧倒的な品揃え数の仕入れルートの開拓
・多数の商品をWebに掲載する仕組み構築
・在庫管理及び注文後即日発送の仕組み
・価格の透明性
・ターゲット層のサイトの会員化
不を解消するためには、品揃えの豊富さと即日発送が大事になります。その仕組みを構築するための上記のポイントで仕組みを構築しました。
(詳しくは「モノタロウ」の強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)
株式会社ラクス
- 6つの事業を展開してること
- 6つの事業すべてで売上が伸びていること
- すでに20年以上の事業運営経験があること
この3点が高成長の理由です。Saas系の会社の中ではとても長い事業経験を持っており、ひとつひとつの事業を着実に伸ばしてきた結果、6事業を展開するだけでなく、すべての事業で売上を伸ばしています。
(詳しくは楽楽清算で有名な「ラクス」最新決算と高い成長率の理由を参照)
株式会社ZOZO
・高い販売手数料を取る仕組み
・売上総利益率(=粗利率)が90%以上
・儲かった分を販促に大きく投資
上記3つが大きく成長できた理由です。
消費者とアパレルメーカーをつなぐマッチングビジネスですが、高い手数料を取っています。ただ、商品を届けるスピードにこだわるために、ZOZOさんの自社の倉庫を持っています。ただし、商品自体の所有者はアパレルメーカーなので販売できない場合の在庫売れ残りリスクは負いません。
(詳しくは「ZOZO」の高成長と高い販売手数料の仕組みを最新決算含めて解説を参照)
Sansan株式会社
・名刺管理の「不」を解決
・名刺のデータ化技術を構築
・使うとやめられないサービス
・顧客基盤を使いサービス拡大
この4点が強みと高い成長率の理由です。
Sansanさんは、名刺を軸に営業DX全般のサービスを提供する「Sansan事業」、請求書オンライン受け取りサービス「Bill One事業」個人需要に対して「Eight事業」としてサービスを提供しております。
名刺の運用に関して様々な「不」があったことは誰もが気づいていました。でも、解決できませんでした。この「不」に対して課題解決したのがSansan株式会社です。そして今は、名刺をコアに営業DXサービスを展開しています。
(詳しくは「Sansan株式会社」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)
メルカリ
・マッチングモデルで個人から売上を上げる仕組み
・「怪しい」「不安」を解決
・売る側は手軽に出品でき、買う側は即決できる仕組み
・潤沢なキャッシュを得る仕組み
この4点が高成長の主たる理由です。個人対個人のマーケットを創ることで大きな収入を得つつ、その過程で預り金として大きなお金を持つことができる仕組みがポイントです。
(詳しくは「メルカリ」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)
無印良品(株式会社良品計画)
- 各店舗・本社各部署のノウハウがすべて文章化されている
- 定期的に加筆修正が行われている
無印良品で有名な良品計画さんですが、様々な強さを持っています。その中で、どこよりもすごいことがあります。なんと、全2,000ページにも及ぶ「MUJIGRAM」というマニュアルを作成しているのです。
時勢柄の影響を受けたものの、しっかり成長しているのは上記がポイントです。ノウハウを人に付けるのではなく、会社に付けているのです。人が変わっても成長できる仕組みが、ちゃんと構築されています。
(詳しくは「無印良品」の成長の源泉であるマニュアルのすごさを最新決算含めて解説を参照)
ABC-MART(株式会社エービーシー・マート)
・売上の6割~7割が、自社生産もしくはメーカーとの共同開発商品
・上記商品を大量販売できる店舗網を持っている
上記2点が高利益率の理由です。
ABCマートさんの売上総利益率(=粗利率)は50%を超えています。売上の半分以上が粗利です。小売業平均と比べるとても高い率となっています。
店舗には良く知られているブランドメーカーのシューズが沢山並んでおり、一見仕入れ販売が主だと感じますが、実は単純は仕入販売は3割~4割しかありません。
その他は、自社生産もしくは、ABCマート限定のメーカーとの共同開発商品なのです。当然単純に仕入れ販売するよりも、高い粗利となります。
その商品を、全国どこにでもある店舗網で大量に販売しています。
小売業は一般的には低利益率だと言われています。ただ、ABCマートさんは、実はかなり利益率が高いのです。実は小売業というより、製造業に近い会社です。
(詳しくは「ABCマート」最新決算と利益率が高い理由をわかりやすく解説を参照)
freee株式会社
・顧客獲得のために赤字になってもとことん投資している
・プロである投資家が投資する価値があると判断している
・前期は黒字化のために投資を抑えた
上記3点が高成長なのに赤字だった理由と前期黒字になった理由です。
普通赤字ならお金を集めることが難しくなります。ただ、今は顧客獲得が何よりも大事(将来的に利益を見込める)と、社内外とも考えているからです。それほど将来性が見込めるマーケットに対するサービスを提供しています。
(詳しくは「初めて黒字化した「freee」の最新決算を解説を参照)
ラクスル株式会社
販売と入金以外は完全外注するビジネスモデル
ラクスルさんは、TVCMを見ていたら印刷会社のように見えます。
ただ、実は印刷会社ではなく、印刷会社と消費者の間を取り持つ商売をおこなっているのです。
印刷工場を持たずに、販売に特化し、印刷物は提携印刷会社で製造してもらい消費者に提供しています。
印刷会社に見えるラクスルさんですが、少し違うビジネスモデルで商売をしています。ラクスルさんも急成長しています。

・デザイン・印刷前工程を消費者が実施
・印刷工程は外注印刷会社が実施
・ラクスルは販売と入金に特化
ラクスルさんが特徴的なのは上記3つです。印刷会社ではなく、印刷商社です。
(詳しくは「ラクスル」他のネット通販印刷とは違うビジネスモデルを最新決算含めて解説を参照)
株式会社出前館
- 株の新規発行で大量に資金調達
- 広告宣伝及びデリバリー代行体制の構築にお金を使いまくっている
- ただ、前々期から利益を出す動きを初めておこなう
決算数字を見ると大赤字の出前館さん。大量の広告宣伝や割引クーポンだけでなく、配達する人の確保でお金を使いまくっています。マーケットの成長期にシェアを確保し、将来的な果実を得るための投資です。
将来数社しか残らないとみているデリバリー代行マーケットで、徹底的な投資を行っています。大事なポイントは、新規の株がちゃんと購入されている(=期待されてる)ことです。
ただ、前々期から利益を出す動きをおこなっています。
(詳しくは今までの動きと違う「出前館」のビジネスを最新決算含めて解説を参照)
知っておきたい成長企業18社 成長の理由「まとめ」
上記有名企業18社の業績と高成長のポイントを見ていきました。
総じて粗利益率(売上総利益率)が高いことが特徴です。だからこそ、広告宣伝費や人件費にお金を沢山使うことができ、更に成長できるという流れです。
ただ、大きく2に分かれます。自社の商売で利益を出してそのお金を投資しているパターンと、新規株式発行して、資金を調達して投資しているパターンです。
前者は、それほどリスクを背負っていませんが、後者はとてもリスクを背負っています。今後の業績を楽しみにしておきましょう。
当サイトでは以下のカテゴリーで200以上の記事を掲載しています。気になる内容があれば参照下さい。
・【学びの大前提 】学ぶ前にしっておきたいこと
・【 概念の本質 】ビジネスの根幹・基礎用語の本質・人の本質
・【キャリアプラン】軸とタイミング・成長ロードマップ
・【 自己成長 】定義から効率的な学びの方法を紹介
・【社会人の悩み 】素朴な悩み・よくある悩みと対策
・【 課題解決 】問題課題、戦略戦術フレームワーク・法則
・【ビジネススキル】必須スキル・思考方法・コミュニケーション
・【ビジネス用語 】基礎用語解説
・【 企業会計 】一つの軸で理解・収益構造とコスト分析
・【企業実例研究 】成長企業の成長理由
・【 会社の環境 】良い会社の特徴
・【 転職 】転職前の心構えと知識・具体的な方法
・【 読書ガイド 】テーマ別おススメ本
・【 入社年次別 】知っておきたい仕事の本質
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
失敗しない本選びのために、何回も読んだおススメ本を紹介しています。参照下さい。

何何回も読んだおススメ本!ビジネスに必要な4領域13テーマに分けて紹介はこちら
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