知っておきたい成長企業の成長の理由 有名18社を解説

5.成長企業の成長の理由
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成長している企業には、様々な成長パターンがありますが、共通していることは、粗利率(売上高総利益率)が高いことです。

粗利率(売上高総利益率)が高いということは、競合他社と比べて差別化できていることや、誰もが手を付けていない新しいマーケットを獲得しているからです。

この記事では、高成長有名企業を中心に、直近決算の業績と会社の強みを分かりやすく解説しています。

有名企業18社を紹介していますが、この記事ではポイントを絞って紹介します。詳細は、各詳細記事へのリンクをクリックして下さい。

各記事では、財務三表もポイントをおさえて解説しています。財務三表と聞くととても難しく感じると思いますが、科目などを知らなくても理解できる見方を紹介しています。安心してご覧下さい。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、社会人の勉強 学ぶ方法と知っておきたい知識を紹介

有名企業を読み解く

株式会社キーエンス

・他社にない圧倒的な商品力
・最大効率で行われる営業

この2点が高成長と高利益率の理由です。

特にポイントになることは、

粗利(=売上総利益)率が80%以上の商品を開発

商品開発のポリシーがえげつないポリシーです。なんと粗利率80%以上でないと商品を発売できないのです。

当然製造業でこれを実現するためには、ニーズがあることが前提で、他社にないもの(世界初、業界初など)を販売しないとこの利益率にはなりません。

この利益率を稼ぐことができる「商品開発」ができていることが、キーエンスさんを理解するポイントになります。

なんと世界初、業界初の商品が全体の7割を占めているそうです。

直近の2024年3月期の業績は、売上が9,673億円(昨年9,224億円、一昨年7,552億円)、売上総利益8,025億円(昨年7,547億円、一昨年6,212億円)、営業利益4,950億円(昨年4,989億円、一昨年4,180億円)となっております。

売上高総利益率83%、営業利益率51%となっており、製造業としては、ありえない利益率です。

100万円売り上げたら、83万円が粗利となり51万円が営業利益となります。

(詳しくは「キーエンスの高利益率の理由」をわかりやすく解説を参照)

株式会社オービック

  1. 特定の業界及び企業規模に絞った
  2. フルオーダーメイドが基本のシステム構築会社なのに、パッケージ化に成功した

高成長かつ高利益率の理由は上記2つです。システム構築会社なのに、パッケージ化を実現したことと、それを実現するために、特定企業規模にターゲットを絞ったことが高成長・高利益率を実現したポイントです。

オービックさんは、システム構築会社ですが、フルオーダーメイドにしないことで、超高利益率を実現し、なんと、27期連続営業利益が増益で、利益率も右肩上がりで上昇しています。

直近の2024年3月期の業績は、売上は、1,116億円(昨年1,002億円、一昨年895億円)、売上総利益864億円(昨年772億円、一昨年680億円)、営業利益は709億円(昨年625億円、一昨年541億円)です。

売上は前年度と比べて11%伸びています。特筆すべきは売上総利益率が77%であることです。システム構築会社なのに圧倒的に高い利益率です。

(詳しくは実はすごい会社「オービックの高利益率の理由」をわかりやすく解説を参照)

エムスリー株式会社

・全国の医師の90%以上を自社サイトの会員にしたこと
・上記を基盤に様々な事業を立ち上げたこと

強みと高い成長の理由はこの2点です。

世間一般にはそれほど知られていないですが、医療業界では知らない人がいない高成長企業です。

直近の2024年3月期の業績は、売上2,389億円(昨年2,308億円、一昨年2,082億円)、売上総利益1,405億円(昨年1,352億円、一昨年1,233億円)、営業利益は644億円(昨年720億年、一昨年951億円)です。

売上は増収となりましたが、営業利益は減益となりました。海外事情で減損損失を出したことが主たる要因です。

ただ、売上総利益率が59%となっており、とても高い数値です。

詳しくは「エムスリー株式会社 高成長の理由」をわかりやすく解説を参照)

ダイキン工業株式会社

・単一事業に絞った事業展開をおこなった
・世界に進出し、販売体制を自前で構築
・上記のリスクをとって事業展開を実行した

この3点が高成長の理由です。特に3です。腹を決めて全世界に進出するという決断と、実行力がすべてです。中々真似のできる判断ではないです。

直近の2024年3月期の業績は、売上は4兆3,953億円(昨年3兆9,816億円、一昨年3兆1,091億円)、売上総利益1兆5,097億円(昨年1兆3,315億円、一昨年1兆573億円)、営業利益は3,921億円(昨年3,770億円、一昨年3,164億円)です。

売上はとうとう4兆円を超え、前年度と比べても10%も伸びています。グロス売上が大きいにも関わらず10%も売上を伸ばしています。本当にすごいことです。

(詳しくは「ダイキン工業 高成長の理由」をわかりやすく解説を参照)

株式会社ワークマン

・流行の影響が少ない分野でシェアを取ったこと
・商品は変えずに違うターゲット開拓に成功したこと

この2点が強みであり高成長率の理由です。

流行の影響が少ない特定分野でシェアを取ったことのポイントは、
・多店舗展開
・フランチャイズ
・店舗の大きさを統一
・営業時間と休日の工夫
・高機能な商品を低価格で提供
・「売り切れを限りなく減らす」
・商品は変えずに違うターゲット開拓に成功したこと

上記がポイントです。

2024年3月期の売上は、チェーン全店での総売上は1,753億円(昨年1,699億円一昨年1,566億円)、営業利益は231億年(昨年241億円、一昨年268億円)です。

ワークマンさんは、店舗はほとんどフランチャイズなので、株式会社ワークマンとしての売上(フランチャイズの店舗は別会社)は1,326億円(昨年1,283億円、一昨年1,163億円)です。

チェーン全店総売上の1,753億円は直営・フランチャイズ共に販売額(売上)を合算した数字です。

株式会社ワークマンさんの売上1,326億円とは、フランチャイズ店舗からの収入(マージン収入)+直営店の収入の合計額です。

今期も、増収減益となりました。減収の要因は、販管費が34億円昨年より増えたことが要因です。何かが大きく増えたというよりも、各項目(人件費も運賃も家賃も販売費など)が全体的に増えています。

(詳しくは「ワークマン」強みと高い成長率の理由を最新決算を含めて解説を参照)

株式会社日本M&Aセンタ―ホールディングス

・中堅・中小会社をターゲットに30年間事業をおこなっていること
・売り手買い手のニーズが集まる場所を押さえたこと
・コンサルタント(=営業)へのプレッシャー

この3点が高成長の理由です。M&Aがまだどちらかというときな臭い感じで捉えられていた時代から、全国のネットワークを作り、実績を重ねたことで大きく成長しました。

2024年3月期の業績は、売上441億円(昨年413億円、一昨年404億円)、売上総利益246億円(昨年235億円、一昨年241億円)、営業利益は161億円(昨年153億円、一昨年164億円)です。

売上は前年度と比べて6%(昨年度2%)の伸びとなっています。そして、売上総利益率が、56%(昨年57%)、営業利益率が36.5%(昨年37%)となっています。

売上原価が余りかからない業種であることと、販管費についても、人件費中心で、両利益率ともとても高い率です。

詳しくは、「日本M&Aセンター」高成長の理由を最新決算含めてわかりやすく解説を参照

ビズリーチ(ビジョナル株式会社)

ダイレクトリクルーティングという手法でハイクラス層の転職希望者・企業・人材会社の「不」を解消

これが高い成長率の主たる理由です。あまりにも当たり前ですが、明確な課題があるマーケットの課題解決をおこなうことで、大きな市場になる典型的なパターンです。

「不」の解決方法は、

募集内容がクローズのままで、転職希望者と採用したい企業・人材会社が多数集まる仕組みを作る

これができれば、採用したい企業や人材紹介会社がメリットを感じてもらえ、お金を出してくれるようになります。

ここで編み出された方法がダイレクトリクルーティングです。

204年7月期の業績は、売上は661億円(昨年563億円、一昨年440億円)、売上総利益は604億円(昨年505億円、一昨年382億円)、営業利益は178億円(昨年132億円、一昨年83億円)です。

売上はなんと17%伸びています。特筆すべきは売上総利益率が91.4%で、非常に高い率となっています。100万円売り上げたら、91.4万円売上総利益=粗利になる会社です。

(詳しくは「ビズリーチ」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)

サイボウズ株式会社

すべての企業で必要となるグループウェアを提供
・クラウド化の波(マーケットの成長)にしっかり乗ったこと
・利益と借り入れで得た現金でキントーンに積極投資

この3点が高成長及び利益率が高い理由です。

2023年12月期の業績は、売上254億円(昨年221億円)、売上総利益231億円(昨年201億円)、営業利益34億円(昨年6億円)です。

特筆すべきは、以下2点です。

・売上昨年比15%UP
・売上総利益率(=粗利)91%

売上は昨年比15%UPと伸びています。ちなみに10年前の2014年12月期の売上が52億円なので、10年間で5倍近い売上になっています。

売上総利益率(=粗利)はなんと91%です。SaaSビジネスの特徴であるとても高い売上総利益率をたたき出しています。100万売り上げたら、91万が売上総利益となります。

(詳しくは「サイボウズ」の高成長と利益率が高い理由を最新決算含めて解説を参照)

モノタロウ(株式会社MonotaRO)

中小企業の工場及び現場が抱える大きな課題を解決した

あまりにも当たり前ですが、これが強みであり成長した理由です。

具体的には、

間接資材を買う際のホームセンターの「不」を解消

必ず必要となる間接資材の購入は、ホームセンターで買う方法がメインでした。ただ、沢山の「不=問題点」がありました。

・圧倒的な品揃え数の仕入れルートの開拓
・多数の商品をWebに掲載する仕組み構築
・在庫管理及び注文後即日発送の仕組み
・価格の透明性
・ターゲット層のサイトの会員化

不を解消するためには、品揃えの豊富さと即日発送が大事になります。その仕組みを構築するための上記のポイントで仕組みを構築しました。

2023年12月期の業績は、売上2,543億円(昨年2,260億円)、売上総利益760億円(昨年654億円)、営業利益313億円(昨年262億円)です。

2,000億円を超える売上規模で、昨年と比べて12%も売上を伸ばしています。伸ばし額は283億円以上です。

また、売上総利益率が約30%となっており、小売業としては、悪くない利益率(安売りをしているわけではない)で大きく成長しています。

(詳しくは「モノタロウ」の強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)

株式会社ラクス

  1. 6つの事業を展開してること
  2. 6つの事業すべてで売上が伸びていること
  3. すでに20年以上の事業運営経験があること

この3点が高成長の理由です。Saas系の会社の中ではとても長い事業経験を持っており、ひとつひとつの事業を着実に伸ばしてきた結果、6事業を展開するだけでなく、すべての事業で売上を伸ばしています。

2024年3月期の業績は、売上384億円(昨年274億円、一昨年206億円)、売上総利益276億円(昨年188億円、一昨年140億円)、営業利益は56億円(昨年16.6億円、一昨年15.8億円)です。

売上は前年度と比べて40%も伸びています。ただ、売上を大きく伸ばすために広告宣伝費を多く使っていますが、売上が大きく伸びたことで、営業利益は16.6億円億円から56億円に大きく伸びています。

(詳しくは楽楽清算で有名な「ラクス」最新決算と高い成長率の理由を参照)

株式会社ZOZO

・高い販売手数料を取る仕組み
・売上総利益率(=粗利率)が90%以上
・儲かった分を販促に大きく投資

上記3つが大きく成長できた理由です。

消費者とアパレルメーカーをつなぐマッチングビジネスですが、高い手数料を取っています。ただ、商品を届けるスピードにこだわるために、ZOZOさんの自社の倉庫を持っています。ただし、商品自体の所有者はアパレルメーカーなので販売できない場合の在庫売れ残りリスクは負いません。

2024年3月期の業績は、売上1,970億円(昨年1,834億円、一昨年1,662億円)、売上総利益1,831億円(昨年1,713億円、一昨年1,562億円)、営業利益601億円(昨年564億円、一昨年497億円)となりました。

売上は、ZOZOTOWN中心に販売した商品価格の一部をいただいたものです。商品取扱額は5,744億円となります。

特筆すべきは以下の2点です。

・売上総利益率93%
・売上額/取扱額=34%

100万円売り上げたら、93万円が粗利となることと、ZOZOTOWN等で10,000円の商品を販売したら、3,400円がZOZOさんの売上になります。

(詳しくは「ZOZOの高成長と高い販売手数料の仕組み」をわかりやすく解説を参照)

Sansan株式会社

・名刺管理の「不」を解決
・名刺のデータ化技術を構築
・使うとやめられないサービス
・顧客基盤を使いサービス拡大

この4点が強みと高い成長率の理由です。

Sansanさんは、名刺を軸に営業DX全般のサービスを提供する「Sansan事業」、請求書オンライン受け取りサービス「Bill One事業」個人需要に対して「Eight事業」としてサービスを提供しております。

名刺の運用に関して様々な「不」があったことは誰もが気づいていました。でも、解決できませんでした。この「不」に対して課題解決したのがSansan株式会社です。そして今は、名刺をコアに営業DXサービスを展開しています。

2024年5月期の業績は、売上339億円(昨年255億円、一昨年204億円)、売上総利益288億円(昨年218億円、一昨年179億円)、営業利益は13億円(昨年2億円、一昨年6.3億円)です。

売上は前年度と比べて33%も伸びています。また、売上総利益率が驚異の85%となっています。売上が100万円だとすると、売上総利益が85万円も出る高収益構造です。

(詳しくは「Sansan株式会社」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)

メルカリ

・マッチングモデルで個人から売上を上げる仕組み
・「怪しい」「不安」を解決
・売る側は手軽に出品でき、買う側は即決できる仕組み
・潤沢なキャッシュを得る仕組み

この4点が高成長の主たる理由です。個人対個人のマーケットを創ることで大きな収入を得つつ、その過程で預り金として大きなお金を持つことができる仕組みがポイントです。

2024年6月期の業績は、売上1,874億円(昨年1,720億円、一昨年1,470億円)、売上総利益1,297億円(昨年1,140億円、一昨年951億円)、営業利益174億円(昨年164億円、一昨年営業損失37億円)です。

売上総利益率がとても高く69%となっています。

(詳しくは「メルカリ」強みと高い成長率の理由を最新決算含めて解説を参照)

無印良品(株式会社良品計画)

  1. 各店舗・本社各部署のノウハウがすべて文章化されている
  2. 定期的に加筆修正が行われている

無印良品で有名な良品計画さんですが、様々な強さを持っています。その中で、どこよりもすごいことがあります。なんと、全2,000ページにも及ぶ「MUJIGRAM」というマニュアルを作成しているのです。

時勢柄の影響を受けたものの、しっかり成長しているのは上記がポイントです。ノウハウを人に付けるのではなく、会社に付けているのです。人が変わっても成長できる仕組みが、ちゃんと構築されています。

2024年8月期の業績は、営業収益6,617億円(昨年5,814億円、一昨年4,962億円)、営業総利益3,364億円(昨年2,715億円、一昨年2,344億円)、 営業利益561億円(昨年331億円、一昨年328億円)となっています。

粗利率51%(昨年47%、一昨年47%)、 営業利益率8.5%(昨年5.7%、一昨年6.6%)となっています。

前期と比べると、すべての指標で増収増益となりました。

(詳しくは「無印良品」の成長の源泉であるマニュアルのすごさを最新決算含めて解説を参照)

ABC-MART(株式会社エービーシー・マート)

・売上の6割~7割が、自社生産もしくはメーカーとの共同開発商品
・上記商品を大量販売できる店舗網を持っている

上記2点が高利益率の理由です。

ABCマートさんの売上総利益率(=粗利率)は50%を超えています。売上の半分以上が粗利です。小売業平均と比べるとても高い率となっています。

店舗には良く知られているブランドメーカーのシューズが沢山並んでおり、一見仕入れ販売が主だと感じますが、実は単純は仕入販売は3割~4割しかありません。

その他は、自社生産もしくは、ABCマート限定のメーカーとの共同開発商品なのです。当然単純に仕入れ販売するよりも、高い粗利となります。

その商品を、全国どこにでもある店舗網で大量に販売しています。

小売業は一般的には低利益率だと言われています。ただ、ABCマートさんは、実はかなり利益率が高いのです。実は小売業というより、製造業に近い会社です。

2024年度2月期の数字を見ると売上が3442億円(昨年2,901億円、一昨年2,439億円)、売上総利益1,756億円(昨年1,496億円、一昨年1,249億円)、 営業利益557億円(昨年423億円、一昨年274億円)となっています。

売上が昨年比18.7%アップ、売上総利益が昨年比17%アップ、営業利益が昨年比32%アップしており、大きな伸びとなっています。

特筆すべきは、売上高総利益率(=粗利率)50%以上となっており、小売業としては驚異的な数字となっていることです。

そもそも安い販売価格設定の上に、2足目半額なども通年で行っているのに、売上の半分以上が粗利なのです。

(詳しくは「ABCマート」最新決算と利益率が高い理由をわかりやすく解説を参照)

freee株式会社

・顧客獲得のために赤字になってもとことん投資している
・プロである投資家が投資する価値があると判断している

上記2点が高成長なのに赤字の理由です。

普通赤字ならお金を集めることが難しくなります。ただ、今は顧客獲得が何よりも大事(将来的に利益を見込める)と、社内外とも考えているからです。それほど将来性が見込めるマーケットに対するサービスを提供しています。

2024年6月期の業績は、売上254億円(昨年192億円、一昨年144億円)、売上総利益210億円(昨年161億年、一昨年115億円)、営業損失84億円(昨年79億円、一昨年30億円)です。

特筆すべきは以下の2点です。

・売上総利益率は83%
・営業損失84億円

100万円売ったら83万円が売上総利益(=粗利)となるのに、営業「損失」が84億円にもなります。

(詳しくは「freee株式会社 高成長なのに赤字の理由」をわかりやすく解説を参照)

ラクスル株式会社

販売と入金以外は完全外注するビジネスモデル

ラクスルさんは、TVCMを見ていたら印刷会社のように見えます。

ただ、実は印刷会社ではなく、印刷会社と消費者の間を取り持つ商売をおこなっているのです。

印刷工場を持たずに、販売に特化し、印刷物は提携印刷会社で製造してもらい消費者に提供しています。

印刷会社に見えるラクスルさんですが、少し違うビジネスモデルで商売をしています。ラクスルさんも急成長しています。

・デザイン・印刷前工程を消費者が実施
・印刷工程は外注印刷会社が実施
・ラクスルは販売と入金に特化

ラクスルさんが特徴的なのは上記3つです。印刷会社ではなく、印刷商社です。

2024年7月期の業績は、売上511億円(昨年410億円、一昨年340億円)、売上総利益172億円(昨年123億円、一昨年98億円) 営業利益25億円(昨年18億円、一昨年5億円)となっています。

売上総利益率34% 営業利益4.9%となっています。

Webを使ったSaas系の会社では、売上総利益率が80%を超えるのが普通ですが、ラクスルさんは34%です。製造工程を他社にお願いして仕入れて販売しているからです。

また、営業利益率が低いのは、販管費の中の人件費、広告宣伝費を多く使っているからだと想定できます。

(詳しくはネット通販印刷「ラクスルのビジネスモデル」をわかりやすく解説を参照)

株式会社出前館

  1. 株の新規発行で大量に資金調達
  2. 広告宣伝及びデリバリー代行体制の構築にお金を使いまくっている
  3. ただ、前期は利益を出す動きを初めておこなう

決算数字を見ると大赤字の出前館さん。大量の広告宣伝や割引クーポンだけでなく、配達する人の確保でお金を使いまくっています。マーケットの成長期にシェアを確保し、将来的な果実を得るための投資です。

将来数社しか残らないとみているデリバリー代行マーケットで、徹底的な投資を行っています。大事なポイントは、新規の株がちゃんと購入されている(=期待されてる)ことです。

ただ、前期は利益を出す動きをおこなっています。

2024年8月期の業績は、売上504億円(昨年514億円、一昨年473億円)、売上総利益116億円(昨年105億円、一昨年▲191億円)、営業利益▲60億円(昨年▲123億円、一昨年▲364億)となっています。

昨年と比べると営業損失が削減されましたが、まだ赤字です。

(詳しくは今までの動きと違う「出前館」のビジネスを最新決算含めて解説を参照)

知っておきたい成長企業の成長の理由「まとめ」

上記有名企業18社の業績と高成長のポイントを見ていきました。

総じて粗利益率(売上総利益率)が高いことが特徴です。だからこそ、広告宣伝費や人件費にお金を沢山使うことができ、更に成長できるという流れです。

ただ、大きく2に分かれます。自社の商売で利益を出してそのお金を投資しているパターンと、新規株式発行して、資金を調達して投資しているパターンです。

前者は、それほどリスクを背負っていませんが、後者はとてもリスクを背負っています。今後の業績を楽しみにしておきましょう。

ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。

本を読む習慣がない方は、プロのナレーターが朗読した本をアプリ等で聴けるサービスがおススメです。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

オーディオブック2強「Amazon Audible」「audiobook.jp」を徹底比較
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読み放題「Kindle Unlimited」をおススメする人しない人
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