トラブルが発生した時の対応方法 まずは「対処」次に「根本解決」

7.ビジネススキル
※当ページのリンクには広告が含まれています。

トラブルに直面して、頭が真っ白になり、どうしたらいいかわからなくなったことはないですか?

私は今でも、表面上は冷静を装っていても、心の中では感情が波打っていることがあります。

会社で働いていると必ずトラブルに直面します。

顧客トラブルとしては、納期遅れ、納品間違い、故障、数量違いなど様々なことが起きます。

その際にトラブル対応方法の手順を事前に確立しておくと、対応をミスなく行うことができます。
トラブル時はどうしても冷静な判断が取りづらいからです。

この記事では、トラブル対応の大前提を紹介した上で、対応方法を解説します。

その上でトラブル報告書の書き方も紹介します。

この記事では、わかりやすいように「顧客とのトラブル」を例に挙げていますが、社内トラブルでも基本的に同じ方法で対応できます。

この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、ビジネススキルを必須スキル・思考法・コミュニケーション・実践方法に分けて解説

トラブル対応の大前提

まずは「対処」次に「根本解決」

必ず守りたいトラブル時の対応の順番が上記です。この順番を大前提にすることで、ミスのないトラブル対応が可能となります。

まずは、「対処」と「根本解決」それぞれの意味を紹介した上で、なぜこの流れが大事なのかを解説します。

また、よりイメージしやすいように、各パートで以下の具体例を元に解説します。

具体例:aという商品を販売しているA社が、納品日の翌々日に使うために購入してくれたB社に運送会社を使って納品しました。納品後B社の担当者から開封したら破損していると電話をもらったという設定にします。

対処とは?

今起きている問題を止めることです。

トラブルがおきてしまったら元に戻れません。まずは起きた問題を止める必要があり、その行動を対処と言います。

あくまで拡大させないことが主目的です。

根本解決とは?

問題が二度と起きないようにすることです。

対処は拡大させないことが目的ですが、根本解決は二度と起きないようにすることが目的です。

なぜ、まずは「対処」次に「根本解決なのか?」

火事という緊急事態の現場を思い起こしてみて下さい。

火事が起きてしまったら、火が燃え広がらないように火を消すことが大事で、まずはこれに注力するはずです。

そして消火後に火事が起きた原因を調べて、今後火事を起こさないように対策を考えるはずです。

会社におけるトラブルも全く同じです。トラブルも緊急事態だからです。

まずは、それ以上広げないことに注力し、その後に原因を突きとめて2度と同じことが起きないようにする。

これが進め方の大前提となります。

「対処」をおこなう具体的な方法

・トラブルの拡大を防ぐ
・そもそもの状態にできるだけ近づける
・顧客に判断してもらう

上記の考え方で進めます。それぞれ解説します。

トラブルの拡大を防ぐ

まずは、今起きているトラブルを拡大させないことを考えます。

上記の例で言えば、「商品が破損している」というトラブルはすでに発生しています。

ここでさらに被害が拡大することとになるのは、「翌々日のイベントに納品が間に合わなくなること」です。

したがって、対処としては、いかにイベントに間に合うように再納品するかがポイントとなります。

翌々日のイベントまでどのように届けるかを考える。そして、この対処で上司に承認をもらいます。

そもそもの状態にできるだけ近づける

トラブルとは、最初に約束したことが実現できなくなることです。

トラブルを広げないことと同時に、最初に約束したことにできるだけ近づけることができるかを考えます。

上記の例の場合、再納品をすることに決定したならば、本来の納期にできるだけ近づけるため、最短で届ける方法を考えます。

再度運送会社を使うのか?手持ちするのか?などです。

顧客に判断してもらう

最善の対処方法を考えたら、独断せず「対処案」を提示して、顧客に判断してもらいましょう。

顧客の事情で対応方法が変わる可能性があるからです。

例えば
・イベントが地方で再配送する必要がある
・実はイベントに必ず必要ではない
・顧客の社内でこのトラブルを公にしたくない など

顧客にも様々な事情がありますので、自社で判断するのではく、判断できる提案をおこない顧客に判断をゆだねましょう。

例えば「明日同じ商品を御社にお持ちしようと思っていますがいかがでしょうか?」と聞き、判断してもらいましょう。

「根本解決」をおこなう具体的な方法

・現象ではなく原因を把握する
・同じトラブルが起きない対策を考える

上記2つのステップで進めます。それぞれ解説します。

現象ではなく原因を把握する

結果が「現象」で、「現象」を引き起こしたものが「原因」です。

図にすると以下のようになります。

何かをおこなった際に必ず結果が出ます。「現象」とはあくまでその結果のことです。

「現象」である結果には、必ずそこに至った「原因」があります。まずは、その原因を突き止めます。

上記の例を元にすると、破損している商品を届けたことが「現象」です。

では、なぜ破損している商品を届けることになったかを突きとめることが原因特定になります。

・そもそも商品が破損していたのか?
・荷出しする際に破損したのか?
・運送中に破損したのか?
・届けた後に破損したのか?

まずはどのタイミングで破損したのかを検証し、次になぜそのタイミングで破損したのかを検討します。

仮に「荷出しのタイミング」で破損したとすれば、トラックなどへ積み込む際に何かにぶつけたのか、落としたのかと推測できます。

そこから「何にぶつけたのか・落としたのか」を掘り下げることで、原因を突き止めることができます。

その結果、「荷出しの際に乱暴に扱って異音がしたものの、スピードを優先して報告しなかった」といった原因まで特定できるのです。

「結果」である「現象」は目に見える部分なので認識しやすく、一方で「原因」は目に見えない部分なので認識しにくいものです。

しかし、「原因」を取り除かない限り、結果である「現象」は変わりません。したがって、原因を見つけ出して初めて、効果的な解決策を立案できるようになります。

(くわしくは、「現象」と「原因」の違いをわかりやすく解説を参照)

同じトラブルが起きない根本対策を考える

トラブル対応において、原因を突き止めることがすべての土台となります。

原因を特定できて初めて根本解決のスタートラインに立ち、その原因が二度と発生しないための対策を考えていきます。

上記の例でいうと、少しの衝撃では破損しない梱包方法に変更する、もしくは、荷出し時間を余分に取り、乱雑に扱わないように徹底するなどです。

対処と根本解決両方に共通するとても大事なこと

・顧客へのトラブル対応のスピード
・顧客・上司へのトラブル報告のスピード

共にスピードがとても大事な要素となります。それぞれ解説します。

顧客へのトラブル対応のスピード

トラブルが発生したら、他の仕事を他の人に振ってでも、トラブルの「対処」をまずはおこなうことが大事です。

どんな会社で働いていても、トラブルは必ず起きるものです。

私自身、自社のミスによる対応だけでなく、取引先のトラブルに対応した経験が何度もあります。

起きてしまったことは仕方がないとしても、その後の対応次第で相手からの評価は大きく変わります。

その評価基準は対応のスピードです。

どの会社にも、仕事のスピード感があります。そのスピード感を超えたスピードで対応すればトラブルを起こしているのに喜ばれることがあります。

また、トラブル状態が長引くと、顧客は精神状態が不安定な状態が続きますので、より怒りが増幅してしまうこともありますので、できるだけ早く解消することが大事です。

そして、少しでも何かの変化が起きたらすぐに顧客へ連絡しましょう。

しつこい位がちょうど良いです。

「トラブルが起きました。申し訳ございません。現在再納品がいつできるかを確認中です。まずは再納品の手配を早急におこないます。原因等は後程報告します」

「再納品日が今のところ明日となりますが、いかがでしょうか?」

「再納品日のご了承ありがとうございます。次に原因をつきとめたいので、破損した商品を引き取りに行きたいですがいつなら大丈夫でしょうか?」

このように何か情報が付加されたらその都度連絡する位でちょうどです。

顧客の担当者も上司に報告する必要があります。こまめな報告がその上司を安心させます。

上司へのトラブル報告のスピード

上司への報告のスピードも大事です。ただ、この報告は大きく2つに分けて考えます。

トラブルが起きた「事実と対処方法」、次に「原因と根本解決方法」です。

この順番で報告しましょう。特にトラブルが起きたら、まずはトラブルが発生した事実をすぐに報告します。

会議や外出などで上司が自席にいなければ、追いかけてでも報告すべきか先輩に相談しましょう。

その際に気をつけてほしいことは、事実だけを話し、仮説はできるだけ話さないようにすることです。

そして、再納品の手配等の対処の方法の承認を取りましょう。

再納品にはコストがかかる場合がほとんどです。追加のコストがかかるがゆえに承認を取る必要があります。

上司によっては、トラブルが起きたことと対処方法を報告した際に、「原因は?」と聞かれることもあります。

その際は、「まだ、分かりません。まずは、対処として〇〇をおこないます」と伝えましょう。

そこで軽易に仮説を話してしまうと、状況が複雑化してしまいます。

なぜなら、発生直後に思いつく原因の仮説は、後できちんと原因を突き止めてみると「実はまったく違う原因だった」というケースが経験上とても多いからです。

トラブル報告書の書き方

起きたこと、対処、原因、根本解決策の順番に記載

まさに「起きたこと」と「考えたこと」をそのままの順番で文章化します。

正しい手順でトラブル対応を進めていれば、その経過をそのまま記録するだけでトラブル報告書が完成します。

具体的には以下のように記載します。

発生した事実(起きたこと): ○月○日、B社様納品商品に破損が発生

実施した対処(火消し): 発覚当日に手持ちにて代替品を再納品

特定された原因: 荷出し作業時の梱包不足および取り扱いの雑さ

根本解決策(再発防止): 梱包資材の見直しと出荷前チェックのダブルチェック化

まさに、対応したこと、考えたことをそのまま記載しているだけです。

更にこのように考えたプロセスを覚えておきましょう。

報告書を顧客に説明する際に、質問されることの多くがこれで回答できます。

まとめ

トラブルが発生した時の正しい対応手順とポイントについて解説してきました。

最後に、一番大切なポイントを振り返ります。

1.大前提の手順を守る:まずは「対処(火消し)」、次に「根本解決(防火)」

2.「対処」のポイント:拡大を防ぎ、元の状態に近づけ、最終判断は顧客に委ねる

3.「根本解決」のポイント: 「現象」ではなく「原因」を特定し、二度と起きない仕組みを作る

4.スピードと報告:一次報告と対応のスピードが信頼を生む(仮説で話さない)

5.報告書への落とし込み:「起きたこと・対処・原因・根本解決」の順でそのまま書く

トラブルが起きた直後は、誰しも焦り、頭が真っ白になるものです。

しかし、今回紹介した「まず対処、次に根本解決」という正しい手順と型さえ身につけておけば、過剰にパニックになる必要はありません。

トラブル対応は、一見すると嫌な仕事に思えるかもしれません。

ですが、誠実かつ迅速に対応をやり切った時、「トラブルを起こす前よりも、顧客や上司からの信頼が深まっている」ということがビジネスでは本当によく起こります。

もし職場でトラブルに直面して困った時は、ぜひこの記事の手順に戻ってきて、一つひとつ落ち着いて実践してみてください。

他にも実務の実践方法の以下の記事を書いています。参照下さい。