営業ヒアリングとは?目的を明確にすると簡単に理解できる

4.ビジネススキルを支える基礎知識
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営業ヒアリングで悩む方が多いです。

お客様の何を知ったらヒアリングできたことになるのか?に悩みます。

先輩や上司に相談すると、人により違う答えが返ってきて悩みます。

Webで調べてみたら、とても理路整然と「難しいこと」がいっぱい書いてあり悩みます。

結果、知ろうと思えば思うほど混乱し悩みます。

この原因は、営業ヒアリングのふたつの目的を混同しているからです。

営業ヒアリングという行為は手段です。手段ということは、目的があります。目的を理解すると、実は、とてもシンプルかつ簡単になります。

この記事では、営業ヒアリングの目的を明確にした上で詳細に解説します。

この記事は、
・営業担当・営業課長・営業部長・営業本部長の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、ビジネススキル向上のための基礎知識をわかりやすく解説

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営業ヒアリングの目的は?

営業ヒアリングの大目的は、

受注するため

営業ヒアリングの2つの目的は、

1.お客様になるかどうかの判断
2.次の商売のネタ発見

営業ヒアリングの目的はこの2つです。

よく言われる目的として、「お客様のことを知り、良い提案をするため」という説明がよくあります。

ただ、この答えでは、手段の目的化がおきています。

(手段の目的化は、「手段の目的化」の原因と対策を具体例と合わせてわかりやすく解説を参照)

良い提案ができれば受注できなくていいのでしょうか?最終目的はあくまで受注です。

2つの目的をそれぞれ解説します。

お客様になるかどうかの判断

お客様になるかどうかの判断が目的である理由と、判断方法について紹介します。

目的である理由

すべての商談相手がお客様になるわけではないため

自社のサービスは、解決できることが限られます。解決できないことを知っても解決策は提供できません

例えば、中途採用のサービスしか提供していない会社が、人事部と商談時に、マネジャーのマネジメント能力に課題があると知ったとします。

顧客の課題を解決できますでしょうか?

全方位の課題に対して、解決できるサービスをおこなっている会社はごく一部です。

ということは、多くの会社は、今持っている製品・商品・サービスで解決できる「不」や「課題」を抱えているお客様かどうか?を知ることが大事になりますし、そのために営業ヒアリングをおこなうのです。

判断方法は?

まずは、自社のサービスでどんな「不」や「課題」が解決できるのかを知ることです。

そして、「不」や「課題」がお客様にあるかどうかをヒアリングすることで把握することで判断できます。

具体的な方法は後述します。

次の商売のネタ発見

どんな会社でも今の製品・商品・サービスはいつか売れなくなります。そのため、新しい商品を開発する必要があります。

製品・商品・サービスは課題を束で解決するためのものなので、どんな課題があるかを知ることからスタートです。

したがって、様々な現象を把握し、現象の原因を仮説立てし、仮の課題とします。

仮の課題が、他社でも同じものを抱えているかを確認できたら、初めてヒアリングできたことになります。

この時点でハードルの高いことなので、目的1ができるようになった後に考えましょう。

後で考える理由は2つです。

ひとつ目は、前述したように難しいからです。ふたつ目は、目的1で役に立つと、お客様から自然と相談されることが増えるからです。

その相談の中に、次の商売のネタが含まれることが多くありますので、まずは目的1からしっかり習得しましょう。

※この記事では、次の商売のネタ発見については、ここまでとします。

お客様になるかどうかの判断の実行方法

お客様になるかどうかの判断は、以下3点を把握するとできるようになります。

・「不」や「課題」の把握方法
・ヒアリング方法
・受注できない場合の注意点

の順番で紹介します。

「不」や「課題」の把握方法

「自社サービス」で「競合優位性」を発揮できる「不」や「課題」を把握します。

実は、多くの会社は、わかっているようでわかっていない場合が多いのです。

したがって、自分で一から考えてみるのがおススメです。

一番手っ取り早いのは、受注できた事例を分析することです。

事例分析のポイントは2つです。

・製品・商品・サービスの強み
・製品・商品・サービスと他の強みの組み合わせ

それぞれ説明します。

製品・商品・サービスのみの強み

入社時などに社内で説明を受けた強みを検証します。

その強みが「不」や「課題」を解決でき、かつ競合優位性もあることで受注できている場合は、これでOKです。

ただ、多くの場合は、それだけではなく、他の強みと組み合わせて受注しています。

製品・商品・サービスと他の強みの組み合わせ

製品・商品・サービスの競合優位性がそれほど高くない、もしくは低い場合でも売れているときは、何かが付加されています。

具体的には、営業担当のサポート力、販売後のサポート、取引先を変えることでミス等が出るリスク回避、今取引していることでの発注の手軽さなどです。

よく、信頼関係だとか長年取引しているからという場合もありますが、もう一歩踏み込むことが、強みを把握するポイントです。

信頼関係では、例えば、望む品質をクリアしたものを常に提供してくれる。

長年取引では、例えば、発注時の説明が本来10必要だが2ですんでしまうし、抜けモレも指摘してもらえる。

このような一歩踏み込んだ理由を把握することで、トータルでお客様に選ばれていることがわかります。

ヒアリング方法

上記で把握した事例では把握した「不」や「課題」について、こんなことに困っていませんか?と聞くだけです。

「不」や「課題」の本質をとらえておけばシンプルです。

また、いきなり聞くパターンと、流れの中で聞くパターン(話の持っていき方)の2つをトークストーリーとして持っておくと、唐突感を避けた会話ができます。

受注できない場合の注意点

上記ヒアリング方法で聞いた際に注意することがあります。

「不」や「課題」がないと言われて受注できない場合、本当にニーズがない場合と、本当はニーズがある場合があります。

前者はあきらめてOKです。ただ、後者はちゃんと顕在化させないといけません。

以下の注意点を認識しておくことで、ニーズがないと勘違いすることが減ります。

本当はニーズがあるのに受注できない理由は、

・商談相手が適切ではない
・こちらの話が伝わっていない
・予算がない

上記のどちらかです。それぞれ説明します。

商談相手が適切ではない

・商談相手が会社の課題を理解していない
・商談相手が上司に提案できない・しない
・商談相手が本当の担当者ではない

この3つが適切ではない場合です。

商談相手が会社の課題を理解していない

会社がお金を出すのは、会社の「不」や「課題」だと認識する場合です。

ただ、担当者であっても、その人の意識の問題で、把握していない場合があります。

自社商品が解決できる会社の「不」や「課題」を把握しているかどうかを判別するヒアリングを商談中に入れてみましょう。

例えば、課の会議で〇〇(解決できる「不」や「課題」)が話題になることがありますか?などのトークです。

商談相手が上司に提案できない・しない

上司の問題と担当者の問題がありますが解決策は同じです。

まずは、担当者に自社製品・商品・サービスが必要だと思ってもらうことがスタートです。

そこまでいけば、「稟議書になる提案書」を渡すことで、提案書が1人歩きし、担当者の方のサポートをおこなうことができます。

商談相手が担当者ではない

アポを取ったが、会ってみると担当ではないことも多くあります。

商談の最初に〇〇の話をさせていただきます。普段このような業務は関わっていますか?と真っすぐ聞く方法と、△△さん含めて何名位でおこなわれていますか?と少し柔らかく聞く方法があります。

伝わっていない

営業担当の説明が悪く伝わっていない場合です。

説明したつもりという当社都合のものもあれば、説明したけど理解してもらえなかった場合もあります。
トークに自信がなければ、提案書や案内書を使って説明しましょう。

予算がない

「不」や「課題」があっても予算がないと言われる場合があります。

本当に予算がない場合もありますが、多くは、会社としての優先順位が低いか、担当者として優先順位が低いかのどちらかです。

予算がないと言われたら、優先順位が低いと置き換えましょう。

会社はお金を沢山使っています。必要だと判断しているからです。

そして、案内する製品・商品・サービスが解決できる「不」や「課題」があるということは、受注の可能性は必ずありあります。

ただ、お金を出せないということは、会社として優先順位が低いのです。

必要であれば、何かをやめてお金を払うはずです。

お金を出す2大ポイントは売上が上がるか?コストが削減できるか?です。

直接この2つに影響を及ぼせば受注しやすいですが、間接的に影響する場合でも受注できる可能性はあります。

自社の製品・商品・サービスが直接・関節的に影響する具体的な話をすることが大事になります。

営業ヒアリングとは?の「まとめ」

営業ヒアリングの大目的は

受注するため

営業ヒアリングの目的は

1.お客様になるかどうかの判断
2.次の商売のネタ発見

この2つです。まずは、1と2を分けて考えることと、まずは1を習得しましょう。

これだけで、かなり頭が整理され、結果早く習得できるようになります。

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