責任の所在が明確な会社は良い会社です。そうでない会社は悪い会社です。
責任の所在を明確にすると、自分の責任の範囲でしか仕事をしなくなるからよくないと言う意見もあります。
確かに会社のほとんどの課題は、部署や個人の間に発生します。
でも、その前に個々人が何をしたらいいのか?を定義できていない状態で組織は動きません。
この記事では、責任の所在が明確だとなぜ良い会社なのか?をわかりやすく詳細に解説します。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験、100回以上の勉強会講師の経験を活かし、書いています。
(あわせて読みたい 20代「転職の流れ(転職判断・会社選択・広告の見方・面接のポイント)」をわかりやすく解説)
責任の所在が明確だとなぜ良い会社なのか?
- 組織の本質である分業が設計できているから
- 各メンバーが動きやすくなるから
沢山の人が集まる会社組織で、分業=役割を定義しないと、なにをしたらいいかがわからないため、誰も動けなくなるか、勝手な判断で各自バラバラに動きます。
そうなると、組織として機能しません。
だから分業が設計できることが、各メンバーが動ける前提条件となるのです。
責任の所在が明確だと良い会社の「詳細解説」
この2つについてそれぞれ解説します。
組織の本質である分業が設計できているから
組織の本質は分業です。また、会社組織とは他人の集まりだから、仕組みやルールが必要なのです。
(詳しくは「会社組織の本質とは?」をわかりやすく解説を参照)
組織がちゃんと動くには、分業がちゃんと設計されていないと組織が機能しません。
だから、分業がちゃんとできている=責任の所在が明確だと良い会社となるのです。
組織の本質は分業
そもそも組織って何?かというと、「組織」=「人の集まり」です。
人の集まりには目的があり、協働があり、意思疎通があります。何かの意思がないと一緒に行動をしません。
では、なぜ人を集めて組織を作るのか?
人を集まるとメリットがあるからです。1名+1名=2名より大きくなるからです。
ただ、1+1=2名以上となるためには、集まった人がちゃんと分業できていることが条件となります。
この分業をどう設計するかは経営のとても重要な仕事となります。
分業が、曖昧だったり、同じ仕事を2名以上に設定されていると、誰がやることなのかが分からなくなります。
本来、会社上層部の重要な仕事の1つが分業の設計です。この重要な業務がおざなりになっていることが多いのも事実です。
分業=責任の所在が不明瞭だと、自分の果たす義務がわからず、責任を果たすモチベーションは働きません。
よく個々自分で考えて動いてくださいという会社があります。
私からすると、会社の上層部が、自分の仕事を放棄して、皆さんにお任せします、でもちゃんとやってね!としか聞こえません。
他人の集まりだから、仕組みやルールが必要
会社という組織は、自然と集まった「身近な人・近縁な人」の集まりではなく、「他の人」が集まった組織が会社です。
普通に生活していれば出会えない人が集まって、組織を構成しています。
当然組織が勝手に動くことはなく、組織運営をおこなう必要があります。
だから、人事制度・マネジメント・情報共有などの設計と運用が必要となるのです。
各メンバーが動きやすくなるから
例えば責任が不明瞭な典型的な階層として、次長とが課長代理があります。
この役職が多い会社も、上記の責任の所在が不明確です。部長でも課長でもない次長の責任は、何だと思われますか?
会社は良かれと思って、上位の役割をあたえて給料もアップさせているのですが、役割が不明瞭なので、結局前職の課長の仕事をするのです。
そるすると今の課長が困ります。課長が更に下の仕事をするのか?次長が課長より下の仕事をするかになります。
また、課長がプレイングマネジャーの場合も上記と同じ構造です。
課長だから給料はアップしよう、でも今までのプレイヤーの仕事に加えて課長の仕事もしてくださいね、と言って両方できる人はいません。
結局本来の課長の仕事がおざなりとなり、プレイヤーとしての仕事を行い、組織運営に大きな問題がでます。
このように役割が明確になっていないと個々人の能力や勝手な判断で仕事をし始めます。
慣れた業務である過去の業務を行うか、権限委譲という名目で自分の仕事をメンバーに行わせるのです。
そうすると本来組織としておこないたいことができずに、やらなくていいことを一生懸命やる人も出てきます。
その人にとっては、会社のためと思っているのですが、結果の行動はそうではないことになります。
みんな頑張っているのに、その頑張りが不幸へまっしぐらとなる典型的なパターンです。
だから、まずは分業をちゃんと設計して、分業内容を文章化し、各個人に伝わるようにすることが大事になります。
逆にこれができれば、個人個人は何をすればいいかが明確なので、動くことができるのです。
このように明確に決めると、「自分で考えなくなる人が増えて困る」という人も多いですが、役割を明確にして、それができれば組織目標が達成できる役割設定をすればいいだけのことです。
会社の幹部が、このことを設計せずに個人に押し付けるからおかしくなるのです。
確かに会社の課題は、個人と個人の間、課と課の間、部と部の間、本部と本部の間にほとんどすべてあるといっても過言ではないです。
だから課長がいたり、部長がいたり本部長がいたり、社長がいるのです。組織の長が解決する課題であり、個人に押し付けてはいけない課題です。
責任の所在が明確だと良い会社の「まとめ」
- 組織の本質である分業が設計できているから
- 各メンバーが動きやすくなるから
自分の会社がどうなっていますか?査定用の目標設定シートが個人ごとに明確なっていますか?
組織の分業ができているかは査定用の目標設定シートに現れます。
この部分がしっかりしていたら、良い会社です。この部分が曖昧なら悪い会社です。
もし、従業員20名以上で目標設定シートを使った査定がない会社は、最悪な会社となります。
今の会社が不安になり、転職が頭をよぎった方は、20代「転職の流れ(転職判断・会社選択・広告の見方・面接のポイント)」をわかりやすく解説を参照ください。
以下の会社・上司の判断基準、転職会社の選択方法、転職サイトの見方、面接のポイントをわかりやすく解説しています。
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