上場している会社でも単純作業のマニュアルがなく、いちいち上司や先輩に口頭で教えてもらう会社が多くあります。
このような会社には、とても根深い悪い特徴があります。
この記事では、マニュアルがない会社にはどんな風土があるのか?どんな問題を抱えているのか?をわかりやすく解説します。
この記事は、風土の違う5社での経験、数百名のマネジメント経験、数千社との取引経験、100回以上の勉強会講師の経験を活かし、書いています。
(あわせて読みたい 20代「転職の流れ(転職判断・会社選択・広告の見方・面接のポイント)」をわかりやすく解説)
単純作業のマニュアルがない会社が「悪い会社の理由」
単純作業のマニュアルがある会社は良い会社ですが、単純作業のマニュアル等が文章化にできてない会社は悪い会社です。
- 生産性アップに対策を打たない風土
- 部署間で浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
- 単純作業をメイン業務にする正社員がいる
マニュアルがない会社の特徴は上記3つとなります。
単純作業のマニュアルがない会社の「詳細解説」
上記3つの特徴ごとに詳細に解説していきます。
1.生産性アップに対策を打たない風土
単純作業は、基本誰が実行しても同じ内容=成果物になります。だから、単純作業にはできるだけ時間をかけたくないのです。
単純作業は、コピー取り、経費精算伝票作成、仕分け作業、電話対応、データ入力作業、稟議など上げたらきりがないです。
ということは、伝票の〇〇の部分には、〇〇の内容を記載する、このように問合せが入ったら、〇〇部署に転送する。稟議の上げ方はこのルールなど明確です。
ポイントは知っているか知らないかだけです。社員の能力の差が出にくいものですが、悪い会社はこれらが文章化されていません。
だから、新人や中途採用者は、どうしたらいいかわからないので、先輩に聞きます。
そして聞かれた先輩は答えて教えないといけません。
そうすると何がおきるか?まったく非生産的な仕事が発生するのです。
誰がやっても同じことを、わざわざ時間を使って教えるというとても無駄な業務になります。
普通は、このような無駄な時間を使ってほしくないので、対策(マニュアル作り)が行われるのですが、そうではない会社が多数存在します。
対策が打たれていない会社は、従業員が非生産的な仕事をすることを当たり前と思っているか?、ダメだと思っていても問題を先送りし、対策が打たれることなく過ごしているかのどちらかです。
この考え方は会社の風土の問題です。1つの部署でおきていることではなく、全部署でおきます。
大企業・中企業・小企業で働いた経験を元に、この話を中小企業で話をするとよく反論されます。
大体のパターンは、大きな企業ならできるが、我々のような中小企業では人手も少ないので出来ないと言われます。
または、わかっているけど、自分の仕事ではないと他責にします。
その考えのもと、単純作業に時間に沢山時間をかけて、本来すべきことができていないか?もしくは、沢山残業して本来すべきことをやっているかのどちらかとなります。
本来は商品力含めた総合力が弱い中小企業こそ、単純作業を効率化しないと生きていけないはずです。
ただ、経営層含めてこの課題の重さを理解できないので、解決しようとする人が少なく課題として残ってしまい、生産性の高い業務に時間を使えずに、業績低迷となります。
2. 浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
マニュアルがない会社は、誰からも浮いてしまっている仕事を、取りに行って解決する風土がないのです。
このことが課題だとわかっている会社でも、課題として残るのはそのマニュアル化を率先して行う人がいないからです。
シンプルに言えば、自分の仕事は自分の仕事、それ以外は知らないという風土です。
会社の解決されない課題のほとんどは、部署間や人の間に発生します。誰の担当でもないので、課題として残ってしまいます。
各部署内や、個人内での部分最適の追求はおこなうが、会社全体を見た全体最適の追求が行われないのです。
(詳しくは「部分最適と全体最適は全く違う」をわかりやすく解説を参照)
だから、部署や人の間にある課題は手をつけられずに残るのです。
この課題が解決する場合は、部署と部署の上のレイヤー(課と課であれば部長、部と部の間であれば本部長)が解決するか?気を利かしたメンバーが自分の仕事以外を取りにいって解決するかのどちらかです。
でも、正直めんどうな仕事なので、みんなが見て見ぬふりをする結果、残課題のまま残ります。
その積み重ねが単純作業のマニュアル化ができない理由となるのです。
3. 単純作業をメイン業務にする正社員が発生
そうして時間がたつと単純作業をメイン業務にする正社員が現れます。
そうすると何がおきるか?
その方々はその仕事がメイン業務になります。生産性ゼロの業務なのに。
そうなると、絶対にその仕事を効率化してなくすことをしません。効率化しようとすれば、徹底的に阻止しようと動きます。
なぜなら、その仕事がなくなると自分の仕事がなくなるからです。
また、悪いことにこのような会社では、なぜかそのような人を昇進させてしまいます。例えば係長とかになっています。
部署ごとの係長の仕事を並べてみると、仕事内容の難易度はまったく違うのに給料は一緒となります。
難易度の高い仕事をしてる人は、ばかばかしくなるか、非効率な業務運営を見て会社の将来を案じ、退職していきます。
このように単純作業の効率化という、一見大きな課題とは違うように感じることでも、ほったらかしにすると、とても大きな課題となり、優秀な人が退職する原因となるのです。
そして、とても大きく手が付けることができない課題となり、更に非生産的な仕事する社員が多くなり、業績悪化をひた走ることになります。
更に悪いことに、このような非生産的な仕事をする人が異動や退職すると、その業務を若くて元気な社員が担当することになります。
先輩社員には引き継がせることができない内容だからです。
そうすると、その若手は、本来沢山の業務経験を積むことで成長できる機会がなくなります。
そして、時間がたつと担当した若手社員も年齢を重ね、その仕事が楽で手放さくなる思考になってしまいます。
単純作業のマニュアルがない会社の「まとめ」
1. 生産性アップに対策を打たない風土
2. 部署間で浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
3. 単純作業をメイン業務にする正社員がいる
よくマニュアルがあると自分で考えなくなるという思考の経営者が沢山います。
確かに、生産性を上げてほしい部分については当てはまる部分もありますが、単純作業については、まったく間違っています。
そして、この問題は時間がたてばたつほど、とても根深い問題になります。
- 売上が200億円位のBtoBの会社で、経理業務が手作業のために経理部に30名の正社員がいる。
- 45歳のお客様からの電話しかとらない正社員(係長)がいる。
- エクセルで式を組めば、瞬間にできることを手書きかつ電卓で作業をしている。
- 手書き伝票がいまだに沢山残っている。
実際に見てきた光景です。単純作業の知識を能力と思ってしまっています。
だから、生産性の低い業務が脈々と生産性が低いまま残っているのです。儲かるわけがないのです。
もしこのような現象がおきていたら、実は大きな根深い課題となっている悪い会社となっています。
このような会社は、基本変わらないので転職を検討することをお勧めします。
今の会社が不安になり、転職を検討する方へ
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