上場している会社でも単純作業のマニュアルがなく、いちいち上司や先輩に口頭で教えてもらう会社が多くあります。
このような会社には、とても根深い悪い特徴があります。
本来、誰がやっても同じ成果である単純作業は、出来るだけ省力化したいのですが、そのようになっていません。
この記事では、マニュアルがない会社にはどんな風土があるのか?どんな問題を抱えているのか?をわかりやすく解説します。
この記事は、
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい 現象から判断する!「良い会社かどうか?」の見分け方)
単純作業のマニュアルがない会社が悪い会社の「理由」
単純作業のマニュアルがある会社は良い会社ですが、単純作業のマニュアル等が文章化にできてない会社は悪い会社です。
- 生産性アップに対策を打たない風土
- 部署間で浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
- 単純作業をメイン業務にする社員がいる
マニュアルがない会社の特徴は上記3つとなります。
単純作業のマニュアルがない会社の「詳細解説」
上記3つの特徴ごとに詳細に解説していきます。
1.生産性アップに対策を打たない風土
単純作業は、基本誰が実行しても同じ内容=成果物になります。したがって、会社としては、本来単純作業にはできるだけ時間をかけたくないのです。
単純作業は、コピー取り、経費精算伝票作成、仕分け作業、電話対応、データ入力作業、稟議など上げたらきりがないです。
単純作業とは、伝票の〇〇の部分には、〇〇の内容を記載する、このように問合せが入ったら、〇〇部署に転送する。稟議の上げ方など方法が明確に決まっています。
やり方を知っているか知らないかだけです。社員の能力の差が出にくいものですが、悪い会社はこれらが文章化されていません。
新人や中途採用者は、どうしたらいいかわからないので先輩に聞きます。そして聞かれた先輩は教えないといけません。
そうすると何がおきるか?まったく非生産的な仕事が発生するのです。
誰がやっても同じことを、わざわざ時間を使って教えるというとても無駄な業務が発生します。
このことに疑問を持たない会社は、従業員が非生産的な仕事をすることを当たり前と思っているか?、ダメだと思っていても問題を先送りし、対策が打たれることなく過ごしているかのどちらかです。
この考え方は、会社の風土です。1つの部署でおきていることではなく、全部署でおきます。
中小企業では、人手が足りないので、大手のようにマニュアルが整備できないという声も聞こえます。
その考えのもと、単純作業に時間に沢山時間をかけて、本来すべきことができていないか?もしくは、沢山残業して本来すべきことをやっているかのどちらかとなります。
本来は商品力含めた総合力が弱い中小企業こそ、単純作業を効率化しないと生きていけないはずです。
ただ、経営層含めてこの課題の重さを理解できないので、課題として残ってしまい、生産性の高い業務に時間を使えずに、業績低迷となるのです。
だからこそ中小企業のまま成長できないとも言えます。
2. 浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
マニュアルがない会社は、誰の業務でもない浮いた業務を、解決する風土がないのです。
課題だとわかっていても、手をつけず課題として残るのは、マニュアル化を率先して行う人がいないからです。
シンプルに言えば、自分の仕事は自分の仕事、それ以外は知らないという風土です。
会社の解決されない課題のほとんどは、部署間や人の間に発生します。誰の担当でもないので、課題として残ってしまうのです。
各部署内や、個人内での部分最適の追求はおこなうが、会社全体を見た全体最適の追求が行われないのです。
(詳しくは「部分最適と全体最適は全く違う」をわかりやすく解説を参照)
したがって、部署や人の間にある課題は手をつけられずに残るのです。
この課題が解決する場合は、部署と部署の上のレイヤー(課と課であれば部長、部と部の間であれば本部長)が解決するか?気を利かしたメンバーが自分の仕事以外を取りにいって解決するかのどちらかです。
でも、正直めんどうな仕事なので、みんなが見て見ぬふりをする結果、残課題のまま残ります。
その積み重ねが単純作業のマニュアル化ができない理由となるのです。
3. 単純作業をメイン業務にする社員が発生
そうして時間がたつと単純作業をメイン業務にする社員が現れます。
そうすると何がおきるか?
その方々はその仕事がメイン業務になります。生産性ゼロですが、誰かがやらないといけない業務だからです。
結果、絶対にその仕事を効率化してなくすことをしません。効率化しようとすれば、徹底的に阻止しようと動きます。
なぜなら、その仕事がなくなると自分の仕事がなくなるからです。
また、悪いことにこのような会社ではこの担当者が昇進します。例えば係長とかになります。
部署ごとの係長の仕事を並べてみると、仕事内容の難易度はまったく違うのに給料は一緒となります。
難易度の高い仕事をしてる人は、ばかばかしくなるか、非効率な業務運営を見て会社の将来を案じ、退職していきます。
単純作業の効率化という、一見大きな課題ではないように感じることでも、ほったらかしにすると、とても大きな課題となり、優秀な人が退職する原因となるのです。
最終的に大きく手が付けることができない課題となり、更に非生産的な仕事する社員が多くなり、業績悪化をひた走ることになります。
その上、このような非生産的な仕事をする人が異動や退職すると、その業務を若くて元気な社員が担当することになります。先輩社員には引き継がせることができない簡単な内容だからです。
その若手は、仕事が単純作業なので成長できる機会が減り、時間がたつと担当した若手社員も年齢を重ね、その仕事が楽で手放さくなる思考になってしまいます。
単純作業のマニュアルがない会社の「まとめ」
1. 生産性アップに対策を打たない風土
2. 部署間で浮いた仕事を誰も取りに行かない風土
3. 単純作業をメイン業務にする正社員がいる
よくマニュアルがあると自分で考えなくなるという思考の経営者が沢山います。
確かに、生産性を上げてほしい部分については当てはまる部分もありますが、単純作業については、まったく間違っています。
そして、この問題は時間がたてばたつほど、とても根深い問題になります。
- 売上が200億円位のBtoBの会社で、経理業務が手作業のために経理部に30名の正社員がいる。
- 45歳のお客様からの電話しかとらない正社員(係長)がいる。
- エクセルで式を組めば、瞬間にできることを手書きかつ電卓で作業をしている。
- 手書き伝票がいまだに沢山残っている。
実際に見てきた光景です。単純作業の知識を能力と思ってしまっています。
結果、生産性の低い業務が脈々と生産性が低いまま残っているのです。儲かるわけがないのです。
もしこのような現象がおきていたら、実は大きな根深い課題となっている悪い会社となっています。
このような現象が多い会社は、基本変わらないので転職を検討することをお勧めします。
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