転職活動において、応募先の企業が良い会社かどうかを見極めるのは非常に困難です。
特にセキュリティが厳しく、オフィスに立ち入って職場の雰囲気を直接感じることが難しいケースも少なくありません。
内定が出た後でも、会社の中を見学できない場合もあります。
このような状況でも、企業の文化や雰囲気を把握できる有効な手段があります。
それが、東京ビッグサイトなどで開催される様々な展示会を活用することです。 興味のある企業が出展している展示会に足を運び、直接ブースを訪れてみましょう。
展示会では、ブースにいる数名から10名程度の従業員の様子を観察できるだけでなく、実際に話を聞くこともできます。
この記事では、年間5回程度展示会で各企業を視察し、また自身も展示会に出展した経験を持つ筆者が、その両面から得た知見を元に、展示会に出展している企業の特徴から良い会社を見分ける方法をわかりやすく解説します。
この記事は、
・3回の転職経験
・中途採用の責任者の経験
・多数の書類選考・面接の経験
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい いい会社の判断方法)
展示会で良い会社かどうかを見分ける方法
・ブースが元気か元気でないか?
・会場全体が元気か元気でないか?
・ブースでの接点を持った際の印象
上記3つがポイントとなります。
ここでいう展示会とは、東京ビッグサイトなどで開催されるような商談会を指します。
企業が自社の製品やサービスを告知するためにブースを出展し、来場者は情報収集や商談のために訪れる場です。
3つをそれぞれ解説します。
ブースが元気か元気でないか?
ブースの雰囲気は会社自体の雰囲気と同じ
ブースの雰囲気は、その企業自体の雰囲気を反映していると考えてよいでしょう。
まずは、目的の企業だけでなく、会場全体を広く見て回ることをおすすめします。そうすることで、活気あふれる営業をしているブース(企業)と、あまり元気のないブース(企業)の二つに大別されることに気づくでしょう。
活気のあるブースに多いのは、設立間もない若い企業で、成長期にある業界に属し、強力な商品やサービスを持っているケースです。
一方、活気のないブースでは、年齢層が高めの従業員が多く、業界全体が安定期、あるいは衰退期に入っている企業が目立ちます。
どちらが良いかは個人の価値観や志向によって異なりますが、この二つのパターンを把握するだけでも、企業選びの判断ミスを減らすことができるはずです。
会場全体が元気か元気でないか?
会場全体の雰囲気が業界全体の雰囲気を表している
東京ビッグサイトのような大規模な会場では、複数のテーマの展示会が同時に開催されていることがよくあります。その場合は、各テーマの会場をそれぞれ見て回ることをおすすめします。
個々のブースだけでなく、同じテーマの会場全体を比較してみてください。 通常、同じテーマの展示会には同業界の企業が集まっています。
そうすると、非常に活気のある会場と、あまり元気のない会場に分かれることに気づくでしょう。
ブースの場合と同様に、活気のある会場は成長期にある業界、活気のない会場は安定期または衰退期にある業界であることがほとんどです。
これは、私自身が数多くの展示会に足を運ぶ中で常に実感していることです。
ブースでの接点を持った際の見方
さらに深く目的の企業を知るために、その企業のブースに立ち寄ってみましょう。
あたかも商品やサービスに興味があるかのように接するのがポイントです。
その場で商品を購入する必要はありませんし、ご自身の現在の業界と直接関係のない商品でも問題ありませんのでご安心ください。
興味を示すことで、担当者は熱心に説明してくれるはずです。
その際に注目したいポイントは以下の3点です。
・会社や商品の強みをシンプルに話してくれているか?
・ブースにいる従業員の年齢層
・競合の悪口を言っていないか?
それぞれ解説します。
会社や商品の強みをシンプルに話してくれているか?
シンプルに説明できる会社は明確に差別化ができている
「良い会社」とは、競合他社に対して明確な優位性を持っている企業を指します。競合優位性がある企業は、自社の製品やサービスについて、簡潔かつ分かりやすく説明できるものです。
もし、説明が長くなりがちだったり、回りくどい言い方をしたりする場合は、その企業や商品が他社との差別化ポイントに乏しいか、あるいは競合に劣っている可能性を示唆します。
したがって、説明がシンプルで分かりやすいかどうかを観察することが重要です。
もし判断に迷う場合は、直接「競合他社はどこですか?」「他社との差別化ポイントは何ですか?」と質問してみましょう。
その回答がシンプルかつ明確であるかどうかで、企業の優位性を判断できるはずです。
ブースにいる従業員の年齢層を把握する
ブースの年齢層が会社自体の年齢層を表しているから
展示会への出展では、若手社員が手伝いをすることが多いですが、ブース全体の年齢層が企業全体の年齢構成と大きくかけ離れることはほとんどありません。
これだけで、その企業のおおよその年齢構成を把握できます。
さらに、従業員間の雰囲気、例えば「ギスギスしている」「やらされ感がある」「一体感がある」といった企業文化の一端も見て取れることがあります。その雰囲気から、ご自身に合う企業かどうかを判断する材料にできるでしょう。
ちなみに、企業の正規従業員は、ネックストラップに「出展社」と書かれたカードを付けていることが多いです。
一点注意が必要なのは、派遣されたコンパニオンもブースにいる場合がある点です。 制服などで明らかにコンパニオンと判別できるケースも多いですが、一部見分けにくい方もいます。
もし判断に迷う場合は、些細なことで構いませんので質問を投げかけてみてください。
その企業の人間でない場合は、具体的な回答ができないため、すぐに判別できるはずです。
競合の悪口を言っていないか?
悪口を言う会社にいい会社はない
競合他社に対する表現の仕方に、その企業の文化や品格が明確に表れます。
一般的に、健全な企業は競合他社の悪口を言わず、客観的な事実に基づいた自社の差別化ポイントを説明します。
しかし、中には平然と競合他社の悪口を口にする企業も少数ながら存在します。私自身も、そのような経験が何度かあります。
たとえ競合企業であっても、誠意を持って対応したいと考えている方にとって、悪口を言う企業は決して相性の良い職場ではないでしょう。
展示会初心者の注意点
展示会に参加したことがない方への注意点は以下です。
・必ず事前予約をする
・名刺交換をする
・一人で行く
それぞれを説明します。
必ず事前予約をする
東京ビックサイトの場合ですが、以下をクリックして、イベントを探しましょう。
東京ビッグサイトで開催される展示会の場合を例に挙げますが、事前に必ず来場予約を済ませておきましょう。
多くの展示会では、事前予約をすることで入場料が無料になります。予約をせずに来場すると、有料になるケースも少なくありません。
名詞交換はしてしまう
企業のブースに立ち寄れば、展示会の目的が商談の場作りである以上、名刺交換を求められるのが一般的です。
もし転職活動の一環として参加しており、業務として来ているわけではない場合でも、名刺交換は応じましょう。ただしその際は、「今後のご連絡はメールでいただけますか」と明確に伝えましょう。
名刺に記載された情報は個人情報です。 一般的な企業であれば、適切に個人情報を管理してくれます。
逆に、メールでの連絡を依頼したにもかかわらず、一方的に電話をかけてくるような企業は、個人情報管理に対する意識が低いと判断できます。
さらに、名刺に会社携帯の番号が記載されているにもかかわらず、相手の状況を顧みずに何度も電話をかけてくるような企業は、強引な営業手法を取る可能性が高いと見て良いでしょう。
私自身の経験ですが、かつて1日に20回近く電話をかけてきた企業がありました。
後で調べてみると、その企業は上場企業でありながら「超ブラック企業」として知られている会社でした。
一人で行く
展示会には、できるだけ一人で参加することをおすすめします。
その理由はシンプルです。
一つは、同行者に転職活動をしていることを悟られないようにするためです。もう一つは、ご自身のペースで自由に、かつ効率的に行動するためです。」できるだけ一人で行きましょう。
良い会社の見分け方~展示会で直に接してみる~「まとめ」
ブースが元気か元気でないか?
会場全体が元気か元気でないか?
ブースでの接点を持った際の印象
上記3つがポイントとなります。
また、ブースに立ち寄った際の見方のポイントは、
・会社や商品の強みをシンプルに話してくれているか?
・ブースにいる従業員(出展社というネックストラップをしています)の年齢層
・競合の悪口を言っていないか?
この3つとなります。これらの視点を持つことで、企業の表面的な情報だけでなく、内部の雰囲気や文化を読み解き、より多角的な視点から「良い会社」を見極めることができるでしょう。
他にも良い会社を見分ける方法を解説しています。参照下さい。
- 「良い人事評価制度がある会社」
- 「人事評価のFB面談が長い会社」
- 「責任の所在」が明確な会社」
- 「営業力に頼らない会社」
- 「すべき」より「したい」が多い会社
- 「恐怖より危機感で人を動かす会社」
- 「上司ではなく、お客様に目を向けている会社」
- 「変わり慣れている会社」
- 「結果よりもプロセスを求める会社」
- 「雑談が多い会社」
- 「単純作業のマニュアルがある会社」
- 「エクセルが使える人が多い会社」
- 「定量・定性分析を両方行う会社」
- 「取締役の構成を見る」
- 「良い上司かどうかの見分け方」
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