なぜ新入社員は電話を取るべきなのか?を組織論で解説

2.考え方・意識・スキル
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会社にかかってくる電話は、誰からか分からず、対応も多岐にわたるため、慣れないうちは苦労しますよね。

「経験豊富な人が取った方が効率的なのでは?」と感じるかもしれませんが、私は「新入社員が取るべきだ」と考えています。

では、なぜそのように考えるのか?

実はこの役割分担に、「会社組織の本質」が関わっています。また、新入社員が電話を取る業務をおこなうことで、実は働き続けるべき会社かどうかもわかるのです。

「たかが電話対応くらいで大げさな」と思うかもしれませんが、これは紛れもない事実です。

この記事では、その理由を組織論の観点からわかりやすく解説します。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル

新入社員が電話を取らないといけない理由

新入社員が会社に貢献できる業務だから

理由は2つです。

必ず発生する業務だが、生産性が低い
誰でもすぐにできるようになる

あわせて、これは次の新入社員が入ってくるまでの期間限定の業務です。

誰かがおこなわないといけない業務なので、1年ごとに新入社員に担当してもらうことが、会社にとっても個人にとっても有益となります。

もし新入社員が入ってこない場合、その背景には様々な事情があると考えられますが、本記事の主旨とは異なるため、ここでは別の課題として扱います。

電話対応業務、会社の分業体制を説明した後に、上記2つの理由を解説します。

電話対応業務とは?

ほとんどの会社で発生する業務

お客様や仕入先だけでなく、営業電話に対応する業務です。

電話番号をオープンにしているほとんどの会社で、発生する業務です。

会社の分業体制

会社組織の本質は1人ではできないことができること

これが会社の本質となります。

なぜ「1人ではできないことができること」が本質となるのか?というと、2人以上が集まっても、何かのプラスがないと、集まる意味がないからです。

組織全体のために集まる目的や分業体制や仕組みやルールが存在し、それに従い、従業員が働くことで、1+1が2より大きくなります。

電話業務は、電話が鳴る以上、分業の観点から必ず誰かがおこなわないといけない業務となります。

(詳しくは、「会社組織」の本質とは?をわかりやすく解説を参照)

新入社員が電話を取らないといけない理由の「詳細」

なぜ新入社員がまず会社に貢献できる業務が電話対応なのか、その理由を2つの観点から詳しく解説します。

必ず発生する業務だが、生産性が低い

・専門スキルを問われにくいため、まだ業務経験の浅い新入社員でも対応しやすい
・他の人が自分の仕事に集中できる環境を作れる

これにより、新入社員が会社に貢献できるのです。

電話対応は付加価値を少ししか生みません。良い対応をすれば会社のイメージは良くなりますが、その結果、売上が伸びることはほぼありません。

したがって、分業を設計する際に、まだ専門スキルの高くない新入社員が対応することが効率的です。

結果、生産性の高い業務をおこなう先輩社員が電話対応に追われることなく、目の前の業務に集中することができ、会社全体として生産性が上がることになります。

誰でもできるようになる

最低限の電話対応は誰でも簡単にできるようになる

なぜなら、基本は誰かにつなぐか、営業電話を断る業務で、大きな判断が必要ないからです。

最初は緊張するかと思いますが、慣れれば誰でもできます。30年以上様々な会社を経験しましたが、できない人はいませんでした。

したがって、業務経験の浅い新入社員が、誰でも習熟可能な電話対応を期間限定で行うことが、会社として理にかなっているのです。

このように、まだ専門的なスキルが身についていない新入社員でも、電話を取ることで先輩たちの業務負荷を削減し、組織に貢献できるのです。

働き続けるべき良い会社かどうかがわかる

・「作業」を最小化している
・上記で空いた時間を課題解決に使う
・結果、儲かる可能性が高い会社になる

良い会社は、上記3つの流れがちゃんとできています。

会社の仕事の本質は課題解決です。

お客様の課題解決をおこなうことで、お金をいただくことができます。

ただ、仕事には、課題解決以外にどうしても「作業」が発生します。

その作業をどのように減らし、仕事の本質である課題解決に使う時間を増やすことができるかは、会社にとってとても大きな課題です。

経営層は社員に課題解決をおこなってほしいので、作業をできるだけ効率化します。

デジタル化及びマニュアル化により、特に誰がやっても同じ生産性にしかならない作業時間を減らそうとします。

逆に、作業に時間をかける会社は課題解決の時間が少なくなります。

この考え方ができている会社は、どのような作業においても対策が打てています。

ということは、ほとんどの会社で発生していて、「作業」の代表格である電話対応業務を見るとこの対策具合がわかります。

例えば、
・電話対応が人により違う
・新入社員にやり方を考えさせる
・教育担当が一から新入社員へレクチャーを懇切丁寧におこなう

当然、このようなことをおこなっていると、仕事本来の課題解決業務に時間を取ることができません。

作業の代表格である電話業務がこのような状態であれば、他の作業についても同じ状態であると言えます。

したがって、この事象を見るだけで悪い会社である可能性が高いと考えることができます。

電話対応業務の見るべきポイント

具体的にどのようなポイントで見ればいいかを紹介します。

電話対応マニュアルがあるか?
先輩が懇切丁寧に教えてくれるか?
対応を失敗したときの怒られ方は?

それぞれを説明します。

電話対応マニュアルがあるか?

作業の効率化の唯一の方法はマニュアル化

電話対応は作業です。作業ということは、誰が対応しても同じ対応であるべきです。

言い換えると、トークフローを作ることができます。

「〇〇さんお願いします」と言われればその人につなげばいい。いなければ、連絡を取って折り返しをさせればいいです。

「〇〇担当の方いますか?」と言われればほぼ間違いなく営業電話です。外出して戻りませんと言えばいい。

おおよそこの2つを知っておけば対応できます。

また、電話に出る際は、「お電話ありがとうござます。株式会社〇〇です。」

相手が名乗らなければ、「失礼ですが」と聞けばいい。このようにすべてトークフローになります。

トークフローがあれば、先輩社員がその都度いちいち教える必要はありません。

もしなければ、先輩社員が時間を使って教えないといけません。

これを無駄と思うかどうか?で作業に対する会社の考え方がわかります。

先輩が懇切丁寧に教えてくれるか?

作業を懇切丁寧に教えてくれるほど無駄な時間を使っている

間違いないように言いますが、作業を懇切丁寧に教えてくれる会社は悪い会社である可能性が高いです。

当然最初の段階ではマニュアルの内容を説明してもらうことはあるでしょう。ただ、日常業務で懇切丁寧に教えてくれる場合は、疑問に思った方がよいでしょう。

なぜなら、マニュアルを見れば済む話に時間を使うからです。もちろん、サポートは必要ですが、細かい説明が必要でしょうか。その時間があれば、課題解決業務に時間を使うべきです。

これはあくまで会社の見方を説明しています。実際にマニュアルがない会社も多くあり、その中で懇切丁寧に教えてくれる先輩社員を批判するものではありません。

会社の風土や文化を見るための一つの視点として捉えてください。

対応を失敗したときの怒られ方は?

作業でのミスに対する怒り方はすべてにおいて共通

いきなり頭ごなしに怒られたら、他の業務でも同様の対応をされる可能性が高いでしょう。

逆に、まずはちゃんと話を聞いてくれるなら、あらゆる場面でそうした姿勢を示してくれる会社だと期待できます。

作業における上司や先輩の怒り方を見るだけで、今後様々な仕事をおこなう上で必ず発生する、怒られるという場面でどのような怒られ方となるかがわかります。

電話対応の副次的なメリット

取引先を知ることができる
社内の担当者を知ることができる
仕事に慣れる

これらのことが副次的なメリットです。

新入社員の電話対応に関する記事では、これらがメリットとして記載されている場合が多いですが、主たるメリットではありません。

新入社員がなぜ電話を取らないといけないのか?の「まとめ」

新入社員が唯一会社に貢献できる業務だから

理由は2つです。

必ず発生する業務だが、生産性が低い
誰でもすぐにできるようになる

これが、新入社員が電話を取らなければならない理由です。

これは新入社員の期間に限定された重要な役割です。まずは1年間、組織への貢献と自己の成長機会と捉え、積極的に取り組んでみましょう。

他にもそもそもの疑問について書いた記事があります。参照下さい。

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