「販売力とは?」とネットで検索すると、接客や営業の場面でのコツやノウハウが数多く見つかります。
しかし、「販売力」は接客現場での努力だけで向上するのでしょうか?
「砂漠でも砂を売るのが販売する人の仕事だ」という言葉を耳にすることもありますが、私の考えは全く異なります。
なぜなら、砂漠では「水」を売ったほうがはるかに簡単に売れるからです。
私自身も営業担当、営業課長、営業部長、営業本部長と営業畑でキャリアを積んできたため、営業担当の価値を重く見たいという思いはあります。
それでもやはり、砂漠で水を売る方が容易だと考えています。
この記事では、私の考える「会社の販売力」とは何かを、分かりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
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販売力とは?
販売力=商品力×顧客接点力×購入してもらう力
販売力は「商品力」と「顧客接点力」と「購入してもらう力」の掛け算となります。この掛け算の結果が大きければ大きいほど販売力があると言えます。
販売力=「商品力」×「顧客接点力」×「購入してもらう力」である理由
「商品力」「顧客接点力」「購入してもらう力」どれが欠けても販売できない
商品が売れるまでの流れは、まず商品が存在し、次にその商品を買ってもらえる可能性のある顧客と接点を持ち、そして最終的に購入してもらうというものです。
商品がなければ何も始まりません。商品があっても、顧客との接点を持てなければ、絶対に売れません。また、顧客と接点を持てたとしても、購入を促す力がなければ販売には至りません。
したがって、これら3つの要素のどれか一つでも欠けてしまえば販売は不可能であるため、販売力はこれらの掛け算で成り立つと言えるのです。
販売力を上げる3つの要素の「詳細説明」
販売力を上げる要素は、「商品力」、「顧客接点力」、「購入してもらう力」です。まずは各要素の影響度を紹介した後に、各要素をそれぞれ説明します。
各要素の影響度
商品力:顧客接点力:購入してもらう力=6:3:1
これら3つの要素の重要度を私の基準で示すと、商品力:顧客接点力:購入してもらう力=6:3:1となります。
商品力の影響度が最も高く、次いで顧客接点力です。購入してもらう力も重要ですが、他の二つと比較するとこの比率になります。
3つの要素すべてが強固であれば販売量は飛躍的に増大しますが、一つでも、あるいはすべてが弱い場合、販売量は大幅に減少します。
商品力とは?
1つの商品で沢山の人の課題を解決できる力
1つの商品で課題解決の度合いが深いこと
商品力とはこの2つのことです。もちろん商品力があると販売数を伸ばしやすくなります。

図で示すと上記のようになります。当然ながら、解決できる人数が多く、かつ一人あたりの課題解決の度合いが深いことが理想的ですが、そのような商品は限られています。
しかし、解決人数が多い、もしくは解決の度合いが深い商品は数多く存在します。
これら二つの観点について、それぞれ説明します。
※ここで使っている商品力は、製品、商品、サービスすべてを含めて商品力としています。
1つの商品で、沢山の人の課題を解決できる
例えば、1つの商品で10名の課題を解決できる場合と、1,000名の課題を解決できる場合を比較すると、後者の方が商品力があると言えます。
商品とは、顧客が抱える課題を解決するための「手段」です。困り事を解消したり、使用することでワクワクするなど、顧客の課題や問題点を解決してくれるものが商品なのです。
したがって、より多くの人の課題を解決できる商品は、優れた商品であると言えます。言い換えれば、顧客の多様な課題を一手にまとめて解決する手段こそが商品なのです。
1つの商品で、課題解決の度合いが高いこと
もう一つの観点として、課題解決できる人は少なくても、1人当たり1社当たりの課題解決の度合いが深いと商品力があるといえます。
多くの人には、役に立たなくても、少数の人に莫大な効果を発揮する場合です。経営コンサルティングなど高度なノウハウをカスタマイズして提供してくれる場合などです。
効果が高いため、高いお金をいただくことができます。
この2つの観点で考えると、商品力があるかないかを判断できます。
顧客接点力とは?
・商品の認知度が高い
・Web検索で上位表示できる
・すでに沢山の顧客と直接接点を持っている
商品を売れない唯一の方法は、その商品の存在を顧客に伝えないことです。
つまり、顧客接点力があるということは、商品を顧客に伝えるための有効な手段を複数持っていることを意味します。
顧客接点力とは、具体的に上記の3つの要素を指します。
それぞれ説明します。
商品の認知度が高い
商品が知られていれば、顧客は問い合わせ等のアクションを起こせます。
逆に、知らなければアクションは起こせません。
したがって、認知度は顧客接点力の大きなポイントになります。
また、認知度が高い商品の方が、テレアポなどで接点を持とうとする行為に対して効率が上がります。
私自身、認知度の高い商品を取り扱う会社と、低い商品を取り扱う会社の両方を経験しています。
新規のテレアポを行う際、その差は歴然でした。認知度の高い商品であれば数パーセントのアポイント獲得率があるのに対し、知名度の低い商品では、1,000件電話をかけてもアポイントが1、2件しか取れないという状況が一般的です。
したがって、認知度は顧客接点力において非常に重要な要素となります。
Web検索で上位表示できる
今の顧客は、何かを調べたいと思ったら、すぐにWebで検索します。
したがって、Googleでの上位表示および各SNSでリーチできる状態を作っておくことが大事になります。
もし、Googleで表示されない状態やSNSで沢山の人にリーチできない状態だと、その商品自体が存在しないことと同じことになるからです。
また、一度上位表示や多くの人へのリーチが実現できれば、すぐに検索順位が下がったり、リーチ数が激減するわけではありません。
そのため、これらは会社の長期的な資産となり得る重要なポイントです。
すでに沢山の顧客と直接接点を持っている
すでに沢山の既存顧客がいる場合、顧客接点力がある状態といえます。
なぜなら、すでに自社商品を使ってもらっているので、会いやすいですし、他の部署を紹介してもらえる可能性も高まります。
購入してもらう力とは?
・ほしいと思った人が購入できる状態にする
・ちゃんと伝えることができる
それぞれ説明します。
ほしいと思った人が購入できる状態にする
購入できる店舗が近くにない、ウェブサイトに販売機能がない、あるいは営業担当への連絡方法が分からないといった状況では、顧客は商品がほしいと思っても購入に至ることができません。
店舗の開設や営業所の増設は物理的な制約が多く、一概には推奨できませんが、ウェブサイトに販売機能(問い合わせ機能を含む)を付加することは、今日のあらゆる業種において非常に重要です。
ちゃんと伝えることができる
買う行動を行わない理由は、購入のメリットがちゃんと伝わらなかった、最後の一押しが弱かったなどの理由が考えられます。
優秀な営業担当や販売担当がいれば、顧客一人ひとりに響くポイントを押さえて伝えることができるため、販売数を増やすことが可能です。
しかし、営業担当や販売担当のスキル向上は決して容易ではありません。
カリスマ的な営業担当や販売員を育成することは非常にハードルが高く、組織全体がそのような優秀な状態に教育されているケースは皆無に等しいのが現状です。
そのため、マニュアルの整備による全体の底上げや、ロールプレイングによる営業トークのレベルアップなどが対策として有効です。
Webサイト等であれば、個別対応は難しいので、よりわかりやすくメリットが伝わるようにすることや、他の人の使用事例等で、購入検討者の背中を押してあげることが大事になります。
販売力とは?の「まとめ」
販売力=商品力×顧客接点力×購入してもらう力
上記が販売力を表す式となります。
販売力は営業担当や販売担当次第と感じる人が多いですが、商品力が販売力の半分以上の要素を占めています。
この視野感で物事を見ると、販売力の本質が見えてきます。
売れない原因は商品力なのに、販売部署の責任にする会社はびっくりする位多くあります。
このような会社は、本来の原因である商品力に真摯に向き合わないので、業績が伸びる可能性は低いでしょう。
皆さんの会社はいかがでしょうか?自社の商品力について、真剣に考えたことはありますか?もし商品力があると確信できるなら、その会社で全力を尽くすべきです。
もし商品力がなくて、その事実に向き合わない会社なら、自分の将来のために転職を検討する必要があります。
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