「枝葉ではなく幹をつかむ」思考方法とは?

6.ビジネススキル
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毎日、必死に働いているのに、なぜかモヤモヤしていませんか?

上司からの指示は迅速にこなしている。資料の見た目も完璧に整えた。毎日残業して頑張っている。

しかし、「この努力は本当に将来に繋がっているのだろうか?」「なぜか重要な仕事をしていない気がする」と不安になる瞬間があるはずです。

私もかつて同じように悩みました。

今振り返ると、原因は「枝葉」に忙殺されていたことです。

細かなタスクやルーティンワークをこなすことが目的になり、本来の「幹」が見えなくなっていたのです。

多くの20代の会社員が、この「枝葉のワナ」にハマっています。

この記事では、このモヤモヤを解消し、あなたのキャリアを根本から変える「枝葉ではなく幹をつかむ」ための具体的で実践的な思考法を解説します。

この記事は、

・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験

これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。

(あわせて読みたい【ビジネススキル】必須スキル・思考方法・コミュニケーション

枝葉ではなく幹をつかむ方法とは?

目的・課題を考える

「そんなことはわかっている」と言われそうな、誰でも知っている当たり前のことです。

しかし、誰もが必ずできているかといえば、残念ながら私を含めできていないことが多いのが現実です。

なぜなら、常に意識しておかないと抜け落ちてしまうからです。目的・課題は難しく、ついつい放置しがちだからです。

これをおこなうことのメリットは、以下3つです。

・根本解決につながる可能性が上がる
・モチベーションが上がり、能動的に取り組める
・目的や課題設定のスキルが上がる

まずは目的・課題が考えにくい理由を明確にした後に、上記3つを詳しく見ていきましょう。

※ここでは、「目的」をありたい姿、「課題」は解くべき問題としています。

目的・課題が考えにくい理由とは?

・頭の中にないため
・今までの教育の問題

この2つが理由です。それぞれ解説します。

頭の中にないため

手段である「打ち手」は、すでに持っている知識や経験を応用するだけで済みます。

したがって、思考の抽象度が低く、認知的な負荷が少なくて済みます。

しかし、目的・課題を考えることは、現状の外側にある理想や本質を定義する作業です。

これには、抽象的な思考力と、自己の内面や外部環境への洞察が求められるため、認知的な負荷が高くなります。

このように、目的・課題の設定は難易度が高いため、つい考えにくいと感じてしまうのです。

今までの教育の問題

教育や組織では、「正しい手段」や「効率的なやり方」を教えられることが多く、それを忠実に実行することが「正解」として評価されてきました。

これにより、絶対の正解がない「目的・課題」を考えるよりも、正解を導く思考方法のスキルが高まることと、この思考の癖がついています。

結果、目的・課題を導く思考方法の経験が少なく、思考の負荷が高いことでスキルが上がらずに苦手なのです。

※具体的な解決方法については後述します。

枝葉でなく幹をつかむ3つのメリット

3つのメリットをそれぞれ解説します。

根本解決につながる可能性が上がる

正しい作業や打ち手を選べるようになる

今取り組んでいる作業をおこなうことで本来の目的が達成できるのでしょうか?

皆さんが上司から作業を指示される際、目的や課題をセットで説明してもらうことは多くはないと思います。

ですが、目の前の作業には全力で取り組んでいることでしょう。

もし、その作業設定が最善手ではない、あるいは間違っている場合があるとしたらどうでしょうか。

上司も人間ですから、間違うこともあります。そうなると、皆さんの労力は無駄に終わってしまうかもしれません。

これを避けるために、そもそもの目的や課題を把握し、指示されている作業を検証してみましょう。

目的達成や課題解決につながる、別のより良い作業や打ち手を見つけられる可能性があります。

具体例

「顧客訪問回数を増やす」という目標のもと、件数をこなすことを重視している場合で見てみましょう。

この場合の真の目的は、「訪問回数」という手段ではなく「受注を最大化すること」のはずです。

受注を最大化するために、訪問回数が一番の課題であれば受注を最大化できますが、もし、お客様に自社のサービスが伝わらないことが課題であれば、訪問回数を増やしても受注は増えません。

営業としては一見訪問回数は多ければ多いほど良いと思えますが、課題により、無駄になることがあるのです。

モチベーションが上がり能動的に取り組める

指示の意味を納得しておこなえる

今の作業をおこなうことに一生懸命になることはとても大事です。

しかし、人は目の前の作業について、「やる意味があるのか?」「何に役立つのか?」といった疑問を持ちがちです。

一度そう思ってしまうと、どうしても「やらされ感」が湧いてくるため、目的や課題を考えることが非常に大事になります。

目的や課題がわかっていると、なぜその作業をおこなう必要があるのかが理解でき、自分の作業に明確な意味付けができます。

これにより、モチベーションが上がるだけでなく、目的達成のために「どうすればさらに良くなるか」を考えるきっかけとなり、能動的に取り組めるようになるでしょう。

具体例

よく使われているレンガ職人の例を紹介します。

3人に「あなたは何をしているのですか?」と聞いた際の答えが以下です。

1人目の職人(枝葉:手段)
答え: 「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだ。暑い中、重労働で大変だよ。」

2人目の職人(中間的な目的:短期目標)
答え: 「私は壁を作っているんだ。これで給料をもらい、家族を養うんだよ。」

3人目の職人(幹:最終目的)
答え: 「私は人々の祈りを受け止める、歴史に残る大聖堂を造っているんだ。完成すれば、何百年も後の人々の心の拠り所になるだろう。」

この例が示す通り、同じ「レンガを積む」という手段(枝葉)を行っていても、仕事の目的(幹)をどこに置くかによって、その人のモチベーション、仕事の質、そして生み出す成果が全く異なることを示しています。

目的や課題設定のスキルが上がる

経験値を積めることでスキルが上がる

目的・課題が考えにくい理由のパートで紹介したとおり、目的・課題を考えることは難しいものです。

したがって、私たちはついそれを避けてしまい、目的・課題を考えるスキルが上がりにくくなります。

しかし、難しいことではあっても、決してできないことではありません。コツをつかむことで、考えやすくなるものです。

そのためには、目的や課題を考える経験を意識的に積むことがとても重要です。

その経験こそが、あなたの目的や課題設定のスキルを上げることにつながります。

だからこそ、日々の業務の中で、ぜひ考える機会を作ってほしいのです。

目的・課題を考える具体的な方法

「なぜ?」を繰り返す掘り下げ思考法が最適

ある作業や打ち手があればなぜそれをやるのか?出てきた答えについて、さらになぜ?と自問します。

これを繰り返すことで真の目的が見つかります。

「なぜ、メルマガを作成・配信するのか?」を掘り下げてみましょう。

なぜメルマガを作成・配信するのか?

「既存顧客に製品をより深く活用してもらうため」

なぜ、活用してもらう必要があるのか?

「活用度が高まれば、製品に対する満足度が上がり、解約率が下がるため」

なぜ、解約率を下げる必要があるのか?

「安定した継続売上を確保し、新規顧客獲得のコストを減らすため」

なぜ、継続売上とコスト削減が重要なのか?

「事業全体の収益性を高め、市場での競争優位性を築くため」

最終的に、この作業の真の目的は何か?

「顧客の製品利用を成功に導き、LTV(顧客生涯価値)を最大化することで、会社の持続的な成長を実現するため」

全てにおいてここまで掘り下げる必要はないですが、なぜを2回程度は掘り下げて考えるように意識してみましょう。

まとめ

目的・課題を考える

これを常に意識しましょう。

意識することで、以下の3つのメリット享受できます。

・根本解決につながる可能性が上がる
・モチベーションが上がり、能動的に取り組める
・目的や課題設定のスキルが上がる

これらのメリットは、ビジネススキルにおいて最も大事な要素です。

この思考法を身につけることで、あなたの仕事の能力は格段に上がることになります。

日々意識して実践しましょう。きっと、大きな成果につながりますよ。

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