仕事は、お金を得るため、社会に貢献するため、自分自身が成長するためなどと言われます。
確かにその通りですが、仕事は私たちの生活にきっても切れないものなので、もう少し具体的かつ本質的な解釈を持ってほしいと思っています。
そうすることで、仕事をする意味をより深く見出せたり、楽しめることにもつながるからです。
この記事では、「価値」「行動」「お金」の3つのキーワードで仕事の本質をわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
仕事とは?
仕事とは、「価値」を提供する「行動」で「お金」を得ること
これが仕事の本質です。各キーワードをもう少し具体的にすると以下となります。
・「価値」とは他の人の役に立つこと
・「行動」とは価値の実現のために動くこと
・「お金」とは価値の大きさによって大小が決まる
この3つの組み合わせが仕事です。
まずは「仕事」と「働く」の違い、お金が誕生した理由を紹介した後に、上記をそれぞれ解説します。
「仕事」と「働く」の違い
・「仕事」には報酬が含まれる
・「働く」には報酬の有無は関係ない
上記を図にすると以下です。

「仕事」には報酬が含まれますが、「働く」には報酬の有無は関係ありません。
たとえば、子育てや家事、ボランティアなど、報酬が発生しなくても、これらは人が共生していくために不可欠な行動です。
このように、無償の行動も「働く」に含まれます。だからこそ、「仕事」と「働く」をあえて分けて考えることで、仕事の本質をより深く理解できるようになります。
お金が誕生した理由
・価値の提供範囲が見えない範囲まで広がった
・物々交換では不便になった
・価値を表わす共通するものが必要になった
これら3つによりお金が発明されました。
お金が発明されると、日々の「行動」の多くが「働く」から「仕事」に変わりました。
大昔は、多くても100名以内の小さな集団で狩猟採集生活をしていたそうです。
その集団の中で、与えられた役割をおこなうことで、集団の中にいることができる権利と、食料を分けてもらう権利を得ていました。
役割の例は、獲物を取ってくること、獲物を取る道具を作ること、子育てを行うことなどその集団が必要とする行動です。
まさに「働く」ことで他の人へ価値を提供していました。
また、すぐそばにいる人だけで生活をしていたので、集落内ですべてが完結しており、お金は必要ありませんでした。
時代が変わり、農耕が始まることで定住化が進み、生活圏が広がりました。生活圏の中では、さまざまな生産物が生み出されることになります。
当初は、1対1の物々交換でしたが、生活圏の拡大により、1対1の物々交換の限界を超える様々なものが流通するようになります。
この状態の中で、貨幣=お金が発明されました。
お金の誕生により、何か欲しいものがある場合は物々交換ではなく、価値を一旦お金に変え、変えたお金でほしいものを購入する仕組みができたことで、とても便利な世の中が実現しました。
結果、欲しいものを得るために、お金を獲得することが必要となり、多くのことが「働く」からお金の授受が含まれる「仕事」へと変わることになったのです。
「価値」とは他の人の役に立つこと
他の人に役立つこと=課題解決
価値とは、「他の人の役に立つこと」であり、「課題解決」とほぼ同義です。
他の人が困っていることや、「こうなったらいいのに」と考えていることを解決すると、相手は喜びを感じます。これこそが、他者に提供できる価値です。
課題解決というと難しく聞こえるかもしれませんが、例えば、飲食店でのアルバイトは、お店の人手不足という課題を解決していることになります。
また、お客様の課題を自社商品を購入してもらうことで、解決している場合もあります。
高級ブランドバックの販売についても、消費者が所有することでうれしくなるとか、優越感に浸れる等の状態になりたいという思いを実現しているのです。
逆に、価値をと認めてもらえないと、お金を払う人がいません。
(課題解決の詳細は、課題解決とは?意味・考え方・進め方をわかりやすく解説を参照)
よくお金をもらうために働くのか?社会貢献するために働くのか?の議論があります。
ただ、どちらを先に考えたとしても、他の人の課題解決ができないとお金をもらえない=価値がないことになります。
よって、どちらが先かではなく、他の人への価値を提供することの結果として、お金がもらえたり、社会貢献できることになります。
「行動」とは価値の実現のために動くこと
個人ができることは行動のみ
私たちの唯一の武器は行動することです。そしてお金がないと生きていけないという事実にも直面しています。
したがって、自分自身の体や頭を使うことで、お金という対価を得ることが必要になるのです。
対価を得ることができるのは、価値を提供することです。したがって、人は行動する必要があります。
「お金」とは価値の大きさによって大小が決まる
個人力×会社力でおこなった課題解決(=価値)の大小
会社で働く場合、得られるお金は、個人力×会社力でおこなった課題解決(=価値)が大きいか小さいかによってもらえるお金は変わります。
「個人力」「会社力」「個人力×会社力」の3つに分けて解説します。
「個人力」によってもらえるお金が変わる理由
個人の成果に差がある
同じ時間働いているのに、個人力の差でもらえるお金が変わるのは成果が違うからです。
例えば、同じ時間で顧客1社の課題解決しかできない場合と、沢山の顧客の課題を解決できる場合では、当然後者の方が成果が高くなりもらえるお金が多くなります。
また、平社員よりも社長の方が大きな責任を持っています。当然、高度な判断・行動が求められるので沢山の給与をもらっています。
「会社力」によってもらえるお金が変わる理由
強い会社ほど効率よく儲けることができる
同じ人が、同じ時間強い会社と弱い会社で働いた場合、強い会社で働く方が売上が上がります。強い商品があり、仕組み化ができていることで、効率よく稼ぐことができるからです。
結果、強い会社ほどたくさん利益が出るので、給料を出せる原資が増えて給料が増えやすくなります。
「個人力×会社力」で給料が決まる
個人力と会社力の掛け算がもらえるお金の総額となる
個人力と会社力の掛け算がもらえるお金となります。いくら個人力が高くても、会社力がなければそれほど高い給料はもらえません。
ただ、個人力が普通でも、会社力が高い企業であれば、沢山の給料をもらえることになります。
したがって、高い給料をもらいたければ、同じ個人力でも沢山給料をもらえる、会社力の高い企業を選ぶ必要があるのです。
(給料が上がる会社の詳細は、給料が上がる会社・上がらない会社の見分け方をわかりやすく解説を参照)
補足:人はなぜ働かないといけないのか?
ひとりでは生きていないから
残念ながら、人は一人では生きていけません。他の人と協力して生きていく必要があります。
なぜなら、自分が生きるために必要な食料、衣料、住居を、自給自足で確保することは今の世の中ではできないからです。
当然、水も電気もガスも家も自分で調達できません。
もちろん、他の人のサポートだけを受け続けることができればいいのですが、そんな身勝手なこともできません。
したがって、他の人サポートを受けるだけでなく、他の人のサポートも行う=働くことが必要になるのです。
(詳しくは、なぜ働かないといけないのか?をわかりやすく解説を参照)
仕事とは?の「まとめ」
仕事とは、「価値」を提供する「行動」で「お金」を得ること
これが仕事の本質です。
仕事で悩んだときは、このシンプルな定義を思い出してみてください。
自分の仕事が誰の役に立っているのか、どんな行動が価値を生んでいるのかを客観的に見つめ直すと、仕事をする意味を再認識し、もっと楽しめるきっかけになります。
また、たくさんのお金を得るためには、課題解決力を高め、周囲に影響を与える力をつけることが不可欠です。
もちろん、お金だけが仕事の目的ではありませんが、お金を求めるなら、課題解決力を磨くことに注力するべきです。
そして、その力を最大限に活かすためには、「働く会社」選びも非常に重要であることも付け加えておきます。
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