閉店間際の値引セールのカラクリをわかりやすく解説

①売上・費用・コスト

スーパーなどの仕入れ販売が主となる業種で、閉店間際に3割引きや半額の値引き販売を、見かけたことがあるかと思います。

当然何かのメリットがあるから、割り引いて販売しているのだとは思ってましたが、どんなメリットがあるのか?よくわかりませんでした。

でも、このメリットと構造を具体的に理解できることで、ビジネスの大事な本質のひとつがわかったことになります。

単なる値引き販売のようですが、それほどこの事象は奥深いのです。

この記事では、なぜ割引販売を行うのか?それが販売した人にどのようなメリットがあるのかをわかりやすく解説します。

この記事は、全く風土の違う5社で、若手の成長に30年近く関わってきた よしつ が、書いています。

(あせて読みたい 知っておきたいビジネススキル向上のための基礎知識をまとめてわかりやすく解説

値引き販売(仕入商品)の「メリット」

売れた金額がそのまま利益になる

だから、半額などの利益を無視した価格で売るのです。

翌日になると売れなくなる商品の場合という条件付きです。

スーパーの閉店間際の値引き販売を行うからくりは何なのか?を具体的に説明します。

値引き販売(仕入商品)で「どれが一番儲かるか?」

上記結論を一旦忘れて以下の問題に答えてください。

あなたはスーパーの店長です。本日の営業時間は20時まで、現在19時です。

質問です。

売値500円(仕入値350円)の弁当が一つ余っています。賞味期限は本日までで、本日は売れる見込みがないので、値下げしてでも、売ってしまおうと考えてます。

1問目

100円引きの400円で販売し、売れた場合の利益もしくは損失はいくらでしょうか?

A100円の損失 B50円の利益 C400円の利益

2問目

300円引きの200円で販売し、売れた場合の利益もしくは損失はいくらでしょうか?

A300円の損失 B150円の損失 C200円の利益

さあ答えはどれですか?

それぞれAを選んだ方は、定価からの割引がそのまま損失になると考えですね。

Bを選んだ方は、仕入値との差が利益もしくは損失で考えたのですね。

Cは売れた金額がそのまま利益になると考えたのでしょう。

では、答えです。

答えは共にCです

どうですか?正解できましたでしょうか?

値引き販売(仕入商品)の構造を「詳細解説」

解説していきます。

売れないとどうなるか?

引き続き、翌日になると売れなくなる商品の場合という条件付きです。

では、もし売れ残ったら場合、何がおきるか?から考えましょう。

では、上記商品が1つ売れ残ったら何がおきますでしょうか?

当然500円の売上及び利益の150円は稼げなくなり、仕入れた商品自体は、廃棄となります。

では、仕入れ代の350円はどうなるでしょうか?

すでに仕入れているのですから、売れようが売れまいが、仕入れ業者様に仕入れ代をお支払いしないといけません。

売れ残ったから支払できませんとは言えないです。廃棄しても350円の仕入れ代はかかるのです。

ということは、350円は、すでにかかってしまっている原価となります。350円支払わないといけません。

収支計算で比較

こう考えると廃棄することになる商品は、廃棄すると価値はゼロ(廃棄代は考えないことにします)。このゼロの価値のものを販売すると、お金が入ります。

1問目では400円で販売、2問目は200円販売でした。

収支を、売れた場合と売れなかった場合でそれぞれ比較したものが上図です。

売れなかったら、仕入れ代350円のマイナスです。売上は1円も入りません。

売れた場合は、売れなかった時と比べて、それぞれ400円と200円売上が入ります。

でも、仕入れ代は350円のマイナスです。

ということは、それぞれ、現金の差は400円と200円となります。この額がそのままプラスになります。これ以上かかる費用はないので、この金額がそのまま利益となるのです。

ということで、Cが答えとなります。

だから、賞味期限が本日までの商品(弁当等)など、明日には価値がゼロとなるものは、現金に換えてしまった方が良いのです。

仮にどんなに安く販売しても、売った金額がそのまま売上となり、利益となるからです。

だから、閉店間近のスーパー等では、商品を翌日に販売できないものは、安くしてでも売ってしまった方が利益増となるので、値引き販売をするのです。

会社帰りのスーパーで安く買った生鮮食品は、私たち消費者が特をしているだけでなく、店側も得をしているのです。

値引き販売(仕入商品)「まとめ」

売れた金額がそのまま利益になる

シンプルに捨ててしまうなら売ってしまおうという話です。本来は在庫が閉店時にちょうど0になれば最高です。

でももし、閉店時間のかなり前に在庫がなくなると販売機会を逃してしまい、隠れた損失となります。

この塩梅が難しいのです。だから、売り切れないように、仕入れを行う結果、在庫が残ってしまう場合があるのです。

そうして、残ったものは、価値がゼロになってしまう前に、売ってしまい現金を回収する値引き販売がおこなわれるのです。

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