「人は論理ではなく感情で動く」
「感情を抑えて論理的に考えることが必要」
「正論(=論理)はわかるけど、現実には・・・」
これらはよく言われることです。
では結局どちらを優先すればいいのでしょうか?
この問いに答えるとすれば、両方としか言えません。なぜなら、この二つの言葉にはとても密接な関係があるからです。
この記事では、ビジネスにおける論理と感情の関係を分かりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい、知っておきたい 考え方・意識・スキル)
ビジネスにおける「論理」と「感情」の関係とは?
他の人に行動してもらうための両輪
人に伝えるには「論理」がないと伝わりません。また、伝えた結果、「感情」が動かないと行動してもらえません。
これは仕事で本当によく直面することです。
論理と感情はともに私たち自身の心の中にあるものですが、この2つは他者への重要なコミュニケーションツールでもあります。
ビジネスにおける「論理」と「感情」の関係の詳細を解説
・論理について
・感情について
・論理と感情の関係の詳細
上記3つに分けて解説します。
論理について
・論理とは?
・論理はどうして必要
上記2つに分けて解説します。
論理とは?
考えや議論などの筋道、思考の組み立て
このような説明が一般的です。英語ではロジックと訳されます。
具体的には、「Aです。なぜなら〇〇だからです」となっているものです。
論理はどうして必要?
1.課題特定と戦略立案の精度を上げるため
2.他の人に1を伝えて理解してもらうため
この2つが必要な理由です。それぞれ紹介します。
課題特定と戦略立案の精度を上がるため
思いや感情だけで考えた場合、導き出された答えが事実であっても、それが正しいかどうかは判断できません。
課題を特定し、戦略を立てる際には、最小の労力で最大の効果を発揮させることが重要です。
そのためには、より確実性の高い答えを導き出す必要があります。その方法こそが、論理的に考えることなのです。
論理的に思考することで、間違いを減らし、抜け漏れや重複を排除し、筋の通ったストーリーとして組み立てられるため、精度の高い案を作成できます。
他の人に上記を伝えて理解してもらうため
自分1人だけで仕事が完結するのであれば、極論すれば論理は必要ありません。自分がわかっていればいいからです。
ただ、仕事は1人では完結しません。他の人と協業するために、自分の考えを他の人に伝える必要が必ずあります。
その際に、内容が正しかろうとそうでなかろうと、きちんと伝わることが最初のスタート地点となります。
結果、結論とその結論の理由(=論理)が、必要になります。
感情について
・感情とは?
・感情がなぜある?
・感情はコミュニケーション手段
上記3つに分けて紹介します。
感情とは?
心の進化で得た気持ち
感情があるのは、1万年以上かけて私たちの体だけでなく心も進化してきたためです。
感情がなぜある?
感情があることで、生き延びて子孫を残せたから
生き延びて子孫を残せた人のDNAを私たちは引き継いでいます。
これまで様々な感情を持った人々が存在したと考えられます。
私たちが多様な感情を抱いているのは、それらの感情を持つことで生き延び、子孫を残してきた人々のDNAを受け継いでいるからです。
進化とは、あたかも個体が生涯で変化するように感じられるかもしれません。
しかし、進化の基本は、多様な個体群の中で相対的に生き残り、子孫を残せた個体のDNAが後世に受け継がれることで、その子孫が変化(=進化)していくことを指します。
こうした概念は、進化心理学の基礎を学ぶことで理解が深まります。
(進化心理学のおススメの本は、何回も読んだおススメ本!人を学ぶ「進化心理学」編を参照)
具体的には、
・喜びの感情があるから人に喜ばれることをおこなう
・怒るから、敵と戦える
・悲しみがあるから他人を守ろうとする
・恐れを感じるから危ないものに近づかない
これら以外にも多数ありますが、こうした感情を持つことが、当時の生存率向上に繋がったのです。
そして、現代に生きる私たちは、過去に生き延びて子孫を残した人々が持っていた感情をDNAを通じて引き継いでいます。
ちなみに、約1万年という期間では、人類は遺伝子レベルで大きく変化しないと言われています。
感情はコミュニケーション手段
言葉と感情を使って意思のやり取りをしていた
昔は今ほど言葉が発達していたわけではなく、文字が使われるようになったのも言葉が形成された後です。
現代の感情がある程度形成されたのは、狩猟採集時代、100名にも満たない集団で生活していた頃です。
その集団の中には見知らぬ人がいなかったため、論理的な説明は必ずしも必要ではなかったと考えられます。
言葉が発達していなかった当時の動物の世界と同様に、感情を中心にコミュニケーションが図られていたのでしょう。
「論理」と「感情」の関係の詳細
コミュニケーションの範囲と人と目的が変わったことで両方必要になる
生活する集団の規模、見知らぬ人との交流機会、そして協業による経済活動。これらは昔と今の大きな違いです。
生まれ育ったときから知っている人とのコミュニケーションから、赤の他人である見知らぬ人とのコミュニケーションが必要な世の中に変わり、さらにはその人たちと協業してお金を稼ぐ必要が生じました。
こうした変化は非常に大きく、感情中心のコミュニケーションだけでは成り立たなくなっています。
しかし、私たちの心は、依然として感情的なコミュニケーションに適合したままです。
そのため、相手の感情を動かすには、感情だけに頼るのではなく、適切に情報を伝える重要性が増し、その結果として論理が必要とされるようになりました。
結果として、論理と感情は、他者に協力を促すための「両輪」となったのです。
ビジネスにおける「論理」と「感情」の関係のまとめ
他の人に行動してもらうための両輪
人に伝えるには論理がないと伝わりません。また伝えた結果、感情が動かないと行動してもらえません。
したがって、現代においては、論理的な思考に基づいて他者の感情を動かすコミュニケーションが不可欠となっているのです。
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