皆さんの会社は、個人の役割や責任が明確ですか?
担当業務の内容や評価項目が文章化されているかどうかと、その文章を読んで理解できるかで判断できます。
しかし、責任の所在を明確にしすぎると、自分の責任の範囲でしか仕事をしなくなるという意見もあります。
この記事では、このような意見も踏まえて、責任の所在が明確だとなぜ良い会社と言えるのかをわかりやすく解説します。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つ「よしつ」が実体験から得たことを元に書いています。
(あわせて読みたい【会社の環境】良い会社の特徴)
責任の所在が明確だとなぜ良い会社なのか?
・やることが明確
・やったことが成果につながりやすい
この2点が理由です。それぞれを解説します。
やることが明確
分業がちゃんと設計できている
やることを明確にするためには、組織内で抜けモレダブりなく業務を割り当てる必要があります。
これこそ分業の設計となります。
・分業が設計できている状態とは?
・分業の条件
・分業ができているとなぜ良いのか?
上記の順番で分業の設計を解説します。
分業が設計できている状態とは?
従業員の1人1人まで業務が抜けモレダブりなく割り当てられている状態
これが、分業を設計できている状態です。
当たり前のように感じると思いますが、できている会社はそれほど多くはありません。
不明瞭な部分があったり、同じ業務に複数の人を割り当てたり、担当がいない場合がよくあるからです。
ただ、これを設計する立場になり、実際におこなうとわかりますが、1人1人まで落とし込むのはかなり難しい業務です。
単に割り振るなら簡単ですが、個人の適性、同じ階層の人に同じ難易度、各人の成長促進、本人が希望しない業務など、沢山の要素を踏まえた正解を見つける必要があります。
したがって、この設計ができているということは、これらのことを精緻に考えて組織運営していると言えます。
分業の条件
仕組みやルールが必要
家族や身内ではなく、他人が集まる組織である会社は、育った環境も違い、考え方も違い、大事にしていることも違う人の集団です。
その人たちがお金を得ることを主目的で集まった組織が会社です。
各自の判断に任せていたら、働く人がバラバラな行動をおこない、組織としての力が分散されるだけでなく、その会社で働くモチベーションが担保できなくなります。
そのために組織を適切に設計し、結果ができやすい体制をつくるだけでなく、その組織がちゃんと動くようにする必要もあります。
それには仕組みやルールが必要になります。
人事評価制度、社内規則、情報管理などとてもたくさんの仕組みやルールがあります。
分業設計ができるとなぜ良いのか?
効率が良くなる
分業された限られた業務を繰り返しおこなうことで、専門性が上がり、短時間でできるようになる、成果の質が上がるなどメリットがあります。
専門性が上がった個人がそれぞれの分野の仕事をすることで、全体の生産性が上がることになります。
これが効率が良くなる理由で、効率が良くなると良い結果ができやすくなります。
やったことが成果につながりやすい
責任の所在が明確となる分業は組織の好循環を生む
やることが明確だと迷いなく行動できます。多くの従業員がこの状態になると各自の能力発揮率が上がります。
これにより成果が出やすくなります。成果が出ると、従業員のモチベーションは上がりやすくなります。
顧客に良いサービスを提供できていることを感じたり、給料が上がりやすくなるからです。
責任の所在が不明瞭な典型的な役職
部長代理・次長・課長代理・プレイングマネジャー
「代理」や「次長」、そして「プレイングマネジャー」という肩書が多い会社は、責任の所在が不明確な傾向があります。
役職者は組織及び所属する従業員の業務に責任を持ちます。
部長は〇〇部のすべての責任者であり、課長は〇〇課のすべての責任者です。
では、部長代理や次長や課長代理は、どの組織の責任者でしょうか?
会社は良かれと思って上位の肩書を与え給料も上げますが、役割が不明瞭なため結局は前職と同じ仕事を続けることになります。
その結果、本来の責任者が自分の仕事に集中できなくなり、組織全体の動きが滞ってしまいます。
また、課長がプレイングマネジャーの場合も上記と同じ構造です。
プレイヤーとして成果を上げながら、課の責任も負うよう求められます。
しかし、多くのプレイングマネジャーは、慣れたプレイヤー業務に追われ、本来のマネジメント業務がおろそかになってしまいます。
その結果、チームの方向性が定まらず、組織全体が停滞してしまうのです。
責任を明確にすると自分の業務しかしなくなる?
分業設計と役割定義ができていないだけ
責任を明確にするとその範囲でしか物事を考えなくなるので、明確にしないという経営者がいます。
このように発言する経営者は自分の仕事を放棄しています。
解決方法は簡単で、役割や業務を明確に与えたうえで、例えば、「担当業務以外の課題を2つ見つけて解決する」という項目を人事評価に入れるだけだからです。
逆にこのように決めてもらうことで自分で考えて動けるようになります。
どんなことでも自主的に考えて動いてほしいという気持ちはわかります。ただ、従業員に望むことと、給料や待遇のバランスがとれているかどうかは怪しい部分です。
責任の所在が明確だと良い会社の「まとめ」
・やることが明確
・やったことが成果につながりやすい
責任の所在が明確だと、上記2点ができているので働きやすくなります。
皆さんの会社はどうですか?査定用の目標設定シートの内容が、個人ごとに役割やテーマが明確になっているかで簡単に判断できます。
もし分業が明確で責任の所在がはっきりしている会社であればとても良い会社です。余程のことがない限りその会社で力をつけましょう。
もし、あなたの会社がこの記事でいう「良い会社」でなかったら、まずは上司や会社に働きかけて改善を促すことも大切です。
しかし、それでも状況が変わらない場合は、転職も選択肢の一つとして考えるべきかもしれません。
ただし、その際は「転職先が責任の所在を明確にしているか」を必ず面接で確認することが重要です。
確認方法は、人事評価制度の内容を聞くことです。
詳しくは、良い会社の見分け方 優れた人事評価制度を持つ会社を参照下さい。
他にも「良い会社の見分け方」で以下の記事を書いています。参照下さい。
当サイトでは以下のカテゴリーで200以上の記事を掲載しています。気になる内容があれば参照下さい。
・【 概念の本質 】ビジネスの根幹・基礎用語の本質・人の本質
・【キャリアプラン】軸とタイミング・成長ロードマップ
・【 自己成長 】定義から効率的な学びの方法を紹介
・【社会人の悩み 】素朴な悩み・よくある悩みと対策
・【 課題解決 】問題課題、戦略戦術フレームワーク・法則
・【ビジネススキル】必須スキル・思考方法・コミュニケーション
・【ビジネス用語 】基礎用語解説
・【 企業会計 】一つの軸で理解・収益構造とコスト分析
・【企業実例研究 】成長企業の成長理由
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