新卒入社が多い古い会社は、大小の差はあれ共通して同じ問題を抱えています。
人の本質に関わることが原因です。
転職先や就職先で選ぶと後で後悔しますし、今働く会社が今抱えている、もしくは今後この問題を抱える可能性もあります。
この記事では、この問題が何か？と原因をわかりやすく解説します。多くの会社でこの症状を発症しています。
この記事は、
・営業担当・課長・部長・本部長・執行役員の経験
・風土の違う5社での経験
・数百名のマネジメント経験
・数千社への営業経験
・100回を超える勉強会の講師経験
・1,000冊近い読書経験
これらの経験を持つよしつが、実体験から得たことを元に書いています。
（あわせて読みたい、知っておきたい いい会社の判断方法）
新卒入社が多い古い会社でおきる一番の問題とは？
問題であることを問題と言えなくなる
会社は常に、環境にあわせて変化していく必要があります。そのためには、今抱える問題点解決が必要です。
ただ、新卒入社が多い古い会社の多くは、解決すべき問題を問題であると言えなくなります。
理由は以下の3点です。
・現経営陣の批判となる
・成功体験の呪縛
・気概がある人ほどやめていく
まずは、「新卒入社が多い古い組織」の特徴を紹介した後に、3つそれぞれを解説します。
新卒入社が多い古い組織の特徴
この記事では、古い組織とは、創業して50年位をイメージしています。
今まで生きのびているということは、何かの強みがあり、新卒入社が多いということは、離職率が低いか中途採用が少ないかのどちらかです。
従業員の平均勤続年数は当然長くなり、20年に近くになります。
平均なので、新人から10年目、20年目、30年目、40年目の人たちがそれぞれたくさんいることになります。簡単にいうと上がしっかり詰まっている組織です。
最近JTC（Japanese Traditional Company）と言われる「伝統的な日本企業」の多くが当てはまります。
業績が伸びている会社もありますが、どちらかというと、成長が止まっている会社の方が多いです。
現経営陣への批判になる
・社内政治が蔓延する
・問題点の指摘はその問題の旧担当と紐づく
この２つが理由です。それぞれ紹介します。
社内政治が蔓延する
能力ではなく、自分の仲間かどうかで出世を判断するようになる
社内政治とは、特定の社員が出世や目的達成のために自らの影響力を行使することです。
自分の能力をつけて社内政治をおこなうのであれば、まだ健全です。
ただ、自分の能力ではなく、上司に取り入ったり人を蹴落とすことで、自分が優位な立場に立とうとする人が必ず現れます。
これを許した瞬間に、組織は社内政治が蔓延します。
新卒入社が多く、古い組織では、当然社歴が長い人が多くいます。
当然役職のポストは限られていますので、出世できる人とできない人がいます。
また、同じ組織で働くことしか視野がないと、限られたポストの取り合いになります。
そして、そのポストを決めるのは人です。
上長も人です。好き嫌いや見えている範囲という制約の中で物事を決めますので、間違った判断を下す場合があります。
古い会社であれば、判断の機会が多い事と、人同士のつながりに濃淡が出やすいため、間違った判断の可能性が上がり、組織に社内政治が蔓延している可能性が高くなります。
問題点の指摘はその問題の旧担当と紐づく
問題は現経営者の未解決問題
各部署が抱えるさまざまな問題は必ず過去に誰かかが担当しています。
新卒入社が多く古い会社だと、現在経営陣にいる人が過去に担当していた可能性が高くなります。
ということは、問題点の指摘は、問題を解決できなかった現経営陣の誰かが悪いということになり、これを受け入れる土壌がない経営陣だと、問題解決は現経営陣を否定したと受け止めます。
この状態になると、高齢となった権力者が何をしてくるかわかりません。
この恐怖があり、目の前の問題に誰が関わっているかを明確に把握できないので、すべての問題に対して意見を言わなくなるのです。
成功体験の呪縛
陳腐化した成功体験を捨てることができなくなる
成功体験はとても重要なことです。成功体験を積むことで、見えない未来に対して自信を持って行動できるようになります。
ただ、成功体験には大きなデメリットがあります。
「過去の体験」であるため陳腐化してしまうことです。
現時点で役立つ経験でも、2年後には役に立たない場合があります。ただ、成功体験はとてもうれしいことです。
したがって、成功体験を簡単に捨てることができなくなり、過去の成功体験の呪縛にはまってしまうのです。
（成功体験の詳細は、少しの工夫で成功体験を積む方法をわかりやすく解説の中で解説しています）
長く同じ組織にいて、成功体験を多く積んだ人が昇進し、社歴も長くなり年を取っていきます。
結果、成功体験を捨てることができなくなった人が経営者になる確率が上がります。
自分の過去の成功したやり方にこだわるので、変化した環境における部下からの提案を受けつけません。
結果、誰も提案しなくなります。
気概がある人ほどやめていく
おかしいと思う人が退職し変化しない組織となる
組織がおかしい状態であることは、誰もがわかります。
もちろん、変革をおこなう気概のある人もいますが、組織が上記の状態になると戦わずに退職を選びます。
気概のある人は、自分の人生のために退職という行動がとれるからです。
結果、思いはあっても気概がなく、行動を起こせない人が残り、経営者のいいなりになる組織が出来上がります。
営利法人ではない組織ほどこの問題を抱える
官僚、自治体職員、検察、警察、裁判所など
営利法人ではなく、新卒入社が多く古い組織と言えば上記の組織が代表格です。
利益が出ないと市場から強制退場＝倒産となる営利法人でもこのようなことが起きます。
もし倒産しない（＝強制的に変わることがない）上記の組織かつ、役割上間違った仕事ができない場合どうなるでしょうか？
売上など明確な指標がない中で出世が決まるので、より問題を問題であると言えなくなります。
結果、組織として今までやってきたことは、「間違いがない」という前提での組織運営となります。
これを無謬性（むびゅうせい）といいます。
無謬性の大きな問題は、過去の間違っていたことでも、間違いがないということになるので、間違っていることを前提として次の対策を打つことになり、間違いがどんどん膨らんでいくことです。
バブル後の長期のデフレは、官僚の無謬性の最たるものと言われています。
テレビドラマでこのようなことをテーマにしていますが、少し誇張していますが実際にあることです。
新卒入社が多い古い会社でおきる一番の問題の「まとめ」
問題であることを問題と言えなくなる
理由は以下の3点です。
・現経営陣の批判となる
・成功体験の呪縛
・気概がある人ほどやめていく
このような組織になると、ほぼ変わることはできません。今このような会社や組織なら、別の会社に変わる準備をしましょう。
転職を考えるなら、知っておきたい 転職の知識（転職判断から入社まで）を参照ください。
また、転職・就職を決めているなら、このような組織に入らないように、企業研究をちゃんとやりましょう。
おススメの企業研究のやり方は、転職時の効率的かつ効果的な「企業研究」のやり方を参照下さい。
他にも以下の「良い会社の見分け方」を書いた記事があります。参照下さい。
- 「良い人事評価制度がある会社」
- 「人事評価のFB面談が長い会社」
- 「責任の所在」が明確な会社」
- 「営業力に頼らない会社」
- 「すべき」より「したい」が多い会社
- 「恐怖より危機感で人を動かす会社」
- 「上司ではなく、お客様に目を向けている会社」
- 「変わり慣れている会社」
- 「結果よりもプロセスを求める会社」
- 「雑談が多い会社」
- 「単純作業のマニュアルがある会社」
- 「エクセルが使える人が多い会社」
- 「定量・定性分析を両方行う会社」
- 「取締役の構成を見る」
- 「展示会で直接に接してみる」
- 「良い上司かどうかの見分け方」
新卒入社が多く古い会社の典型であるフジテレビについて、noteで記事にしています。参照下さい。
フジテレビ以外も含めてテレビのキー局をまとめてnoteで記事にしています。参照下さい。
ビジネスの知識を増やすには、本を読むことがおススメです。
失敗しない本選びのために、何回も読んだおススメ本を紹介しています。参照下さい。
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（詳細は、Kindle端末の選び方とおススメをわかりやすく紹介を参照）
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記事を用語から探したいなら、以下を参照下さい。
