皆さんの会社は人事異動や担当変更が多いですか?
半年ごとに定期異動や担当替えがあり、2年にわたって同じ仕事をしている人が少なければ人事異動が多い会社と言えます。
適切な目的(後述)に基づいた人事異動を行う会社、という前提はありますが、異動の多い環境は、自身の成長にとって非常に価値あるものになります。
一見、異動は大変そうですが、その日々の積み重ねは、後から振り返った時に「大きな成長実感」へと変わるはずです。
この記事ではなぜ異動が多い会社が良い会社かをわかりやすく解説します。
この記事は、筆者「よしつ」が持つ以下の実務経験や知見に基づいて執筆しています。
・営業担当から執行役員での実務経験
・企業文化の異なる5社での実践経験
・数百名規模のチームマネジメント経験
・数千社におよぶ顧客への営業経験
・100回以上の研修・勉強会での講師経験
ちなみに私の異動経験・担当変更経験はとても多く、A4の職務経歴書1Pでは紹介できない位です。
(あわせて読みたい【会社の環境】良い会社の特徴)
「人事異動が多い」会社が成長できる会社である理由
「人事異動が多い」会社が成長できる良い会社であるのは、以下3つの理由からです。
・学ぶ機会が増える
・変化に慣れる
・時間軸が短くなる
ただ、これらは成長を求める場合です。成長を求めないのであれば、異動の負荷はとても重くなりますので、おススメしません。
ただ、少しでも成長したいと考えるなら、自分で無理して頑張らなくても、結果として成長できる環境に身を置くことで上記3つを獲得してほしいと考えます。
本来はやりたいことがあり、そこに向けて成長していければ最高です。
しかし、20代のうちから「本当にやりたいこと」が明確な人は、そう多くありません。
異動の多い環境は、いわばキャリアの「基礎体力」を養う期間です。
この期間に成長の土台を築いておくことで、将来やりたいことが見つかった時に、誰よりも有利なポジションからスタートを切れるのです。
まずは人事異動の目的及び、異動が多いと専門性を得ることができないという懸案を解説した後に、この3つの理由を詳しく解説します。
人事異動の目的とは?
・最適な人員配置
・働く人の成長
・上記2つを同時に実現
上記が人事異動の目的です。それぞれを解説します。
最適な人員配置
戦略を実行するためには、適切な人員配置が必要になります。
良い計画があっても、計画を実行できなければ何も生み出さないからです。
また、事業環境は刻々と変わり、退職者も一定数発生します。これらに合わせた戦略及び人員配置の変更が必要になり、人事異動がおこなわれます。
働く人の成長のためには?
全ての会社にとって、従業員の成長はとても大きなテーマです。
そのために、従業員が成長できる環境を提供し続ける必要があります。
成長のためには、様々な経験を積むことが必要となりますので、後述する理由で配属先を変える人事異動が必要になります。
同時に実現する
組織の都合だけでなく、働く人の都合だけでもなく、両方を同時に実現することが人事異動の最重要ポイントです。
組織の都合を優先すれば、働く人の成長が阻害されるだけでなく、働く意欲も削いでしまいます。
また、働く人を優先すれば組織の最適配置ができずに、組織が弱体化します。
したがって、両方同時に実現できることが必要で、この二律背反問題を解くことが会社にとっては最重要課題になります。
(詳しくは、人事異動の2つの目的をわかりやすく解説を参照)
ただ、この二律背反問題に目を背ける会社も多いのが現実です。
個人でなく、会社組織の課題を優先する会社であれば、皆さんが成長できる環境を提供しない会社だと判断できます。
この判断方法は、「この異動でどう成長できるのか」の上司の説明で判別できます。
変わることへの拒否感から納得度は得にくい場合が多いですが、そもそも言及がなければ会社都合です。
言及があった場合はどこまで上長が真剣に考えているかで判断しましょう。
もちろん、時にはいわゆる「上司ガチャ」「配属ガチャ」に外れたと感じることもあるでしょう。
残念ながら、会社や上司を自分で選ぶことはできません。
だからこそ、その環境でどう動くか、あるいは環境そのものを変える(転職する)のか、冷静にキャリアを見つめ直す視点が求められます。
専門性を得ることができない?
専門性の定義による
異動が多い会社は、専門性を得ることができないと感じる方も多いと思います。
本当の意味での専門性を持つスペシャリストを目指している場合は確かにその通りです。
しかし、本当の意味での専門職であるスペシャリストを目指している人はどれ位いるでしょうか?
会社にはリーダー・マネジャー・一般職と言われるジェネラリストと、専門職と言われるスペシャリストに分けることができます。
一般職の扱いがジェネラリストに入っていることが、不思議に思う人もいるでしょう。
ただ、社外でも通用するほどの専門性持ちたいとまでは考えていない、または、リーダー・マネジャーになることを少しでも視野に入れる立場であれば、ジェネラリストといえます。
このように考えると本当の意味での専門職であるスペシャリストは従業員の中のほんの一部なので、人事異動がデメリットとなる人はそれほど多くはないと言えます。
もちろん、「まずは営業のプロとして認められたい」といった目標は非常に大切です。
しかし、長いキャリアを考えた時、提案したいのが『スキルの掛け合わせ』で自分の価値を高めるという考え方です。
例えば「営業スキル × マネジメントスキル」のように、複数の強みを組み合わせることで、誰にも真似できない「あなた独自の専門性」が生まれるのです。
前置きが長くなりましたが、成長できる3つの理由を詳しく解説します。
学ぶ機会が増える
・自動化を減らせる
・強制的に学ぶ機会がある
この2つで学ぶ機会が増えます。
異動がなくても自分で学ぶことができる一部の人を除けば、私を含む多くの人は環境に左右されますので、外的環境が大事な要素となります。
それぞれを解説します。
自動化を減らせる
仕事に慣れてくると、頭を使わずに経験値を使って仕事ができるようになります。まさに自動化です。
仕事ができるようになる要素なので、とても良い事ですが、デメリットもあります。
日々の業務がこの自動化で対応することで、日々の業務で学ぶことが減ってしまうことです。
(詳細は、仕事で環境を変えるベストなタイミングとは?を参照下さい)
強制的に学ぶ必要がある
異動すると、新しい知識やスキルが必須になります。
「知らなかった」では済まされない環境が、あなたの知識を高速でアップデートしてくれるのです。
変化に慣れる
・変わることに耐性ができる
・抽象化ができる
ある意味強制的に異動という変化を多く経験すると、上記2つのことを得ることができます。
それぞれ解説します。
変わることに耐性ができる
人は変化を嫌う生き物です。程度の差はありますが、誰もが持っている特性です。
ただ、社会の環境は常に変化していきます。この変化に対応するためには、自分自身が変化しないといけません。
ただ、変化に慣れていないと簡単には変わることができませんが、変化を多く体験していると、変化することに慣れることができます。
確かに、人は変化を嫌うので、変化が嬉しいというところまでいけるかどうかは人によりますが、少なくとも変化を少ししか体験してない人よりも、耐性を上げることができます。
抽象化ができる
変化に慣れると、知識やノウハウの抽象化ができます。
人は同じ環境にいると、抽象化しなくても業務の具体的な内容を知っているので対応できます。
ただ、人は環境が変わっても、今まで得たことをうまく活用できる優れた能力を持っています。
1から学び直すのではなく、抽象化という方法を使えるからです。
異動直後に結構芯を突いた質問をしたり、いきなりベテランのように行動ができる人を見たことがないでしょうか?
このような人は、過去の経験から「成功の法則」を抽出し、未知の課題に応用する「抽象化」のスキルが身についているのです。
逆にいれば、抽象化できてないということは、1から学び直す必要があり、今までの経験が活かせません。
時間軸が短くなる
・すぐに結果を出す行動になる
・楽せず頑張る
異動までの期間が短いとわかっていると、自然と上記2点がおこなわれます。
それぞれ解説します。
すぐに結果を出す行動になる
5年は今の仕事を担当すると思って業務に取り組む場合と、1~2年の限られた時間で異動すると思って仕事をする場合では、当然後者の方が短期間で物事を進めようとします。
早く進めないと、何もできずに終わってしまうからです。
人はそんな真面目じゃないと思う人もいると思いますが、人はそのような行動を取るのです。
楽ができない
同じことを長期間ではなく、短期間でおこなおうとすると楽ができません。
上記でも述べた通り、人は環境により行動を変えるからです。
常に適度な緊張感が保たれ、一日一日の業務密度が格段に濃くなります。
「人事異動が多い」会社は成長できる良い会社の「まとめ」
人事異動が多い環境で働くと、意識・無意識に関係なく、同じ時間の中で成長スピードが大きく変わります。
一見、異動が多いと大変そうですが、これらの日々の積み重ねが、後程振り返ると大きく成長できている要因になります。
理由は、以下3つです。
・学ぶ機会が増える
・変化に慣れる
・時間軸が短くなる
もしあなたが今、キャリアに悩み、さらなる成長を望んでいるなら、あえて「異動の多い環境」に挑戦してみるのも一つの有効な選択肢です。
そこで得られる多様な経験とタフな精神力は、将来あなたの「やりたいこと」が見つかった時、誰よりも高く飛ぶための強力なジャンプ台となるはずです。
他にも「良い会社の見分け方」で以下の記事を書いています。参照下さい。
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まずは、以下の記事を参照下さい。
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